やはり下半期の方が記憶に新しいので思い出しやすいですね(笑)。上半期は写真を見て鮮明に味を思い出すことはほぼなくて、でも文章を読めば、記憶を辿る手掛かりにはなるかな……という感じで。
思い出しやすいのは、平均的に"よく出来たバーガー"よりも、何かしら「特徴がある」バーガー、どこか「尖がった」バーガーです。その辺は「コンテスト的」と言いますか、いわゆる「爪痕を残す」工夫や仕掛けがひとつでもあるものの方が、より長く&強く記憶に残る傾向にあるように思います。
そんな中、今年は「3選」にしました。アンドラの「サワークリーム&オニオン」もよかったのですが、ソレが「霞むぐらいの傑作」をその後"試食させられ"まして(笑)、ソッチを食べ直してから甲乙判断しようかなと。で、例年「Burger of the Year」的なものをおこがましくも挙げていますので、まずはそちらから……。
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■Burger of the Year 2024
バーガーキング、ウェンディーズ・ファーストキッチンの二千円超えバーガー
……これは実は数年前から既に始まっていた動きなのですが、バーガーキングが22年7月に発売した単品価格2,100円(税込)、セット2,400円の「マキシマム超ワンパウンドビーフバーガー」がバーキンにおける二千円超えバーガーの始まりのようです。23年2月には単品2,190円、セット2,490円の「キング・イエティ ザ・ワンパウンダー」、8月には単品2,040円、セット2,340円の「クラウン ザ・ワンパウンダー」、12月には単品2,090円、セット2,390円の年越しバーガー「23/24 T.O.P.(ザ・ワンパウンダー 23/24)」、24年12月にも年越しバーガー「24/25 T.O.P.(ザ・ワンパウンダー 24/25)」を単品2,090円、セット2,390円で売り出して、都合2年半で計5品の二千円超えバーガーを発売しています。
一方、ウェンディーズ・ファーストキッチンも23年11月よりLセット2,350円の「トリュフ&マッシュルームメルトバーガーダブル」を販売。その後も"高級バーガー"シリーズを第2弾・第3弾と重ねていますが、こうした一連の動きの結果、ラーメンで言うところの「千円の壁」に当たる価格的な"縛り"や"制限"がハンバーガー界には「造られずに済んだ」ないしは「壊すことに成功した」……これが私の見方です。
「千円の壁」とは「ラーメン1杯に出せるのはせいぜい1000円まで」「パンはいくらまで」といったような"価格の上限"のことです。そうした消費者が"何となく"思い抱くモノの値段の上限を、店の側もある種絶対的な「ルール」のように捉えて、結果、必要な値上げが出来ずに苦しい経営を迫られ……といった例が事実あるワケですが、そうした悪循環をバーガー界は避けることが出来た、自縄自縛の「壁」を作らずに済んだ……ということで、バーキンとウェンディーズの動きはまさに「ファインプレー」。ジャンルの可能性を押し広げることに繋がる好判断でした。今さらながら讃えたく思います。
なお、ウェンディーズは2023年の5選に入っています。今年も普通にやっていれば十分ランクインしておかしくない実力に思えたのですが、秋の月見も冬のマッシュルームメルトもちょっとずつ「余計なこと」をなさいまして(笑)、ゆえに入選を逃しています。ハンバーガーにおける「千円の壁」回避の件については、NHK「クローズアップ現代」に24年4月に出演した際のまとめ記事でも触れています。
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■2024年最も印象に残ったバーガーその1
# Overwhelm HAMBURGER & BAR STAND [学芸大学] のビーフ&ブロッコリーチーズバーガー
……これはアイデアですね。発想力。ただブロッコリーを使った・乗せたで終わらぬ手間と工夫のかけ方に一歩先ゆく「新しさ」を感じます。のみならず、バターとガーリックをプンプンに利かせて、まぁ〜芳ばしいこと!
■2024年最も印象に残ったバーガーその2
# JUSTABURGER [新日本橋] のジャスタバーガー+アイオリソース
……こちらもバタートースト=抗えぬおいしさ! ベースは生野菜なしのチーズバーガーで、そこへかかるソースの違いでバリエーションを持たせるというメニュー構成の巧さとともに、やはり、ハンバーガーの半歩先・一歩先の未来が「見える気がする」……そんな一品。
■2024年最も印象に残ったバーガーその3
# CENTRAL BURGER SHOP [横浜・石川町] のELVIS SMASH
……こちらもシンプル。生野菜なしの鋭利な味わい。食材を複雑に組み合わせ、精緻に組み上げたバーガーよりも、こうした「少ない手数で結果出す」ものの方が、最近の私の趣味性・方向性からゆくと「高評価」です。わっかりやす〜いバーガーこそバーガー!
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ハンバーガーについてはこんな感じですが、2024年の一年を通じて、ずーっと忘れることが出来なかったのが、7月13日に食べた東京・神田GOURMANDS(グルマンズ)のジビエのコースです。「思い出さない日はない」と言って過言でないくらいに毎日思ってました……「また食べたいな」と(笑)。
そんなことで、今年は「2025年の大予想」と言うほどの記事は敢えて上げません。「キーワード」だけをちょろっと次の記事で挙げておきましょう……。 (つづく)
→ # 2024年下半期・印象に残ったバーガー5つ
# 2024年上半期・印象に残ったバーガー8つ
# 2023年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2022年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2021年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2021年下半期・最も印象に残ったバーガー6つ
# 2021年上半期・最も印象に残ったバーガー6つ
# 2020年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2019年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2018年最も印象に残ったバーガー5つ
# 2017年最も印象に残ったバーガー5つ
# ベストバーガーショップ'07
# ベストバーガーショップ'06