2007年07月11日

# 180 tk Hamburger Inn [西麻布]



 はじめに――今回、私のような青二才が地理や歴史の先生が如く、まるで見てきたような話を繰り広げて参りますこと、何卒ご容赦願いたく……

●六本木は"スタイル"

 都内某ダイナーの店主は、「六本木のハンバーガーはスタイルだ」と語った(六本木KENTO'Sにて)――。

 創業1950年、日本で最初のハンバーガーショップ――"と言われている"。当のお店の記事でこんな書き方も何ですが、「最初」と断定するについては、相当に綿密な調査と照合作業が必要と思われるので、今はあえて言い切らずにおきます。

 少なくとも言えるのは、今の経営者である老川さんがその昔、浅草からHarley-Davidsonにまたがり青山界隈まで仕事に通っていた頃、ハンバーガーと言えばベース(米軍基地)へ行くか、ハンバーガーインで食べるかしかなかった――そんな時代があったということである。


 サイトにもあるように、戦後の六本木は大使館の街であり進駐軍の街であり、その異国≒米国のニオイに魅せられた若者達がロカビリーを踊り、ジャズに酔い、ソウルを歌い――そしてその合間々々にハンバーガーを頬張った。

 今なおそうであるが、特に戦後のコノ時代、六本木は常に新しいものを発信し続けるトレンドの中心地であった(と言うと横浜の人に「コッチの方が先だよ」と返されそうだが、横浜は「中継地」と呼ぶ方がふさわしいように思う)。六本木に遊ぶ人は誰よりも先にハンバーガーと出会い(この辺も断言はし難いが)、嗜んでいた。

 '01年頃まで「Johnny Rockets(ジョニーロケッツ)」という、アチラのハンバーガーチェーンの国内唯一の店舗もあったりで、六本木にハンバーガーがあること――それ自体即ちスタイルでありステイタスであり、常に時流を先行く六本木という街の象徴のような存在だったのである。

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2007年06月18日

# 177 OCEANS BURGER INN [豊洲]



 清濁併せのみ、尚、清波漂わす――特集、"海にハンバーガー"


●アーバンドック ららぽーと豊洲

 船橋の特産とばかり思っていたららぽーとが、最近にわかにその数を増している。昨秋'06年10月に豊洲にできたかと思えば、今春には横浜にもできた。豊洲の前には川崎にラゾーナも。

 さて、ららぽーと豊洲――有楽町線ともゆりかもめとも直結していないのは如何なものか……という声に対する"申し開き"かのように、「ドックウェイ」「サンセットウォーク」なる遊歩道が、両駅および晴海通りから発して館内を突き抜け、3棟に囲まれて内庭のようになったドックへと"直結"している――エェ、全ての道は豊洲に通じてますから。

 この晴海運河に向いたドックは水上バスの乗船場――豊洲には海路も通じている。その発着にあわせ、青空高く跳ね上がる跳ね橋の様子をぼーんやり眺めて過ごすのも、いかにもIHI的な楽しみ方。乗船券売場がなぜかエアストリーム。前は海、うしろは食欲・物欲‥‥さまざまな欲に囲まれて、ココは子供たちにとって格好の遊び場だろう。



オトナにとっても遊び場です


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2007年02月23日

# 165 FIREBURGER [茗荷谷]



 話は「*ease」より続く……「*ease」と「FIRE HOUSE」を週3と週4で掛け持つバーガー界の若き鉄人(カル・リプケンとか衣笠祥雄の方ね)、守口さんのお誘いにより、この2月5日にオープンしたばかりのファイヤーハウスの新店、ファイヤーバーガーに行くことになった。

●ファイヤーハウスのディフュージョンブランド

 「みなさんに食べてもらいたい」と、メニューを絞り、抑えた価続設定で提供する、本郷の名店[「FIRE HOUSE」のディフュージョンブランド。

 ファストフード形式。注文レジは、以前は「傘屋だった」という異様にタテに長い店舗の一番奥に煌々と照り輝いて位置し、店内半ばからレジに向かって段差を埋めるための緩い勾配が人工的に形成。ビビッドな配色のタイルに彩られたレジの背後にはキッチン――「FIRE HOUSE」本店(以下「FH」と略。現場では「レストラン」と称)のカッチョイイのを見てしまうと「調理場」と呼ぶが近いか。簡潔で機能性のみを図ったつくり。

 レジ上にはメニューボードが、写真でなくオールイラストで。このイラスト、オーナー直々に手がけたものであるが……コノある種キテレツなるテイスト……持ち帰ったチラシを数人に見せたところ、女子は「カワイイ〜!」とことごとく受けがよく、男子は押しなべて「……」だったのですが、その辺り狙い通りですか、>オーナー?



デザートにはサンデー
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2007年02月04日

# 163 Authentic [赤坂]



 今回は目くるめくトリビアの溜池――


●道順は自己暗示


 まず店の場所――「わかりづらい」「迷った」などの前情報を聞かされていたのだが、ところが地図見りゃ何のこたぁない、「千代田線赤坂駅5b出口から限りなく一本道じゃない」と思った途端、近い近い!磁力に吸い寄せられるように辿り着いた。"難"と覚えるか"易"と覚えるか、要は自己暗示如何。


●いかにも麻布・赤坂・六本木

 しかし賑やかな赤坂通りから一本も二本も入り込んだ場所なのは確か。

 山とも丘とも呼べぬ小さな起伏の間を細い坂道が行き交う、いかにも麻布・赤坂・六本木的な狭隘な地形の中に在る。お向かいはけっこう年季入ったアパートで、これまたいかにも。こんな細道が江戸の頃からずっとココを通っていたのだろうかと古地図を調べると、今オーセンティックのある場所は、かつては筑前福岡藩五十二万余石・黒田家の中屋敷だったんですな。店の前の道を六本木通りの方に少し下ると、すぐ池があった模様。

 今は地図にはローソンと出てくる(縮尺を1/1500にして見てね)。入り口の自動ドアがその名残り。えっ?この狭さでどんなローソン?……とお思いだろうが、ローソンの跡を壁で仕切って2店舗に分けたんですな。で、奥半分はバーになり、手前はコノ店になる前はジンギスカンだったと。ダクトはその名残り。


●運命の始まり

 オーセンティック・佐藤マスターは、本郷の名店ファイヤーハウス(以下「FH」と略)でマネージャーをしていた。

 '02年、会社勤めを辞めて飲食を始めようと思い立ち、なんとなく和カフェ系を見て回るうちに、当時FHがやっていたカフェに行き着いた(今のデリバリーの店舗が在る所)。このときFHの本店にも寄り、そこで初めて非ファストフードな、本式なハンバーガーを食べて強い衝撃を受けたのが運命の始まり。

 猛烈においしいんだが「どうしておいしいのか解からなかった」と佐藤マスター。味もさることながら、スタッフのテキパキとした動き、さらにはオーラのある店の雰囲気まで、FHという店の魅力に強く惹かれて、「ここならば」と働くことを決意。このときの店長が今のARMSのマスター。UNCHAIN FARMのマスターは佐藤さんの後輩に当たる。

 4年半働いて、辞めたのが昨年'06年の10月末日。オーセンティックのオープンが11月18日……ってエッ!?たった18日で始められるモノなの?もちろん並行して準備は進めていたわけだが、それにしても尋常でない短期間であることに変わりはない。佐藤マスターが惹かれたという「スタッフのテキパキとした動き」と併せて考えるに、このファイヤーハウスというハンバーガーショップ、極めてプロフェッショナルな作り手の集団なのではないかと……って、FHに一度しか行ったことのない私が言うのも何ですが。本家に同じく赤レンガのビルに入っているのは単なる偶然か。


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2006年10月28日

# 156 OX [学芸大学]



 カフェな雰囲気のハンバーガーショップ――と言えば、代々木公園のARMSはその代表格だろうか。この秋9月、同じくカフェな雰囲気を目指した居心地好いお店が学芸大学にオープンした。



 住所は目黒区鷹番――とくれば、東横線開通以来の住宅地。商店街から一歩入り込むと、古めかしく厳めしい面持ちの家々が重たく並んでいる。新しいものなどおよそ発信しないだろうこの古い住宅街の中に、この店は在る。駅歩5分。以前はイタリアンが入っていたマンション1Fを丸々使った広い店内。30余席、座り心地の好い赤い椅子とアイボリーのテーブルの組み合わせが並び、一番奥にはソファが壁幅いっぱいに配されている。壁を飾る白黒写真はこの店のデザイナーお気に入りの、サンタモニカのホテル。西海岸の明るく心地好い空間をイメージしたインテリアデザインは、どこかリゾートな、開放的な空気を生み出している。BGMにはブラック系が実に耳障り良く鳴っていたのだが、ふと見上げるとソニーのスピーカーだった――BOZEより断然好きかも。



 コノ店最大の注目――と言えば、自前で焼いているバンズ。国内にバーガーショップ数あれど「バンズを自給できている店」というのは恐らく幾つも無い筈である(つい先日の神戸屋レストランやホテルなどを除けば、佐世保のミサロッソぐらい?)。バンズはラーメンにおけるに相当すると言ってよい(もちろん値は違いますが)。麺は製麺所が作るのに同じく、バンズはパン屋がそれを請け負っている。窯などの設備の問題、それと同じくらい手間の問題が大きいだろう。コノ店の場合、オープンキッチンの中央にオーブンが設置されている。そう大きくはないので一度に焼けるバンズの数は20くらいだろうか――多くはない。オーブンの下には引き出しが何段も付いており、中には発酵中のパン生地が入っていて、発酵の様子を見て順次オーブンに入れてゆく……という作業を時間を計りながら延々と繰り返す。ひとつ計算を間違えるとバンズを切らしてしまうことになるのだから、これは大変だろう。焼き上がったバンズはツヤ消したような皮の感じが非常に食欲をソソる色合いで、生地は若干黄色みがかっていたか。割りとあっさりとして食べやすく、重くない。なかなかツボを得た一品である。



 次に特筆すべき――とくれば、メニュー。バーガー類30種、そのメニュー体系および数種のソースから選択させるところなどは、都内最高峰BROZERS'に息を呑むほどよく似ている。赤い唐辛子マークまで似ているのには流石にビックリ……。とは言え、BROZERS'そっくりのコピーバーガーが登場するワケではなく、結果的にまた違う味を目指しているようでもあり、参考にされるのは「王者の証し」と思って>BROZERS'、ここはひとつ……。ま、そんだけ注目されてるってことですな。非BROZERS'的メニューとしては、フォアグラを挟んだロッシーニバーガー\1,750やアスパラバーガー\1,100など――オックスの個性と発展はこれから。



 BROZERS'でもお馴染み――とくれば、パインチーズバーガー\1,150。バーベキューorトマトソースの二択はBBQを。直径は小ぶりな部類だが、高さが半端でない。上からスキュアでひと突き。ソースの垂れ具合といい、DEMODE DINERの背高のバーガーを思い出す。ソースを一方からのみ垂らすのが技術と演出。バンズはてっぺんのみ僅かにテカり、美味しそうな白ゴマが乗る。裏はサクッとコンガリ。中は一番上からソースが存分に滴り、モッツァレラチー、軽く鉄板の上に乗せたパイン、パティ、生オニ、これでもかというくらい分厚いトマ、ふんだんに畳み込んだレタ、下バン。BBQソースは案外甘め。それほどピリ辛くない。粗く挽いたパティはZIP ZAPを思い起こさせるミディアムレアな焼き加減でむしろステーキに近い味わい。香辛料の鋭い香りがよく効いて極めて強い牛肉の余韻を残す。但しレアな焼き方ゆえ温度が低く、アッツアツを口にする(かつ手に持つ)醍醐味には欠ける。レタスの畳みは良好、贅沢この上ないトマトの厚味とともにこのバーガーの下半分を構成するのはこれら新鮮野菜。但しこちらもバーガーに挟むにしては少し冷え過ぎているうえ(パティの温度も関係するか)、水気が多いため、袋の隅にずい分と汁を溜めることになる。パティだけ見ればかなり美味しいのだが、しかし下半分=野菜との連携が今ひとつで、今だと上は上、下は下にそれぞれを味わう二重構造に近く、BBQソースがぐるっと全体に回り込むようなトータルなバーガーの味わいにまでは辿り着いていないようだ。実際これだけソースをかけていながら、多過ぎる野菜がソースの味を薄めている部分もある。野菜で背の高さを出そうとするあまり、バランスが悪くなっているのだ。出来たらチーズとパインにもひと工夫を。パティの後味はとにかく素晴らしく、いつまでも肉らしい余韻が口中に続く。その余韻を程好いところでリセットさせるかのように、よく漬かったコーニッションとらっきょが後味キュッ!



 後日再訪すると、温度の低さをチーフ自身やはり問題視してトマトを軽くグリルしたうえ、挟む順番をパティの上に持って行く改良を加えていた。パティも前回より少し強めに焼いていたか。この日はトマトソースで食べたくて、トマトに一番合うバーガーを――と普段頼まぬアボカドチーズバーガー\1,200を選ぶと、何時間とかけて鍋で煮込んだ自家製トマトソースとチーズががっちり噛み合う安定感の中(王道デス)、ソースのライトな酸味がバーガー全体に行き渡ってサラダを食べている感覚にも似た爽やかさと、しかし一方では噛み心地がしっかり程好いパティの旨味に黒胡椒のピンとした刺激がよく効いて、肉・野菜それぞれの美味しさを楽しめる面白いバランスのバーガーを食べることができた。アボカドの存在もさることながら、やはりトマトの工夫が奏功しているだろう。コチラ……断然トマトソースがオススメ!(以上2006.11.6追記)



 気の合う仲間が集まって――居心地好い店内で気の向くままに寛いでいただけたらと、そんな店を目指してオモテ通りから入ったコノ静かな立地を選んだ。「ジワジワと浸透してゆけば」とはコックコートに袖を通すのは初めてという若きチーフの言葉だが(※今まで違うもの調理してたんです)、ぜひこの寛いだ空気をキープしながら「ハンバーガーのある暮らし」をじわじわ広めていっていただけたらと、「雰囲気」と「バーガー食普及」の両立を心より願う次第。流行るとごった返すし、難しいトコですが……。自家製バンズとステーキのように美味しいパティを武器にどんどん行きましょ!経営は……忘れてしまった。とにかく中堅外食企業が母体。


※2007年4月30日、早くも閉店。う〜ん……参りましたね。そんなに退き鉦早く鳴らされても……。


― shop data ―
所在地: 東京都目黒区鷹番3-18-7
      東急東横線 学芸大学駅歩5分 地図
TEL: 03-3716-2811
オープン: 2006年9月
営業時間: 11:00〜22:00(21:30LO)
定休日: 火曜日(要確認)


2006.10.28 Y.M

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2006年05月28日

# 131 ノンノンの国 [自由が丘]



 はっきりしたテーマが一本あるとやはり強いやネ。「ノンノンの国の健康パンは ●ノンオイル・ノンバター ●保存料不使用の厳選素材 ●低塩分」「ノンノンの国のパンはこんな方におすすめ ●ダイエットに役立てたい ●血液をサラサラにしたい ●高脂血症・糖尿病の予防に」……言われてみれば確かに気になるキーワードをふんだんに配した、秀逸なコピー。事実私もそれイイね、イイね……とすっかりその気に。だって、食べ続けると血液がサラサラになるパンがもしあったとしたら……やっぱりイイよネェ〜!

 一見童話チックなお店の名前には実は駄洒落が入っているワケだが、しかし誓ってオイルとバターは入っていないという健康パンショップおいしくヘルシーな家庭料理を提唱する健康料理創作家・茨木くみ子先生は港区三田にキッチンスタジオを構え、健康パンを通販し、そして自由が丘にこのキッチンカーの直販店を出している……堅固だ。

 南口の改札を出て……おーっと! 探す楽しみ無くすぐ視界に飛び込んでくる赤いキッチンカー'03年6月オープンというから今年で3年目。こんなトコに在ったっけ……我が心の白地図にまた色が着いた。すぐそこがお馴染みの緑道なので、座る場所には事欠かない。ただこれからの時期(雨期)は売る側も買う側もややツライでしょうが。ボディにメニューと効能書きが大書――確かにサイトでも良いこと言ってんだよネ……「少しの小麦をイーストフードで無理矢理膨らませ、嘘の香りで誤魔化し、添加物の力で作り上げたパン・・・それを美味しいと思う日本人の味覚を不安に思う毎日です」……大量消費・冷凍食品な味覚にすっかり慣らされた我々生半な現代人にとっては、まさに耳の痛いお言葉。

 お値段お手頃、チーズバーガー¥300、トッピングトマトは+¥50。チリソースも+¥50。パックには丸いほっぺのノンノンキャラ。打ち粉たっぷり、北海道の地粉を使用したバンズはもちろん裏ノンバター、ノンマヨネーズ。イーストフードなど使わないと謳うだけあり皮硬め、ふわふわせずしっかりした作りで、コレが小麦本来の味なのか、噛むと砂糖とは別種の淡い甘味がしみ出してくる。白いチーズ、マスタード、ケチャップ、ピクルス、白いオニオン、パティ、その下にトマト、下バン。ご想像のとおり、至極あーっさりした味である。

 低カロリー、低塩分――こうなるとパティの味よりバンズの甘味ケチャップよりもマスタードがよく利いてくる。ピクルスは水分少なめ、はっきりした噛み応えとスウィートな味を持ち、印象的。噛み応えと言えば、大きく刻んだ白いタマネギもこれまた甘くて美味しい。白いチーズはパティの熱に溶けてもっちりした食感。家庭で作るハンバーグと同じレシピのパティも、されどナツメグをブンブン効かせているワケでなし、軽い風味で食べやすく出来ている。

 細かーい胡椒がササと振られているようなのだけど、素材それぞれの特長を大きく変えてしまうものではない。香辛料の過激な用い方が無い反面、締めのお塩のキュッ! も無いので、ふわふわ〜っと甘く軽〜く漂い流れてしまいそうな辺りが少し頼りないけれど、お店のイメージを裏切らないナチュラル&ヘルシーなバーガーなるほど……自由が丘の食の志向ってある種こういう感じかも知れない。そうそ、自由が丘らしく? バナナカスタードバーガーあんこカスタードバーガーの2品のスウィートバーガーがある……って、ノンパティはバーガーじゃないんだけどサ。

§ §

 まぁ大量消費・冷凍食品な味覚にすっかり慣らされた我々生半な現代人は、反動でスゴク塩っカラ〜イものを食べたい衝動に駆られるやも知れない。しかしそれじゃあまるで逆効果。飲み物も着色料&香料バリバリのコーラや何やは避けて、オーガニックなコーヒーや紅茶と合わせることが出来たら尚良しでしょう(そんな店、近くに在ったかな)。にしてもこんなヘルシーなパンを擁して、またよりによってハンバーガーなどという、ときに不健康の"権化"とも目される食べ物をわざわざ作ろうってこと自体、いきなり&思いっきり敵の首領に攻めかかってる感じで、考え様によっては"スゴイ"です。だってわざわざバーガーに限らなくたって、的を広めに「サンドイッチのお店」としといても良かったワケじゃない?

 一方で「街角でハンバーガーを売る」というのは、バーガー本来のあるべき姿として、ひとつの理想形のようにも思えるので――端で見てるとなんか楽しそうなんだよネ、売る姿がサ。しかもその街角が自由が丘だなんて、まさしく絵に描いたような! ――チャレンジャー精神半分/夢半分をミックスしたお店です。

2006.5.28 Y.M

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2006年04月27日

# 125 Eat Heaven [赤坂]



 最寄駅――乃木坂……いや、赤坂?でもビミョーに乃木坂か……ってまたやってるよ。この辺、ホント判定が難しいのである。ま、どっちからでも近いは近いんだけどね。千代田線両駅の中間、赤坂小学校(旧・桧町小学校)の辺り。どちらか言うと近隣オフィスのお昼の空腹を満たし、午後の仕事の質を高めるお弁当屋さんといった感じの立ち位置。メインはデリバリー。イートインもあるにはあるが、休憩室の机椅子といった風のソレが申し訳程度に10席ほど並べられているだけで、「お店で食べている」と言うよりは厨房の片隅で賄いをいただいている風情の店内。壁も梁も随分単純な壁紙を巡らせて、インテリアらしい工夫というものはまるで廃されている。そしてそこら中にうずたかく組み上げられたデリバリーの箱また箱――何だろ……原状回復せずに出て行った前のテナント跡をとりあえずそのまま使って弁当屋を始めてみたところ、予想外に忙しくなって改装どころじゃなくなっちゃたまま、ズルズル……みたいな雰囲気かな?あんまり適当なことばかり書くと、いい加減お店に怒られそうだが、別に悪気があって書いてるわけでなく、とにかくエラク奇異な体験ができることを強調したかったのである。これまでにない妙な空間……。繰り返すが、メインはデリバリー。イートイン"も"できる。BGMはゴーゴー唸る換気扇の音と細木数子のTV番組。そう、義理堅く――チャンネル☆ロック!TBS


 しかしこんな作業場チックな殺風景な店内から、こんな魅せるバーガーが出て来るとは誰が想像しよう……


 チーズバーガー\900、フレンチフライandオニオンリングorサラダ付。一緒に頼むとドリンク\200。赤い厚切りトマトのテーブルの真ん中に甘いピクルス1枚載せて、マスタードで黄色く渦巻きを描いた愛嬌あるフェイス。その下は生オニ、マヨ、レタ、ケチャ、チー、パティ、下バン。とにかくヨコに大きいバーガー。バンズも幅広、表面白ゴマ、ツヤはあるが細かーく皺の入ったシャリ系の皮。裏こげ目。下バンも同様な直径で実に安定感ある見た目だ。そしてさらに驚くのは、パティがこの大ぶりなバンズにぴったり円周を合わせてきていること――これは相当なボリューム!ミンチをギュギュッとしっかりしっかり固めたこのパティ、噛み締めると心地好い歯応えがしっかりしっかりと返ってくる、安心の逸品。メインはマヨネーズとケチャップの甘い味で気持ちよくまとめ上げられた野菜陣なのだが、こうして心置きなく野菜が活躍できるのも、このしっかりとしたパティの下支えがあってこそ。軽く塩コショウを振った程度の地味目なパティながら、他の具材を引き立てることにおいて、その存在感を如何なく発揮している。野菜はどれも良質。中でもレタスは「折り畳まれた」と言うより包み込んだと表現するのがふさわしい、特殊な畳み方。付け合せのサラダもツナがゴッソリ盛られて、これだけで中々なボリューム。甘い中にも鼻梁の通った、案外と爽やかなバーガー。ウェンディーズ党なら支持間違いなし!シン=フェイン党ならどうだろう……



 Homework'sスッキリシャッキリした味に通ずるところアリ。あるいはその流れを汲んでいるかも知れない。あまり適当なことは書けないが……とか言いながら写真を比べるてみると、Homework's ともFranklin Ave. とも具材の積み方が同じなのである。ほぼ間違いなく此処に一派があるナ……と確信の色を濃くした次第(Homework's とFranklin Ave. の関係は知っているが)。バーガー12種、サンドイッチ15種(バーガーは数で必ずサンドに負ける)。と言うワケで「赤坂」と聞いて想像される、アノ界隈からは離れたところではあるのだけれど、商店会的にはコノ辺りも赤坂なようなので、最寄駅赤坂ということで決着させておいた。ちなみに冒頭の旧・桧町小学校(現・赤坂小学校)は、『ウルトラQ』第6話「育てよ!カメ」(1966年2月6日放送)のロケ地に使われたとの情報を入手。制作:円谷プロ、放送はもちろん――チャンネル☆ロック!TBS


2006.4.27 Y.M

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2006年03月25日

# 118 SUNDAE AMERICAN RESTAURANT [恵比寿]



 久々の東京なのである。イヤ別に、転勤していたワケではない。

 【sun-dae】……アイスクリームの上にチョコレート、フルーツ、シロップをかけたデザート、あのサンデーのこと。そんなポップでスウィートな店名の響きとはやや裏腹に、通りから一段下がった半地下の店内はビターな大人の気配に満ちている。シックな黒いシートに白いタイル貼りのテーブル、白い壁・天井にウッディなカウンターとキャビネット。ファンがユラユラと回る、この薄ぼんやりとした黄色い暗がりの中、イーグルスの「ラスト・リゾート」なんか流れた日にゃ〜もぉ〜っ!! どこかウェストコーストの憂いと影を帯びたような、そのクセぶりにしびれる。

 ハンバーガー(綴り:Ham burger)¥950、メニューには書いてないけどチーズのトッピング¥100。よく焼けた白いバンズはオモテに白ゴマいっぱい。ゆるいソース、トッピングのチーズ、パティ、トマト、生のオニオン、レタスい、下バンにはガーリックバター。メニューにはあとマヨネーズ、BBQソースと書いてあるのだけれど……確認出来ず(きっと私がボンクラなだけだろう)。上バンは裏もよく焦げ、同じくよく焼けたゴマとともになかなか香ばしい。美しく畳まれたレタスは歯応え爽快! パティに派手さはないものの、渋めの味をきっちり利かせて安定した存在感。

 あとはトマト系のゆる〜いソースがガーリックバターと出会って、まるでイーグルスの「言い出せなくて(I Can't Tell You Why)」のエレピのような、ゆる〜い、甘だる〜い雰囲気をたゆたわせている……って書いても何のことだかさっぱり解らないよネ? 最近ハンバーガーについて書いてんだか音楽について書いてんだか、自分でもよく解らぬ境界に突入気味―まぁむしろそれぐらいで丁度? 決して派手ではないが、お店の色を見事に身に纏ったバーガー。付け合せはピクルスにフレンチフライ。おともは毎度の「キューバリブレ」¥650。

§ §

 なによりあの落とし目のライティングがツボ。少し疲れたとき、テーブルに頬杖付きながら、何か取り返しのつかない思い出を手のひらの上にひとつ取り出して、思い返している―そんな自分を嘲りつつ、でも独りいつまでも思い返してしまう―そんなコトするのにちょうどよい、気だる〜い空気が漂ってくる―そんなお店……なぁんて言ったらお店の人に怒られるか。イヤイヤ! どーぞ大人数で盛り上がっていただきたい、そんなお店……。

 なんだけど、そこはさすが恵比寿、どこか一枚オトナのフィルターのかかった、落ち着きと余裕の漂う雰囲気が魅力。そう、そう言えば名代のサンデー食べなかったな……イヤイヤ、あんな強烈なモン、まして夜になんか食べたら太るからぜったいにダメェー!! ……なぁんて言ったらまたお店の人に怒られるか。昨年オープン。

2006.3.25 Y.M

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2005年12月25日

# 103 7025 Franklin Ave. [五反田]



 103店目にしてついに登場! の屈指の名店は、当企画100店目を祝す候補の一つでもあったが、巡り合わせ悪く、これまでずっと有り付けずにきていた。

 「雑感」でも書いたように、初めて訪ねたときは売切れ御免で泣く泣く引き返した。次に徒歩0分に住む友人と連れ立って行けるよう日程を調整していたが結局合わずに流れた。それでもようやく都合が付いて五反田に向かった時があったが、しかし我が意に反して胃腸の調子がまるで思わしくなく、その不振の胃腸にウソを付いてまで食べることが、とてつもなくシンドイ作業に思われたので、店の前まで行きながらにしてこの日は自重して引き返した。そして今回、訪問三度目にしてようやく食べることができた。三顧の礼とはこのことだろうか。

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2005年12月22日

# 102 TRANSFER [品川]




 今朝(12月21日)のニュースでニューヨークのバスと地下鉄がスト――と報じるのを見て、ふとココのことが頭をよぎり、ぷらと行ってみた。全館総紐育化で売るアトレ品川の4F、最も目立つ位置に陣取るZakka & Cafe。"カフェ&雑貨"――でないのは単なる言い易さだろうか。

 Zakka & Cafeなどと聞くとついZap & Rogerなんて浮かんでしまうのだが、両者は兄弟でも何でもないらしい(当り前だ)。あーあとその昔、東横線の高島台−桜木町間の高架下にフランク雑貨(≒Frank Zappa)なる店を見つけて笑い転げたことがあるが、そんなことはどーでもよい。

 「飛行機でニューヨークへお着きになったら、カフェ・ラウンジでごゆっくりおくつろぎいただき、地下鉄に乗って「ニューススタンド」のあるブロードウェイの街なかへ、さぁどうぞ!」見た感じすごく惹かれる造りで、店前には広々とテラスが構えられ(屋内だけど)、壁には地下鉄の車両が埋まっている。

 実は数日前にも食べに行っていて、そのときはピニャコラーダにパスタを頼んだ。このアミューズメントな造りからメニューもさぞ凝ってるんだろうと想像していたのだが、意外やあっさり、サラダにサンドイッチ類、ピザ、パスタ――こんな括りでおよその説明がついてしまうくらいの、つまりは空港待合ロビーにある喫茶室の軽食ノリをウンとオシャレに見せているカフェである。

 ハンバーガーは、このメニューの中にあっては実は目玉メニューかも知れない。チーズバーガー¥950、道連れに「トロピカルアイスティー」¥600。

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2005年09月09日

# 088 CHELSEA MARKET [秋葉原]



 四たび英国人シェフ、イアン・トーザー氏プロデュースの店――WeST PArK CaFE(手掛けたのは代々木上原店)、ROTIGRILL、そしてT.Y.HARBOR BREWERY――こんだけ行けば味も一緒でしょ……って当の私も少しは思っているのだけれど、しかしその立地の面白さと話題性から、ついまた行ってしまった……


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2005年09月06日

# 087 American Diner the Bay [羽田空港第2ビル]




 "夏休み"とくれば旅! まだ夏真っ盛りの頃、せめて気分だけでも"夏休み"を……と、ぶらり玄関口まで行ってみた。

 去年出来た第2ターミナルビルはまだ真新しく、入るお店も錚々たる顔触れ……「赤坂璃宮」「ドンサバティーニ」そして何故か「新宿アカシア」も。

 みやげ物売り場も豪華絢爛、煩悩直撃のスイーツ光線がキラキラと光り輝く。かつて憧れの乗り物だった時代のステイタスをいまだ根底に据えながら、現代のお出かけスポットたる必要条件を十分過ぎるほどに備えていて、強烈に魅力的である。ホント、このスイーツのラインナップはみやげ物の域を超えてるヨなぁ〜デパ地下同然お使い物にするには勿体無過ぎる。

 誰より買った本人が食べたい……なので欲望の向くまま"2時間後の自分"のために土産でも探そうかと、夕食済ませたそのイキオイでイソイソ売り場に乗り込んでみれば――既にシャッターの降りたる由……。閉まるの余りにも早過ぎ。

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2005年07月16日

# 077 牛豚鶏Body Dining [田町]




 またしても[最寄駅]の難しい店。「駅から遠くても、なんのそのJR田町駅東口から徒歩13分」とは店のチラシ。ゆりかもめ芝浦ふ頭駅なら「徒歩5分」、断然近いのはコッチ――熟考の末、今回は距離より知名度を採ることに。このチラシ、田舎的とでも言おうか、アピールしたいことがとにかく思いつくまま何でもかんでも書いてあり、雑然としてかつ極めてとりとめ無い。一体どんな人が作ってんだろ……と再びチラシに目をやると「会社概要」の項があり、そこには「オーシャンキングジャパン 飲食事業部」と。どうやら同じフロアにあるらしい。とりとめの無さは店名にも及び、同じチラシの中で「牛豚鶏Body Dining」「ウットリBody Dining」「牛豚鶏ボディダイニング」の3種類の表記、まるで統一がとれていない。14項目にわたる「店舗案内」の1番目「ディナー店名は牛豚鶏《ウットリ》とランチ店名は魚禽姫《ウットリヒメ》と親しみある店名を採用」から容易に推察できるように、自分の世界を強烈に持った店――と言うことができようか。SINCE 2004。

 ステーキ&ハンバーグ料理専門店。白い壁、白い椅子にゴージャスなベルベットブルーのカーテン、青い床。ライティングをウンと落とし、国道246沿い・三宿〜三茶辺りによくある感じの店。一見「高級感」だが、イスやテーブルをよく見ると年季入ってたり新品だったり……この辺りもとりとめ無し。海岸通りに面した倉庫を利用。トイレなんか何処ぞのクラブみたく、無意味に広い殺風景な空間の真ん中に唐突に便座だけ置いてあって、エラク簡易的かつ美しくはない造りだった。

 店に入るとイガ栗アタマに口髭のイカツイ兄ちゃんが出て来て、バーガー頼むと「少々お時間かかりますが……」と。こっちはハナからそのつもりなので「よろしく!」と返すと、厨房からペタペタ肉を捏ねる音、続いてジュー……と焼く音。皿が運ばれるまで都合20分弱、かなり丹念につくっている様子で嬉しい限り! UTTORI 特製チーズハンバーガー¥700、半ツヤのバンズ、表面ちょっと白ゴマ。フカ系かな? 中は真っ赤なトマト、サニーレタス、とろけたチーズは存在薄。で何てったって主役のパティ――はハンバーグだった。表面のコゲ香ばしく、「帝国ホテル」……とまではゆかぬが、分厚い中から肉汁がジュワーッ! ナツメグがやたらと効きまくっている。マヨネーズ&ケチャップなど調味料特になく、パティの塩味とひたすらナツメグのみ……いや、パティにちょっと醤油ベースのソースでも絡んでたかな? そんな味もした。付け合せはパセリを振ったフレンチフライ。

 マッチョな牛のキャラと店内各所に置かれた牛のぬいぐるみは、この時期エラク暑っ苦しく目に映って、正直如何なものかと……。ビル自体貸しスタジオ/レンタルスペースなのだが、コノ店とは無関係か。金土・祝前は遅くまでやっているそうなので、深夜クルマで乗り付けてガッツク……なんて使い方はやっぱり三宿的ですかな。BGM――いまどきなソウル/ダンス系がお店の雰囲気にマッチ。

§ §

 さて帰りがけ、店を出てふと振り返るとオモテの塀に建築計画の掲示。地番表示なので店の住所と一致はしていなかったが、普通に考えればコノ敷地が計画の対象に違いない。着工予定9月1日――てコトは去年オープンして一年もしないでもう無くなっちゃうの? そう考えると、ははぁ〜と頷けなくもない店のつくりだったような……。


2005.7.16 Y.M

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# 076 T.Y.HARBOR BREWERY [天王洲アイル]



 天王洲エールという地ビールで有名なお店。「50年前にできた倉庫の建物はそのままに、醸造設備をもったブルワリーレストラン」に改装して'97年オープン。入口に大きなビールのタンクが何槽もあり「運が良ければビールの仕込みが見られる」。天井(と言うか屋根)高14mは確かに高いがヨコの"幅"については、タテ長な倉庫のほんの一部を壁で仕切って使っている感で、まだ奥あるんじゃな〜い?と妙な閉塞感にとらわれる……のは多分、私だけ。でも厨房巨大、働くスタッフも多数。運河に面したデッキは特にこの時期、どう考えても気持ち良さそうなのだが、禁煙席をオーダーしたら屋内の席に。比較的最近改装し直したものか、テーブルもソファもまだ真新しい。"倉庫跡"という言葉からイメージされる簡易的なあるいは特設的な風は一切なく、店内外ともトータルなデザインコンセプトに貫かれて「都市的な水際の」「カジュアルなおとなの空間を見事に演出し切っている。客層はもちろんカップルあり、女のコばかりでお誕生日の集いあり、男8人多国籍な一群あり、赤ちゃん連れあり、更には国際結婚の赤ちゃん連れ何組もあり――「平和」と「豊かさ」を実感できる土曜の昼下がり――



 ココの英国人シェフがかつて手がけた店――ということでマーク(店名自体は前の仕事の関係でよく知っていたが)。"ネオ・アメリカン料理"とか"カリフォルニア・キュイジーヌ"とか、そのような呼び方でその料理を表現しているが、要はその通り、近年台頭著しいアメリカンダイナーなお店のひとつとして、方向性はココココココなどと近いのだろうと思う。



 ハンバーガーはランチのみ、しかも平日の登場機会は不定期、確実なのは土日のブランチだが、週末は貸し切りパーティーやウエディングの入ることがあるので、思い立ったらまず「営業時間変更」を確認のこと。T.Y.ハーバーバーガー(リアルアメリカンスタイル)170g\1,600。チェダーチーズのトッピング\100。お供にはコノ店の基本=ペールエール、パイント\800。付け合せはバーガーの量の2倍はあるフレンチフライ。それにタルタルソースとケチャの入った小鉢。タルタルは単体だと何と言うか……ちょっと詰まった匂いのクセの強い味なのだが、バーガーに付けて食べるとパティやトマトの甘味を見事引き出すナイスアシスト!バンズは表面白ゴマ、きめ細かな黄色い生地のブリオッシュバンズ。ややくすんだ皮の色が魅力的。上等なバターロールという感じで、ほんのり抑えた甘味と芳しい香りがまた魅力。中身は、派手さはないが深いコクがあって美味しいチェダーチー、ジューシーな塩味が美味しい丸ままのピク、トマ、スクエアな食感のレッドオニ、レタ、パティ、再びレタ、下バン(heel)。パティは表面しっかり焦げるまで、中はゆる〜く赤みが残る焼き加減。繊維質がヨコにぎーっしり詰まった、しっかりした噛み応え。傾向としてカリフォルニア・キュイジーヌを謳っているお店のハンバーガーには整った味が多く、ドッカーンと炸裂するような派手さやワイルドさは少ないように思われる。ココのバーガーも見た目華やかではあるが、ぎゅーっと締まった、しっかりとした食感。「サンフランシスコから技術を導入して作られたビール」は当然米国風に甘口でライト。バーガーにはいつもギネスなど濃い目のビールを合わせていたが、今回のペールエールとの取り合わせは、まさに7月・土曜の昼下がりに相応しく、サッパリ爽やかだった。BGMもオシャレに爽やかに、ブラジル系ジャズvo・ボサノヴァなど。


2005.7.16 Y.M

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2005年07月08日

# 075 SNAPPER & GROUPER [銀座]



 銀座七丁目、コリドー通り……と言ってもよく分らぬだろう。JR、東京高速道路の高架を挟んで帝国ホテルの反対側。TEXAS & MEXICO FOOD BAR――つまりテックスメックスってことなんだけど……そういう臭気は嗅ぎ取れないような。店構えはどっちか言うとカラオケ屋のフロントを発展させたような感じ?店の奥に上階に上るエレベーターか地階に下る階段でもありそうな気配なんだけど、ところが無いんだなぁ〜ナゼカ。高〜い天井。大き〜いガラス窓にはスクリーンが下がり、プロジェクターで『トムとジェリー』を上映……そう、まさに『トムとジェリー』がふさわしい陽気で賑やかで騒がしいお店。スタッフのノリと言うかスピリットに居酒屋的なモノがあり、オーダーとる声・業務のやりとりがとにかく大きい大きい!店名が如くグループで楽しむのに好適。入口両脇にはリビングセットが3組ほど置いてあるんだが、座高の低〜い、奥行きの深〜い、そしてブッカブカな椅子で(流木のソファ)、半分寝転ぶようにしながらダランダランと……でも騒いぢゃう感じ?居合わせた一団もぎゃーこら騒がしかったなー。奥には一段上がった一角や一段下がった一角(インディアンのテント)もあり、とにかく団体さんがウダウダやるトコかな。よってカップルが静寂と落ち着きを求めて……と言うのには向かない。銀座と言うより渋谷なノリの店。BGMもうるさめなロック(有線)をうるさめに流……いや、中音域がやたらとブーストされており、むしろ音が完全に割れている――これでは何をかけても聴き苦しくなるワナ……木の梁が印象的な馬蹄型のカウンターバーはテックスメックスと言うよりもポリネシアン?柱にかかる"お面"にはタイら辺の仏教色があり、そうした意味では東南アジアン?太〜い手すり……と言うか、肘乗せだね……が付いており、コイツに肘を乗せ……と言うか上体を預けるようにしてバーガーを頬張る。



 オリジナルハンバーガー\1,020にチェダーチーズ追加\150。お盆のように丸い木皿に乗って。付け合せはフレンチフライ。てっぺんに串が2本、でも実用的意味は無さそ。中身はレッドオニ、トマ、チー、パティ、レタ、下バンズ。バンズはグラハム系、そしてややモロモロ&ムッチリ系。中華蒸しパン、あるいはイマドキ流行りな乾パンをソフトにしたようなサンドイッチ用パン?わかる?一瞬ホンの微かに食欲を誘わない粉のニオイがする。パティはハンバーグ。薄い塩味が付いている。レタスは"挟まっている"と言うよりはパティの下に"敷いてある"感じ?――少量でした。チーズはしっかりイイ仕事残してるんだけど、全体に滋味には乏しいか……。サービス料10%、お供のキューバリブレはしっかりラムが効いていた。



 で――此処パシフィック銀座ビルはエスケイ・コーポレーションという会社が経営するレストラン、バーが全ての階に収まっており、各店巧みにコンセプトを変えながら全館挙げて見事なエンタテインメントぶりを発揮している――コノ店は謂わばそのエントランスに当たるワケ。略して"S&G"はちょーっと度胸あるよネ。そうそう、あまりに暗かったので手前のマスタードに一旦ピントを合わせて、そのまま撮ってしまった……って文章に脈絡ないけど。


2005.7.8 Y.M

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2005年06月24日

# 072 RAINBOW KITCHEN [千駄木]



●団子坂

 またも初めて降りる駅――千駄木(せんだぎ)。地上に上がると真上は団子坂(だんござか)下の交差点。この交差点を基点に団子坂と、その反対側の坂――谷中霊園から上野へと至る――の両脇は、背筋のしゃんと伸びた老舗の佇まいの合間合間に、若者たちが自ままに始めたカフェ・喫茶・食堂がうまく入り込み・溶け込んで、なにか箱庭のような手のひらにすっぽり収まるスケール感の中、一種独特の落ち着きある光景を呈している。古い町に若者の往来――。


 その団子坂を登る。登り切ると道幅がにわかに広がり大観音通りと名を変える。商店街を少し歩くと駒込大観音(おおかんのん)という、江戸の頃なら差し詰め邪教の巣窟、帝都の御世なら怪人二十面相のアジトが如き妖しの観音堂が現われる……ハッ! そうなのか!! かつて江戸川乱歩はコノ団子坂に住んでいたのか!! 『D坂の殺人事件』の「D坂」とは団子坂のことと。ほほぉ……。

●ガレージ

 くの字に曲がる坂の途中にある店。ときにすれ違うのも窮屈な狭い歩道なので、窓際の席に座ると歩く人の顔がすぐ真横に迫って見える。ビルの1Fをトタン板で囲っている――2Fの美容室と揃ってコノ古い雑居ビルをイマドキなセンスで甦らせている感。入口は正面でなく店の側面、階段の踊り場にあって、ともすれば坂を登る勢いで行き過ぎてしまいそう。渋〜い木の扉とその上に付けられた電気メーターのレイアウトがたまらぬセンス。


 アメリカンガレージな店内。鉄骨むき出しの天井に電飾チカチカ。アンティークなサインボード・小物の数々に、デザイン・種類バラッバラの椅子のセンスは下北テイストか。席数は多くはなく、ゆったりと間を空けて置かれている。客は女の子がほとんど。スタッフも女性ばかり2人どの組も概ね物静かに、どちらか言うとぼそぼそと会話をしていた。淡々とした時間の経過と静けさを売りにした店。BGMはビートルズ『サージェント・ペパーズ……』からジャック・マクダフみたいなオルガンジャズへと。

●女性オーナー

 バーガーメニュー11品。チーズバーガー¥945、何の飾りもない、白い無地の皿に乗って。バンズは表面ザラッと、見た目テーブルロール系、味はコッペパン風で端正な身の薄さ。crown を斜めに傾けて出してくる。途中、真っ白な紙袋を両手に提げたヒゲのおじさんが入ってきて、袋の一方をスタッフに渡していたが、その紙袋からバンズと思われるパンのアタマがちょっと覗いているのが見えた……ひょっとしてこのおじさん、コノ店にバンズを提供する町のパン屋さんで、自分トコを閉めた後、帰宅の途中に届けに寄った……という場面だったんだろうか?


 中身はチー、パティ、レリ、マヨかかったトマ、生オニ、そして何重にも畳まれた白いレタス。チーズはアメリカンチェダーを2枚使っているが、やはりそんなに強い味はしない。レタスとオニオンは歯応えが気持ち良いトマトの酸味だけが独り逆向いてるみたいで、やや浮き気味に思えた。そして特徴あるパティ――すご〜く細やかな味がする。肉の粒々がぎゅっと締まった感じが良い。たまにコリコリした肉感に当たるのも良い。おとなし目な胡椒の味もまた良い。相性はコーラよりもカフェラテが最高! 女の子が作っているのがなるほどと頷ける、細やかなセンスに満ちたバーガー。"女の子作"という点でココの感じに似てるかな?

●カーリーフライ


 ときにこのパティについて某所では「ここのパテは神戸牛と近江牛でできているとのこと」と言い、別所では「松阪牛を使用したビーフ100%の本格的なハンバーグは、とってもジューシー」と書いていた――お店のHPがあるだろうとタカをくくっていたら無くって、結局ホントのところは分からず……情報元は一体何処なのか。どちらかが正しいのか・両方違うのかは分らぬが、とにかくテキトーなことは言わないよーに! (正解は産地不特定で国産牛100%)付け合わせはクルリと巻いたカーリーフライ(ってそのまんまか)とお菓子風味に甘いピクルス。




# RAINBOW KITCHEN [千駄木] の自家製チリコンカン&チップス
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のブロッコリーとゴルゴンゾーラのハンバーガー(再々食)
【最新情報】 GetNavi web「週末はハンバーガー」――第45回 RAINBOW KITCHEN [千駄木]
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のチーズバーガー(再食)
【おすすめハンバーガーランキング】 第2位:RAINBOW KITCHEN [千駄木] のブロッコリーとゴルゴンゾーラのハンバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のチリチーズバーガー(再食)
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のチーズエッグバーガー
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# Rainbow Kitchen [千駄木] のエリンギのソテーとモッツァレラチーズバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のハンバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のしめじチーズバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のサムライバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のブロッコリーとブルーチーズのハンバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] の茄子とベーコンのハンバーガー
# RAINBOW KITCHEN [千駄木] のチリチーズバーガー
# アボカドバーガー ◆ RAINBOW KITCHEN [千駄木] のアボカドバーガー

― shop data ―
所在地: 東京都文京区千駄木2-28-7 北川ビル1F
     東京メトロ千代田線 千駄木駅歩2分 地図
TEL: 03-3822-5767
オープン: 2003年2月10日
* 営業時間 *
平日: 17:00〜23:00LO
土曜: 11:30〜23:00LO
日祝: 11:30〜20:00LO
定休日: 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日休)

2005.6.24 Y.M

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2005年06月17日

# 071 蜂の巣 [北千住]




 関東地方が梅雨入りしたか・しないかのこの日(昨今予報が曖昧でよくわからぬ傾向)、霧雨の降る北千住をつま先を湿らせながら歩く。誰が好き好んでこんな日に飲みになど繰り出そうか――とまでヒドクはなかったが、それでも金曜の晩にしてはきっとひと気はさほど多くなかった筈である。ちょっと淋しい北千住……。

 西口、メインストリートきたろーどを少し歩いて宿場町通りに折れ、幅の広いこの通りをしばらく行くとサンロードという通りがあるので左折――こう書くとサンロードもそれなりの通りかと思うが、名前が付いているのが不思議なくらいの普通の路である。サンロードに曲がってすぐ左手にある、渋いアンティーク調のcafe & bar――但し残念ながら、現在カフェタイムの営業はお休みしているそう。

 オープンは2004年、テーブル席が3席ほど――あとはカウンターというさほど広くない店内、照明の暗さも手伝って選ぶ余地なくカウンターに座る。自然、若きマスターと会話することに――コレはなるべくなら避けているパターンである(この当時は。取材上の理由から)。まぁイイヤ――割り切って話しするうち、ヤレ沖縄のA&Wが好きだとか、タイにも美味しいバーガーの店があるらしいとかどうとか、ついついバーガー談義に花を咲かせてしまった。ワザと汚したデザインの(網でも張っているのだろうか)壁のスクリーンには『シザーハンズ』が、無音声・リピート再生で……またコレが店の雰囲気に恐ろしくマッチ!!



2007年6月撮影

 なにせハンバーガーはこのバーのイチ押しメニューなのである。期待に胸を膨らませつ、チーズバーガー¥880を。おともはレーベンだったかな? 白ゴマのバンズは久々のふっかふかー! 邪魔にならない甘味。中はマヨソース、チー、黒胡椒のかかったパティ、何気にレリッシュ、トマ、潤い湛えたレタス、マスタード、バンズ(heel)。手に持つとそんなに温かくはない。きっとバンズへの火の通し方の加減だろう、フワフワ食感を優先させているものと思われる。一方でパティの焼き加減が絶妙!! ミディアムくらいだろうか、赤味を残してふ〜んわり柔らかい。

 さてこのバーガー、何が美味しいかと言って黒胡椒とマスタード、つまりスパイスの味の利かせ方こそ超絶に巧い!! 両者ともグイグイ存在感をアピールしてくるが、されどしつこ過ぎず、パティと野菜を中心に据えた味の体系を崩すことなく、でも好きに暴れ回っている感じが超魅力的! ふかふかバンズとふんわりパティの感じから、基本はやわらかいモノを口にしている感覚なのだが、しかし一方でコレぞハンバーガー! というガツンとしたパンチが効きまくっている――この鋭敏なるバランス感覚! たまらん!! 別な言い方をするなら、しっかりした味のバーガーなのに、バンズとパティはふわふわ〜! 正直ソンジョのバーガーショップは軽く凌駕している。でもcafe & bar。ちょと照明が暗く、撮影に自信がなかったので(そんな理由かよ)、チーズバーガー完食後、さらにエッグバーガー¥880も(↑画像)。

 付け合せ――フレンチフライにピクルス。BGMは恐らくネットラジオを流していたが、'80sロック/ポップス専門局らしく、スターシップの「セーラ」、Mr.ミスター「ブロウクン・ウイングス」など、雨の日によく似合う曲の波状攻撃で、なかなか席を立てなかった。


# ベストバーガーショップ'07

# 蜂の巣 [北千住] のギネス
# 蜂の巣 [北千住] のハンバーガー TOPPING グリルドオニオン
【最新情報】 「CEILING FAN×FUN」――第13回 蜂の巣 [東京・北千住]
【最新情報】 GetNavi web「週末はハンバーガー」――第30回は蜂の巣 [北千住]
# 蜂の巣 [北千住] のハンバーガー TOPPING チェダーチーズ
# 蜂の巣 [北千住] のアボカドバーガー TOPPING サルサ
# 蜂の巣 [北千住] のハンバーガー TOPPING チェダーチーズ、オニオン
【シーフードバーガープロジェクト】 蜂の巣 [北千住] のフィッシュバーガー
# 蜂の巣 [北千住] のチーズバーガー TOPPING サルサ
【スタンプラリー#03】 蜂の巣 [北千住] のカラミティ・ジェーン・バーガー
# 蜂の巣 [北千住] のエッグバーガー
# 蜂の巣 [北千住] のハンバーガー
# 蜂の巣 [北千住] のカクテルバーガー
# 蜂の巣 [北千住] のチーズバーガー TOPPING チリ
# 蜂の巣 [北千住] のオニオンバーガー
【いよいよ秒読み】 『HAMBURGER STREET 創刊号』、
ただいま蜂の巣にて前夜祭開催中!

【最新情報】 蜂の巣 [北千住] がスタッフ募集
# 蜂の巣 [北千住] のチーズバーガー
【おしらせ】 蜂の巣 [北千住] のハンバーガーが復活しました
【おしらせ】 蜂の巣 [北千住] は現在ハンバーガーをお休みしています
# テリヤキバーガー ◆ 蜂の巣 [北千住] のテリヤキバーガー
【おしらせ】 蜂の巣 [北千住] の営業時間が変わりました
# アボカドバーガー ◆ 蜂の巣 [北千住] のアボカドバーガー
# 蜂の巣 [北千住] のベーコンチーズバーガー
# 071 蜂の巣 [北千住]

― shop data ―
所在地: 東京都足立区千住3-56 高橋ビル1F
     JR・東武・東京メトロ・TX 北千住駅歩6分 地図
TEL: 03-3888-2690
URL: http://www.hachinosu.com/
オープン: 2004年7月9日
* 営業時間 *
月〜土: 17:00〜26:00
日曜日: 13:00〜23:00
定休日: 月曜日(要確認)

2005.6.17 Y.M

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2005年05月14日

# 063 ROTIGRILL [晴海]



 オーナーシェフの英国人はどうにも"敏腕"らしい。世界各国を渡り歩いた末に来日。代々木上原のWeST PArK CaFE(赤坂店は当"隧"道既出。どおりで近いモノを感じた)、天王洲のT.Y.ハーバーブルワリー(調べたらバーガーあるじゃない……また行くトコ増えた)など次々に手がけていった――って具体的に「何を」「どう」手がけたんだろ?とはいつもながらのシロウトの疑問――。あっ、因みに↑、よく調べたネ……などと感心しないように。お店の入口に貼り出されていたコトなのでね。



 中央区は晴海にある晴海アイランド トリトンスクエアのショップ&レストラン街晴海トリトンにある、水のテラスに面した半分明るく半分お酒な雰囲気のお店……長いナ。え〜と、トリトンスクエアとは、要は職住・買い物処&食事処が隣接した、昔で言う団地ないしは小ニュータウン的機能を持つ一画で、下町っ子たち(一応隣は月島ですから)の憩いの場として親しまれていると。でお店の説明……木の床にスチールの椅子・机――これらのインテリアはIDEEで揃えたモノらしい。明るいライティング。ソファにはクッションが並べられ、くつろいだ気分も。天井から下がったテレビにはJリーグの試合が――と、これまでざっと挙げてきた構成要素はWeST PArK CaFE 赤坂店に極めて近い。オーナーシェフがかつて手がけた代々木上原のWeST PArK CaFE 1号店も「西海岸をテーマにした」カジュアルアメリカンとのことなので、きっと"彼(か)の国"の西岸はこんな感じになっているのに間違いなかろう。経営上はWeST PArK CaFE とは無関係、スティルフーズという外食系企業による。このスティルフーズ経営の店がまたアルワアルワ……(これから行こうとしてるお店モネ)あのジェラート屋も、あのクレープ屋もそうだったのネ……という具合で、至る所に勢力を拡げている。



 で、コノ店は同じくスティルフーズの人気店、六本木ROTIのグリル版という性格付け。ステーキバーガー\999、トッピングにチェダーチーズ\150。付け合わせなし。クレソンが添えられ、パセリが振られている。白いバンズは表面ケシの実、ほのかに生地の良い香りが。バンズの裏にマヨ、下にフリルレタス、ピク、トマ、オニ。オニオンは今まで食べたことのない、グリルなのに煮込んだかのような絶妙なとろけ加減!チェダーもたっぷり溶けて、パティ、でバンズ(heel)。「スモーク味のする」パティは確かに香ばしく、スモーキーな匂いを放っている。ちょい硬めの肉感、脂はほどほど。分量として肉より野菜組の方がやや勝っているようで、思いのほか肉々しいワイルドさには浸れなかった。BGMはハワイアンがかかっていたようだが、近くの大阪弁のおばちゃんの喋りがあまりに雰囲気を壊すもんだから、途中からヘッドフォンで栓をしてしまった――いや、ウチは母も祖母も生粋の難波人なんだけど、要は喋り方かな?きっと同じ大阪人でもカナワンナァ……と思ったに違いない。お供にパラダイスアイスティー\350。


2005.5.14 Y.M

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2005年05月13日

# 062 CAFE MOCHA [有楽町]



 有楽町マリオン真裏、飲食店の集まる界隈にて――。この飲食店街とマリオンを隔てる道路のことを有楽町中央通りと言うのね――ホントかね?ちょっと予定が狂ってしまい、どうしよう……とこの辺りをさ迷っているさ中、ふとコノ店のことを思い出し、入ってみたさ――所謂コーヒースタンド。「コーヒーと手作りハンバーガーの店」と大書してあるので以前よりマークしてはいたものの、何となく今まで入らなかったのは、そう……失礼ながらこの一帯にあまりキレイなイメージを持っていなかったから。オモテの写真でターゲットの存在をもう一度確かめ、ついに中に踏み入ったときにはまったくの無人だったので、「さすが都心、休日は空いてるなぁー」などと思っていたら、アレヨという間に壁に向いたカウンターのみ12席ほどの細長い店内は若い客層でいっぱいになった。女の子二人組もいる。キタナイ……という印象はないらしく。実際そういうコトで気になるほどのこともなく。店員は日本人男子と推定東南アジア系外国人女子の2人。イタリアンハンバーガー\320とブレンドコーヒー\200を頼むと、早速女性が調理に掛かった。



 さてイタリアンハンバーガー、オモテの写真には「イタリアンバーガー」とあり、レジのメニューには↑と書いてあった……まぁイイヤ。バンズ、確か袋にリョーショクと書いてあったかなぁ〜……立派なバンズ。しかしモノの書によると「バンズというのはソレ単体で食べて美味しいモノであってはいけない――」とのことで、要はハンバーガーの味の決め手は飽くまで中身、間に挟むモノ次第――どんなに立派なバンズを使おうとも、やはり最後はソノ店の技量や工夫如何でその結果に大きな違いが出てくると――いうことらしい。裏には焦げ目。中身はトマト、ゆる〜いイタリアンソース、ちょっと焼き過ぎちゃったハンバーグ風パティ、レタス。でバンズ(heel)。



 イタリアンソース(……と仮に呼んでおこう)、マダムkでもこんなソースだったんだけど、一瞬ウッ……とくるニオイは正直あまり好きではない……口に入れると気にならなくなっちゃうんだけどネ。パティの硬さが効いていて、バーガー全体としても硬くてややドライな印象。まぁでもコーヒーと一緒に食べてちょうどかな……。量の上での不足はなく、お腹に何か入れたい時には確実にその欲求を満たしてくれるであろうサイズ。他にテリヤキがあったかな?数種類しかないバーガーメニューの基本がなぜか「イタリアン」という辺りに、なにやらバックストーリーが隠されているようにも感じるんだけど、なにぶん今回、検索してもコノ店について触れたページに一切引っ掛からず、もちろんURLもなく手がかり皆無だったので、どーにもこーにも……。BGM――確かJ-POPだったような……。


2005.5.13 Y.M

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2005年05月01日

# 058 Homework's [広尾]



 日本初を名乗る店のひとつ。ココの日本初は「最初のグルメハンバーガー&サンドウィッチレストラン」。グルメハンバーガー……当"隧"道では使わない言葉だが、つまりはファーストフードで食べられるおやつ的廉価バーガーに対する"高級バーガー"くらいな意味合いだろうか。ただ、日本初と謳うわりには創業何年……という記載がない。はて何年……(※正解は記事の下に)。

 広尾商店街の突き当たり、祥雲院という寺の門前にある。因みにこの山門の奥がすぐ境内・本堂とばっかり思っていたところが左にあらず、門をくぐってもなお舗装された道路が続いていて、しかもすぐ二手に別れている。はてお寺は……まぁいいや。ココも店の正面全開にして、都内人気スポットにしてはまずまずのんびりした広尾商店街の空気をふんだんに取り込んでいる。入口すぐの特等席は外国人カップルが占め、フォークとナイフで器用にバーガーを食べていた。

 カウンターを勧められる。目の前に黙々と調理に励むスタッフ3名――イヤ〜緊張しますやん……! なので↑今回はやや恐縮気味の画像に……。てきぱきと手際良くバーガーを作る様子についつい見入ってしまう。広くない店内、キッチン周りは本当に無駄がなく、十二分に考えられた設計が施されているようだ。特に冷蔵ケースを戸棚式に宙に上げた工夫(キャビネット)は目からウロコモノ。ホールは白壁、ドーム型天井に床は木、小じんまりと温かみのある造り。

 チーズバーガーレギュラー130gで¥1,100。付け合せナシ。中はピクルス、トマト、オニオン、マヨネーズ、レタス、ケチャップ、チーズ、パティ。バンズはホワイト/グラハムから選択――ホワイトを。このバンズ、最初から上下に分かれてはいない……って調理上の話ネ。包丁で真ん中を二つに切ってから鉄板に乗せる。フカッとした食感で「ハンバーガーイン」にも似た牛皮のように柔らかな手触りなのだけれど、噛むとカリカリッと言うよりシャリシャリッという感じのキメ細かな粉砕の仕方をする。少量乗ってる白ゴマの味が美味々々! 分厚く真っ赤なトマト、そしてホントにキレイに折り畳まれたレタスは多過ぎず少な過ぎずの絶妙な水分量で心地好いったらありゃしない。

 もちろん主役はパティ――中はまだ赤々とした焼き加減。程好い粗さ、そして脂の乗りの良さ……コレは真剣に美味しいこの深み、マイルドでコクのある旨味……ただの脂ではない。肉よし野菜よし、そこに初めから振られたケチャップとマヨソースが美味しく絡んでくる――無添加・ナチュラル志向(特に健康食品系)は、ともすれば薄味ないしはほとんど味のしない妙な味付けに陥りがちだが、コノ店のバーガーは優れた素材をズラリ揃えながらも、バーガーらしいパンチの利いた味付けを忘れておらず、その辺りのバランス感覚こそ見事だと思った。見た目にはなんのことはない中身もごくごく普通のバーガーなんだけど、この当たり前のようなバーガーにこそ本物を感じる。内容に一切無駄のない基本に忠実」という言葉こそ最もふさわしいバーガー。

 BGM――ん? なんか流れてたなぁーという程度に多分有線洋楽ポップス。麻布十番・京橋に支店、六本木・丸の内にthe Pantry BY HOMEWORK'Sという別名の支店がある。


# Homework's [広尾] のベーコンバーガー TOPPING チェダーチーズ
【最新情報】 APIOジムニーライフ/『ON THE STREET BURGER』更新――Vol.27 Homework's [広尾]
# Homework's [品川] のチキンサンド
# Homework's [広尾] のチーズバーガー
# Homework's [広尾] のハンバーガー
【スタンプラリー#01】 The Pantry 丸の内店 [有楽町] の
カラミティ・ジェーン・バーガー

# Christmas'07 ◆ vol.6 Homework's [広尾] の
クランベリーターキーバーガー

― shop data ―
●広尾店
所在地: 東京都渋谷区広尾5-1-20 七星舎ビル1F
     東京メトロ日比谷線 広尾駅歩3分 地図
TEL: 03-3444-4560
URL: http://www.homeworks-1.com/
オープン: 1985年7月26日
* 営業時間 *
月〜土曜日: 11:00〜21:00
日・祝日: 11:00〜18:00
定休日: 無休(でも要確認)

2005.5.1 Y.M

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2005年04月29日

# 056 FIRE HOUSE [本郷三丁目]



 ココもマスト何処ゾで語った、TBS『Saturday Night Chubaw!』のハンバーガーの回に街の巨匠の一人として登場した店。春日通り、本郷四丁目交差点に面す。ファイヤーハウスという店名と黒ベースのサイトの派手さから、トランザムとかサンダーバードとか、クルマとかバイクとかオートな雰囲気を勝手に想像していたが、いざ前に立ってみるとトタン屋根が張り出すカントリー調の店構えで、トンガったカラーは微塵もない。何処ゾの店と一緒で歩道より一段下がってフロアがあり、入口前のその一段低くなったスペースには待ち席が並べられている。多分コノ店で最も気持ち良い席はコノ待ち席だろう。

 何処ゾの店と一緒でテナントビルの壁は赤レンガタイルその冴えない外壁をコノ店は薄緑色の板塀で完璧にカムフラージュすることに成功している。薄黄色い電球で弱く照らした店内も壁の色は薄緑(多分)。そう広くないコンクリ床のホールにカントリー調アンティーク家具が、どちらか言えば収まり悪く並べられている。例の鉄則により人通りからはちょっと離れた立地の店なのだが、店の中も外もお客さんでいっぱい! 場所柄若い客層で満席・行列・活況である。

 チーズバーガー¥1,050、気泡の大きいドーム型ふっかり系バンズは天然酵母。マヨネーズ、チェダーチーズ、パティ、レリッシュとみじん切りオニオン、トマト、レタス、下のバンズ(heel)にはマスタード。粒々したミンチのパティには黒胡椒。全体に控え目な味の中、マヨネーズの味だけが独り強く立っている。付け合せはフレンチフライ、そしてミントティーのように刺激の鋭い辛口ピクルス。BGM――米系ロック・ポップスがやや小さ目に。

 近くにデリバリー&テイクアウト専門のショップを持つ。ときにデリバリー用メニューの裏にLA系ハードロックグループ、FIREHOUSEのメンバー(voとgt)がコノ店へ寄せたコメント"BEST BURGERS IN THE WORLD!!"が載っていたが、てことはひょっとしてコノ店、オーナーがFIREHOUSEのファンである――なんて線も考えられますな。どうやって連れて来たんだろ。東京ドームで公演したなんて記録はないんだけど……。


# FIRE HOUSE [本郷三丁目] のベーコンチーズバーガー
# 165 FIREBURGER [茗荷谷]
# 192 Burger Mania [白金高輪]
# 128 UNCHAIN FARM [草加]
# 137 ARMS [代々木公園]
# 163 Authentic [赤坂]
# 168 Hi-5 BURGERS [つくば]


2005.4.29 Y.M

posted by ハンバーガーストリート at 12:49 | TrackBack(4) | 東京編◆東部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

# 055 The Hamburger Inn [六本木]



 やっと登場! ココも"マストバーガー"泉麻人氏のコラム(今はもうリンク切れ)にもあるが、日本のハンバーガー発祥を称する店のひとつ。創業1950年――佐世保バーガーの発祥よりも確かに1年早いが、仙台の「ほそや」と同年である。50th Anniversary T-Shirts販売中。

 三丁目の角地に店を構えるホントに三角形のバーガーショップ。泉氏表現するところのカフェバー調の店内は、多年にわたりコノ六本木の街の空気を吸い続けてきた証か、ビミョーに汚れ・黄ばみ・くたびれている。コラム中の女性店主が登場すると、2台あるテレビモニターは夕方のニュースから巨人×中日戦に変わった。7時からはサッカーを見るつもりらしい。


 チーズバーガー¥450。バンズの下はチーズ、パティ、レタス。泉氏が食べた東京一番ハンバーガー¥370はバンズの間はパティのみ――もうココまでくると素材の旨さ一本、直球勝負!! と言う他、言い様が無い。素材が旨いか不味いか。「そのままではアツくて持てないハンバーグを、食べやすいようにパンにはさんで売り出した」――というバーガーのルーツと言うか動機に忠実なバーガー。

 半ツヤ消しくらいのバンズは、持つとモォ〜ふわっふわ! まるで皮のコートにでも触れているかのような驚嘆モノのやわらかさ! 口を寄せるとくちびるをふわ〜っとやさしく包み込むような触感。肉厚のパティは噛むとピリーッと強い挽き肉の味覚。時間をかけてゆっくり火を通した故だろう、やがて何処からともなく脂がジワーッと滲み出してくる――おそろしく地味ぃ〜に美味しい。


 慣例に倣いケチャップ&マスタードなしで食べ、最後一口だけケチャップつけてみたら、それはそれで美味しかった――イヤ、ソレって実は珍しいことなのヨ。チーズは普通のスライスチーズ。付け合せはポテトチップス。

 ギラつく外の光景と比べればまったく派手さのない、地味な、ジミィ〜なオールドファッションバーガー。例えるならソレは2番ショートもしコノ店のバーガーが日本伝来・発祥当時の原形を今なお留めているのだとすれば……私にとっては決して居心地の良い街&店ではないのだけれど、その難を退けてでも立ち戻りたい原点かな――行き過ぎたバーガーネジを巻き戻すために。

※'05年10月25日、1950年から実に55年におよぶその輝かしい歴史に、を下ろされました。本当に残念……(2005.11.29)



2005.4.29 Y.M

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