2010年05月08日

# 227 PAKUTCH! [渋谷]




 スタンプラリーと同時進行、日々溜まる一方の記事の山――。

 こちらも今年で早4年ですか。京王井の頭線の渋谷駅真横に構えるハンバーガースタンドPAKUTCH!(パクッチ)。渋谷オープンの翌年2007年にオープンした流山おおたかの森店は、昨年12月に閉店。

 名代のパクッチバーガー¥1,029をはじめバーガー類6品。サンド5品。メニューには「FIRE HOUSE」を彷彿とさせるバーガーのイラスト。キャラクター「ピロ」のデザインはイラストレーターいぬしげ

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2010年05月07日

# 226 Hummingbirds' hill [恵比寿]




 スタンプラリーと同時進行、どこまでゆけるか――。

 恵比寿に昨年7月13日オープン。ユナイテッドアローズの創立者の一人・水野谷弘一氏(2008年6月に常務取締役をご退任)が興したお店、HBH、Hummingbirds' hill(ハミングバーズヒル)。同11月27日にはすぐ近くに、服や雑貨を扱うHummingbirds' hill shopをオープン(リニューアルのため5月9日より一時休業)。

 テーマはモダンカントリースタイル。明るい色遣い、開放的な間取り。こんな少しメキシカンな趣向が、現代アメリカの、おそらくハイクラスの間で「もてはやされている」のだろうなというのが、こうしてカタチにして示されるとすごく納得できるのである。ウェルカムCDはドゥービーブラザーズ「スタンピード」で超ゴキゲン!


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2010年04月13日

# 224 GOLDEN BROWN [池尻大橋]






 記事があまりに長大になり過ぎて、自らの重さに身動きがとれないくらい鈍重な状態に陥ってしまいましたので、今回から初めて行くお店の記事も極力軽く書くことにいたします。一店をご紹介する記事としては万全な情報は備えていないので、コレに「【一ッ目!】」というしるしを付して、以後やや扱いを変えてゆきます――ま、「導入編」って感じですかネ。

§ §

 さて、東京は目黒区東山、田園都市線の池尻大橋駅から歩いて6分?7分?GOLDEN BROWN(ゴールデンブラウン)で、とある方とパワーランチ。なので普段より画角が窮屈です。ランチのバーガー10種類からチーズバーガー\1,050。


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2010年03月26日

# 223 Brooklyn Parlor [新宿三丁目]


 「人生における無駄で優雅なもの、ぜんぶ。」――今やネット中を駆け巡るコノ店のキャッチコピーである。その秀逸なキャッチに負けず、店舗実物もソレ以上にカッコ良いという、広告の誇大化が著しい昨今にあって稀有な存在であるのが、新宿三丁目のBrooklyn Parlor(ブルックリン パーラー)。プロデュース・経営はご存知、BLUE NOTE JAPAN


●音楽、本、そして食

 今さら細かな説明も不要だろう。詳しくはWebサイトを見ていただいて――というところなのだが、そのサイトがやや見辛くって、一見しただけでは何屋か判らない(笑)。なのでやはりご説明はいたします。


 「ここは、音楽、本、そして食という要素が融合した空間です」――ザッとしたことを言うなら「ヴィレッジヴァンガードダイナー」の超高級版(笑)? おそらくコノ店、利用する人の使い方・視点によって何屋なのかガラッと変わってくるものと思われる。

 ハンバーガーストリート的視点でコノ店の価値を評するなら「あのブルックリンラガーのドラフト(樽生)が日本国内で唯一属める場所」で、しかも今は「木内酒造がライセンス生産」しており、そして「ハンバーガーのバンズは峰屋」である、というところ。


 「日本の中でも最も混沌としいて自由な新宿という街」の只中にあっては、こうしたゆとりのあるスペースでゆっくりお茶の出来る場所が無かったため、「お茶する場」としてものすごーく重宝されている。テーブル120席、スタンディング30席(入って手前の一角か)という席数が示す通り、地下1階にして広大。週一ペースでチャージフリーのライヴを開催。書籍売り場にはアート本あり、絵本あり、小説あり、雑貨あり、食系の本も散見。ココに『ハンバーガーの世紀』を置いたらステキかと。あっ、それを言ったら『HAMBURGER STREET 創刊号』もか(笑)。


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2010年02月27日

# 222 MUNCH'S BURGER [東京、埼玉]



 キャリア4年――実はめずらしい移動販売専門のハンバーガーショップ。

●FELLOWSにて

 オーナー柳澤さんと出会ったのは2年は前だと思う。駒沢の「FELLOWS」に行った折、偶然来ていた柳澤さんをフェローズのオーナー黒川さんが紹介してくれた。名刺まで交わしたからにはすぐにも食べに行くべきなのだが、そう気に留めつつも、何となく今日までやり過ごしてきた。


 だがその"熟成期間"が結果的にはプラスに働いた。「ハンバーガーの移動販売をやりたい」という相談が私のところにも来るようになり、最近ようやく移動販売というものが"心から"気になりだしたのである。

 不景気な御時世でもあり、「移動販売なら少ない元手で始められる」「ハンバーガーなら誰にでも簡単に作れる」といったイメージから、商売のタネに考える人が現れても不思議はない。それであらためて移動販売の実態に興味が湧いたのである。一体彼らは日々どんな仕事をしているのだろう――。

●ブッチャーでラッパー

 クッキングスクールに勤めていた奥さん・裕美子さんが「移動販売やろうか」というアイデアを柳澤さんに持ち掛けたところから話は始まる。


 柳澤さんはその頃、肉屋でバイトしながら音楽活動、つまり「ラップ」に燃えまくっていた。トレードマークのドレッドヘアはラッパー魂の証――但し、まさか数年後の自分がハンバーガー屋になろうとは思ってもみず、肉屋稼業にはそれほど身を入れていなかった。

 「じゃあふたりで始めようか」と話は進み「じゃあハンバーガーやろう」となったのは、コレ以外思いつかなかったから(笑)――と言うのは半ば冗談、でも半ば本当。移動販売と言えばカレーにケバブ、タコライス……同じことやっても意味が無い。他がやらないことを始めてこその挑戦だ。

 そもそも柳澤さんはラッパー時代、都内で食べたハンバーガーにそれまで思いもしなかったような強烈な魅力を覚え、今やすっかりハンバーガーの虜になっていた――なのでハンバーガー。味は柳澤さんが1人で決めた。料理人ではないので試作には膨大な手間と費用を要した。目指すは最強のシロウト!


 クルマを用意せねばならない。最初はあんなコト・こんなコト夢が膨らみ、見積額も800万〜1000万円に大膨張。それでは固定店舗と変わらない。

 そもそもハンバーガーの移動販売自体、身近に無い。なので真似の出来るお手本が無いのだ。そこでこの道20年のベテラン「移動たこ焼き屋さん」からアドバイスをもらい、クルマを作った。だからマンチズバーガーの車両にはたこ焼き屋のノウハウが活かされている。小さな鉄板から始めて、今のスズキ・キャリーは2台目。

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2010年01月19日

# 220 Doggy's Diner [青山一丁目]



 峰屋のバンズに、代官山小川軒の味を受け継ぐデミグラスソース。そして、自家製ソーセージ――国内ではめずらしいホットドッグ専門店の登場!


●ドギーズ・ドッグ

 気が付けば、あのネイサンズももう日本に無いのである。土も違えば、水も空気も違う――やはり「ただ持ってきただけ」では根付かないということなのか。


 本国米国におけるホットドッグの消費量はハンバーガーをはるかに凌ぐという。日本においても駅のスタンドから高速道路のSA、遊園地・映画館ほか娯楽施設、各種競技場、スーパーマーケットのフードコーナー、お祭りの露店に至るまで、ホットドッグはハンバーガー以上の広がりを有している。

 ただこれこそを「運命」と呼ぶべきか、ハンバーガーが「店名」によって認知される食べ物であるのに対し、ホットドッグは「名も無き店」がやっている場合がほとんどであり、ゆえに「どこの店の味」という認識のされ方に実に乏しいのである。

 ホットドッグの方がより広く浸透しているにも関わらず、知名度の点でハンバーガーの方が大きく勝っているのは、ひとえにマクドナルド独りの功績によるものかも知れない。そう考えるとマクドナルドはヒーローだ。

§ §

 「おいしいホットドッグの店知ってる?」と聞かれて「ココです」と答えられる人が居ない。なので誰もが「あそこのホットドッグがおいしいよ」と言える店が作りたかった――オーナー吉池さんがコノ店を始めた理由である。


 食べ歩きは大好き。でも「高くておいしい」は当たり前。なので地元の人が毎日行くような店にしか足を向けない。目指すは「毎日行ける価格で提供する店」――そこにホットドッグが結びついた。

 初め店名は「ドギーズ・ドッグ」としたかった。「ホットドッグの中のホットドッグ」という意味――「ミュージシャンズ・ミュージシャン」みたいなモノである。しかしホットドッグだけで一店舗を構えるのも容易でないため、多彩な料理を提供することとし、それでDD――ドギーズ・ダイナーに。


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2009年12月21日

# 219 ハラカラ。 [三軒茶屋]



 お待たせしました――ハラカラ。です!


●アジト

 世田谷通り沿いの商店街三和会のアーケードを抜けて、50歩以内でこの店。通りから斜めに切れ込む小道で、折れずに世田通(せたどお)を直進すれば、程なく有名なパン店「濱田屋」。オーナー萩原さんがこの物件を見つけたのは実に81件目のこと。


 もう少し坪数が欲しかったが、2階も含め建物ごと借りることが出来たため問題解決、テラス含む22席は想定より増。2階は倉庫兼「アジト」。日夜何を企てているのやら……(笑)。

 店舗のデザインは用賀の1010 Noel Dr.を手掛けたデザイナーに依頼。女性が一人でもゆっくり落ち着ける空間を意識し、無駄のないシンプルでシックなデザインを心がけた。

 壁天井に配されたマリンブルーは床の木目とツートーンを成し(いや、スリートーンか)、南洋のリゾートを思わせる高級感を漂わせている。すっきりと機能的なデザインの椅子机。清潔で気持ちの良い「青の」空間である。「コ」の字な造りのキッチンが秀逸。


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2009年11月07日

# 217 HUNGRY HEAVEN [上板橋]



 お待たせしました――HUNGRY HEAVEN(ハングリーヘブン)です!

●川越街道

 例によって道の話から。

 東武東上線の南を並行して走る国道254号線が、現代の川越街道である。254号は池袋の六ツ又交差点を起点としているが、旧街道は中山道の「平尾追分」(首都高速板橋JCTの辺り)を起点にグーッと南に分かれて進む道筋で、中山道の脇往還として賑わった。中山道は京へと向かい、川越街道は文字通り川越へ向かう。

 上板橋は、板橋宿に次ぐ川越街道2番目の宿場である。


 近年私が川越へ行く目的はひとつ、そう、「オートマンダイナー」へ行くためなのだが、なのでこれまで東上線には「急行」しか乗ったことがなかった。「普通」列車に乗るのは、あるいは今回が人生初かも知れない。

 初めて降りた上板橋は、まぁ静かな駅だった。かつて宿場町としてどれほど賑わったか知らぬが、いずれにせよ街道は駅の南側。今回用のあるのは北側。


 かつて中央線の荻窪に「キャデラックバーガーズ」という、それはそれは宝石箱のように輝くハンバーガー屋が在ったのだが、街の賑わいさえ無視すれば、駅と店の位置関係はそのキャデラックバーガーズに似ている。北口ロータリーから駅前通りに出て、ちょっと歩いて小径に折れる――すると荻窪の場合、曲がった先にも商店が続くのだが、上板橋だと……えっ? ココ入ってくんですか?

 何でこんなトコに? な立地である。駅前でも商店街でも無い。人通りが無い。会社も無い。頼みの病院は工事中。駅の反対側の方が栄えてる――いや、栄えてもない(店長談)。



在りし日の Cadillac Burger's [荻窪]

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2009年10月23日

# 216 Reg-On Diner [渋谷]



 お待たせしました――Reg-On(レッグオン)です!

●國學院大學と常磐松小学校

 今夏のなんやかんやの"騒動"ですっかり有名な渋谷警察署の裏手に回ると、道のどこかに舗装ブロックの敷かれた道が続いているので、そのブロックをひたすら辿って行くと、やがて國學院大學の手前にレッグオン!


 店の真向かいが渋谷区立常磐松小学校。なので耳を澄ませば、ほら……チャイムの音が。人通りはかなり多い場所である。通行量のみ調査する分には満点の立地だろう。但しご通行中の皆さまことごとく学生or生徒or児童なので、お店にロックオンしてくれずに、スルー。もちろん女子高生だってオモテの看板くらいは見ますけどね。國學院大、常磐松小はじめ広尾中、広尾高、実践女子、青学初等部……この一帯まぁ学校は多いですよ。

 ちなみにこの舗装道路は渋谷区の散策路「旧渋谷ルート」として整備されている道であり、これら学校のスクールゾーンというワケではない。

 昨年2008年の8月15日にオープンして早1年余。横溝オーナー長年の夢はこんな文教地区の只中に実現した。

 背後には住宅街。大きな屋敷もあれば、古めかしい木造アパートもあり。学生諸君よりもご近所の住民や会社員が繰り返し利用してくれて、「この辺食べるトコが無かったんで、出来てよかったよ」なんて喜んでくれたり。圧倒的に夜より昼。子供達の下校とともに町の一日は終わる。

●「オレゴンから愛」と「ライスカレー」

 オーナー横溝さんのご実家は自営業。経営者である父親の背中を見て育ち、いずれは自分の仕事をやりたい希望をずっと抱いていた。


 アメリカに行きたくて高校卒業後、居酒屋でバイト1年。なんでアメリカに行きたいか? 「オレゴンから愛」ですよ! 中学3年のときに観て以来、アメリカ好きに。目指すはオレゴン! 今でもオレゴン行きたい!

 にしても↑の引用、あんまりな説明なので、こちらでお口直しを。

 そう、マウントフッド(Mt.Hood)は「ココチ」後藤オーナーがスノボの選手時代トレーニングしていた場所ですね。あと横溝さんお気に入りのドラマは「ライスカレー」など――掴めました?

 バイトで貯めた旅費でアメリカ放浪3ヶ月半。ニューヨークからLAまでグレイハウンドで大陸を横断した。本当はオレゴンへは高校の親友と一緒に行く計画だったのだが、大学進学とともに親友が多忙になり渡米を断念。一人旅を敢行。


 なおこのアメリカ初旅行の際、ハンバーガーについて特に感動はなかったという。お金が無くてマックやファストフードばかり食べていたから、とも。

 夢のオレゴン巡礼から帰国後、何か自分でやりたいと思いつつも踏ん切り付かず、要は今で言うフリーター状態をしばし継続。そうこうするうち次兄に連れられて行った、自由が丘の「バターフィールド(BUTTER FIELD'S)」という店のアメリカンな雰囲気がすっかり気に入り、働くことになる。

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2008年12月06日

# 204 EAST VILLAGE [池袋]



 不思議な不思議な池袋……。

●池袋と巣鴨

 高層ビル「サンシャイン60」が建つのが東口、先ごろ「オートマンダイナー」の出来た、立教大学や芸術劇場のある側が西口である。私はどうしても東西を逆にとらえてしまう……いや、東武だ西武だいう問題ではなく、完全に逆にインプットされてしまっているのだ――たぶん一生直らぬだろう。


 サンシャイン60の建つ場所は、かつての巣鴨拘置所(GHQ統治下の所謂「巣鴨プリズン」)の跡である。現在の豊島区東池袋は当時、豊島区巣鴨だった……正直その辺も解りにくい。

 巣鴨と聞くと、どうしてもとげぬき地蔵のある方を探してしまう。山手線で二駅も離れているのだから(池袋−大塚−巣鴨)、まぁ無理もないことと大目に見ていただきたく。厚木に無いのに「厚木基地」と呼ぶのに匹敵する違和感である。但し厚木基地の方こそ、地名・自治体名の「厚木」とは本気で関係無い。

●サンシャイン60通り

 東口から斜めに伸びるサンシャイン60通りからやや入った所に、コノ店はある。オープンは今年の8月28日――それまでこの角地は30年以上続く立ち食いそば屋だった。


 角地ゆえの狭くて不便な三角形、3坪×2階建。ロフト風の2階部分は、そば屋の昔は屋根裏の物置といった使われ方で、改装に当たり、その低い天井を2メートルばかり押し上げた。

 急な階段を上ると7席――狭いなりに"憎い"造りである。店内そこかしこに「キャプション」が付けられているのが面白い。1階レジ上には「COME ON IN MY KITCHEN」、トイレの扉には「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」……って、どれも曲名ぢゃん!



天国への階段
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2007年11月26日

# 191 Boots [外苑前]



 恋とお酒とブーツバー……五反野のパブ、クローバーに引き続き、お酒の話――。


●TRADER VIC'S


 外苑西通りから一本入った路地裏に昨年'06年4月にできたバー。やはりこういうお店は表通りに面してあるより、こうして一本なり入り込んだ処にある方が、ホッとするものだ。それこそ路地端にうずくまるネコに挨拶すれば「ニャー」と返ってくるような、そんな路地裏である。半地下というのがまたよい。


 オーナー奥山さんはコノ店を始める以前は、ニューオータニにあるTRADER VIC'S(トレーダーヴィックス)でシェイカーを揮っていた……なんて言い方はしないか。そう、例のマイタイ発祥の店。ウォーレン・ジヴォンの歌にも出てくる。ココで飲んだホットバターラムがきっかけで、以来私はラム酒好きになったのだが、その話は後述……。


 ホテルに勤めた当初は宿泊部の配属で、ベルボーイなどをしていたのだが、それが突如「酒に目覚め」て、「手に職を」と一路、酒の道を目指すことになるのである。


 バンバンと叩き上げられた末、独立。ココ南青山に店を構えた。「落ち着いてできるから」というのがコノ場所を選んだ理由である。自分のペースで好きなように仕事した方が、ストレスも溜まらず、リラックスできて、そのぶん息長く続けられる――六本木でも赤坂でも渋谷でもない、どこの街からも少し距離を置いたココ南青山三丁目は、そんな街……だそうである(伝聞御免)。



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2007年08月08日

# 181 HOBGOBLIN




 ホブゴブリンとは英国ウイッチウッド・ブルワリー(Wychwood Brewery)社が醸造するビールの銘柄である。

●エール

 このエールタイプのビールの名を冠したパブは、イギリス国内に30店舗以上展開しており、日本においても2000年11月、港区赤坂にHobgoblin Akasakaがオープンして、これで日本のビールファンは豊富なブリティッシュビールの数々を都内で楽しめるようになった。


 客層は都内在住の英国人や米国人が過半。地下特有の、湿り気を帯びた冷気を漂わす赤坂店は、黄色の壁、赤いクロスの天井に一段上がったダイニングエリアは木のフロアで暖色系の組み合わせ。その黄色い壁を大小無数の額に入った写真が埋め尽くし、華麗なランプが天井から下がるヴィクトリア調の店内に、全長7〜8mはあろうかというカウンターが店の奥へと延びていて、生ビールのタワーがざっと10台、ニョキニョキと中に聳え立っている。これが本場のオーセンティックなブリティッシュパブなのかどうか、私にはまるで判断が付かないのだが、「そうだ」と言われれば「そうね」とも思える佇まい。こうなると入り口頭上の「非常口」の3文字がひと際ミョウだ。

 フットボールや大リーグなどのスポーツ中継で盛り上がる……のは今や「基本」ですな。奇しくもサッカーアジアカップ準決勝の行われた当夜、赤坂の街は至るところ、店頭に「LIVE」の文字を掲げた店ばかり。これぞ奪い合いの様相……。

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2007年07月04日

# 179 base [目白台]



 ココんとこ、base(ベイス)の小悪魔に魅入られているのか、どうにも寝付かれない夜が続いている――。


●その場所

 目白通りと不忍(しのばず)通りとの分かれ目、背に日本女子大、前に附属豊明小・幼稚園という位置で、通り沿いには学生をターゲットにしたカフェが並び、街並みにはどことなく雑司ヶ谷から続く妖気のようなものが感じられ……って京極夏彦の読み過ぎか。でも椿山荘へ向かって通りをさらに行くと、幽霊坂なんて名の坂もありますから。

 学生の街、そして都内有数の高級住宅街である目白台。目白駅から徒歩15分、護国寺から8分(10分以上歩く感じだが)、どこの駅からも離れていることを考え合わせると、駒沢のASに似た地元密着型の店の条件を備えているように思われる。

 で、さらにもう1店、コレによく似た立地の老舗があります……そう、島津山の下に構えるフランクリンアベニュー


●フランクリンアベニュー

 オーナー菅原さんは自身のバーガーショップ開店に当たり、その2年前から綿密な事業計画を立てていた。その計画に基づく開店前1年間の実地研修の場として、「ぜひココで!」と門を叩いた店こそが、五反田のハンバーガーレストラン、フランクリンアベニューである。

 アルバイトながら僅か3ヶ月で店長に昇格。店の切り盛りほぼ一切を任される、又とない好機を得、10ヶ月で"卒業"。そしていよいよ自身の店の開店準備に取り掛かる……のだが、ではその事業計画とは一体何ぞやと……(今回時制を遡って進めております)


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2007年06月26日

# 178 THE GREAT BURGER [明治神宮前]



 オープンから早ひと月。太陽の光をいっぱいに浴びた、アノ店へ。

●悲願の路面店

 神宮前・京セラビル地下1Fの人気カフェ*ease【二ッ目!】は、徒歩わずか2分のご近所に「ハンバーガーと世界のビール」に特化した専門店として、先月'06年5月20日にオープンした。"悲願の"路面店である。

 その後どうですか? と訊くと、大真面目にこんな答えが返ってきた――「窓を開けていると風が抜けて気持ちいい」「雨が降っているのがよくわかる」「おもちは入り口のマットの上でずっと日光浴している」――日がな一日をずっと地下に潜って暮らす生活には、およそ当人にしか解かり得ない、言い難い苦痛と閉塞感が伴うようである。テレスドンを擁してわれら人類の住む地上を脅かした地底人の心中たるや……。

 そんなワケでスタッフたちは今、地上に出られたことの喜びと開放感に沸き立っているのである。

 *easeの看板犬おもちとコロ助は、普段は両店に別れて居るそうなのだが(シフト表があったりして)、私が訪ねたこの晩は2匹とも偶然GB勤務。両犬どちらも連れて行かれて、*easeを守る"元未来の巨匠"守口クンの微笑は、どこか少しほろ苦かった。



せめてコロちゃんだけでも……

※ 守口クンは'05年11月26日放送の『チューボーですよ!』チーズバーガーの回で「未来の巨匠」として紹介されている(店は「FIRE HOUSE」)。

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2007年03月10日

# 167 Cadillac Burger's [荻窪]



 荻窪といえばラーメンの町――

●でもあるんです! バーガーショップ

 キャデラックバーガーズと聞けば、白黒チェッカーズのフロアに、ともすればピンクキャデラックまるごと1台ドンと置いてあるような、ズドンと大きなダイナーを思い浮かべるじゃぁないですか。ところがどうした、鳴るときゃ鐘鳴る教会通りを入ってギアを2速に入れかけてスグくらい(←例えです。あくまで"徒歩"ですから)。上記のような頭でもって行くと、確実に行き過ぎます。お向かいは洋品店と煎餅屋さんですから。

 勇気を奮ってあえて申し上げるなら――やきとり屋? 小料理屋でも居酒屋でもいい。狭いのに店の半分が厨房。残り半分にカウンター4+3席とテーブル約6席。言うなれば"半屋台"的風情を湛えた米国風一杯飲み屋



黒板……と思いきや壁に直書きメニュー

●中央線の怪

 入るとあらためて狭い! 入るなり柱ですし。店内50's、60's辺のアメリカントイやら置物やら使途不明物体(世にガ○○タと呼ぶ)がゴチャンゴチャン。「ちゃんと片しなさい!」と、のび太がママに叱られるレベル。とにかく狭いヨ〜、狭い! 狭い! この「自分の部屋」的雑然の中、隣り合わせた客同士酌み交わす一献がまたヨロシ。BGM――オイオイ、小島麻由美だよ〜!! その深さたるや……

 こういうお店見るとつい「中央線カルチャー」という言葉を思い浮かべてしまうのだけど、生まれも育ちも"コノ辺"という店主・千種さん&副店長両氏によれば、ぬぁんと! ひと駅ごとに文化も住む人もまったく違うというのですね――そんなこと言われたってヨソモノである私から見りゃぁ、沿線ひっくるめて「中央線」なのであって、どの駅も同じようにしか映らないワケですよ。だのに……この夜最大の驚きはコノ衝撃の事実だったかも知れない(沿線住人のみなさん! このヨソモノをどうか温かい目で見てやって下さ〜い!)。各駅異なるカルチャーの中にあって、荻窪は色の無い、文化の「空白地帯」であると2人して言うモンだから、ま、そうなんでしょう。

●帰ってきたロープライス

 50's&60's、そしてプレスリーをこよなく愛する千種さんは、ミスタードーナツに11年、フレッシュネスバーガーに6年身を置いた、ファストフード業界一筋のベテラン中のベテラン。

 でもアウトロー。両店を離れるきっかけとなった出来事が共通していて、要はそれまで手間ひまかけてお店でイチから作っていたものが、ある日、既に出来上がったものが運ばれてくるようになって、で、ちょっとツマラナクなったと――。だからこのキャデラックバーガーズは、手作りをコンセプトにした店なのである。

 ところ変われば考え方もずい分と変わるもの。手作りを売りにする場合、普通そこに付加価値が生まれて、ヨリ高い値段で売り買いがされるものだが、しかしコノ店では材料・ソースなどを手をかけて自前で作ることによって、逆に安い値段で提供しようという、近頃ついぞ考えてもみなかった、ハッとさせられるようなその思考が新鮮だ。

 「商店街価格」というのも効いているようだが、それにしてもハンバーガー¥350、チーズバーガー¥400は、私がすっかり慣れ切ってしまった昨今のバーガーの価格帯を思えば、久々の衝撃だった(コノ日のセカンドインパクト)。気軽さ、手軽さ、そして生命力(? ――ヨリ生活に密着した、活きた感じネ)といった、失われてはならないバーガーの根源がそこに宿っているように思う。



名代のキャデラックバーガー
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2007年02月14日

# 164 *ease [明治神宮前]


*ease
by *LIFE* Delicious Food SERVICE


 *easeに行くことは長らくの懸案だった。それが駒沢大学「FELLOWS」の黒川マスターから「あそこのオーナーとは友達なんで、ゼヒ!」と言われ、外苑前「GORO'S☆DINER」のパティシェ"タカちゃん"からも「こないだ行って来ました。ゼヒ!」と言われ、さらにケーキ日記の"halfaperson"氏は、私がグズグズしている間に「ボクは、あのコに会いに行く…」と2度も行ってしまった。いろんな縁が私を京セラビルへと向かわせる――。

●あくまで"カフェ"である


 階段を降りてすぐ左手。ガラス扉を押すと、奥のキッチンまで柱も仕切りもない大きなワンフロア。見上げれば「コノ高さがこのビルの一体どこに隠されてるんだろ?」というくらい高い天井。コンクリ打ち放しのフロアの上に塩ビの黒いソファとイームズのサイドシェルが20余席。都会的な、無機質な面持ちの中にあって、一灯だけ吊るされたシャンデリアがミョウになまめかしい。奇しくもこの夜はプロの"本物の取材"が入っていたので、そっと見守らせていただきました――の図が、右の写真。

 白いブロック壁に無音声でプロジェクターが映し出すは『タイタニック』? ……と思ったら『ラブ・アクチュアリー』。ロバート・パーマー? ……と思ったらビリー・マック、ネックレス? ……と思ったらジョニ・ミッチェルみたいな――。ラジオでオンエアはエアロスミスの『アルマゲドン』。

●動の空間

 いかに天井が高くとも地下は地下、窓外の味の名店街には木製のブラインドを下ろして、四つの壁で浮世から隔てた、とっときの異空間を現出している……なんて書けば、エラク塞ぎ込んだ場所を想像するだろうが、不思議なことにこのカフェには、くつろいだ空気の中にも「動き」がある。さらに言えば客・スタッフ分け隔てなく、偶然居合わせた者同士であたかもコノひとつ空間を共有しているかのような、そんな不思議な一体感があるのだ。

 本来個々に静まり返るべきこの空気が、何者かによって音も無くかき混ぜられている。本来個々に閉ざされるべきこの空間が、何者かによってひとつに束ねられている――その「何者か」とは!? (なんて、そんなにキバる場面でもないですヨ)。いえ、フツーにワンちゃんこのカフェのスタッフ犬、フレンチブルドッグのおもち(♀3歳)とコロ助(♂10ヵ月)がその「何者か」。

●スタッフ犬、おもちとコロ助の冒険

 この夜、おもちは中央のソファでひっくり返っていて、もっぱらコロ助クンの独擅場。お客さんの間を行ったり来たり、居なくなったかと思えばまた現れて、机の下から円らな瞳で何を問うているのか、いないのか……コロ助、キミは一体何が欲しいのかえ?



コロ助

 でも不思議。コノ「お客さんの間グルグル」を繰り返すうち、何だか自分のトコばかり多く回って来ているような錯覚に陥るワケですよ。で、頭撫でつつもミョウに周りに気兼ねしてみたりして……でも内心すごく嬉しかったり。

 つまりはおもちとコロ助、2匹のスタッフ犬の存在が、コノ空間に居合わせる人たちすべてのハートを結び繋ぐ共通の関心事となり得ているワケでして、自然スタッフとの間に会話も生まれましょう、知らぬ客同士、目も合いましょう、笑顔もこぼれましょう、やがて恋も芽生えま……って、そこまでは?? (おもち&コロ助のお休みは水曜です、一応)

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2006年11月03日

# 157 FELLOWS [駒沢大学]



●ジャンクフード交差点

 駅至近の駒沢大学駅前交差点ではなく、もひとつ先の「駒沢」の交差点そば。246走ってると縦書きで「駒澤大学」と看板が見える、あの辺り。この交差点付近、ジャンクな飲食店が実に多い。十歩歩けばラーメン屋、また十歩と行かぬうちに別のラーメン、お好み焼き、鉄板焼き……しかもどこもワンサカ客入ってんだよねぇ。特にFELLOWS(フェローズ)。と同じ建物で「真裏」の関係に当るギョウザ屋など、イスの上に胡坐かいてジョッキ傾けるオッサン連の姿など外からよく見えて、コノ客ごっそりバーガーに移動しないかなぁ、なんてつい……。

●日曜大工


 かなりシブイ立地である。交差点に面したビルの裏側壁面にへばり付くようにして在る。しかも直角三角形の鋭角を切り落としたような狭隘・変形な敷地(それを台形と言います)。しかしこの悪立地をキャンバスに見事な世界観が構築されている。

 店内カウンター4席、テーブル4席。席を詰めていないため、かえって広く見える。基本的にはスケルトンの店内に木のベンチ、木のカウンターなどをおもむろに造り付けたカフェな造り(こういうの何て言うの?)。

 特に目を引くのは、炭火焼きの煙を屋外に逃がすブリキ製ダクトの見事な空中配管。白い壁にはバーガーに当たり矢の図……そば屋じゃないんだから。外は8人は掛けられるかな? 大きなベンチを中心に立派なウッドデッキ(※その後屋根付きのテラスに変身)。店内外ともDOG OK――なので奥に座るお客さんの膝の上をよ〜く見るとワンコが一匹、こちらに向かって確かに舌を出している。これら内外装とも粗方マスターが独りで手がけた。デザインも無論マスター。

●THE BURGER STAND

 ブラジルに在住中、港町のカフェというか朝のスタンドの光景に強く惹かれたという。


 買い求めた朝食の包みを手に職場に向かう者、或いはスタンドにもたれてミックスジュースと揚げパンで思い思いの朝食をとる者――あらゆる労働者がひとつ止まり木に隣り合わせ、相交ざり、カウンターの奥では太っちょの店主が次々入る注文に悠然と応じている。気忙しさのない、しかし生きる力に溢れたブラジルのスローな朝の風景――と聞くだけで光景が目に浮かんでくるようだ。「THE BURGER STAND」というサブタイトルには、そんなブラジルのスタンドへの憧れが注入されている。

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2006年10月12日

# 153 THIS IS THE BURGER [立川]



 またしても話は続く。今年5月、立川駅北口のバーガー店を訪ねた折、帰り際にマスターがこんなことを言うのである――「南口に立川バーガーがある」――なんと! 今年'06年の3月ごろ出来たらしいと。テイクアウト専門の店であると。では行ってみますか……と、私の胃袋はそこまで強靭ではないので(むしろ脆弱)、日をあらためることにしましたと。

 テイクアウト専門ということは、即ち店内でバーガーを撮り収めることが出来ないということである。と言うことは例の「店の外観をバックにバーガーマクロ」という、多分私しかやらないだろうあのショットを撮るためには、晴天でなければならない。間もなく長い梅雨に入ったので、明けるのを待った。明けた頃ふと思い立って、全国各地のバーガー店を訪ねて西へ北への旅をした。それをまとめるのに9月いっぱいを要した。やっと手が空いたのが10月――東京都内のバーガー店を取り上げるのは「ARMS」以来実に3ヶ月ぶりのことと。

 伊勢丹・高島屋を擁する北口に負けじとばかり、南口も現在再開発の槌音盛んで(と言っても駅前だけだが)、秋晴れの青空に聳え立つ巨大クレーンは、グランデュオの向かいに更なるショッピングビルの建設を任され、作りかけのペデストリアンデッキはその着地点として明らかにラーメン立川やに照準を合わせている。すずらん通りはそんな南口から斜め左方に入ってゆく人通りの多い路で、両脇には思い浮かぶ限りの外食チェーンというチェーンがズラリ(……やや大袈裟)――ま、そんな通りである。

 コノ店の左隣は例の一杯390円のラーメンチェーン、右隣は地元のお弁当屋さん、お向かいの店は、ひと頃景品のスリッパに針などが混入する類のミスばかり発していたドーナツ屋さん。和洋のファストフード店が端から端までとにかく続くコノすずらん通りの周辺には、駐車監視員(らしき人影)が何故だか異様に多い。そんなに取締りが厳しいのか……とユニフォームをよく見ると、蛍光チョッキにJRAのマーク――そう、すぐ先にウインズ立川が在るのである。彼らはその交通整理係と。ほほぉ……と一応は納得したものの、しかしこの一帯、ウインズからかなり遠ざかった、しかも住宅街の間の相当静かな路地までも彼らは隈なく配されているのである……必要なのか(必要なんだろうねぇ)。

 そんなすずらん通りの中ほどに店は在る。オモテの歩道上にベンチ、中は辛うじてイートインできる程度のカウンター席が左右の壁に6席ほど。入って正面がすぐカウンターで、その頭上にはバーガーの写真が6点ほど載ったメニューボードが裏から蛍光灯で照らされている。オープンキッチンというワケでもないのだろうが、キッチンは視界に収まるコンパクトな造り。そのすぐ奥にはこの建物の裏窓が、蔦の葉の緑に明るく縁取られて覗いている――ごく小さな店である。

 バーガー類7品。バーベキューソースの「アメリカンバーガー」¥680、「サルサバーガー」¥700、しょう油風味の「アボカドバーガー」¥680に「ステーキバーガー」¥780。デミグラスソースを使った「佐世保バーガー」¥780とそのラージサイズ、直径15cmのデカウマ!「立川バーガー」¥980。さらにチキンを挟んだ「サムライバーガー」¥580が最近加わったそうなのだが、しかしサムライなのにチキンて……(むしろ痛烈な皮肉か)。それぞれ+¥150でドリンクセット。さらに+¥100でドリンクLかポテト付TBセット。フライドポテト単品は¥200。

 ちょっと寂しいのは、まぁ仕方無いんだろうけど接客が至極型通りでしてネ。ハニカミながらでもいいから自分トコのメニューについて、もう少し熱心に語ってくれたら「う〜ん……もぉ1個買っちゃおうかな〜!」なぁんて思うのにネェ……。名代の立川バーガーはあまりに大き過ぎるので回避、内容同じでサイズを小さくしただけの佐世保バーガー¥780を、この日は珍しくコーラで。

 佐世保の場合――と言うか、「ヒカリ」のことを思い浮かべながら書いているのだが――こうした持ち帰り主体のお店の周辺には何処かしら食べられる場所があって、注文を受け取った人々は三々五々、適当な場所を見つけては思い思いに食べるというのがお決まりの光景としてあるのだけれど、コノ店の場合、周囲にそういう場所がまるで無い。オモテのベンチで食べるには人通りがあまりにうるさくて落ち着かないし、それ以上にカウンターに立つスタッフと面と向かう恰好になるので、ますます気まずい。その辺をウロウロしてみても腰を落ち着けられる広場や公園なども無いので、遠方よりお越しの旅烏諸君には、ぜひアツアツのうちに店内で召されることを強くオススメしておく。

 ロゴマーク入りのパックを開けると、てっぺんに薄っすら打ち粉の振られた平らなバンズ。表面何もナシ。白い生地で無味に近く、なかなか良いセンス――後口がさっぱり軽いところが良いのだ。名古屋の「ロコバーガー」といい、函館の「ラッキーピエロ」といい、ややドライ目で淡白な味のバンズが私の中で最近流行りつつある。中はぷるりんとしたマヨネーズ、レタス、トマト、玉子、シュレッドオニオン、ベーコン、デミソース、チーズ、薄身なパティ、ケチャップ、マスタード、下バン。パティには黒胡椒が振られ、プンと香りが良い。グシャッとした感じはある種佐世保的。味の基本は佐世保風に(あまり)焼かずに挟んだ肉厚のショルダーベーコン×2枚。クドからずハッキリとしたコノ味にデミグラスソースが絡んで、全体をうまくリードしている。

 但しそれ以外の具材についてはこの2強の陰にすっかり隠れて目立った活躍はない。佐世保と言えば、マヨネーズとケチャップを軸に全具材が力強く融合して、アノ独特の甘い味わいが引き出される――というのが私の印象なのだが、その点このバーガーはベーコンとデミソースの味にやや依存し過ぎていて、必ずしも"全体の"という構成にはなっていない。つまりベー&ソーの味で押し切ってしまっているバーガーであり、そう思うと、この単純な作りで¥780はややお高目かな……とも。とは言え、ひと口食べて単純に美味しいと思えるバーガーであることは断っておく。とにかくバンズの選び方が適切。

 これで直径15cmの立川バーガーは相当にキツかろう。カップルで分けるなどされることをオススメする。サイズのことを言うと、佐世保のバーガーは標準的なファストフードサイズのバンズの間に具材がコンパクトに詰め込まれた感じなので(もちろん「LOG KIT」の様に大きいのもあるだろうが)、よって"ヨコの大きさ"と言うより高密度と言う方が、佐世保バーガーを言い表すには適当なように思い。

 その点コノ店のレギュラーサイズは佐世保と呼ぶには大き過ぎる。しかもこんなに水分量の多いバーガーをほぼテイクアウトに限って売っているという辺り、そもそも無理がある。持ち歩くうちにどんどん水が出て、上下バンズはフニャフニャにふやけてしまうことだろう。それをまたどうして持ち帰り専門にしたのか。できたてのアツアツをその場で食べて欲しいと思うのが作り手として当然の人情だと思うのだが、そんなバーガーの醍醐味をバッサリ切り捨ててしまった時点で、何か常のソレとは微妙にズレているように感じるのだが……。とは言え、お店はなかなか繁盛しているそうなので、ま、気にするほどのことではないのかも知れません……失礼致しました。

§ §

 八王子にも在るが、立川が先。如何せんサイトが見つからず、詳細はどうにもこうにも謎のまま。同じく中央線沿線ということでは中野の「ZATS BURGER CAFE」など思い浮かぶのだが、果たして関係は有りや無しや……。単純明快なるバーガー的醍醐味に触れられそうで、しかしもう一つ見えてこない……微妙な立ち位置のお店ではある。

2006.10.12 Y.M
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2006年07月26日

# 139 Muu Muu COFFEE & GALETTES [青山一丁目]




 少し前の話ですが。

 よく降りますねぇ……というわけで、身も心も湿気ってしまいそうなこの長雨の季節、あぁーなんか南洋のリゾートな空気に癒されたいな……とコノ店へ。藻のむしたような臭気が、微かではあるが、しかし行くところ行くところ終始漂っている。釣り堀の端歩いてるんじゃないかというくらいの青臭さ。むせ返る。息が詰まる。一刻も早く脱さねば……と青山通りを折れて北青山一丁目アパートの向かいへ。「アパート」と言っても語義の通りに非ず、今や立派なマンションが、けぶる梅雨どきの高湿度な空気の中に霞んで建っている。

 一本入ったこの微かな生活観……これもまた青山。ちょっとした隠れ家のような雰囲気が漂うとはその通りで、大きなハワイ州旗が雨に萎れているのも含め、佇まいは至って控え目。売り場半分・カフェ半分の縦長な1Fを抜けて2Fに上がると、おぉ……ハワイのホテルの落ち着いた大人のラウンジをイメージしたコノ空間。木のフロアに抑えたデザインのシンプルな家具がゆったりと並べられ、壁半分と天井は青……それも渋い青で、少しグリーンの混じったような……こんな色だったかな? この色が実にしっとりとした落ち着きを与えている。

 その渋い青の壁をバックに、花瓶に活けられた色鮮やかな花々が、南洋の色彩を周囲の暗がりに放っている。クドさやヤリ過ぎの無い、さりげなくイイ感じ昼も素敵だが、夜の帳が降りてからのコノ雰囲気には心より癒される。BGMは静か〜にハワイアン。音量が小さめであるところがポイント。大音量のハワイアンはやはり変だ。ハワイの音楽は基本的には静の音楽なのだろう。波の間に間に聴こえてくる感じこそふさわしい。眠気を誘うこの心地好い静寂……おぉ、耳を澄ませばセシリオ&カポノが!

 コナコーヒーの店。ハワイ島はファラライ山の西側斜面とマウナ・ロア山の西側斜面コナ地方でのみ収穫されるコナコーヒーは、地形的条件から生産量が極めて少ない希少な豆として知られるが、最近ではこのムウムウコーヒーのように直輸入(こちらの場合、空輸)して専門的に取り扱う店も現れて、広く親しまれるようになってきた。

 株式会社ムウムウコーヒージャパンは本社大阪。東京支社はコノ青山店の階上。'95年よりコーヒー豆の輸入販売(および普及啓発)を始めて'02年8月に会社設立。現在東京・名古屋・大阪に7店のショップとカフェを持ち、従業員は6名……だと3都市7店はとても回せないので、各都市それぞれに地元の企業がショップとカフェの経営に当っている。同じ「ムウムウコーヒー」の看板を掲げてはいるが、それぞれ元は別……よくある話である。但しムウムウコーヒージャパンと各社とは浅からぬ関係にあるようで、その辺りサイトを見るとそれとなく窺う事ができる(が、正確なところは分からない)。名古屋はあのゼットン。東京は青山の他に御茶ノ水店があるが、こちらは180度方向の違うネオンな雰囲気のお店でこれまた……!

 チーズバーガー¥980、"らしく"四角い木の皿に乗って。付け合せはフレンチフライとクリスフライに、ナチュラルな味のトマトソースが添えられて皿上にぎやか! バンズはおにぎり型と言うか、三角形の角がすべて丸ったような形の扁平バンズ。表面白ゴマ、わかりやすい甘味。チーズの表面にマスタードとケチャップがストライプを描き、やや小ぶりなパティ、抑えた甘さのピクルス、トマト、オニオン、レタス、下バンの上にバター。

 パティは表面をまんべんなくコゲ目が覆い、やや塩味の効いたハンバーグ的なものだが、焼き方と捏ね具合抜群! 持つと二つに裂けてしまいそうなくらいの柔らかさなのだけど、それが食感にも活きていて、ゆるく空気を含んだような、ふわふわと言うかふるふるとした感じはなかなか。グリルした分厚いオニオンもまた火の通し加減が抜群! 甘さ全開でとても美味しい気合い入れまくり……という感じのバーガーでもないのだが、要所を押さえ、美味しくまとまっている。

 惜しむらくはチーズ。デリケートな味の多い中、ムッチリと濃厚な味になっていて、これでは直接的過ぎる。火を通して薄〜く伸ばしたいところ。さて今回、コーヒーの店なのでお相手は当然のようにコーヒー。100%コナ エクストラファンシー¥750と合わせてみた。バーガーの合間にすすると、パティやオニオンのコゲの香ばしさとコナコーヒーのくすんだ苦味の相性が実に良い。コレはパンが美味しくなる香り舌の上が微かな酸味でコーティングされる、さっぱり透明(クリア)な飲み口。はっきりした香りやキツイ酸味が無いので飲みやすく、ついほっと心休まる一杯。このコーヒーでモッサモサのドーナツなど食べたくないものですな。

§ §

 コノ青山店は店名が如くガレット(フランスのそば粉クレープ)がメニューのアクセントになっているくらいなので、総じて粉系との相性は良いようだ(駄洒落禁止!)。コナビールを供にオトナな酒宴を催すもまた一興。他にお店も無い完全なるの立地なのに、それでもよく人が入っている。コノ人たちは一体どうやってココを見つけて来たのだろう? ひょっとすると、隠れ家や美味しいものを見つけることにかけては抜群の嗅覚を持つ人ばかりが集結していたのかも知れない。この藻のむしたような外気の中にあっても……って、ソコに戻るか。

 てなことで、そんな日本の梅雨の鬱陶しさをしばし忘れさせてくれるお店。

# Muu Muu Diner Fine Hawaiian Cuisine [横浜・センター北] のロコモコ

2006.7.26 Y.M

ラベル:ハワイアン
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2006年07月15日

# 137 ARMS [代々木公園]



 まだ続くつながりシリーズ"BROTHERS IN ARMS"なんて名盤がありますが、そうじゃあなくって(そもそも関係が逆か)、代々木公園にあるココARMS(アームズ)は本郷の「FIRE HOUSE」より出でて'05年の8月にオープン。なにせお店のMAPにもFIRE HOUSE!! が登場するぐらいですから。にして'05年組非常にいのでないでょうか

 小田急線の線路と代々木公園に挟まれて細ーくなってる辺り。電車からよく見えます。電車見えバーガーとして希少……? (そんなマニアック要らないんで)鬱蒼とした代々木公園とは道を隔てて反対に代々木小公園という、公園と言うよりは小さなグラウンドといった風情の広場があるのだけれど、そのヨコ。イイ場所です! わりと引っ切り無しにお客さんが入れ代わり立ち代わり……回転速いゾ〜! 向かいでさんざ球蹴った後、バーガーがっつきたいセレソンもいれば、愛犬のお散歩コースにちゃっかり加えてしまっているご主人様もいらっしゃることでしょう――気が付けば店内ワンコだらけ! 円らな黒い瞳をしているヨ……。パークサイドはメリット多し。

 FIRE HOUSEには夜しか行ったことがないのだけど、昼行けばこんな感じなのだろうか。カントリー色の濃い本家に比べ、こちらはもう少し都会的かな? 極めてカフェなデザインの内装/外装。コンクリ打ち放しの床の上には、ミシン台や縫台をリフォームしたアンティークなテーブルが置かれ、壁・天井はさわやかに白塗り。やはりファンが一機フンフンと回っている。大きくとった窓は木製(サッシがね)。窓の外には代々木小公園の並木の緑、注ぎ込む外光が白い壁に跳ね返ってとてもさわやかだ。この広い窓がなにしろ良くて、形も面白いし、特に入り口の扉とそのヨコの窓の角度は好きな人にはたまらないだろう……う〜ん、たまらん! (←あまり真剣に読まないよーに)。そんなさわやかな店内をヴィブラフォンなど効かせた陽気で軽快なビバップジャズがポンポンと涼しげに渡る……素敵だ! 田舎と都会が折衷したようなこの部屋のスタイル、なにか正しい呼び名があるのかも知れないけれど(いい加減、誰か専門家の手助けが必要かな)、ここまでカフェな雰囲気のバーガーショップというのもなかなか無かったかも知れません。う〜ん、扉に鐘付けたい! ……って既にカランカラン鳴ってたっけ??

 バーガー類13品、サンド12品、ホットドッグ6品。チーズバーガー¥950、付け合せにフレンチフライ。お供はカフェモードでアイスティー¥400。表面濃い茶色、ツヤあり、ゴマありのあんぱんバンズ裏コゲ目。噛むとフッカリ、皮も身もややしっとり目が特徴。パティとバンズの間をチェダーチーズが接着剤のようにピッタリとくっつけていて、仮に何か間に挟まっていたとしても判らないほどの粘り具合。チーズの下にパティ。その下のスイートレリッシュ、トマト、オニオンはそれぞれ食べやすい大きさに細かく刻んであり、上からマヨネーズがかかる。ちょうど野菜サラダライトなマヨネーズソースがかかったような感覚で、さっぱりとして噛み心地も軽快。レタスが何枚も重なり、その下にマスタード、下バン。スイートレリッシュの甘味とマヨネーズの軽い塩気、そこにマスタードの酸味が合わさって、全体としては真ん中よりやや塩目に針の振れた味付け。やはり本郷の本家の構成に近いだろうか。見た目も近いし。パティは中薄赤く、硬過ぎず、軟過ぎず、適度なゆとりを持ったふんわり絶妙な逸品いい具合にほぐれて先ほどの野菜サラダと巧く馴染み、食べ心地は非常に軽やか。とろ〜りチーズ味がそれらをやわらか〜く包んで、きれいなまとまり方だ。サラダ感覚明るくさわやかなお店のイメージとも相俟って、軽快でヘルシーな印象のバーガー。

 バーガーパックが……正方形の一角が袋になっているアレですが、上バン側に当る紙が袋の内側に最初から折り込んであるほぉ……! その上側の紙が食べるときに口元近くで煩わしく暴れるので、その煩わしさに対する心配りという――なかなかのアイデアでございます! コレは最初からこういう風にして業者に納めてもらっているのか、それとも自分たちで一生懸命折っているのか――なんにせよ素晴らしい! 土地に合わせ、街に合わせてセンスアップした白いFIRE HOUSE世のバーガーブームもこうして見せられると、俄然イキでオシャレに感じますね。なにか時流を巧みに先取りしているようにも思えます。昼の雰囲気がなにしろ素晴らしいのだけれど(ベストシーズンは初夏とみた)、夜はまたどんな感じになるのか、そちらも興味津々。わりと遅くまでやっている店なので、熱帯夜に涼みに行くのも乙ですかな?


【お花見バーガー2018】 ARMS [代々木公園] のアボカドマッシュルームチーズバーガー
# GetNavi web「週末はハンバーガー」――第37回はARMS [代々木公園]
# ARMS [代々木公園] のチーズバーガー(再食)
# ARMS [代々木公園] のチリバーガー
# ARMS [代々木公園] のセロリ&ハニーマスタードバーガー
# APIOジムニーライフ/『ON THE STREET BURGER』更新――Vol.9 ARMS [代々木公園]
# ARMS [代々木公園] のチーズバーガー
# ARMS [代々木公園] のアボカドマッシュルームチーズバーガー
# ARMS [代々木公園] のジンジャーマッシュルームバーガー
# ARMS [代々木公園] のデミグラスシチューバーガー
# 8月16日、ARMS [代々木公園] が4周年記念パーティー開催
# ARMS [代々木公園] のポパイバーガー topping チーズ
# 8月17日、ARMS [代々木公園] が3周年記念パーティー開催
# テリヤキバーガー ◆ ARMS [代々木公園] のテリヤキバーガー
# アボカドバーガー ◆ ARMS [代々木公園] のアボカドバーガー


― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区代々木5-64-7
     東京メトロ千代田線代々木公園駅歩6分 地図
TEL: 03-3466-5970
オープン: 2005年8月18日
営業時間: 11:00〜23:00
定休日: 月曜日(要確認)

2006.7.15 Y.M

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2006年07月04日

# 136 AS CLASSICS DINER [駒沢大学]



 駅から一本道……でも歩くよ〜! 途中の風物は一切飛ばして駒沢公園となり、東京医療センターの真向かい。AS CLASSICS DINER(エーエス・クラシックス・ダイナー)。前回「BIG SMILE」が「BROZERS'」つながりだったのに続き、今回もつながりシリーズ。今回は三宿「FUNGO」の店長をかつて務めた水上(みなかみ)さんが、独立して'05年12月に始めたお店。なので外苑前の「GORO'S☆DINER」ともFUNGOつながりの"盟友"。

●オリオン、総AS化

 まず外観がスゴイ! サインボードが計3箇所・大小5枚、コノ店が入るオリオン駒沢ビル全体が「総AS化されている」感じ……てか、ココの2Fに住んでみた〜い! 映画のセットのようなカッチョイ〜201号室&2号室。赤いネオンの向こうの青い扉というのがクールですナ。

 とにかく中も外も一見の価値アリ……歩道より3段上がった豪快なウッドデッキに始まり、白い前面、横幅広くかつ奥にどーんと深い店内――とにかく広い……いやー広いわ〜!

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2006年06月18日

# 134 TOM・BOY [中央大学・明星大学]


中央大学生活協同組合多摩店食堂
TOM・BOY



 言いたいこと多数につき、今回飛ばし気味で――。

 中央大学の学食はなにしろ有名だった。その辺りの様子が手に取るようによくわかるページを見つけたので(無断で)紹介しておきます(教授、有難うございます)。PDFですが、是非是非ご一読を。

 生協はその会員の生活をサポートするのが目的なので、部外者があまり積極的に利用すべき場でもなかろう。どういう機会なら利用が叶うかと考えていたところ、中大OBである友人が大学近くに住んでいることに思い至った。待ち合わせの場に多摩キャンパスを指定し、友人宅を訪ねる前に彼を案内手にして初・学内、足・踏み入れ。よっ! 多摩丘陵っ! と掛け声が飛びそうな見事な傾斜地を大胆に使ったスケールの大きなキャンパス。辺り一面豊かな緑、其処彼処に憩いのベンチが設けられている。こんなところで筑紫哲也と対談でもしたら、さぞや話の弾むことだろう。

 以下さらに飛ばし気味で――。生協の入る建物は「ヒルトップ」という。サイトの案内図ではヒルトップ'78。Gメン'75、カルメン'77、エアポート'77……この時代こんなネーミングが流行りだったのか。地図をよく見ると、ヒルトップの背後にヒルトップトンネルなるトンネルの記載……ヒルトップなのにトンネル……ハンバーガー隧道並みに変な名前だ。ちょっと聞いた話では、このトムボーイは「初めからあった」らしい。「初めから」とは多摩キャンパスが開校した'78年からととれるが、「ファーストキッチン」が創業したのが'77年9月なので、それに比肩するファストフード界の隠れた古参ということになるか。仮に初めからでないにしても、少なくとも20年続いているのは確からしい。中央大学は法曹界のみならずバーガー界においても重鎮だったのである。

 注文は現金。トレー無し、すべて紙袋に入れて渡される。その紙袋とバーガーの包み紙には驚くべきことにショップのキャラクターが印刷されている……本式、いやソレ以上。ひょっとすると「今や著名なデザイナー」の「かつて手がけた仕事」だったり……。ちょうどソフトクリームのNISSEIの、男の子と女の子のキャラ(ニックン・セイチャンって言うんだヨ)を掛け合わせたような感じで……って、頭上のお下げみたいなのはどう解釈すればよいのだろう……BOYじゃないの?

 バーガー類6品、うちホンモノのバーガーは2品。他にチリチーズドックにソフトクリームにジェラート。トムチーズバーガーは単品¥170、ポテトとドリンクのセットで¥280って安ぅ〜!! 生協の本領炸裂。まぁ要は購買でラップに包んで売ってる惣菜パンのノリなのだが、違うところはまず温かい保温ケースの扉の中にチーズバーガーずら〜り壮観! 包み紙開けると裏向きにバーガーが出て来るのはマック式? バンズは伊藤パン(って別に食べて判るワケじゃないのヨ)、白ゴマの載った毎度お馴染みの〜。裏マスタード、レタス数枚、その下にピクルス、偏った位置にケチャップ、チーズ、パティ、下バンズ。

 パティはのっぺり茫洋とした感じのハンバーグだが(タマネギ入り)、厚みがあり、コゲもあり、それこそ学食のハンバーグ定食に出て来そうな隆々として逞しいモノで、なかなかどうして及第点。この面子でゆくとツンとしたマスタードの辛味と同じくツンとしたピクルスの酸味が幅を利かすことになるのだが、溶けないチーズもかえってしっかり存在感を醸しているし、食べても減らないポテトとドリンク合わせて¥280でしょ? 280円なりのモノとして十二分に満足のゆく内容に思えた。

 結局のところ、払った金額に見合うバーガーかどうか――というところが最も重要なのであって、単純な高い/安いの問題では片付かないのが今のバーガーブームの良い方の本質である。……エッ? 悪い方は? そりゃあ、今後ますます発生するであろう、ブームの名を借りただけの、高いばかりで質の伴わぬバーガーたちのコトですヨ。

§ §

 午後3時の学食は現役学生諸君で賑わっている。彼らの止め処ないお喋りが高い天井にすべて跳ね返り、食堂内は実体以上に騒がしく、ざわざわと揺れていた。遠くで男子学生が格闘するそばの盛りの量のまた多いこと! これぞ学食! 結局1階より上には上がらなかったが、どうもスエヒロとマックは今は無くなっている様だ。教授も書くとおり、よほど経営が厳しかったのか。

 そんな中でも多摩キャンパス伝統のハンバーガーショップの味は不変。世のバーガーブームなど何処吹く風、今日も明日も、きっと20年後も同じ場所で同じ味を変わらず続けていることだろう――かくして、「TOM・BOY」を知らない中大生はも○りということでOB・OG各位、よろしいでしょうか?

2006.6.18 Y.M

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