パーク ハイアット 東京
ジランドール
●空中散歩
新春恒例、元日のホテルでハンバーガー。今年も年始の挨拶を滞りなく終え、向かうは新御三家(最早死語? でも「ホテル 新御三家」で検索して4,140件がヒット――YAHOO!調べ)の一つ、パークハイアット東京。ちょちょいと新宿まで。
いや〜新年早々、胸の透くような眺めなのである! 特に41階、左右に書架の配された通路の続くその先は――空なのですよ!! しかも正月一日、穏やかな午後の日の、白くパーッと輝くさわやかな冬の青空――52階のニューヨークグリルもそうですが、何と言うか――空中散歩? しかもただの「ハイ! 高い高〜い!」ではなくて、三方を囲むはグッとオトナでエレガントなこのインテリアですよ! 通路脇に置かれたソファの一角を占めて、地上41階のこの眺望を背にの〜んびりおしゃべりして過ごすのなんて、実にモォ素敵です! きわめてアーバンリラクゼーション! これぞ極上のひととき!!
前にも書きましたが、こんな冬の日の空中散歩にはジャコ・パストリアスの“3 Views of A Secret”がオススメ。ラヴ・アンリミテッド・オーケストラの「愛のテーマ」でもフィフス・ディメンションの“Up, Up & Away”でもイイ。ランディ・クロフォードの“One Day I'll Fly Away”もイイ。とにかくオトナに優雅にジェットストリーム系で。
●バーンズ
ジランドールは41階。「天井までの高い壁を埋め尽くした144枚のモノクロ写真」とはつまり、ブルーノート東京のエントランスのような感じでして、写真は仏の写真家ベラ・マーサー女史の作。その高天井の下、ダークオレンジのフロアの上に白いクロスを掛けたテーブルが整然と並ぶオープンな空間は、朝は7時から夜11時まで、まさにコンビニエントな使い勝手を誇る、文字通りのオールデイダイニング。
アラカルトのセサミバーンズのビーフチーズバーガー¥1,700(サ別)、英語表記には"grilled beef burger with cheddar cheese"と「セサミ」とは一言も出て来ないのだけど、それよりなぜ「バーンズ」と伸ばすのか? いや、そんなことより「バーンズ」と聴いて「アルヴァマー序曲」が思い浮かんだ人! 手を挙げなさい。
そのタイトルどおり、バンズは上から下まで白ゴマがいっぱい。香ばしさと言うより、プチプチ・つぶつぶとした軽快な食感を終始発揮していて、「乗せ物」以上の存在感あり、美味。生地はてっぺんを押さえるとクーッと沈んで、またフクフクと戻るやわらかさ。弾力でなく、クッションみたいな感じ? 裏はサックリ焼いてある。口にすると舌の上に乗っかる瞬間に上品な甘〜い味がフッとするんだよねぇ。
中はチェダーチーズが2枚、パティを挟むように上下にあり、さらに下に薄味のピクルス3、4枚、レッドオニ、鮮烈な赤を誇るトマト×2、レタス、下バンにバター。
●パティが絶品
どこかなぁロースかなぁ。疑いなくステーキにして食べるような部位。この脂の具合、熟成の具合、旨味、やわらかさ、焼き加減――どれをとっても非の打ち所なし。とにかく滋味! 滋味! 黒胡椒以外、ソースや調味料は特にかかっていないのだけれど、本当に肉の味だけでじ〜っくりとバーガー1個いけててしまう旨さ。
ピクルスの、控え目にしんみりと塩味を効かせた名脇役ぶり。辛さを抜いたレッドオニオンの適度な刺激。ただトマトは彩り鮮やかなれど、ややグズッとやわらか過ぎてすぐ崩れてしまい、隊形の維持という点ではマイナス。でもそのグズグズと崩れる感じが結果的にノド越しを良いものにして、バーガー全体がスーッとノドの奥に落ちてゆくのにプラスに作用していた。付け合せは、一般的なシューストリングカットのフレンチフライに、フレッシュトマトのイタリアンバジルソース。お供にカフェオレ¥950。食後のお代わりにはクッキー付き。ちょっぴりジンジャーが入っていて、後口良好!
市井のように袋など付いてきません。最近ホテルでワザと手を汚しながら食べるのが、一種快感のようになってきている私――スヌーピーでいうピッグペン的心理。なにぶん水分過多のため、例によっての政権崩壊。と言うか、あまりに無防備な気がする――水分に対して。あらかじめレモンを浮かべたフィンガーボウルが用意されてはいるのだが、でもそんなもんで収まるベトベトさではありません。後半はノコギリ刃のナイフとフォークが助さん格さん。でも崩して食べてもおいしいものはおいしいワ。コレはコレという解釈で。
食後、オニオンやピクルスの抑えた刺激はキレイに消えて、見事に肉の余韻だけが後口に残る。ちょっと残り過ぎな気もするが、このたまらぬ旨みはさすが場所柄、また食べたくさせる魅惑のお味。BGMはいまどきなジャズヴォーカルが、ときにスタイリッシュに、ときにエキゾティックに。
§ §
「世界で10番目、アジア地域では初めての「パーク ハイアット」ホテルとして、1994年7月西新宿に開業」して、以来13年。特に今年は、東京を中心に外資系ホテルが大挙進出する「2007年問題」として、その激戦が予想される年ではあるけれど、しかし外資系ラグジュアリホテルの先駆的存在として、さすがその佇まいには唸らせられるものがあります。ちなみに――ホテル名の由来が「新宿中央公園の隣にあるからパークハイアット」だと思っていた私は、新年早々相当なお粗末クンで御座います。そんなマツ、飾りにもなりませんナ!
本年もどうぞ宜しく――。
2007.1.7 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 00:36
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