2025年07月03日

# BACKHOME MEAL&BAKE [大阪・昭和町] の包無波我




 大阪シリーズもこれでラストです。最後が一番"難敵"と言うか、一筋縄ではゆかぬ店……BACKHOME MEAL&BAKE(バックホーム ミール&ベイク)。5月に埼玉で開催された「羽生バーガーフェス」に出ていたお店です。

 場所は埼玉・羽生から500km以上離れた大阪市阿倍野区昭和町。地下鉄御堂筋線の駅なので、まぁまぁメジャーな場所です。あべのハルカスでおなじみの天王寺のひとつ先、セレッソ大阪のホームスタジアムでおなじみの長居の二つ手前。昨今"ローカルな飲食店"が充実しつつあるエリアとの地元情報。


 聞いた話を総合すると、店主の岡田さんは「Baker Bounce」渡邉さんの"一番の愛弟子"と言ってよい人物です。ベーカー渡邉さんについてはこちらの記事を。その渡邉さんの生き様に誰よりも心酔し、そのスタイルを素直に受け入れ・受け継いだのが岡田さんと。

 国内のハンバーガーを食べ歩いた末に「自分が納得出来るのはベーカーバウンスだけ」と、東京は三軒茶屋の超名門で働くことを決めた岡田さん。ベーカーには8年。退職後もボス・渡邉さんのもとへ足繁く通い、傍ら、開業資金を貯めて、2020年11月27日にバックホームをオープンしました。


 思うような店が出来そうになく、苦戦していたところへ、感性の合う内装屋と運よく出合い、岡田さんも自ら作業して造り上げた50'sスタイルの店内には「ベーカーバウンス 東京ミッドタウン店」で使われていた椅子と机が。趣のあるよく出来た店ですが、但し「デクスターダイナー」と同じく、徐々に手狭になりつつあるようで、そこはどうにか克服して欲しいところ。


 パティの作り方は古巣仕込み。USビーフのラウンド(モモ肉)をメインに、オージーのモモ肉もプラスして、ともに手切りにしたチョップ肉100%、挽肉なし・牛脂なしのサイズ180gパティを炭火でグリル。炭台は米国「SMOKE HOLLOW」社製。

 バンズも自家製……これはベーカーではやっていなかったこと。ハンバーガーは「ホームバーガー」と「チーズバーガー」の実は2品しかレギュラーメニューがなく、「アボカドチーズ」「チリ」などは不定期メニュー。そんな中、昨年2月より始めた平日限定の新メニューが漢字四文字……包無波我(ハンバーガー)¥1,650(税込)。


 ハンバーガーを主菜兼「ご飯」として据えた"一汁三菜"がお膳に乗るセットメニュー。この"珍品"について岡田さんは、「ハンバーガーを食べていてどこか不完全燃焼、物足りない」⇒「西洋の食事は食べ方が『一方向』過ぎるのが原因」⇒対して「日本の食事には『間(ま)』がある、余白がある」⇒そこで「ごはん→おかず→味噌汁→漬け物……といった『三角食べ』の発想を取り入れた」ものであると。主菜と副菜の間を行ったり来たりすることで、いわゆる「口中調味」が自然と為される仕組みですね。

 なお、椀の位置が左奥なのは"大阪"の置き方です。さすが大阪生まれの岡田さん。


 朱色の盆や箸、箸置き、お椀やお皿などはこのセットのために買い揃えたもの。バーガーに刺さる串は「かんざし」。ホンモノです。バーガーは炭火焼き180gパティに自家製バンズ。ヒール(下バンズ)に自家製ケチャップで玉ねぎ、ピクルス、セロリを和えたもの。これらがバーガーの前面に来て、後ろ半分には刻み生姜、大葉、いぶりがっこ、塩もみ白菜。パティの上には炙った玉ねぎのスライス、トマト、アイオリと和えた水菜、ゆずの塩漬け、さらに「テリヤキっぽい醤油ベースのソース」が上から。


 感想……まずは炭火のコゲの香りが「プン!」と。バンズはやや硬め。でも、スッキリと口に入る。序盤は水菜と和えたアイオリソースがリード。食べ進むと奥の方で何やら甘い味がし、それとともに「コリコリ」「バチバチ」とした漬け物やらの食感。途中で大葉も登場。これらパティの下の"薬味"は「白飯」との相性をイメージして選んだものと。その全ての味が全て有効に働いているとは言わぬが、一部は確かに感じられて、甘くもあり、酸味もあり、スッと抜ける味もあり、何だかわからぬ"混沌"が主菜であり、白いご飯にも見立てたバーガーの中で展開。


 そこへ啜る椀物……これが美味。鰹だしをとって、三つ葉を浮かべた「かき玉汁」で、これとバーガーとの往復は、今まで経験したことのない、口当たりやさしくも奥行きのある旨味と味わい。新境地。さらに副菜の「牛すじ」にプラス280円した「牛すじエッグ」は卵2個を使い、大阪らしく上に青ネギ。ちょい甘い味付けに脂身が「ぷるん」として、〆は牛の"旨味"。これを食事後半に「味変」で投入すると、アイオリのニンニクと合わさり、「ね〜っとり」としたおいしさに。


 衣を付けて揚げた自家製ポテトは、こちらも「しっとり」としたイモ感。注文のたびにドリップするコーヒー¥400(税込)もおいしくないワケがなし。どれも手間と暇のかかる仕事ばかり。1,650円は安過ぎ。私なら三千円出しますよ。

 食後、何より感じるのは「満ち足りた」思い。すなわち「満足」。すごく「満たされた」感じにさせられるのは、岡田さんのねらい通りでしょうか。中でも「かき玉汁」が存在大。今まで味わったことのない感覚へ誘ってくれる一杯。熱いほうじ茶とかもきっといいよね。

§ §


 そんな風変わりなセンスの持ち主・岡田さんがインスタグラムなどで「道」について語っています。私も聞きました。「道」とは何か……ハンバーガーやアメリカンとはおよそ"かけ離れ"た、観念的で、彼の精神世界を垣間見るような話でもありますが、その彼が語るストーリーをウンと単純化させて、意訳すると、大体こんな感じです……。

・退職後も頻繁にベーカーへ行き、手伝いをする中で「もう一度焼き場に立たせてやるよ」と、ボスこと渡邉さんから言われたことあり
・その時に焼き場から見た「景色」が何とも言えぬものだった
・それを見たら「何にも要らない」というような"恍惚"とした景色
・その感覚のまま以来ずっとやって来た
・自分が見たその景色を次世代に伝えることが「道」である


すなわち「道」とは伝えること。教えること。変わり者のようでいて、実はかなり真っ当なお店です(笑)。包無波我は平日のみ。今は夏仕様の「包無波我 涼」販売中。↓こんなことも岡田さん言ってます……。

 カタチを繕うよりも「伝えよう」の気持ちがカタチになるのがハンバーガーである。




# 第2回 羽生バーガーフェス〜BACKHOME MEAL&BAKE [大阪・阿倍野] の羽生チリバーガー

― shop data ―
所在地: 大阪府大阪市阿倍野区昭和町2-3-15
     大阪メトロ御堂筋線 昭和町駅歩6分 地図
TEL: 070-4535-0577
アカウント: https://www.instagram.com/backhome1127/
オープン: 2020年11月27日
営業時間: 11:00〜14:30
定休日: 不定休(事前告知、要確認)

2025.7.3 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 21:06| 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする