2006年08月21日

# 146 AUNTY-MEE burger [滋賀・大津]




 いよいよ問題児の登場だ。これまで6店、今回の旅の成果を渾身の力を注いで←ウソ。真夏の体力の落ち切ったさ中、息も絶え絶えどーにか書き連ねてきたが、その間も「アンティーミーどうしよ……」と、コノ店をどう書くかということが常に頭から離れなかった。それくらい始終悩んでいたのである。悩んだ末、コノお店にはやはり真っ向から当たるのが正解ではないかと、今はそう心を決め、以下臨むことにした。

 京阪石山坂本線南滋賀滋賀里の間。JR湖西線西大津でも良いのだが、そちらの方が少し歩く模様。ホントいい場所に在る。湖畔とまではゆかぬが、叡山の裾野が湖に向かって落ちてゆく傾斜の途中に在って、道を挟んだ向かいは緑鮮やかな田んぼ。

 この一帯、古来稲作地帯として知られるが、近年は宅地化が進み、初め「田んぼの中に住宅」だったのが、一部逆転して「住宅の間に田んぼ」、それもエラク本気な水田が家と家の間を埋めるという、一風変わった光景が目にされる。

 緑まばゆい水田を目の前に黄色いキッチンカーと、その上を囲うように納屋のような、或いは野菜直売所のような小屋が建っている。コレこそアンティーミーバーガーこの小屋、全部ご主人の手造り。農家である父上の畑の一角を借りて建てた。なので小屋の裏には大豆が植わっている。

 元々正面全開な小屋なのだが、季節柄、二方の窓も開け放てば(残る一方は車)、こんな真夏の昼下がりでも水田を渡る涼し〜い風が小屋の中をすり抜けて気持ちイイ〜ったら! シリシリ鳴く蝉の声にキッチンカーから洩れるジュージュー鉄板の音……そうキャンプに来たような気分。小屋には大きなテーブルひとつ。相席で座ったお客さん同士自然と会話の始まる、実に和やいだスローな空気だ。

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2006年08月20日

# 145 EBISU BURGER [兵庫・甲子園]



 8月6日――夏の全国高校野球大会の開幕日。阪神電車甲子園駅に降りると予想通りの人出である。第3試合、大会きっての好カード(てか、いきなり当るとは……もうちょっと大会的盛り上がりというものを考慮に入れられぬモンかね)横浜−大阪桐蔭戦が、夕闇迫る甲子園球場で熱く繰り広げられているのを尻目に、そのお隣、かつて甲子園パークだった敷地跡にできたららぽーと甲子園へと足を向けた。

 ららぽーと甲子園――2階建ての建物が船橋同様、延々ヨコに長く延び、専門店街の果ての果てにヨーカドー。これくらい長いと何か乗り物が欲しくなる。確かに長大ではあったが、造りはイマドキの手軽い感じ。曲がりくねった建物の中ほどに在るフードコートガーテンパーティーの中にエビスバーガー。

 このフードコートもまた広大で、丸テーブルを赤と白の籐椅子で囲む姿はよく言えばリゾートホテルのロビー的趣き。窓が大きくとってあり、明るく開放的な感じが心地好さそうなのだが、しかし所詮はフードコートであることを忘れてはならない。BGMはダンスにブラック。でこの夏場、18時からはフードコートがビアホールに早変わり!ビアホール甲子園と称し……と言っても、別にビール各社が何かを競うワケではない。この場合、純粋に地名を表しているだけであり、そう考えると「甲子園」という言葉には、いつしか「競い合う」という意味が込められるようになったのだと、大会初日にしてそんなことを思ったものだ。

 さてエビスバーガー。2004年11月オープン。「「グルメ・バーガーの品質をファースト・フードに」をモットーに、日本初の「グルメ・ファースト・バーガー」を皆様に提供していきたい」がコンセプト。これは……要は1店舗きりのお店が手間隙かけてコストかけて作り上げることなら出来るが、それを全国チェーンの規模に遍く落とし込もうとすると、商品イメージより大きくレベルダウン&スケールダウンしたものしか出来ず、うまく行かないという、大手が試みて悉く失敗している極めて難しい線に挑もう――ということである。

 大手の場合、ソースなどは工場で作ったものをそのまま使うので化学調味料的ニオイが抜けず、どう足掻いても作り込まれた感じの貧弱なスケールを脱け出せない。とみに最近私は外食の際、この「パッケージ感」とも呼ぶべきものがすごく気になっていて、如何に店構えがオシャレで居心地の好い店に入ろうとも、二次加工的なものが出て来るとヒドク損した気にさせられるのである。

 まぁしかしそれも大手ゆえと割り切ろう。エビスバーガーはまだ1店だけだから、将来の展開を見据えつつも割りと制約なく、好きにメニューを考えられる自由が残されている。ちなみにエベッさんがやろうとしているのは「グルメバーガーの低価格化」であり、その点上に挙げた「ファストフードの背伸び」の例とは決定的に違うのだが、しかし食べる側からすれば下が上を見ようが上が下を見ようが、どっちにせよ同じことなので、ま、同じと。

 黒地に金文字でEB……エディバウアーじゃないよ。店舗からメニューのデザインからプロフェッショナルがきっちり考えてデザインした風で、その気になればいつでも2店目3店目と展開させてゆけそうな、整った感じがある。現在最もチェーン展開に近そうなバーガーショップだ。そもそも「エビスバーガー」という名前自体、美味しそうな響きを持っている。トレードカラーは悉く。黒い帽子に白いシャツというユニフォーム姿も締まって見える。バーガー類10種、殆どが300円台。そのうち牛肉のパティを使っているのは僅か3種。注文するとフードコートの定番、ブザーが渡される。

 エビスバーガー\390、お供にアイスカフェラテ\290。バンズは上も下も白ゴマだらけ。エリックス似……と思ったら、あちらはケシの実。裏コゲ目。中はマヨ、レタ、トマ、チー、パティ、ケチャ、下バン。パティはゆるめ、そして甘辛い。いや、全体に調味料の甘辛さばかりが先に立って、トマト、チーズ、レタスの味が活きてこない。これだけ味が強いと人の好みも如実に別れるだろう。ファストフードというからにはある程度普遍的な味付けが要求されると思うのだが、今のままだと個性や好みを完全に越えてしまっている。

 ゴッドの社長も言う通り、美味しいバーガーは味付け云々よりまず素材の善し悪しで決まる。低価格に抑えた時点で自然その辺も「それなり」になるワケで、では素材の良さで勝負できないとなれば、次は味付け勝負。あらゆる食材の味を全てぶっ飛ばしてしまうくらい強烈な味を付けてしまえば、注意はそっちに向いて個々の素材の弱さは紛れる。カレーが良い例。

 しかし近年ブームのグルメバーガー(という言葉は私は嫌いなのだが)は、ひとつひとつ優れた質の食材を、しかもバランスよく組み上げて初めて成立する――といったものであって、決して強引なソース使いで片を付けてしまうような乱暴な食べ物ではない。なのでソース一発で「グルメ」とは名乗り難いだろう。ないしはパティならパティと、どこか一点に集中する勝負の仕方か……。

 何にせよお店のカラー同様、もう少しシャープに狙いを絞り込んで行った方が良い気はする。あと、メニューの写真と実際の具材の乗せ方の順番が明らかに違っているというのもどうかと……。

§ §

 ところでエビスバーガーの名前、日本のえびす信仰発祥の地、西宮に1号店がオープンしたことから付けられている……とサイトにはあるのだけれど、経営者である有限会社ウィンウィンアソシエイツは本社所在地東京都渋谷区恵比寿……むしろそっち?他にも恵比寿に「オープニングカフェ」、汐留に「ジャパニーズベントー」を直営しており、実は東京――なお店なのでありました。

2006.8.20 Y.M

エビス・バーガー ハンバーガー / 鳴尾駅甲子園駅
夜総合点★★★★ 4.0
昼総合点★★★★ 4.0


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2006年08月19日

# 144 ピープル 加古川店 [兵庫・加古川]




●導入――上総大多喜(かずさおおたき)

 房総半島、いすみ鉄道大多喜(おおたき)駅の駅前にハンバーガーを置いている店を見つけたことがある。たこ焼き屋の様な駄菓子屋の様な店で、2階は居酒屋の様な。その日店はやっていたが、しかしバーガーは食べ損ねた――お店を守るママさんが何かと理由をつけて作ってくれなかったのである(作れないのでは――とは友人の見解)。

 帰宅後、諦め悪くネットで調べたら、問題の店の代わりに「マックスバーガー」という名のバーガーショップの情報を見つけた――アレ? マックスコーヒーも千葉だっけ? 同じく房総の南端、館山にかつてあったバーガー店だが「マクドナルドやロッテリアのオープンにともない店を閉めざるを得なかった」。で、そんなマックスバーガーの思い出を引き合いに、ご当地バーガーの鑑としてそのページで語られていたのが、播州加古川にあるコノ店だった――このページを見つけなければ行くことはなかったろう、多謝!



大多喜駅前の某店


●寺家町(じけまち)

 この日加古川は花火大会。駅前にはロックフェスティバルでもあるんじゃないかというほどの大量の鉄柵が昼間のうちから運び込まれて何だか物々しいが、商店街ベルデモールに入れば、歴史ある街らしいのんびりした風が吹いて、36度の猛暑も心なし薄らいで感じられる。国道2号線に当る手前で折れて、寺家町(じけまち)商店街のアーケードの下を行けば、店までの行程のほぼ7割を直射日光に美肌を晒さず進むことができる――紫外線は天敵ですから。問題の県道18号に行き当たったところで2号線の方を向くと、右手前方に日に焼けた赤いテント屋根を捕えることができる。

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2006年08月16日

# 143 キッチンかたおか [広島・呉]




 近年、戦艦大和の母港として脚光を浴びている。東京では「レ」と前にアクセントを置くが、後ろが上がる「ク」が正調。呉の街はなにしろ造りが大きくて、地図で見るのと歩くのとでは大違い。もっと手のひらサイズのコンパクトな街を想像していたら、区画区画のいちいちが大きく、歩道も驚くほど広い。大通りが緑濃い夏の山々に向かって道幅を狭めてゆく姿はダイナミックですらある。高い山、そして穏やかな海――典型的な瀬戸内の風景だ。

 通りからさらに細い通路を入った奥に在る、スナックのような立地の洋食屋さん。予備知識無く行ったら気付きさえしないかも知れない。ところが昨年'05年2月、この佐世保バーガーを復活させてからというもの、予約完売・売切御免の日々が続いている。

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2006年08月13日

# 142 ゴッドバーガー [広島]



 山陽本線、広島駅の隣――横川(よこがわ)駅。この横川を起点にJR可部(かべ)という支線が分かれている。


●横川

 つい数年前までは三段峡が終点だったのが、今は可部より向こうは廃線になってしまった。ちなみに可部線の起点は横川であるが、列車はすべて広島駅始発となっている。広電も乗り入れる横川駅は、ちょっとレトロを漂わせた大きな緑色のアーケードが不必要なまでに立派で、全く予備知識無く行った私は「なんでこんなに……?」とつい云われなどキョロキョロと探してしまった。


 その立派な駅から徒歩約1分、横川に30年続くハンバーガーショップがこのゴッドバーガーである。見た目は中華料理屋風とも言ってよい緑のスレート屋根の店舗で、入ると少し古風な喫茶店風(最近改装とのこと)。白壁に掛かるルノワールのジグソーパズルにクラシックのBGMは、それを意識したものと思ってよいだろうか。この日は土曜だったこともあり、午前中からお客さん多数。

 ハンバーガーショップに歴史アリ。その歴史について触れることは即ち、社長である神川氏の履歴を辿るのに等しい。聴けば実に興味深いハンバーガー人生を歩んでこられた方である。その辺りについて少し書いてみようと思う。


●ガリバー

 まずパン屋の息子だった――この時点で既に運命づけられていたように思う。

 小学生の頃には、名字からとったガリバー(god + river)なるレストランをやろうと夢見ていたが、決まっていたのは名前だけで、具体的にどんな料理を出すかまではイメージに無かった――ミュージシャンを目指す少年が、デビューアルバムのタイトルだけ決めているのと同じノリ。で、パン屋の息子なので、長じて東京は麹町のキムラヤに修行に出たが、あまりの厳しさに夜逃げ(←社長ご本人の言葉です)。

 大学に進学。4年のとき、マクドナルドが日本にちょうど上陸するかしないかの頃で(日本1号店オープン'71年7月)、このニュースに触れてひらめいた――そうだ!ハンバーガーだ!ついにガリバーで出すべきメニューが決まったわけである。

 でマックへの就職を志望。この社長の凄いのは、まだ海外旅行などする人の殆ど居なかったであろう当時、グレイハウンドに揺られて西から東、また西へと夏休みにアメリカ横断旅行をしてのけたことである。


●モスバーガー広島店

 マックには3年弱。辞めて次になったのがなんと!モスバーガー第30号店・広島店のオーナーだった。モスは'72年3月に東京の成増(なります)に実験店オープン。当時は自転車操業の真っ只中、マニュアルなんてモノは無く、創業者自ら材料の発注をかけるテンヤワンヤな時期だったという。

 '74年7月19日、モスバーガー広島店オープン。ところが1年ちょっとでコレも辞めてしまう。そんなに簡単にFCから抜けられるのかとも思うが、少年時代よりレストラン経営を夢見ていたパン屋の息子は「今こそ」と独立開業を決意。'75年11月1日、ついにゴッドバーガーが誕生する。

 場所はモス広島店の所在地に同じ。つまりゴッドバーガーは最初モスバーガーだったのである。温めていた「ガリバー」という店名は既に他の人によって商標登録されてしまっており、使えず。代わりに名字より1字だけとり「ゴッドバーガー」とした――またとないネーミングだと思う。



現在のゴッドバーガー(2006.8.5撮影)

 しかしマック、モスと2大バーガー店に勤めたからとて、すぐさま自分の店が始められるわけではない。パティにせよソースにせよ、現場に送られて来るのはすべて調理済みの材料であって、言わばこれらは元となるレシピのコピーである。コピーの原本は隠されている。まして経営学を学んでこの道に入った社長には、現場の実際の作り方などさっぱり解らない。そこで今度は兄の支援。兄の友人が営むレストランに料理の基礎を習いに行った。



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2006年08月12日

# 141 RACCOS BURGER [岡山]



●備前岡山

 67万都市、岡山。城下町の町割りが今も効いていて、街は整然として明るい。特に市電が走る桃太郎大通りは、まさしく桃から生まれた桃太郎の桃が如く、空に向かってパッカと大きく開けていて爽快だ。

 古い建物が多い。こんな古いビルまさか使ってないよね……という建物の2階の窓にぽっと明かりが灯っていて、階段の上り口にダイニングバーのメニューが出ていたりする。ところが昭和30〜40年代の建物を今なお使ったこうしたお店は、時代がちょうどひと巡りしてイマ見るとちょっとオシャレに映るのである。

 しかも最近の安っぽい造りの建築が街にさほど混ざり込んでいないので、建物それぞれの趣きを周囲のそうした無粋な建築によって邪魔されることなく、じっくりと味わうことができる。街としてはこれくらいがちょうど落ち着きがあってよいサイズなのではないだろうか。

 さらに不思議なことに、岡山には街の大きさのわりにカフェやバーが多い。格式や楽しみ方の異なる様々なバーが2時、3時までパラパラと開いているので、夜が更けても街はどこか明るく賑わっている。





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2006年08月09日

# 140 ボンハンバーガー [大阪・針中野]



 7月31日――朝起きて愕然とした。まるで高地に来たような涼しさ、9月のように気の抜けた風の淋しさ――こんなの夏じゃない!立っているだけでジリジリするような、あの灼熱の夏を求めて、西へ西へと旅に出ることにした。

 8月4日――大阪に降り立つ。と、熱く重たい空気が全身を包み込んで、蒸し上げるようなこの不快感……これぞ我が求めていた夏!水を得た"魚"のように大阪の夏を回遊した。


●針中野


 地上3階、異様に高い高架上を走る近鉄南大阪線の針中野駅。店は今里筋に面した、わりと車通りの多い場所にあるのだが、一本入れば路地裏・下町風情。玄関先に大きなビニールプールを出して、頭から潜って遊ぶ男の子3人。そしてそれを2軒隣の玄関先から椅子に座って見つめる1人――監視員かキミは。


 「来週の金曜、営業してますか?」「してる……とおもう」――この店の主と初めて(電話で)した会話はこんな感じだった。店を訪ねた当日の2時間に亘る会話もずっとこんな感じ。もっと憎めない感じの好好爺が、渾身の力を振り絞ってどうにか生業を続けている……そんなイメージをしていたのが大間違い。事業拡大を常に志す、意欲的で開豁(かいかつ)なただの大阪のおっちゃんやった。

 大阪のおっちゃんはなかなか凹まんでぇ。「ココは商売には(場所が)向かない」と言う。何処ゝならもっとイケんのになぁ――。なら場所変えたらいいんじゃないですか?と訊けば「いや、2階が自宅やねん……」大阪のおっちゃんの愚痴には必ず言い訳が用意されている。


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2005年05月28日

# 065 Bar Captain Kangaroo [大阪・北新地]



 大阪は新地の入口――梅田駅からヒルトンやらマルビルやらあるビル街の間を抜けて、2号線を渡るとすぐ目の前。JR東西線北新地駅が真下。コッチの方にはかつて一度も足を運んだことがなくて、どうも全国に知られた歓楽街らしい……という程度の認識しか持ち合わせない、私にとっては馴染みの薄い大阪である。

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2005年05月23日

# 064 Saucisses [名古屋・丸の内]



 「コメダ」は家の近くの関東2号店に行ったワケだが、今回の店はリアル名古屋! デラ名古屋!!

●久屋大通公園

 名古屋の道路は道幅がなにしろ広くて、初夏の日和を歩くにはとても気持ちが良い。テレビ塔の建つ久屋大通公園に面した店。

 と言っても南北2kmにわたる長い公園なので、これだけでは説明不足である。テレビ塔の北側、リバーパークと呼ばれるエリアが向かい。名古屋の中心部ではあるが、そこはやはり鉄則どおり、ど真ん中であるからはやや外れて、丸の内三丁目に位置(後日聞かされるに路駐スポットと)。駅で言うと地下鉄名城線・桜通線の久屋大通(ひさやおおどおり)駅が最寄。

●創業 1987年

 看板にはHOME MADE HOT DOG――今年'07年で20周年を迎える名古屋屈指の老舗ホットドッグ専門店である。先代店主はフリスビーの全日本チャンプで、世界大会出場のため渡米した折、スタジアムで出合ったホットドッグに――売り子が客に向かってドッグを投げるそう――強い衝撃を受けてオープンさせた。その後2代目店主・小林さんに引き継がれ、現在に至っている。

 ホットドッグと言うよりは渋目のビアパブな佇まいで、よく手入れされたこげ茶色の床板とイスの(現在は)がグッと落ち着いたシックな雰囲気。狭いキッチンを囲む棚やショーケースのガラスがひと際に印象的。

 その狭いキッチンの囲いの横を抜けるとテーブルが4席ほど置かれた、これまた狭いスペースに辿り着くのだが、ココがまた大変居心地が良くて、マガジンラックから好きな雑誌をまず1冊手に取り、適当な席に腰を落ち着ける――という一連の動きがココでは至極当たり前のことであるかのように、何人ものお客さんによって繰り返される――グッと落ち着く空間である。



●6種類の「リッチ」

 ホットドッグ10品、サンドイッチ7品、そしてバーガーは"大きく"7品。ベーシック¥378、チーズ¥399――この辺りにはトマトが入っていないので、6種類の組み合わせの中から中身をチョイスできるリッチ¥472からチーズ&トマトを。リッチに6通りの組み合わせがあるので、正確にはバーガー12品。ともかくバーガーメニューはいずれも500円上限説を厳守しているワケで、コノ辺りの使い勝手とコストパフォーマンスの高さは素晴しいの一語に尽きる。まぁ土地が土地、名古屋は日本一の喫茶店激戦地ですから。お供はアイスオーレ¥315。画像のとおり袋でキュッと縛ったようにして出て来て、実に食べやすい。

 バンズは洋食レストランで出るような、てっぺんにツノのある<テーブルロール系。濃い香りがする。以下順番に自信はないが、マスタード、ピクルス、チーズ、マヨネーズ、トマト、パティ、レタス、下バン。白いチーズはジャイアン……じゃなかった、ゴーダそしてやや滋味に欠けるパティ――マックのような細い繊維の集合体で、肉らしい迫力には乏しい。マスタードとピクルスの味の印象、そしてパティの質感……マック的テイストを基調にしたオールドファッションな味わい。

 この日体調がイマイチで、味覚・嗅覚が鈍っているであろうことを考慮して、2個目――リッチのチリ&チーズもいっておいた――なにせお値段お手ごろですから。こんなとき、アイスオーレがバーガー2個分に耐える量あるのがこの上ない幸せ。チリ&チーズはチリソースに締まりがあって、初めの組み合わせよりも美味しかった……なんてなコトを考えるうち、チリを使ったホットドッグチリサワー¥441辺りも食べたくなってきた。きっと美味しいに違いない。

§ §

 名古屋アレンジに走らず、本場アメリカの正統を貫く辺りが魅力。BGM――入ったときは品の良い70'sソウル/ブラックchだったが、スタッフが一名加わったタイミングで70'sロックchに変わった――どちらもシックな店内の雰囲気に上手く溶けて気持ち良かった(2007.4.10追記)。


# Saucisses [名古屋・丸の内] のリッチ――ベーコン&エッグ

― shop data ―
所在地: 愛知県名古屋市中区丸の内3-18-12 ナガサワビル1F
     地下鉄名城線・桜通線 久屋大通駅歩5分 地図
TEL: 052-961-7008
URL: http://saucisses.net/
オープン: 1987年2月
* 営業時間 *
月〜土: 10:00〜22:00(21:30LO)
日曜日: 10:00〜21:00(20:30LO)
定休日: 無休(要確認)

2005.5.23 Y.M

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2005年03月12日

# 043 コメダ珈琲店 [名古屋]




 名古屋……と言うか愛知県を中心に東海圏に展開する郊外型喫茶店チェーン。あちらでは「ちょっといいコーヒー出す店」という位置付けらしい。その名古屋の喫茶店が関東進出を果たしたのは2年前、私の現最寄り駅・田園都市線つきみ野に関東2号店がある←なぜかある←きっと名古屋式ロジックに基づいた結果に違いない←お店は繁盛!

 郊外型の立地を活かしたログハウス風店舗は、広い店内&高い天井。これだけ面積があれば分煙もバッチリ! 座り心地の良い赤いシートは名古屋喫茶店文化の"象徴"のよう。

 以前「推賞」で取り上げようとも考えていたほどの、名古屋的クセのある迷店。食事メニューが凄まじい――エビフライ¥860、ヒレカツ¥810、ジャーマン¥660……そしてうわさの"決して独りでは頼んでいけない"巨大デザートシロノワール(クロワッサンパンケーキ+ソフトクリーム)¥560。いずれもハンパなきボリュームと心得よ。もちろん小倉トーストも……以前はあったが今は?

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