2024年11月12日

# BAR CABIN [千葉・野田] のチェダーチーズバーガー




 野田へ行って来ました。チーバくんの突き出た鼻の部分です。キッコーマンの本社で有名ですね。その細長い野田市の中でも愛宕(あたご)という、"アーバンパークライン"なる愛称が付いた東武野田線の駅ですが、その駅前5分の場所が今回の目的地です。


 事の起こりは……モスとミスドのコラボ店「MOSDO!」の店舗披露・試食会で初めて新三郷駅で降りまして。埼玉県三郷市の駅です。私は出先で必ず「おいしそうなパン屋」を探して寄るようにしていて、この日も「ベッカライサカツジ」という店を見つけて訪ねたところ、どうも店構えに覚えあり……「ツオップに似てるな」と。

 ツオップは「R-S」にバンズを焼いている千葉県松戸の名パン店です。店員さんに訊くとその通りで、ツオップを出られた職人さんの店であることがわかりました。予備知識なく訪ねての大ヒットです。


 で、ふとレジ横を見ると、ハンバーガー店のものと思しきショップカードが置いてあります。訊くと「バンズを卸している」とのこと。そこで紹介されたのが……というのが「キャビン」へ至る流れです。千葉県野田市のBAR CABIN(キャビン)は愛宕駅前5分の住宅地の中にある店です。それも入り組んだ、道の広くない住宅地で、その一角に突如として現れます。

 きっと誰しもの身近にそんな「謎のバー」が一軒や二軒あると思います。前を通るたびに「どんな店なんだろう?」「誰が行くんだろう?」と思いつつ、ついぞ入ったことがない地元の「バー」……キャビンはまさにそんな「バー」です。


 扉を開けると……息を呑む店内! 完璧! まさにキャビン=山小屋の趣き。それも単なる"山にある小屋"でなく、趣味の空間、とっておきの空間、特別な空間……そんな空気と佇まいをみごとに表現しています。バーは「非日常空間」ですから。満点の作り込み!

 店内の"見えているもの"はすべて店主・杖崎さんの自作・手づくり・DIY。工期は半年ほど。杖崎さんはアメリカ車、ハーレー、映画、音楽etc……アメリカ好きで古いもの大好き。「新しくてOKなのは携帯電話ぐらい」と。医療に関わる仕事を"脱サラ"して「キャビン」を始めたのが2017年の11月の末。だからもうすぐ7周年を迎えます。


 自宅1階を店舗にした「場所ありき」な店で、「この町・この立地で何が出来るか?」を自身の"スキル"と照らした結果、「バーならば」1人で回せて、フードロースも出ない……と決定。この立地なら「"2軒目"のバーになるだろう」と考えた杖崎さん。オープン時刻を19時以降にし、薄利多売でなく「厚利小売」の店を目指したところ、予想を超える様々な客層が訪れ、日に日に女性客も増えて、結果、「野田にはない店になった」という、ここまでが第一章……。


 ところが、新型コロナの緊急事態宣言において夜の営業が出来なくなり、そこで考えたのが昼のバーガー。2021年の8月からスタートしました。

 肉は地元の後輩の肉屋へ依頼。バンズは近所の主婦から「サカツジのパンがおいしい」という情報を得て相談に行ったところ、快諾。野菜は地元野菜――。米国テキサスに親戚がいる杖崎さん。「食べるのを躊躇するような」本場のバーガーは子供時分に経験済み。目指すはそっち系。現在バーガーメニューは昼が6品、夜は1品のみ提供。中からまずはチェダーチーズバーガー¥1,730(税込)を。


 パティはオージー165g。12mmの超粗挽き肉と手切り肉を半々ずつ合わせ、そこに牛脂1割。塩コショウは焼く際に。調理はグリドルで。チェダーチーズは3枚≒50g。結果、メルトしたチーズが「びろ〜ん」とパティを覆って「チーズお化け」のようになってしまったのがちょい残念。せっかくのおいしいパティだったので、もっとよく見たかったですね。パティの上にBBQソース、ヒール(下バンズ)に"ソース"。


 かぶりつくと「スッ」と口に入るバンズの歯切れのよさ。粗挽き・ハンドチョップ半々のパティはミディアムレア、ローズピンクな焼き加減。やわらかく口に入って「バラッ」と細かくほぐれる食べ心地……ジューシーで美味! その前後で「ザクザク」するのは微塵に刻んだ生オニオン、「カリカリ」当たるのはフライドオニオン。レタスはホットドッグのような細切り。立派なトマトも含む生野菜は地元野田産&利根川の向こうの茨城・岩井産。

 BBQソースは米国製のものに"スモーク"をかけたオリジナル。その効果か、「ピン!」と張ったような風味が、"べしゃっ"とせず、香り高く利いている。ヒールの"ソース"はケチャ、マス&マヨをベースにクラッシュした「タイム」を加え、さらに栃木産の"とあるソース"を隠し味にしたオリジナル。


 あらためて「サカツジ」のバンズは、表面シャリッと、食べ始めは歯切れよく、最後に「もっちり」とした生地感を残すのが特徴的。165gパティを支えるバンズなので100gぐらいあるかも。てっぺんに店名の焼き印。この日のポテトはジャガイモとサツマイモの2種混合。どちらもカリッと揚がって美味! 野田で造っているクラフトジン「TL ピアス トーキョードライジン」で作るジンソーダ¥900(税込)と合わせたところ、これがイイ〜香り!

 ごっつそうに見えて「スッ」と入る食べやすさ。ミディアムレアの潤い豊かな食べ口。ボリュームあり迫力あり、なかなか食べごたえのある、そんなバーガー。

§ §

 率直に、予想の「上」を行くものが出て来ました。素晴らしい店内と香(かぐわ)しいジンソーダで食べられて大変満足です。これ以上の贅沢はなし! そして食べ終えて一歩外へ出ると、東武野田線の駅の裏という……(笑)。そんな、"音楽とウヰスキーとジンと燻製"の店。この日のBGMはシャーデーのライヴ!




― shop data ―
所在地: 千葉県野田市野田524-25
    東武鉄道野田線 愛宕駅歩5分 地図
TEL: 090-4822-7872
アカウント: https://www.instagram.com/bar__cabin/
オープン: 2017年11月
* 営業時間 *
ランチ: 11:00〜14:30(LO14:00)
バー: 19:00頃〜疲れるまで
定休日: 水曜日・木曜日(夜は不定休、要確認)

2024.11.12 Y.M
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2024年07月15日

# JUSTABURGER [新日本橋] のジャスタバーガー+アイオリソース




 「来て」と呼ばれて行った店――東京・新日本橋または三越前が最寄りのJUSTABURGER(ジャスタバーガー)。本年3月1日オープンの新店です。

 このバーガー店は「入るビル自体」が"コンセプチュアル"な建物だそうで。"だそうで"と言うのは「全容は未確認」ということです。あらためて見て来ますので、今回はまずは導入編ということで"ゆるめ"の記事で参ります……。


 この日本橋本町(にほんばしほんちょう)の界隈は、ウィキペディアにもある通り、かつて薬問屋が多くあった「薬の街」で、武田薬品第一三共アステラス製薬などが今も本社を置く……という情報が以下の記事に大きく関係して来ますので、どうぞ頭に置きつつご覧下さい。


 そんな製薬会社のオフィスが建ち並ぶ一角の、四階建ての小さな建物。看板がおもてに出ているので、ここがジャスタバーガーで間違いないでしょう。「B1」とあるので地下ですね。隣のビルとの間の細い通路がエントランスらしく、進むと、1階のカフェの入り口に突き当たります。"CAFE PHARMACY"……「薬局カフェ」という名のカフェですね。ジャスタバーガーとは別な店ですが、まずこのカフェに入らないとジャスタバーガーへ辿り着けない造りのようで。


 入ると中はスタバをさらに品良くしたようなクールなデザイン。エアコンも効いて、そしてちょっとラグジュアリーでもあり。「ジャスタバーガーを訪ねて来た」旨を伝えると、左手に進むよう案内されて、「さては前方の扉がソレか?」と一瞬思うも、"POWDER ROOM"=トイレのサイン。ここでもなし。手前の階段を降りるのが正解。

 順路に従い降りてみると、階下は一転、デザイン要素も飲食店の気配も一切ない、極めて事務的で無機質な地下一階に到達……という、この「振り回されてる感」が面白いですね。「こんな場所?」と思いつつ左手の扉を入ると、ここがようやくジャスタバーガーの「店内」です。

§ §


 この建物は「THE A.I.R BUILDING(ジ.エア ビルディング)」という、元は製薬会社の持ち物だったものを丸ごとリノベーションした「コンセプトビルディング」で、この地下1階は"BASEMENT BAR"というライヴスペースでした。奥に楽器とステージがあり、今でも週末などにライヴ演奏をしています。


 かつてここは倉庫=薬置き場でした。そこが今はジャスタバーガーの店内に。そして通路向かいの小部屋は「調剤室」だったそうで。今はそこをキッチンに使っています……という、ここまででだいぶ文字数を使ってしまいました(笑)。以下駆け足で――。

 バーガーは1階のカフェでも食事可。カフェの飲み物を階下で注文するのも可。つまり、薬局カフェもジャスタバーガーも経営者は一緒です。バーガーメニューはジャスタバーガーの1品のみ。それに1.アイオリ、2.ケイジャン、3.テリヤキの3種のソースまたは「ソースなし」を選んで、あとはトッピングが7種ほど……という実に合理的なメニュー構成です。


 まずはジャスタバーガーを"フラッグシップ"のアイオリソースで行きます。フレンチフライ付き¥1,430(税込)。

 アイオリソースとはこんなもの。ポイントはガーリック。ジャスタバーガー=生野菜なしのチーズバーガーで、パティはオージー+和牛脂110g。挽肉のパティです。バンズはポテトバンズ(後述)。チーズはチェダー。オニオンはじっくり煮込んだ「シチュードオニオン」。さらに自家製ピクルスが2種乗る……そんな内容。


 感想……このポテト味はバンズから? ポテトバンズがやわらか。"皮付き"のベイクドポテトとマッシュポテトを練り込んだバンズで、近所のドーナツ屋(グランパ?)で焼いてもらっているとのこと。その「ふわっ」とシルキーな生地感に対してパティもやわらか〜。今日仕込んだ(一晩寝かせていない)パティゆえに「ふんわり」と空気を含んだような"ゆるやか"な肉の結着。


 バンズはバターを塗ってトースト。そのバターの風味に煮込んだオニオンのグラタン風味、アイオリのガーリック味がほどよく利いて、この時点でおいしくないワケなし。このまま行っても勝利確定なところへ「わざわざ」横から割り込む"ヘンな味"……それが自家製のミニトマト&きゅうりのピクルス。


 一般的なスパイスに加えて「青山椒」と「花山椒」を入れており、そのチクッと刺すような刺激が、このバーガーの印象と先行きを"ちょっと"変えている。そこがミソ。普通のバーガー「でなく」しているのがこのピクルス2種類の活躍です。一緒に頼んだ「みょうがのクラフトコーク」660円の一風変わったおいしさも手伝って、バーガー全般に風味よし。細やかな風味が香る一品。意外性あり。新しさあり。

§ §

 これを考えたのは末広町「CRANE」の商品開発部長・武茂さん。武茂さんは現在ジャスタバーガーへ"レンタル移籍中"。出向みたいなもんでしょうか。クレインに籍を置きながら、ジャスタの起ち上げに尽力しているそうで、一方、オーナーの"梁さん"はNYに5年暮らして大好きな店が"Burger Joint"という……この辺りで文字数いっぱいですね。続きは次回! (つづく)




― shop data ―
所在地: 東京都中央区日本橋本町3-2-8 THE A.I.R BUILDING B1F
     JR総武線快速 新日本橋駅歩2分
     東京メトロ半蔵門線 三越前駅歩3分 地図
TEL: -
アカウント: https://www.instagram.com/justaburgertokyo/
オープン: 2024年3月1日
* 営業時間 *
火〜金: 11:30〜15:00, 16:00〜20:00(LO19:30)
金・土: 11:30〜15:00, 16:00〜22:30(LO22:00)
定休日: 日曜日・月曜日(要確認)

2024.7.15 Y.M
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2024年04月22日

# Overwhelm HAMBURGER & BAR STAND [学芸大学] のビーフ&ブロッコリーチーズバーガー




 昨年2023年の11月にオープンしたばかりの初めて訪ねる店ですが、今回細かいストーリーはなるべく省いて、ハンバーガーにフォーカスした記事にします。店の名前はOverwhelm HAMBURGER & BAR STAND(オーバーウェルム)。東京は目黒区、学芸大学にあるお店です。

 店主・佐藤リクさんは人形町「BROZERS'」に3年半、今は「Chillmatic」のオーナーである塩田大治さんがかつて店長を務めた芝浦の「THE GOOD VIBES」に3年勤めた人……。


 それ以前に佐藤さんは1990年代のポロ ラルフ ローレンなどのヴィンテージウェアのコレクターとして知られた人で、今回食べたビーフ&ブロッコリーチーズバーガー¥1,870(税込)は、アウトドア用品メーカー・ティンバーランドの有名な「ビーフ&ブロッコリー」、通称"ビーブロ"と呼ばれるブーツのシリーズが大好きな佐藤さんが「これをバーガーにしたい」と思ったのが始まりと。

 パティはUSブラックアンガスのチャックアイロール(肩ロース)をブロックで仕入れて、店で手切りにしたチョップ100%の115g。挽肉は不使用。取り除いたスジなどを細かく叩いたものを"つなぎ"にしている。塩とシーズニングで下味を付け、調理中の塩振りはナシ。グリドルでなく、コンロに乗せた鉄板で調理。


 ブロッコリーは秘伝のタレに漬け込んで、衣を付けて揚げた、簡単に言うと「唐揚げ」。蕾の粒のひとつひとつが「ザクザク」している。食べている間、常にどこかで「ザクザク」。これが「一番おいしい食べ方」と佐藤さん。そんな唐揚げにしたブロッコリーが4房。その上にかかる白いソースは、茎と葉っぱをソースにしたもの。野菜はトマト、グリルドオニオン。チーズはチェダー。ヒール(下バンズ)に自家製マヨネーズをひと塗り。

 感想……ブロッコリーが「ザクザク」の「シャリシャリ」。バターオイルを塗ってオーブンでトーストしたバンズも「シャリシャリ」。どちらも心地よい「シャリシャリ」!


 バンズはご存知「馬場フラット」製の特注。プレッツェルのような「十字の切れ込み」が入っているのがポイント。馬場フラットらしい「サックリ」「シャックリ」食べやすいバンズに「コリッ」と硬めのパティ。そこへブロッコリーの芳ばしさ――という構図。

 ブロッコリーは何より「揚げて」いるのが最大のポイント。ニンニクなどで炒めると、イヤな苦味が出たり、食感もクッタリしてしまうところだが、唐揚げのブロッコリーにそれはなく、下味で施したニンニク風味がクドくなく上手く染みている。そこへ甘いブロッコリーソース。これが絶妙にクリーミー! 自家製ピクルスはアップルビネガーを使ってキツくない甘口。

§ §

 絶妙に芳ばしい「シャクシャク」ブロッコリーと「コリコリ」パティのコラボレーション。いい食べごたえ! おまけに自家製ポテトがまたおいしくて……という話は収まり切らないので次に回しますか。いや、非常に「新しい」ことをやってます。新しいバーガー! (つづく)




― shop data ―
所在地: 東京都目黒区中央町1-16-14 飯島ビルパート3 1F
     東急電鉄東横線 学芸大学駅歩7分 地図
TEL: 03-6451-2400
アカウント: https://www.instagram.com/overwhelm_hamburgershop
オープン: 2023年11月7日
営業時間: 11:00〜24:00(LO23:00)
定休日: 不定休(要確認)

2024.4.22 Y.M
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2023年12月23日

# Louis Hamburger Restaurant [東陽町] のチーズロワイヤル




 冬至も過ぎていよいよ年の瀬ですが、なおも新たな店へ……東京は江東区東陽町(とうようちょう)Louis Hamburger Restaurant(ルイス ハンバーガー レストラン)。昨年2022年の11月にオープンしたばかりの新店ながらも、既に人気の一店です。

 場所は南砂2丁目商店会という公団団地1階の商店街ですね。その入り口脇の角地に布陣。前は米屋だった場所ですが、二方向に窓が取れて、飲食店としては魅力的な物件。


 店主は小塚さん。濁りません。「こつか」さんです。ブラザーズ在籍7年半。東雲店の副店長を務めた後、日本橋高島屋店の起ち上げを任され、みごとやり遂げてご退職。長らく東雲店=デリバリー店に勤めていたので、レストラン(イートイン)の勤務経験がなかった小塚さん。高島屋店の準備に当たり、半年ほど、人形町の本店でレストラン勤務の研修期間がありました。その際の指導役が現在ルイスのマネージャーを務める山本さんです。山本さんはブラ歴6年半。人形町本店の店長を務めました。そんなキャリア十分の店主と名補佐役からなる実力店です。


 店舗の設計施工は小塚さんの弟さんが担当。木造専門の建築士ということで、天井から梁から壁板から、随所に木が使われています。壁沿いのベンチは長時間座っても疲れない設計。コンセプトは19世紀後半、西部開拓時代の雰囲気を残すレストラン。なぜ「西部」か。そのルーツは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』。小塚さんが痛く惹かれた作品です。先月のオープン1周年には同じ団地内のブルワリー「ガハハビール」の醸造でHILL VALLEY IPA¥1,430(税込)なるハウスエールの販売を開始。その他メニューや内装の端々にさまざまな映画趣味が散りばめられています。気づいたら"ほくそ笑んで"下さい。


 店を始めるに当たって小塚さんが定めた「ルイスのルール」が3つあります……「1.すべてのバーガーにチーズを入れる」「2.BBQソースは使わない」「3.挽肉を使わない」……つまり、長年研鑽を積んで来たブラザーズとはまるで異なるスタイルのバーガーを出す道を小塚さんは選びました。

 まず挽肉を使わない=ハンドチョップのバーガーを出しています。USビーフのチャックロール(肩ロース)をブロックで仕入れ、店で細かく手切りにする"チョップ肉"のパティを使用。それを平らな鉄板でなく"直火"でグリル。サイズ120g。バンズはおなじみ「サンワローラン」。ヒール(下バンズ)にタルタル。オニオンはグリルド。


 バーガーメニューは全20品(うち3品は鶏とホタテのサンド)。その20品すべてにチーズが入ってます。ヒールに薄いチェダーのスライス、中ほどにもう一枚別のスライスが入るダブルチーズが基本スタイル。中でもチーズを"極めた"一品がチーズロワイヤル¥2,530(税込)。いきなり行ってみますか。

 チョップ肉の直火焼き120gパティ×2枚に8種のチーズを合わせた一品。8種類の内訳は、まずヒールにペッパージャックのスライス、パティ2枚の間にコルビーのスライスとモッツァレラのスライス、そしてチェダー、ゴーダ、ミモレット、サムソー、コンテの5種類ミックスのシュレッドチーズがパティの上に乗って全8種類。チーズだけで推定70〜80gほど(※市販のスライスは1枚16g)。


 パティの味付けはシンプルに塩コショウのみ。それも激しくない、ほどよい味加減。ゆえにチーズの旨味とコク味が邪魔されず、よく利いてます。特にヒールのペッパージャックは火を入れていないので、とりわけ濃く力強く。直火で焼いたパティの中身はローズピンク。ミディアムレアな焼き加減。その角(かど)のない、やわらかな肉を包み込むチーズのなめらかさ。只々それが魅力の一品。全般にジューシー。過去に未体験なおいしさ。

§ §

 名店で学んで来たものとは"違う"スタイルのバーガーがサッと作れる――。それだけの柔軟さと器用さ。応用力。あとは豊富な知識ですね。そういったものを持ち合わせた世代に、ハンバーガーの世界も徐々に代謝して行っているのかな……なんてことを思わせる一店。Your future hasn’t been written yet......ハンバーガーの未来は変わりゆく!




― shop data ―
所在地: 東京都江東区南砂2-3-11
     東京メトロ東西線 東陽町駅歩5分 地図
TEL: 03-6659-7167
アカウント: https://www.instagram.com/louisburger2022/
オープン: 2022年11月7日
* 営業時間 *
水〜日: 11:00〜22:00(LO21:30)
月曜日: 11:00〜16:00
定休日: 火曜日(要確認)

2023.12.23 Y.M
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2023年12月10日

# Lil Woody's [渋谷] のリル ウッディ




 先週イベントにお呼ばれした東京・渋谷のLil Woody's(リル・ウッディーズ)について詳しい記事を書いてゆきます。オープンは本年8月24日。場所は「道玄坂通」という今夏新たに出来た複合商業施設です。新たな"観光名所"になる場所かも知れませんね。この施設の開業日が8月24日です。

 Lil Woody'sは米国シアトルのハンバーガーショップです。創業は2011年。シアトル市内に4店を展開中。創業者はマーカス・ララリオさん。マーカスさんの奥様は日本人です。だから日本に店が出したかったワケですね。その夢がついに叶った5店目のリル・ウッディーズが、ここ、東京・渋谷店という……ザッとそんな流れです。


 バーガーメニューは7品。サンドイッチ3品。本国のメニューとほぼ同じです。まずは店名の付いたLIL WOODY(リル ウッディ)¥1,100(税込)から行ってみましょう。スモールサイズのフレンチフライ付き。

 パティはクォーターパウンド≒113g、NZ産のグラスフェッド(牧草飼育)ビーフ+カナダ産のチャックアイロール(肩ロース)のミックス。これをがっつり直火焼き。バンズはシアトル産。現地と同じものを使用。チェダーチーズも米国産(後述)。野菜はオニオン。あとピクルス。そしてケチャップ&マヨネーズ……という、つまり、トマト&レタスが入らないチーズバーガーです。以下、我が貴重な第一印象……。


 まずは見た目ですね。「Carl's Jr.」のような紙で巻いて出すスタイルなのもあって、ちょっと中身が見えづらいです。顔を近寄せるとパティの"焦げ味"のいいにおい。そこへハインツのケチャップ味とピクルスの味。そのみずみずしい甘味にみずみずしく呼応する粗みじんに刻んだオニオン。この辺がちょっとポイント。「あれ? ピクルスも刻んでる……?」と思ったら、オニオンもピクルスも同じぐらいの大きさの粗みじんに。その潤いを湛えたフレッシュな食味・酸味がイイ〜ひと工夫です。そしてその後に続く直火焼きパティの芳ばしさ。このパティのコゲの風味がハンバーガーの味わいを端々に芳ばしく縁取っているという。

 シアトル直輸入のバンズは目が細かでウェット気味。やや「ぼさっ」としてますが、でも、パティとぴったり「フィットしている」と言うか、一体化しています。「SHAKE SHACK」のポテトバンズに近い生地感。

§ §

 直火焼きという点では「Carl's Jr.」「バーガーキング」と同系統。バンズの感じは「SHAKE SHACK」に通じるものアリ。アメリカのハンバーガーを"そのまんま"日本に持って来たような、日本風なアレンジ・手心・手加減など皆無の、100%混じり気なしのピュアなアメリカのハンバーガーが食べられる……そんなお店です。 (つづく)




# この日はイベント〜STANCE STAFF SPOTLIGHT@Lil Woody's Shibuya

― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区道玄坂2-25-12 道玄坂通 1F
     東急田園都市線・東京メトロ 渋谷駅A2出口歩3分 地図
TEL: 03-6712-7763
URL: https://lilwoodys.co.jp/
オープン: 2023年8月24日
* 営業時間 *
日〜木: 11:00〜21:00
金土祝前: 11:00〜23:00
定休日: なし(要確認)

2023.12.10 Y.M
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2023年11月25日

# Heart Beat [静岡] のチェダーチーズバーガー




 さて、静岡に気になる店がもう一軒……今年1月に出来たばかりの店、Heart Beat(ハートビート)です。"SINCE 2022"とロゴにありますが、昨年末はレセプションやプレオープンを繰り返し、晴れて"正式"オープンしたのは2023年1月6日。年を跨いだという。場所は七間町(しちけんちょう)。昭和通りの路面店。旧JACKALまで徒歩1分、新Tequila'sまで3分の距離です。

 店主・城塚さんは「東京でハンバーガーの知識や技術、アメリカンカルチャーを6年間修業」した人。どこの店にいたかと言うと……SHAKE SHACK(シェイクシャック)。私が"再三絶賛"しているお店です。


 都内・横浜の主だった店舗で活躍。東京ドーム店、みなとみらい店六本木店では店長を務め、さらにみなとみらい店はオープニングから従事。それらの活躍の末にワンランク上のディレクター職を打診されたところで、それを蹴って(笑)、「そろそろ地元で店がしたいので」と始めたのがこのハートビート。

 シェイクシャックはとにかく「あたたかい」と城塚さん。そう、常に店員が楽しそうに働いてますよね。米本国の社長などからは「バーガー以上に『接客』が大事」「サービスはしなくていい。発揮すべきは『ホスピタリティ』」といったことを強く教え込まれたと。つまり外身だけでなく中身も、仕事場としても実に"ハートフル"な店で、だから「ハートビート」の"ハート"は、そのシェイクシャックの"ハート"を受け継いでいる――と言って、どうやらよさそうです。


 シェイクシャックと言えば「スマッシュバーガー」の名店ですが(詳しく知りたい人はこちらこちらを)、しかし城塚さんが強く影響を受けたのは東京・池袋「No.18」のバーガー。それはそれは上質で"きれい"なハンバーガーを出す店です。シェイクシャックとNo.18。並べると「対極」「真逆」のような二店ですが、城塚さんはそのNo.18に憧れて、肉もUSビーフに。同じようにブロック肉を店で捌いてパティを成形。近い積み方でハンバーガーを組み立てているという。コンセプトは女性をターゲットにした上品なバーガー。

 バーガーメニューはレギュラー11品。3月から月替わりのバーガーを始めて毎月継続中。中からまずはチェダーチーズバーガー¥1,628(税込)を行ってみましょう。フレンチフライ付き。


 パティはUSブラックアンガス120g。肩ロースのブロック肉を切り出し、いわゆる"ザブトン"に当たる部分は手切りに、ほかは5〜6mmの挽肉に。これらを合わせて円盤状にするワケですが、ポイントは、成形した"その日に"すぐ使うこと。パティを一晩寝かせません。ここがポイント。

 バンズは「ブーランジュリー ル リアン」作。こちらも去年オープンの期待の新店です。北海道産「春よ恋」とデュラム粉をブレンド。静岡県産の平飼い卵、北海道産バター等々を使った特注品。ヒール(下バンズ)にオレンジマスタード、クラウン(上バンズ)にピクルスマヨネーズ。あとは厚切りのトマト。きっちり折り込んだレタス。チーズはチェダーが2枚。


 感想……やわらかな肉に絡むチーズ。パティを寝かさず、すぐに使っているので、挽肉同士が"ぷりん"とくっつかずに、ゆるく「ふ〜んわり」結合しているのが一番の特徴。間に空気(エア)が入ったような柔和なパティで、こんなパティと出合うのはなかなか稀少です。多くの店は成形してから一晩なり置いて使ってますので。とにかく、その「ふ〜んわり」やわらかな食べ口と余韻が心地よし。そこへオレンジマーマレード入りのマスタードソースのゆるい甘味――その辺りは大変よし。


 一方で、その最も手間暇のかかった入魂の「パティ」を前面に押し出して、存分にアピールするなら、それ以外の要素が「ここまで多くなくてもいいんじゃないかな」という気もします。例えば分厚く切ったトマト、たっぷり入ったレタス、そしてしっかり焼き込んだバンズ……。

 「ジャッカル」でも「テキーラ」でも思ったんですが、ちょっとバンズに多くを求め過ぎと言うか、依存し過ぎと言うか、そこまでガッチリ&ストロングなものを作らない方がむしろ、自身の店の細かな工夫や技術をもっともっと明快に披露出来るんじゃないか……という。


 と言うぐらい「バリバリ」しているバンズです。焼き色もかなり強め。そこはもっとトーンダウンさせて、パティのおいしさがもっとダイレクトに伝わるように、そのための「シュートコース」を確保してあげた方が、ハートビートの良さがより「出る」ように思います。伝えたいものがもっと伝わるでしょう。

 でも、トマトもレタスもソースもバンズも、それだけ強い"要素"が多い中にありながら、それらを"貫いて"パティの旨味が感じられる点は大変素晴らしく。と言うことは、シュートコースがもっと空けば、この苦心の自家製パティの魅力がもっと伝わり、感じられるということですね。頑張れ!

§ §

 "Brooklyn Brewery"のビールはすべて"ボトル"で統一。あと、2つ目のおしぼりはハートフルな手書きメッセージ入りです。↓これ『オバQ』の"ドロンパ"ではありませんので。シェイクシャックで培った明るく陽気で気持ちのいいホスピタリティを体現するお店です。その魅力がもっともっと花開きますように。心よりのエールを送ります!




― shop data ―
所在地: 静岡県静岡市葵区七間町14-12
     JR静岡駅歩12分 地図
TEL: 080-9490-8100
アカウント: https://www.instagram.com/heart_beat_shizuoka/
オープン: 2023年1月6日
営業時間: 11:00〜15:00(LO14:30), 18:00〜22:00(LO21:30)
定休日: 不定休(要確認)

2023.11.25 Y.M
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2023年07月11日

# RIDE DINER [広島・十日市町] のライドバーガー TOPPING パティ120g、チーズ




 5月に広島へ行って来まして――。広島そごうの「パンフェスタ」に出店した「HENRY'S BURGER」×「R-S」のコラボバーガーを食べるのが目的その1。そしてもうひとつの目的が、十日市町にあるRIDE DINER(ライドダイナー)です。

 十日市町(とうかいちまち)を路面電車=広電(ひろでん)で説明すると、広島駅から見て原爆ドーム前の2つ先の停留場が十日市町。かの「ゴッドバーガー」があった横川駅から数えて4つめの停留場でもあります。つまり広島市内の店。原爆ドームから徒歩6分の好立地。




 一番の繁華街である八丁堀や紙屋町からはやや離れた場所ですが、その分住民が多く、ゲストハウスも多くあって、外国人観光客などもよく食事に来るという。そんな十日市町に山内夫妻がライドダイナーを始めたのは2010年のこと。最初の店は大通り=相生通り沿いでなく、一本裏手の14坪ほどの小さな店でした。その3年後に現在の場所に移転。そして5年前に改装して今の姿に――という流れです。


 外壁の青タイル、一部にガラスブロックを使ったこの建物……けっこうな年季が入っていると思われます。もとは酒屋だったという高天井の店内には中2階もあり。席数は30席強。「ブルックリンぽくしようか」と内装をイメージしたご主人は元大工さん。一方の奥さんはアパレルのご出身。ともにハンバーガー好きで、広島市内なら「ゴッドバーガー」が一番。さらに都内まで足を延ばして有名各店を食べて歩いた末に、「アメリカンな店がやりたい」とライドダイナーを始めるワケですが、問題は2010年当時、広島でハンバーガーと言えば、チェーン店以外では「ゴッド」より他に店がなかったことです……。


 比較対象するものがない中の「ポツンとバーガー専門店」は難しいもので、事実、「最初の3年間は厳しかった」と。広島と言えば「お好み焼き」が盛んな土地柄。いわゆる"グルメバーガー"の土壌も文化もない中で、高価なバーガーはいきなりは出せず。現在の「ハンバーガー」と同じ内容で少しサイズを下げたものを「420円」で売っていました。今の半額以下の値段ですね。

 それがお客さんの反応がガラリと変わったのは、ここ3、4年のことだそうで。ハンバーガーにお金を出すことに「抵抗がなくなって来ている」と――いや、よかったですね〜。つまり、ライドダイナーは「広島の"ハンバーガーシーン"を変えた店」であるということですよ。長年にわたり粘り強く営業を続けて来たことの大きな成果でしょう。


 そんなライドダイナーのバーガーメニューはレギュラー12品+期間限定2品。フードメニューはそれだけに終わらず……5月時点の品数を数えたら「118品」ありました。サラダだけで10品、タパス14品、ライス12品、ピザにパスタに、大人気の「トマホークステーキ」まで。さらにドリンクメニューは「311品」! 深夜2時まで営業のお店です。ご夫婦曰く、ハンバーガーだけで店をやるのはきつかったので、比較的初期からこのスタイルなのだと。シェフが加入したことがきっかけで品数が「より増えた」そうで。

 このライドバーガー¥1,180(税込)は最初期からあるメニュー。いわゆる"ベーコンエッグチーズバーガー"ですね。そこへパティ120g¥440とチーズ¥160をさらに追加して、〆て¥1,780(税込)。


 パティはUSビーフに国産の牛脂と国産のポークの旨味をプラスした120g。豚肉入りです。店内で成形。調理は鉄板で。バンズは地元のパン屋に特注。そこへ「バンズとパティに合わせて作っている」という自家製のBBQソース、同じく自家製の無添加マヨペッパー。エッグは両面焼き。ちなみに広島県は全国3位の鶏卵生産量。広島はお好み焼きの街なので、卵の質は良いです。

 感想……バンズは懐かしのソフトな生地感&ほんのりミルキーな甘味。対するパティは挽肉らしい「ザラザラ」とした舌触りが好印象。2枚のチーズがねっとり絡んで、さらに甘めでライトなBBQソースとベーコンがイイ絡み。


 とにかくパティがイイ感じ。挽肉がべちゃっと寝ておらず、肉の粒立ちが感じられる点が大変よし。そこへベーコンが素直かつ忠実に味を添えて、芳ばしく仕上がってます。BBQソースは計3ヶ所に配置。無添加マヨペッパーは塩味抑え目。酢もやさしくて、潤滑油的なポジション。合いの手に食べるポテトも振り塩がキリッと利いて、食欲そそる塩味。

 13年のキャリアはさすがの安定感。見た目にも非常によく整えられたバーガーです。しかも安いんですよ。プレーンな「ハンバーガー」が860円スタートですから。このご時世、もうちょっと上げてもおかしくないですね。

§ §

 実はこの翌日にヘンリーズ&アールズの皆さんともう一度訪ねてまして、夜のメニューをいろいろ食べてます。余裕あればそれらもアップしましょうか……。 (つづく)




― shop data ―
所在地: 広島県広島市中区十日市町1-4-23 国好ビル1F
     広島電鉄 十日市町停留場歩1分 地図
TEL: 082-942-0612
アカウント: https://www.instagram.com/ride_diner/
オープン: 2010年
営業時間: 11:30〜15:00(LO14:15), 18:00〜26:00(LO24:45)
定休日: 月曜日(祝日の場合、翌火曜休。要確認)

2023.7.11 Y.M
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2023年06月09日

# GROW [岩手・江刺] のチーズバーガー




 「Japan Burger Championship 2023出場チーム事前取材第9弾は東北・岩手のお店、GROW(グロウ)。奥州市にあります。合併前は江刺市。東北新幹線の水沢江刺駅からクルマで10分ほども、しかし駅から店の方面へ向かうバス路線はナシ。手段はタクシーのみですね。一方、在来線のJR東北本線水沢駅からは店の近くを通るバスが出てます。市役所があるのも水沢駅。地域の中心的な駅ながら、しかし、新幹線の駅ではないという……"帯or襷"状態。




 人影まばらな水沢駅前から「江刺バスセンター行」というバスに乗り、いざ現地に着いてみると、これが予想外の風景。「蔵まち」と呼ばれる観光地としてきれいに整備されていました。その蔵の街並みの一角にグロウさん。さらにもう少し先へ進むと「えさし藤原の郷」という大河ドラマのロケ地で有名なオープンセット兼テーマパークがあり、と言うことは、この辺は多くの有名俳優・女優が訪れたり宿泊したりする場所ということですね。こんな賑わい方の地域と思っていなかったので意外でした。


 店主菊地さんはまさにこの町の出身。曰く、昭和40〜50年代はもっと賑わっていて、ものすごい数の商店・飲食店があったと。菊地さんのご実家も100年以上続く商家。で、その店先にあったのがハンバーガーの自販機。冷凍を"チン"するタイプでなく、作ったものを補充して保温するような自動販売機で、町にマクドナルドもなかった時代なので非常に珍しがられて、菊地さんもよく食べていたと。これが菊地さんのハンバーガー事始め。

 飲食業に就いた菊池さん。ラーメン店を皮切りに、創作系のダイニングバーを3店ほどこなし、バーテンダーも経験。パスタもピザも作るうちに「30歳までに自分の店をやろう」と決意。その決意通りに始めたのがこのグロウと。


 物件探しは苦戦。シャッター商店街なのに好い店舗が見つからず、ようやく見つけたこの場所は飲食店ではなし、キャパも小さく、イチから造らねばならなかったが、早くやりたい思いから決定。店の前が広場と言うか、公共施設の一部のようになっていて、公衆電話やトイレもあり、その先には商店街の駐車場もあって、人が集まるような感じなのも商売には好環境。向かいの岩手銀行は西部劇に出て来るソレを思わせる佇まい。


 オープンは2016年12月。入って左手の"個室"は後から増築。当初は夜がメインのダイニングバー的なスタイルで営業。ステーキなども出していたが、コロナで一転。人手も不足したため、この春に一大改革。酒類の扱いを減らし、食材も減らして冷蔵庫を数台撤去。それに伴い営業時間も短縮して、仕事と商品の質が向上。結果、わかりやすく「ハンバーガー屋」にシフトした。

 バーガーメニューはレギュラー7品(というカウントでよいのかな?)+期間限定数品。まずはチーズバーガー¥1,375(税込)から。


 パティはUSブラックアンガス113g。部位はチャックロール=肩ロース。最近は和牛脂をプラス。チョップ肉のパティ。店内で5mm〜10mmほどの3、4種類ほどの大きさに切り分け、端材を中挽きにしてチョップ肉の隙間を埋める「セメント」役に。その比はチョップ肉8:挽肉2ほど。バンズは新宿「峰屋」のクラシカルな酒種天然酵母。クラウン(上バンズ)にハニーマスタードマヨ。パティの下にスイートレリッシュ、刻んだオニオン、トマト、レタス。チーズはチェダーかモッツァレラから選択可。


 感想……弾力あるバンズにチョップ肉の弾力。手に持って、かぶりつこうとする時に峰屋バンズが「しゅっ」と収縮する。けっこう生地に弾(ひ)きあり。パティは肉の粒が「カプセル」のような感じで「ぷにぷに」「まるまる」としている。そこへチリチリと強めのコショウ味。一方、クラウンに塗ったハニマ&マヨが白神こだま酵母のような甘味を放ち、「上が甘くて下がピリ辛」という「甘くて辛いバーガー」を形成。

 レタスはきれいな折り重なり。も、そのレタスの箇所だけスッと味が抜けるような感じあり。あと、バンズも消えて無くなるのが早いかな。肉だけ残る。そんな中、オニオンはサクサクと好アクセント。と言うことで、チョップ肉の弾力が常に感じられるバーガー。王道的な一品。

§ §

 今月(5月)からこの積み順に変えたばかりだそうで、ソースも今月から刷新。前は下にハニマ、上にマヨだったのを統一して、オペレーション的にも「ひと塗りで済む」ように改善された。もうひとバーガー食べているので、まずはこれぐらいの情報でよいかな? ↓は「江刺産リンゴジュース(岩本りんご園)」440円。同級生の岩本君が営むりんご園のジュース。そう、江刺はりんごも有名! (つづく)




― shop data ―
所在地: 岩手県奥州市江刺六日町1-1
     JR水沢駅よりバス約30分 地図
TEL: 0197-47-6207
URL: https://grow-funburger.com/
オープン: 2016年12月8日
* 営業時間 *
月〜土: 11:00〜14:00LO, 17:30〜20:00LO
日・祝: 11:00〜14:30LO
定休日: 火曜日(要確認)

2023.6.8 Y.M
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2023年06月07日

# GAKUYA BURGER [大阪・西長堀] のオリジナルバーガー TOPPING チェダーチーズ、ベーコン




 いよいよ6月9日(金)から横浜赤レンガ倉庫で開催の「Japan Burger Championship 2023」……今回で出場チーム事前取材第8弾大阪・西長堀のGAKUYA BURGER(ガクヤバーガー)。住所で言うと北堀江の二丁目。駅で言うと地下鉄千日前線長堀鶴見緑地線西長堀が最寄り。


 今の場所での営業は2019年から。その前は堺市内に朝方まで営業する大きな店を構えており、2014〜2015年ごろにはまた別な場所で店を出していて、そのまた前は、米軍横須賀基地で使っていたというフォード・エコノラインの特装車を改装して移動販売。

 「フードトラックを始めよう」と15、16歳の頃から考えていた店主の飛松さん。その目標のために整備士になり、板金塗装を覚え、さらに車のセールスもやって仕入れの勉強をし、21歳までに全て覚えて、40万円で購入したボロボロのエコノラインを全て自前で直し、水道なども取り付けて、「国内新規登録」をみごと達成。そこからの移動販売→最初の固定店→堺の大箱→現在の北堀江……というストーリー。


 大阪市内に「来るつもりはなかった」と飛松さん。本当は緑豊かな奈良や三重の山奥へ移ろうと考えていたのが一転、阿弥陀池公園前の今の場所に決めたのは、その風景と環境に惹かれるものがあったから……かな? 「ギリギリまで夕日が見える」この場所は、春は桜も咲いて景色よし。子どもたちのみんなの遊び場なので「こども110番の家」にも登録している。店舗は9割までが廃材利用。前の店の床の木やら流木などを移築して7日間で造り上げた。


 2012年の移動販売開始以来多くのイベントに出店。ビーフの魅力全開のバーガーで人気を博していたが、ある日、老人ホームを訪ねた時のこと、どうもご年配の方々の口にはハンバーガーが合わない。食が進まない様子……。何でだろう? と肉屋で勉強し、その理由を探ったところ、肉の「融点の違い」に一因があって、要は牛より豚の方が脂の融点が低いので、それが胃腸の負担にも影響して来るのだということが判明。「ならば、ポークでパティを作ろう」となったのが2014年のこと。以来、「ポークのハンバーガー」を続けている。


 メニューはバインダーに記入用紙と赤ペン1本。「オリジナルバーガーを作る」「期間限定バーガー」「フリースタイルベジサンド」の3品がバーガーメニュー。まずは3択から入って、「オリジナル」か「竹炭」からバンズを選び、トッピングは14種類から、ソースは4種類から選択――そんなカスタムオーダーの店。私はこの日が初なので、オリジナルバーガーを作る¥1,045(税込)をオリジナルバンズで、そこへチェダーチーズ¥167とベーコン¥167のトッピング。ソースなし……締めて¥1,379(税込)。

 パティは大阪・泉州のブランド豚「犬鳴ポーク」100%の110g。つなぎなし。部位はノド、ウデ、モモ、肩ロースなど。普通は"豚100"では挽肉同士がつながらない。焼いたらボロボロに崩れてしまうところを、飛松さんが手をかけ、細かな温度管理などをして、その不可能を可能にしている。おかげで「肩の腱鞘炎」まで発症した飛松さん。


 バンズもベースは飛松さんが考えたもの。そのレシピを「モリパン」に預けて焼いてもらっている。ベーコンは「ロース肉」のベーコン……通常はバラ肉ですね。これを「カナディアンベーコン」と呼ぶ。使っている豚肉は国産豚。塩漬けは1週間から長い時は90日ほど。塩抜きに20時間。乾燥に4日。スモークは店内で3〜12時間。その季節により燻製の時間もシーズニングも塩の種類も変わるそうで、季節によってはカナディアン"じゃない"ベーコンの時もあり。この日は塩漬け10日のベーコンを切り立ての状態で。塩漬けの期間によっても味は変化。パティもバンズも同様に、季節によってレシピを変えているそう。

 野菜は複数の八百屋から仕入れ。良い野菜に出合った時は農家に電話して、スタッフを手伝いに行かせる。そして生産者の話を聞き、思いを聞き、それをバーガーに「乗っける」と――。JBCでも親しい農家の野菜を使うそう。


 短く感想……ポークの風味に甘いバンズの香りは天然酵母か。バンズは焼き色強め。表皮は「ガリッ」と。生地の甘味が後を引く。裏に卵不使用のミルクマヨ。そこへフレッシュな野菜のサクサク。この日のレタスはサニーレタスと玉レタス。すごく丁寧に処理されていて「内包する水分量が調整出来る」と飛松さん。バーガー全体の旨味の濃淡を野菜の量と厚みでコントロールしているとの話。

 ポークパティはビーフと比べてクセなし。抵抗なく「スッ」と入って来る。味付けは岩塩、黒コショウ、ハーブに自家製の玉ねぎ麹。これらはすべてパティの中に。「豚の上に豚」なので、ベーコン味が"ブースト"されてよく利いている。これがすごく美味! 牛と違って豚肉は食べ口軽やか。そして素直。「僕のバーガーはフォーマル」と飛松さんが話す通り、襟元まできちっとボタンを閉めたような折り目正しいバーガーで、端々までムダなくソツなく、高い技術でサラリとまとめられている。見た目にも端正な一品。ポテトも自家製。

§ §

 他にもいろいろ聴いたんですが、とても一回では書き切れませんね。続きはまた次回! おまけでもうワンエピソード……飛松さんは染色作家としても知られており、コロナ前にはNYでの個展も決まっていたそう。「玉ねぎの皮」は染め物の材料になるんだと……だから、ガクヤバーガーはフードロスが「マジでゼロ」と。JBCではビーフのパティも登場するそうです。大活躍を期待します!




― shop data ―
所在地: 大阪府大阪市西区北堀江2-15-13
     大阪メトロ千日前線 西長堀駅歩4分 地図
TEL:
アカウント: https://www.instagram.com/gakuya_burger/
オープン: 2012年(移転オープン2019年)
営業時間: 12:00〜日没(売り切れ次第閉店)
定休日: 水曜日(要確認)

2023.6.7 Y.M
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2023年06月02日

# 精肉柳屋×Boulangerie Puku-gari [千歳烏山] のレギュラーバーガー




 いよいよ来週に迫りました、6月9日(金)から横浜赤レンガ倉庫で開催の「Japan Burger Championship 2023出場チーム事前取材第7弾! 今回は"連合"チーム……東京・千歳烏山のBoulangerie Puku-gari(プクガリ)と精肉柳屋(やなぎや)のコラボレーション。京王線・千歳烏山(ちとせからすやま)駅前商店街のパン屋と肉屋が意気投合し、バーガーを売るようになり、ハンバーガーの日本大会に出場するまでになったという……そんなお話。

 「プクガリ」の店主・岡村さんはパン職人歴15年。その前に料理人歴が4年ある人で、「いつか自分が作ったパンでバーガー屋やりたいな」と思いつつ、しかしパン焼くだけで手一杯。なかなか着手出来ないところへ出会ったのが「柳屋」の店主・柳さん。




 ちょうどハンバーガー用のパティを売り出したタイミングだった柳屋さん。「そうなると次はバーガーだろう」と、適当なバンズを探していたところ、プクガリさんと運命の出会い。バンズをもらったお返しにパティを上げる物々交換を経て、となれば、あとはもう「バーガーやろうよ!」という流れよりほかナシ。出会って2週間後に初のコラボバーガー販売デー開催! それが昨年2022年6月29日のこと。場所はプクガリ店内……。


 こちらがプクガリさん。創業2011年。駅前北口を少し歩いた「烏山通り」沿いにあります。パッと見ではパン屋とわからない店構え。こちらを会場にハンバーガーを予約販売。いざ蓋を開けてみると……反響も評判も思いのほか大きく、1個1,450円のバーガーに100件ほどの予約が入ったそうで。

 以降、3ヶ月おきぐらいにコラボバーガーを販売。6月29日の次は同年9月29日、その次が2023年1月29日。そして直近の販売日が4月29日←ここに合わせて私、プクガリさんを訪ねました。


 行ってみると店内スッカラカン。食パン・菓子パン・惣菜パンの類は一切売っていないという。買う気満々で行ったので当てが外れたワケですが、訊くとバーガーを作りながらパンも売るのは「無理」だと。とても手が回らないとのことで、バーガーの日はパンの販売は休んで、ハンバーガーのみ完全予約制で売るスタイルに落ち着いたそうで。

 と言うことなので、プクガリさんのパンの傾向や特徴はわかりません。どんなパンが得意か人気か……といったことも未解明。いずれちゃんと食べたいと思ってます。


 一方の柳屋さんはプクガリから徒歩5分ほどの距離。以前はもっと駅近にありましたが、2017年に移転して、オシャレでモダンな"butcher"へと一大変身を遂げました。祖父の代からの家業を引き継ぐ3代目は柳晃正さん。すべてはこの3代目のセンスでしょう。

 柳屋は唯の肉屋に非ず。扱うのは、生産者レベルから厳選・吟味した日本一クラスの仙台牛。それも雌牛。メス牛は大きく育たないので高いんですね。中でも肥育農家・鈴木佑哉さんが育てた「鈴木牛」。これが超一級。柳さん曰く「鈴木さんの牛しか買わない」というほどの最高品質の仙台牛で、何でも炊いた飼料用の「お米」を食べて育っているそうで。


 私買いました。仙台牛の「ローストビーフ」と「焼肉用 切り落とし」。どちらもまぁ〜おいしい! やわらか! 普段食べているのとは完全別次元のお肉が、自宅の晩ごはんで食べられちゃうという……まぁ〜なんて贅沢!

 そんなことで、プクガリ×柳屋のバーガーはこの仙台牛を使ったパティなワケですよ。「レギュラーバーガー」の"トマトチーズ"と"照り焼き"、パティ2枚の「BIGバーガー」の"トマトチーズ"or"照り焼き"、そして「米粉100%グルテンフリー トマトチーズバーガー」の全5品。せっかくなので2つ行きました……レギュラーバーガー トマトチーズレギュラーバーガー テリヤキともに¥1,450(税込)。


 どちらもアボカド入り。つまり、「アボカドチーズバーガー」と「テリヤキアボカドバーガー」ですね。パティは80g。A5ランクの仙台牛雌牛100%。つなぎなし。サーロインの脂身に肩、スネ、モモ、ネックなどを配合。9mmの粗挽きを二度挽きして使用。塩は柳屋で売っているクリスマス島の塩。胡椒とともに焼く際に振ってますが、しかし、そんなに強く利かさず。一方、バンズはブリオッシュ地。バーガー専用で、他に使っている惣菜パンなどは無しとのこと。「トマトチーズ」に使用のトマトソース、「テリヤキ」に使用のテリヤキソース&サルサはすべて自家製。


 感想は簡単に……まずはパン屋の作らしいクラスト(表皮)の「パリッ」としたバンズ。そのまま食べ進むと"前座"のアボカド、続いて「肉」がジューシー! この肉の「ジュワ」感が堪らず! これはもう否応なしのおいしさ。材料選び・肉選びの時点で既に勝負あり。口中に残る肉の余韻がまたおいしいこと!

 ここまで肉がおいしいと、あとは周りが余計なことさえしなければOKなワケですが、その通り、すごく素直な味の組み立てで、仙台牛のおいしさに"逆らう"味はひとつも無し。ジューシーな肉のをさらに引き立て・際立たせるものばかりが集められている。テリヤキソースを筆頭に、すべてが「順目」の味の構成。


 私の好みは「テリヤキ」の方。先ほど書いた通りの、仙台牛パティのジューシーさを「さらにジューシーに」助けるようなテリヤキソースの活躍が大変秀逸。食べ始めは「バリッ」と表皮のインパクト。そこから先はとにかく肉のジューシー……そんなバーガー。上質・上品な肉の味わいに「とっぷり」浸れる一品。

§ §

 本職のバーガー屋ではないので正直そこまで期待していなかったんですが、その不当に低い期待を上空遥か高く飛び越える「とびっきり」のバーガーと出合えました……いや、完全に予想を裏切られましたね。イチに材料の良さ。第二にその使い方の正しさ。そして第三は、何と言っても職人ふたりの運命的な出会い……これがこのハンバーガーを構成する三大要素でしょう。JBCはふたりで出場するそうです。↓は大会本番用の特上の仙台牛!




― shop data ―
●Boulangerie Puku-gari
所在地: 東京都世田谷区南烏山6-27-6
     京王電鉄 千歳烏山駅北口歩4分 地図
TEL: 03-3309-0022
URL: https://www.pukugari.com/
オープン: 2011年
営業時間: 10:00〜18:30(パンがなくなり次第終了)
定休日: 月曜日(要確認)

●精肉柳屋
所在地: 東京都世田谷区南烏山6-34-2
     京王電鉄 千歳烏山駅北口歩4分 地図
TEL: 03-3307-2857
アカウント: https://www.instagram.com/seinikuyanagiya/
オープン: 1947年
* 営業時間 *
平 日: 10:00〜18:30
土日祝: 10:00〜18:00
定休日: 日曜日(要確認)

2023.6.2 Y.M
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2023年06月01日

# YUMMY BURGER [下北沢] のチーズバーガー




 いよいよ来週6月9日(金)から横浜赤レンガ倉庫で開催の「Japan Burger Championship 2023出場チーム事前取材第6弾です……東京・下北沢のYUMMY BURGER(ヤミーバーガー)。

 憂鬱な雨の写真が多いことについてはご勘弁を。場所は「GOZO」が入るシモキタフロントの脇を掠めて、下北沢一番街商店街をちょっと歩いたところ。角地の1階と言うか中2階と言うか。かつて「frisco」があった、ちょうど真向かい。いい場所ですね。


 店主の尼崎さんは「T.Y.HARBOR BREWERY」の元副料理長。最初はグループ店の青山「beacon」にアルバイトで勤務。そこから社員登用→副料理長にまで駆け上がった人で。

 「beacon」と「T.Y.」でグリルを学び、ステーキの焼き方を学び、アメリカ料理全般を学んだ尼崎さん。しかし、キッチンにずっと籠り切りなため、お客さんが自分の作った料理を味わっているところが「ぜひ見たい」という思いが常にあり、そこで11年勤めた会社を一昨年の末に退社。コロナが落ち着き始めた昨年5月、ついに自身の店「ヤミーバーガー」をオープン……というのが概略。


 これまで溶岩石のグリラーで焼き物をすることがもっぱらだった尼崎さん。バーガー店をやるに当たり、「グリドル(鉄板)がいいな」と思い、さらに一昨年ごろから「スマッシュ」が気になりだして、そこでスマッシュのバーガー店に照準を設定。パティはやっぱりミンチ肉。挽き肉だと。歯ごたえよりもジューシーさ。でも、ただのスマッシュでなく、「ハンドチョップに近いようなミンチ肉」のバーガーを目指したい。ハンドチョップの歯ごたえとミンチ肉のジューシーさを併せ持つスマッシュパティ。どんなものかと言いますと……。


 肉はUSブラックアンガスのチャックアイロール=肩ロース。グレードはチョイス。たまにプライム。ブロック肉で仕入れて、店内でミンチに。挽きは8mm挽き。その一部を二度挽きし、牛脂とともに絶妙な割合で配合して120gの球状に。なお「1日寝かした方が状態が良い」というのが尼崎さんのご意見。

 こいつを軽くバターを塗った鉄板の上に乗せ、ミートプレスでスマッシュ。そして裏返した面も軽くスマッシュ。つまり、「両面スマッシュ」――これは私が見てきた中では「初」のケースかも。でも薄っぺらでなく、厚みを残しているところがポイント。塩は岩塩と中挽き胡椒を合わせたミックスソルトを調理の際に振り、中には混ぜず。バーガーメニューは19品。まずはチーズバーガー¥1,300(税込)から。


 バンズはご存知「峰屋」の豆乳入り……そう、あの「豆乳バンズ」ですよ! これを痛く気に入った尼崎さん。「このバンズに合うようにソースを作ろう」と決め、さらに「このバンズに合うように全てバランスを考えた」と。つまり、これは「バンズありきのバーガー」であり、そして「パティありきのバンズ」である……。

 話が大きくなったので元に戻して、そのクラウン(上バンズ)の裏にタルタル、ヒール(下バンズ)にハニーマスタード。あとはレタス、トマト、チーズはチェダー。パティの上にオリジナルのBBQソースをひと塗り。


 顔を近寄せると、コゲ味混じりの牛のにおい。かぶりつけば「スッ」と入って来るバンズとパティ。豆乳バンズはソフトな口当たり。「丸まる」んだけど「ダマ」にならない。しっとりとした独特な生地感。「ぷるん」じゃなくて「ふるん」としていて、何だろう……空気を帯びているのかな? それはパティも同様で、8mm挽きなのに「ふわふわ」&「ふっくら」している。そこへ芳ばしい塩と胡椒。そしてマイルドなソースは無添加の自家製BBQソース。フレッシュトマトにモラセス(糖蜜)、ブラウンシュガー、そしてアップルビネガー……甘いものばかり。

 何だか全体に空気を帯びたような「ふわっ」としたバーガー。すべてがソフトタッチ。出過ぎたコショウもなく、BBQソースも強くなく、むしろ何ともメロウな存在感。一方でレタスには「ハリッ」と張りがあり、そして味わいの端々に肉とチーズの芳ばしさが感じられる。これは豆乳バンズを使ったバーガーの完成形かも知れない。きっと社長も喜ぶだろう。

§ §

 別な言い方をすれば、これは峰屋バンズを使用したバーガーの進化系にして最新バージョン。さらに別な角度から言えば、日本のグルメバーガーとスマッシュの融合――そんな位置付けのバーガーに定義出来るだろうか。ポテトはウェッジカットとクリスカットの2種類。あと、皿がアツアツ! ←これも重要ポイント。




― shop data ―
所在地: 東京都世田谷区北沢2-33-6 藤原ビル1F
     小田急・京王 下北沢駅東口より歩3分 地図
TEL: 03-6416-8338
URL: https://yummy-burger.owst.jp/
オープン: 2022年5月13日
営業時間: 11:30〜21:00LO ※日曜日: 11:30〜19:00LO
定休日: 月曜日(祝日の場合、翌火曜休、要確認)

2023.6.1 Y.M
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2023年05月29日

# 3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field [清澄白河] の名物! 極上肉づくしバーガー




 6月9日(金)から11日(日)まで横浜赤レンガ倉庫で開催の「Japan Burger Championship 2023」――その出場チーム事前取材第4弾です。こちらは競技と販売両方で参加……東京・清澄白河の3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field(フィールド)。

 昨年7月開催の「JAPAN BURGER CHAMPIONSHIP 2022 in さいか屋横須賀店」にも出場たお店です。大会2日目の予選第四試合に出場。そして大会後の9月に新橋店、さらに本年4月には大阪・本町靭公園店を相次ぎオープンし、東京・大阪に現在3店を展開。さらに全国47都道府県FCオーナー募集中という、まさに破竹の勢いのフィールドさんです。




 本日訪ねたのは本店、清澄白河店。東京都現代美術館向かいの好立地です。オープンは2010年。だから今年で14年目。その間きっと夥しい客数が利用したであろう、なかなか年季の入った店内外です。なお、清澄白河に「ブルーボトルコーヒー」が出来たのは2015年。つまり、ブルーボトル"以前"からフィールドは清澄白河に在りました。


 店主・岩元さんはある種の名物社長と言うか、至る所インタビュー記事が上がっている人です。公式サイトの社長の言葉はこちらから。要するに"バックパッカー"だったと。2007〜2008年ごろの話です。回った国は世界30ヶ国弱。「食がメインの旅だった」と明言するその途上、米国ニューヨークを訪ねた時のこと――。

 まだ日本上陸前の"SHAKE SHACK"と「どっちで食べるか」迷った末に入ったのが「Corner Bistro」でした。このウェスト・ビレッジの名店で食べた本場米国の伝統的なハンバーガーに"衝撃"を受けた岩元さん。帰国後、「Cafe&Bar Field」の営業の傍ら、その"衝撃"のバーガーの再現に没頭し、「これなら出せる!」とついに自信を持つに至ったのは試作開始から8年後、3000日が過ぎた日のことでした。2018年10月に現在の店名「3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field」に改称。ハンバーガーを軸にしたスタイルへと、フィールズは大きな進化を遂げます。


 本店のバーガーメニューはレギュラー16品+季節のバーガー1品。今年2月より夜は「ゲンビノマエ酒場サンゼン」の名前で営業していますが、バーガーは夜も食べられます。最もプレーンな「シンプルバーガー」1,040円(税込)から全部乗せの「MAXバーガー」2,240円まで各種ある中、まずは名物! 極上肉づくしバーガー¥1,790(税込)を食べないワケにはゆきません。去年の横須賀大会にエントリーしたバーガーの正規版です。


 パティは産地不特定(その時々)、肩ロース100%使用の120g。挽きはなんと16mm! 当ブログ史上一番の粗さ! もとは12mmだったものを横須賀後に変更。このレベルまで来ると"手"では技術的に引っ付かないので、肉屋で成形してもらっていると。パティの中に塩コショウ。調理はガス台の上に乗せた鉄板で。


 一方、バンズは甘味のある「新橋ベーカリー」製。これを縁が黒くなるぐらい強くトースト。ヒール(下バンズ)にバルサミコマヨ。「肉づくしバーガー」はチーズなし。野菜はサニーレタス、スライスした生オニオン。トマトは入らず。にんじんのジュリアン(千切り)がその代わりに。そして最も重要なのが「肉づくしソース」――。

 仕込みは所要3時間。野菜のソフリット=よく炒めたにんじんと玉ねぎのみじん切りに粗めの合い挽き肉を加え、調味料は赤ワイン、はちみつ、オレンジマーマレード、赤味噌など。オレンジの皮で香りを足して完成。このソースがパティと同量の120g……。


 感想……まず歯切れよし。16mm挽きをギュッと集めたパティが「サクッ!」と気持ちよく噛み切れる。そこへ押し寄せる別な肉のフレーバー……これこそ肉づくしソース。赤味噌の風味、赤ワインの風味、どれもわかりやすく利いていて、目鼻クッキリ。造りが大きいソースだが、ハンバーガーとして食べる分にはちょうどの収まり具合。よく計算されている。このソースの洪水にパティがとっぷり浸かって、肉がゴロッと入ったビーフシチューを食べているような感覚のバーガーに。その下で、にんじんの「サク」感がさわやか。レタスとは全く別モノの食味で、青くささなどもなく、意外な好印象。

§ §

 明快なソースの味わいにサックリサックリ噛み切れる16mm挽きパティが歯切れよし。ダラーッとソースがかかって食べにくそうに見えるも、案外の食べやすさ。一方向に「突っ走った」バーガーです。尖ってますね。ぜひJBCでも全開に尖りまくっていただきたく!




― shop data ―
所在地: 東京都江東区三好3-3-17
     東京メトロ・都営地下鉄 清澄白河駅歩9分 地図
TEL: 03-6458-8300
URL: https://3000days.jp/
オープン: 2021年7月17日
* 営業時間 *
月〜土: 11:00〜22:00(LO21:30)
日・祝: 11:00〜21:30(LO21:00)
定休日: 無休(要確認)

2023.5.29 Y.M
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2023年05月21日

# Fooler Fooler [鮫洲] のボンバーガー TOPPING チーズ兄弟




 さぁ、こちらは「JAPAN BURGER CHAMPIONSHIP 2022 in さいか屋横須賀店」に出場した店ですね。あの灼熱の横須賀大会……あれから少し間が空きましたが、ようやく行って来ました。東京・鮫洲のFooler Fooler(フーラーフーラー)です。去年の大会では、会場にピザ窯を持ち込み、ピザ生地をアレンジしたバンズを90分間で焼き上げてという"離れ業"をやってのけたフーラーさん。パフォーマンスだけでなく、そのピザ生地バンズがまた絶品で、鮮烈な印象を残したお店です。




 場所は京急の鮫洲駅前。JR・東急の大井町駅から歩けますね。徒歩圏。鮫洲と言うと運転免許の試験場ですか。だから、駅前のささやかな商店街には古くからの代書屋がありますね。その並びにフーラー。


 もとは徒歩約1分の距離にある「Pizzeria Bakka M'unica(ピッツェリア バッカ ムニカ)」というピザ店。正確にはピザと居酒屋が融合した「ピザカヤスタイル」の店だそうで。さらにその大もとは移動販売の「Bakka(バッカ)」と。で、そのピザ屋が始めたバーガー店がフーラーフーラー。バーガー屋としての営業は昼のみで、夜はバッカムニカの姉妹店「Bakka Piccolina」として営業してます。夜はバーガーないです。


 それこそ"窮屈"と言っていいぐらいの小さな店で、そこをまた敢えて古めかしく改装しているのかな? たばこ屋のような窓があり、そこで注文を受けたり、外にショーケースを出して「あげパン」を売ったりと、狭い店を最大限に駆使してやっている感じが商店街の雰囲気とも相俟って、なかなかイイ感じです。


 バーガーメニューはレギュラー5品。最もプレーンな「ボンバーガー」が680円(税別)、「全部のせ」でも1,080円と安い! まずコレが特徴。横須賀大会の折に「ずいぶん豪華なバーガーを食べさせられたな」と思っていたんですが、実は↑アレでもチーズバーガー程度の内容だったとのことで、値段の割に中身が充実してますね。そんなワケで、本日は基本のボンバーガー¥748(税込)にチーズ兄弟¥275をトッピングして締めて¥1,023で――。


 注文が入ると、まずバンズを焼きます。ピザ生地をベースにしたバンズはイタリア産など4種類の小麦粉を使用。砂糖、バターなどを多めに使ったリッチな生地です。あと水分量も高め。これを発酵させたのち焼成。窯の温度はピザより低め。約2分程度で焼き上がります。

 パティは120g。牛3:豚1の合い挽きです。さらに野菜のソフリットが全体の6分の1程度。炒める野菜はにんじん、玉ねぎ、セロリと、えのきだけ=旨味要員。さらにフェンネル、タイム、セージなどの各種香辛料がパティの中に。そいつを表面が黒く焦げるぐらいまで強く焼きます。緑の葉っぱはセルバチコと一般的な玉レタスの2種類使用。ソースもタルタルとバルサミコの2種。"チーズ兄弟"はおなじみのチェダーチーズとノルウェー産のリダーチーズの2種類。あとはトマト。下にマスタード……いやぁ、今回は説明が多い。


 まずバンズが美味。表面に張りがあり、黒い焦げ目がところどころにあって、意外や「ガリッ」とした食べ口も、クラム(生地)には「もちっ」と種類の違う張りがあって、一個のパンとして非常に魅力的。食べていて飽きない。このバンズの時点でかなりおいしい。甘い香りはどこから来るのか。パティに込めたフェンネルか。はたまたバルサミコソースか……。


 このバルサミコソースは、ドライフルーツ=アプリコット、パイナップル、りんごを白ワインでじっくり煮込んで、水分でやわらかくなったところをピューレにして、バルサミコと合わせて仕上げるオリジナル。その甘い風味に包まれたパティは、表面はかなり強く焼けているのに、中は抵抗なくやわらか〜。レアでジューシー! そこへリダーチーズ独特のちょっと苦目のあるコク味がクンと乗って、いや、かなりよく出来たバーガーですよ。

§ §

 ピザバンズの張りと「もっちり」。合挽きパティのジューシー。そこへ各種食材の香り・風味がさまざまに折り重なって、非常に個性的な"バーガー"が出来上がってます。牛100%でないと「ハンバーガー」とは呼べないのが本来の掟ですが、これは"バーガー"として抗えないおいしさを表現することにみごとに成功してます。そんな一品。もっと食べたい。もっと丁寧に取材したいお店です。まさにBravo! 長友じゃないけどBravo!




― shop data ―
所在地: 東京都品川区東大井1-20-3 Qハウス1F
     京急電鉄 鮫洲駅歩1分 地図
TEL: 03-6873-4702
アカウント: https://www.instagram.com/foolerfooler/
オープン: 2021年7月17日
営業時間: 11:30〜15:00(LO14:30)
※17:00〜は「バッカピッコリーナ」として営業
定休日: 月曜日(要確認)

2023.5.21 Y.M
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2023年05月16日

# BORDER TOWN [茨城・境町] のクラシックチーズ




 先日の取材で向かったのは茨城県猿島郡境町(さかいまち)鉄道駅が一切ない自治体で、あるのは「道の駅さかい」……ここはいい施設ですね。じぶんちの近所にこんな便利な場所があると思うと、すごく嬉しいだろうと思います。で、町内を自動運転バスが走っていて、人口も増えているという。それが茨城県境町。

 そんな境町に町名そのままを英語に直したBORDER TOWN(ボーダータウン)というハンバーガーショップがあります。米国南西部の砂漠の中の州境を想起させる、非常にカッコイイ店名です。店長は佐久間さん。中3の時に食べた本場アメリカのバーガーが衝撃的だったのがその道に進んだきっかけ。別な仕事をしつつ、月に2、3度のペースでイベント出店をしていたところ、各方面からお声が掛かるようになって活動が盛んに。しかしそのタイミングでコロナですよ……。




 イベント自体が減ってしまい、そこで佐久間さんは地元境町に固定店舗を構えることを決意。県道17号線沿い……町一番の目抜き通りですかね……に土地を見つけてコロナ期間中に準備を進め、晴れて2022年1月に固定店オープンと。先ほどの「道の駅さかい」と同じ道沿い。クルマで3分の距離です。


 店舗はコンテナハウス。2015年の台風で境町に浸水被害があった際に水没したコンテナハウスを廃棄手前で引き取り、イチから直して行ったものと。店内はカウンター5席にテーブル4席。外にピクニックテーブルが2台。下は人工芝。隣の建物は関連のデザイン会社の事務所だそうで。駐車場は店の裏手に3台分。土日なにどはもう3台分が臨時で開けられるそうで。なお、裏手に積まれたコンテナも店の食材倉庫。と言うことは、けっこうモノが置けますね。


 バーガーメニューはレギュラー10品+期間限定1品。すべてビーフですね。鶏や魚はありません。素晴らしい! パティは2種類……USビーフのパティと埼玉・東松山「国分牛」のパティとがあります。米国牛パティは100gとLサイズ150gの2サイズ。国分牛は150gの1サイズのみ。米国牛パティは挽肉で、国分牛パティはハンドチョップと。そんな違い。中からまずはクラシックチーズLサイズ¥1,400(税込)を行きましょう。


 あらためてパティはUSビーフのサガリをメインに和牛脂を合わせたLサイズ150g。町の肉屋に9.7mm挽きで依頼しているという粗挽き。調理はグリドルで。一方、バンズは境町特産の小麦「ゆめかおり」100%。つまり、境町は小麦の産地でもあるという。「さかい河岸ベーカリー」作の特注品。甘味のある小麦ということで砂糖などは控えめの配合。サイズは70〜80g。クラウン(上バンズ)の裏に自家製サウザンソース。ヒール(下バンズ)にマスタード&マヨネーズソース。あとはチェダーチーズ。そしてトマト、グリーンカール、オニオンはすべて境町産。


 感想……バンズは表皮に張りあり。照りを出している分、やや硬めな食べ口。少し「ごわっ」とした感じと言うか。何かハーブな香りがするのは……サウザンソースからかな? アクセントにクミンを利かせているそう。パティの風味はソーセージ的。食べた感じもある種ソーセージのように、挽肉がギュッと隙間なく詰まっている。ちょいコリコリ。しっかりしたバーガー。オニオンは生が輪っかのまま。

 サイドはにんじんのピクルスとフレンチフライ。このポテトに付けるソース……「ポテトソース」と呼びましょうか……これがおいしくて。フェヌグリークなど使って大変芳ばしく、食べてはまた食べを繰り返したくなる味。このポテトソースのアクセントは非常によいです。ポテトもシューストリングとウェッジカットと2種類のミックス。

§ §

 移動販売時代の雰囲気を留めるバーガー。作りが大きいと言いますか。パティもバンズも"大ぶり"な印象です。パティはもうちょいと味に深みが欲しいかなと。まず初回はそんなバーガーでした。野菜は新鮮!




― shop data ―
所在地: 茨城県猿島郡境町163-3
     東武鉄道 東武動物公園駅よりバス約40分 地図
TEL: 080-7163-4853
URL: https://bordertownhamburger.com/
オープン: 2022年1月5日(移動販売は2017年〜)
営業時間: 11:00〜15:00, 17:00〜20:00
定休日: 月曜日、火曜日(要確認)

2023.5.15 Y.M
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2023年05月06日

# Chillmatic [渋谷] のダブル熟成肉バーガー




 「SHIBUYA BRIDGE」……"かつて東横線が走っていた線路跡地を再生し、多世代・異文化をつなぐ、渋谷ブリッジ。保育所、ホテル・店舗・オフィスからなる複合施設です"ということで、2018年9月の開業です。渋谷清掃工場の裏手、都営バス渋谷営業所のすぐ向かいにあります。その渋谷ブリッジに「MUSTARD HOTEL」という外国人観光客に人気のホテルがありまして、その朝食を提供する1Fカフェの場所に昨年6月にオープンしたのがChillmatic(チルマティック)。代表の塩田大治さんは上野「ANDRA」の塩田龍太郎さんの"従弟"です。齢も一緒って言ってたかな?


 上野の塩田家は飲食業の家系なので、大治さんのお父さんもフレンチシェフ。今は新潟で"オーベルジュ"を営んでいるそうで。こちらのことかな? それもあって大治さんは浅草のフレンチ「ラ・シェーブル」に勤めて10数年→米澤文雄シェフの青山「The Burn」→同じく米澤シェフ監修の浅草橋「THE GOOD VIBES」へ→芝浦へ移転(2019)→これを流行らせて独立(2022)……概略そんな流れのようで。要するに父親と浅草の名店からフレンチを学び、米澤シェフからも学び、そして一族は渋谷で「アンドラ」を営んでいたという。そんな経歴と背景の持ち主と。


 オープンに当たってプレスリリースが出てますね。もう書いてあるその通りで(笑)、バーガー&ビストロのお店です。「熟成肉」と「自家製パストラミ」がシグネチャー。ホテルのモーニングを請け負っている都合上、モーニングメニューが朝7時から10時半まで、ランチメニューが11時半から23時まで、ディナーメニューが18時から23時までという、3部構成からなる壮大なお店です。ハンバーガーは品数なんと20品。すべて熟成肉のパティ。と言うか、パティはその1種類だけです。熟成肉パティと"そうでない"パティとがあるワケでなく、全パティが熟成肉入り。中からダブル熟成肉バーガー¥1,850(税込)を。


 パティは130g。熟成肉100%ではないです。それだと値段が張り過ぎてしまうので。肉は90日以上熟成した新潟あがの姫牛の経産牛。そのモモやスネ、バラのかぶりなどを店内で細かくチョップ。国産の挽肉4種類と合わせている。調理はグリルパンで。だから十字の焦げ目が付きます。振り塩はフルール・ド・セル=塩の花。成形時にも中に塩。

 バンズは「サンワローラン」と一緒に開発したというブリオッシュバンズ。これに"澄ましバター"を滲み込ませてバタートーストに。かなりたっぷり塗ってます。あとは自家製のケチャップ、同じく自家製のマスタード、フライドオニオン。生野菜なし。


 感想……これが熟成肉の風味なのか、はたまたマスタードか、「ツン」と鼻を突く独特のフレーバー。何とも言えぬ「クン」と来るにおい。持てばバンズがあたたか。かぶりつけば「ミシミシ」と音を立てながらもタテに割けるパティ。歯切れよし。「ぷりっ」としているが「サクッ」と噛み切れる。ダブルを頼んだが、パティ1枚だけで食べても十分な存在感とバランスのよさ。


 ポイントはバンズの裏のさっくり……このバーガーの食べやすさはすべて、このバンズの裏面から来ている。バタートーストの成果ですね。のみならず、生地の口どけも良好。ライトな酸味のケチャップは最初に風味が強く来るが、でも、その後の抜けがよし。仕込みに2週間かかる自家製マスタードはりんご酢のまろやかな酸味とプチプチ食感。パティの焦げ味の芳ばしさもまといつつ、すべてが微妙なチャンネル調整の上に同一方向にまとまっている。甘過ぎず、苦過ぎず、ケム過ぎず、すべてがじ〜んわり絶妙に舌の上で踊る……そんなバーガー。

§ §

 フレッシュな肉とはまた違う、熟成肉の食味。ゴツゴツしているが、でもサクッと収まる。そんなバーガーですが、なかなか表現が難しくて、これで上手く伝わってるかどうか……もう一回食べとかないと。次はパストラミ行きますよ。




― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区東1-29-3 SHIBUYABRIDGE B棟1F
    JR・東京メトロ 渋谷駅歩10分 地図
TEL: 03-5962-7857
アカウント: https://www.instagram.com/chillmatic_higashibu/
オープン: 2022年6月9日
営業時間: 7:00〜23:00(LO22:00)
定休日: 月曜日(要確認)

2023.5.6 Y.M
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2023年05月01日

# American Diner ANDRA [上野] のCHEESE BURGER




 先日の「K'ingsman」は元お相撲さんの店でしたが、こちらはアメリカンフットボールの現役選手の店……東京・上野のAmerican Diner ANDRA(アンドラ)です。

 父たちがやっていたフレンチ、それがアンドラ……。時系列に沿って説明すると、まず、店主塩田さん一家は飲食業を家業となさっておられて、渋谷に「アンドラ」というビストロとワインの店を32年と8ヶ月営業していました。1982年に創業して2015年3月まで営業。今もホームページが残ってますね。アンドラのみならずその他の飲食店についても書かれています。素敵ですね。


 料理長の独立を機に渋谷アンドラは閉店し、塩田家の地元上野へ移転。当初は"スナックバー"、やがて食事のウェイトが上がり"ビストロ"として営業していたところ、コロナが流行り、弁当などを売り始めて「何屋だかわからなくなった」のでリセットし、2021年10月1日に「フットボールとアメリカンの店」としてリニューアルオープンしたのが現在のアンドラというヒストリー。

 現在の店主(と呼んでいいのかな?)、塩田龍太郎さんは中学3年からアメフトを始め、高校時代は全国優勝も経験。さらに大学・社会人と続けて、米国ロサンゼルスに2年間"コーチ留学"していたというご経歴。アメフトと言えば、六本木の「ゴリゴリバーガー」を思い出しますが、まさに「ゴリゴリ」でも働いていたことがあるそうで。その時期も含めると龍太郎さんのバーガー歴は10年。バーガー好きになったのにはLA暮らしの2年間がもちろん強く影響しています。一番のお気に入りのバーガー店は「In-N-Out Burger」。アンドラのロゴにも表れてますね。


 前身のビストロ時代から「アメフトビュー」の時などにハンバーガーを提供していました。普通にパティを成形して焼いていましたが、それがスマッシュのスタイルに変わったのは、従弟である"塩田大治さん"の「お前はパワーがあるからスマッシュやってみたら」というひと言により。この従弟の大治さんは渋谷「Chillmatic」の代表者です。従兄弟揃って話題のバーガー店をやっているという、これは非常にレアケースです。

 メニューはサンド4品、ライスプレート5品、ブリトー3品、ステーキ4品、そしてバーガーは4品+1品。まずは"店主イチオシ"のCHEESE BURGER(チーズバーガー) REGULAR¥1,350(税込)から。ダブルパティが"REGULAR"で、シングルパティは"Jr"サイズの扱いです。


 パティは1枚100g。USビーフの肩ロースとハラミの2つの部位を「粗挽き3:細挽き1」の割りで配合。牛脂なし。ハラミは超粗挽きの12mm挽き。塩コショウ、スパイスは最初からパティの中に。成形せず、丸めた状態のまま鉄板に乗せ、ベーコンプレスで上からスマッシュ! この時、ワックスペーパーを必ず噛ませてスマッシュしています。現役のアメフト選手の力で圧し潰したパティは直径約17.5cm。「サンワローラン」製のバンズから大きくはみ出す、その"いびつ"にしてワイルドな見た目。下にタルタルソース。上はトマトBBQソース。どちらも自家製。チーズは4枚。野菜なし。


 感想……単純にしてわかりやす〜いストレートな味。ふわっとしたバンズにアツアツの中身。多少時間を置いてもなおアツアツ。そして濃い塩気。パティは表面カチッと硬め。超粗挽きのハラミが効いてか「グリグリ」「コリコリ」とした噛み応え。でもそこはスマッシュ、薄く伸ばされているのでサックリ食べられます。

 ケチャップのような赤いソースは自家製のトマトBBQソース。トマトのコク味がふんわり香って、わかりやすいが「安く」はない味わいに。その他クミンやセロリシードなど香辛料のフレーバーが随所から。下の方でマスタードの辛味がツンと利いているのはタルタルソースに入る「和がらし」だそうで。


 アンドラのスマッシュはクリスピーなスマッシュ。パティにはあまり使わぬ「ハラミ」を使っているのも特徴的。「カチカチ」「サクサク」としたテクスチャーを持った「スナック」なバーガーなのだが、意外なところで味わいが細やかだったり……という。そんな硬軟二面を併せ持つバーガーですね。アメフト(硬)とフレンチビストロ(軟)の融合なのでしょうね。旧世代(お父さん)と新世代(龍太郎さん)の融合の結果でもあるかも知れません。

§ §

 今も現役選手なんだそうで、もうすぐ日本社会人アメリカンフットボールリーグ「Xリーグ」の春季公式戦が始まると。それもあって日曜定休なのかな? さらに子供たちにもアメフトを教えているという、そんな大忙しのスマッシュバーガー専門店!




― shop data ―
所在地: 東京都台東区東上野5-13-7
    JR・東京メトロ 上野駅歩7分 地図
TEL: 03-3847-8418
アカウント: https://www.instagram.com/diner_andra/
オープン: 2021年10月1日
営業時間: 11:30〜14:00, 18:00〜23:00
定休日: 日曜日(要確認)

2023.5.1 Y.M
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2023年04月17日

# K'ingsman [春日] のプレジデント




 こちらは元大相撲の力士だった人のお店です。四股名は「幸東(さちあずま)」。店の名はK'ingsman(キングスマン)。2022年のクリスマス、12月25日オープン。

 バーガー・コーヒー・熟成肉――これがキングスマンの3本の柱。すなわち池田さんの「趣味を寄せ集めた」店であると。昼はバーガー、夜は熟成肉。そこへ加えて、旨いコーヒーが飲めたら最高という。店外の黒、店内の緑の色遣いは、米国NYのブルックリン辺りにあるような店のイメージだそうで。1年探して見つけたこの場所は「人はいるけどガチャガチャしていない」という条件に適った好立地。




 場所は東京・春日。文京区。店主池田さんの地元。そうだから、池田さんの初めてのハンバーガー衝撃体験は本郷の「FIRE HOUSE」にて。今から25年前のこと。そして次なる衝撃体験はグアムのフードトラックで食べたバーガー。これが強烈においしかった。そしてそのバーガーが「スマッシュ」だったと……。


 まずはコーヒーから順番に。米国シアトルの「Slayer Espresso」のエスプレッソマシンが池田さんの愛機。かつて池田さんが京都の街を歩いていた時、ふとかっこいいマシンに目が留まり、その店に入ってコーヒーを飲んでみたところ、「ものすごくおいしい」と。以来、スレイヤーの虜となり、「いつか店を始める時は絶対にスレイヤーを」と心に決めていたのが、ムダにイカツイこのマシン。豆は京都のその店「アラビカ京都(% ΔRΔBICΔ Kyoto)」より仕入れている。


 熟成肉は100日超え、最大で140〜150日熟成の肉を使い、夜のみステーキで提供。「ホルス経産ドライエイジングステーキ」「和牛経産ドライエイジングステーキ」「黒豚ドライエイジングステーキ」の3品。それについては次回以降に詳しく触れるとして、ハンバーガーは昼のみ5品で、「プレジデント」「ファーストレディ」「マッシュルーム」「ギロチン」「オールドスクール」と、うち4品が"内容を表さない"ネーミングになっているところがポイント。そして「プレジデント」が最も基本のバーガーという意外。普通は最高級ですけどね。

 本日まずはPRESIDENT(プレジデント) Double¥1,400(税込)を。パティの枚数がシングル/ダブルとあるが、スマッシュバーガーはダブルが基本。プレジデント=「お肉をおいしく食べるための」チーズバーガー。一番重要なバーガーであり、「結局ここに戻るバーガー」と池田さん。「みんなにもそうであって欲しい」とも。


 パティは90g。熟成肉は使っていない。ハンバーガーでは「良さを出すのが難しい」というのがその理由。と言うことで、熟成肉でないオージービーフ使用。部位は不特定。牛100%でなく、牛肉の赤身に豚肉の脂を足している。重要なのはバランス。牛肉は脂微量で、豚肉でそれを補っているが、それでも脂の比率は低いそう。挽きは6mmぐらい。

 味付けは塩コショウのみ。最初から肉に混ぜて、焼く際には振り塩なし。丸めたままの挽肉を鉄板に乗せ、上からスマッシュ……その目的は「焼き目をつけるため」。さらにその目的は「肉の旨味を引き出すため」。元力士のスマッシュはさぞや豪快だろうと思いきや、意外にも表面を撫で回すようなタッチ。滑らかな動作で薄く広げてゆく。


 バンズは「新橋ベーカリー」製。焼き色かなり濃い目。これを石窯でトースト。マヨネーズは自家製。「ハンバーガーのためのマヨネーズ」とのことで、極限まで脂分を減らしたパティに代わり、油分はこのマヨネーズが持っていると。野菜は最小限。特にトマトは敢えて薄く切り、最低限の食味・酸味さえ感じられればOKという考え方。


 感想……薄く食べやすくまとまっている。軽くサックリ口に入るが、その前にアツアツ。パティも熱ければ、石窯に入れたバンズも熱い。粗くほぐれる肉に続いてチーズがじゅるじゅる。肉はよくプレスされて、結果「ぺたっ」と板状のテクスチャー。豚肉特有の硬さもあるのかも知れない。とにかく「板」を感じる。そしてスマッシュにより出来たコゲ味が芳ばしさ。加えて、濃い目の塩味(えんみ)。けっこうピリピリと刺激的。味付け濃いめで迫力あり。そしていつまでもアツアツ。そんな「熱」のあるバーガー。

§ §

 もうちょっと食べてみたいところですね。次は「オールドスクール」辺りが狙い目かな。夜のステーキも気になるところ。やっぱり食べてみないことには何もわかりませんから。幸東関の現役時代の活躍についても「また次回に」ということで……。 (つづく)




― shop data ―
所在地: 東京都文京区本郷4-28-9
    都営三田線 春日駅歩3分 地図
TEL: -
URL: https://www.instagram.com/kingsman_keisukeikeda/
オープン: 2022年12月25日
営業時間: 11:30〜15:00, 18:00〜22:00
定休日: 不定休(要確認)

2023.4.17 Y.M
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2023年04月15日

# OZ Burger [栃木・足利] のチリチーズバーガー ※再アップ




 4月14日発売の文友舎刊『アメ車マガジン』の最新刊2023年6月号で紹介した栃木・足利OZ Burger(オズバーガー)チリチーズバーガーについて再アップします。あす4月16日は渡良瀬川の河畔で開催される"K-Style"というクルマのイベントに出店されるそうです。そんなことでアメ車マガジンもぜひご覧下さい!

 文友舎 『アメ車マガジン 2023年6月号

 出版社: 文友舎
 価格: 880円(税込)
 発売日: 2023年4月14日
 判型: A4変形

§ §

 話戻って、栃木の足利です。当ブログに登場したことがある栃木県のハンバーガーショップは1店、那須の「Burger Shop UNICO」のみ……これは懐かしい! 「まだやってらっしゃるのかしら?」と思ったら、まだやってらっしゃるんですねぇ〜。今もご健在です。もう創業18年ですよ。スゴイ!

 UNICO さんがある那須町は栃木県の最北ですが、足利市は南部にあります。隣は群馬県の太田市。「BURGER'YA」のある大泉町までは車で30分かからないぐらいの距離感。ですから、足利随一のハンバーガーショップ、OZ Burger(オズバーガー)のことを知ったのは、高崎の「TIN'z BURGER」さんからの情報でした。




 渡良瀬川を境に北が旧市街で、南が新市街のような感じなのかな? オズバーガーがあるのは南の新市街地。それも主要な商業施設が集まるエリアから少し入った場所という好立地。オーナーの小曽根さんは女性です。久しぶりの女性が店主のバーガーショップ。オープンは2019年。それまで小曽根さんは長きにわたり看護師をしていました……。


 その頃から既にハンバーガー大好きだった小曽根さん。自宅で試作と研究を繰り返し、それこそ作り過ぎて家族が「食べたくなくなる」ぐらいまで試作を重ねて、ついには看護師を辞め、佐野プレミアム・アウトレットの「クア・アイナ」に転職。プロの技を吸収しようと燃えていた矢先、友人が勝手にイベント出店に申し込んでしまい、以後、クア・アイナに勤務しながら野外イベントで自前のハンバーガーを焼く"新生活"に突入。そうなればそうで、これからは「イベント活動を盛んにして行こう」と思っていたところ、今度は、親しくなった肉屋が、ハンバーガーをやるのにちょうど手頃な空き物件を紹介して来て、それで「もうやっちゃおう」と始めたのがこの店と。縁と言えば縁、運と言えば運……。


 席数15、16席ほど。扉を開ければすべてが見渡せるほどの小さな店内。どちらかと言うと男っぽい装飾と配色で、外壁に直接手書きの看板……と言うか、その時点で"板"ではないですね……が見どころ。バーガーメニューは25品。うち16品でチーズを使っているという、どう見てもチーズ好き。一番人気は「オズWチーズバーガー」、二番は「焦がしチーズバーガー」。あとは全品共通して「シイタケ」トッピングを推奨しているという、そんな店。しかし、それらをすべて飛ばして、本日はチリチーズバーガー¥1,590(税込)を。ポテト付き。


 パティはオージービーフ120g。店内でチョップしたチャックアイロール(肩ロース)+挽いたモモ肉+肉屋の牛挽肉を合わせたもの。つまり、手切り肉と挽肉のミックス。バンズは埼玉・本庄「ベーカリーズキッチン オハナ」作の特注。ちょうどオハナの「とちぎ店」がオープンしたので、此れ幸いとバンズの相談をすると、まだ店を持つ前にも関わらず話を聞いてくれたと。食パンに近いリーンな生地でバターなどは入らず。これを「アラジン」のトースターでトースト。クラウン(上バンズ)の裏に「ビッグマックソース」にインスパイされたオレンジ色のソースが塗られている。野菜はトマトが地元足利産、玉ねぎは群馬の藤岡産。レタスはその時々。


 チリはいわゆるチリコンカン=牛挽肉のチリ。パティと同量の120gが乗る。挽肉はパティと同じもの。チョップ肉も配合。自家調合したスパイスで、みじん切りのトマト・たまねぎとともに煮込んで、これがガツンと辛い。舐めただけでピリ辛。甘味なし。しかし味付けこそ辛いが、細やかな挽肉の感じはなかなかマイルド。のどごし良し。チリの下のパティについては「ほっくり」としたやさしさと安心感がある。「オハナ」の特注バンズは生地に弾(ひ)きあり。よく焼いた表皮の芳ばしさと強い弾力が印象的。オニオンはグリルド。

 かぶりついたひと口目で「シュッ」と収まる感じでなく、バーガーを口のサイズに小さく折り畳む過程で「ギュッ!」と力の籠もる一品。要するに食べ口が「ギュッ!」としていて「ガツン」とチリが来る……そんなバーガー。「バネ」が利いていると言いますか。それがまた魅力。

§ §

 こちらの店はバーガーの積み方がきれいでみごと! どのバーガーもフォトジェニックに仕上げます。これは武器ですね。強みです。そのフォトジェニックなバーガーを引っ提げて、今いろいろ"楽しい企画"を画策中だとか……。今年は良い一年になりそうですね。今度会う時はどんな感じになっていますやら。続きが楽しみ!




― shop data ―
所在地: 栃木県足利市朝倉町2-3-1
    東武伊勢崎線 足利市駅歩12分 地図
TEL: 0284-64-7725
URL: https://www.instagram.com/ozburger_ashikaga/
オープン: 2019年7月14日
営業時間: 11:15〜19:00(LO18:30)
※火・木: 11:15〜15:00
定休日: 水曜日(要確認)

2023.4.15 Y.M
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2023年04月08日

# Hey's Diner [千葉・幕張本郷] のトリプルチーズバーガー




 新駅「幕張豊砂」が3月18日に開業した結果、「幕張」と名の付く駅は、JR・私鉄合わせて全部で「6つ」に増えました。そのうちのひとつ、JR総武線の幕張本郷および京成千葉線の京成幕張本郷駅最寄りのアメリカンダイナーがこちら、Hey's Diner(ヘイズダイナー)。2020年6月のオープンです。




 個人経営の店にしては昨今めずらしいぐらい、店の「空間」づくり、いわゆる"世界感"の形成に注力したお店です。店の中も外もすべて自分たちの手で工事していったという。工期5ヶ月。その店舗改装DIYの一部始終が「Hey's channel」に詳しく上がってますので、ぜひ観て下さい。前の店舗の解体に始まり、外壁は鎧張りに、店内には乱形石やメトロタイルを貼ってゆき、ソファは骨格から自作、入り口扉を付け替えて……。ここまでやり遂げた店はそうは無いんじゃないかという徹底ぶりです。


 その成果がこの店構え。小さいながらも伝えたいイメージがはっきりしてますね。鮮明です。店主山下さんをここまでのアメリカ好きにさせたのは「ディズニーランド」。さすが千葉県民らしく、小さい頃から年パスで週に1、2度は通っていたそうで、かつ、キャストのアルバイトも4年ほど経験。「空間づくりの大事さはディズニーで教わった」と山下さん。


 一方、料理の大事さを学んだのは横浜の名店「アメリカンハウス」で。みなとみらい・クイーンズスクエア1階の「AMERICAN HOUSE」への配属を皮切りに、幕張新都心の「HALENOHEA」の店長などを経験。退職後にひと月ほど渡米し、カリフォルニアからテキサス、ミズーリ、ルイジアナなど南部諸州を一人旅。その途中、カリフォルニアとアリゾナの州境の町にあるコーヒーショップに強く惹かれた山下さん。その店のイメージもヘイズダイナーを造る際の大きなヒントになっているそうで。


 料理のコンセプトは"アメリカンイタリアン"。高温・短時間でナポリ風に焼き上げつつ、テイストはアメリカンなピザ。同じく米伊どちらの味も取り揃えたスパゲッティ。USビーフのリブアイステーキ。"スーパー辛い"バッファローウィング……といった面々がディナータイムのメニュー。ハンバーガーは昼のみ全11品。加えてパティメルトが"8品"もあるのが目を引くところ。本日はトリプルチーズバーガー¥2,490(税込)を、プラス¥380のDコンボ=フライドチキン2ピース&フレンチフライで。1ドリンク付き。


 パティはサイズ150g。3枚なので450g。つまり1ポンド。肉は産地不特定。挽肉のみで構成されるパティで、これをグリドルで調理。チーズはチェダーが2枚×3=計6枚。バンズは北習志野のパン店が作る特注品。これをピザ窯の500℃近い高温で一気にトースト。その上下バンズの裏にオリジナルのスプレッド。野菜はレタス、トマト。オニオンは入らず。


 かぶりつけば、紛うことなきバーガー味。粗めの挽肉の赤身肉の味の濃さ。中は薄っすらピンク色。微かに感じるのはナツメグ味か。そこに乗るチーズの塩気。ヒール(上バンズ)のてっぺんのゴマが芳ばしくこんがり焦げて、底のトマトもライトな酸味をひと添え。正しく「肉」の味主体。真っ直ぐストレートな味わい。バンズは表面にツンと弾(ひ)きあり。

 トリプルということもあり、食事後半、さすがにちょっと飽きて来る。ケチャップ・マスタードもよいが、トッピングで「ピクルス」¥100を足すか「ハラペーニョ」¥100を足すか、本当はオニオンの辛味があればよいのだけれど……オニオンは入れないお店なのかな? とにかく、ちょっと"薬味"が欲しいところ。

§ §

 雰囲気抜群。小さいながらも、それでもダイナーな気分にたっぷり浸れるのは、自分たちでイチから造り上げて行ったこの店構えのセンスの良さ。それを支える確かなコンセプト。そして何より、店主山下さんに根っから染みついたアメリカ好きのマインド……この辺りでしょう。久しぶりに"本気"を感じたアメリカンです。なんだかさわやか! 昼間のBGMはカントリー!




― shop data ―
所在地: 千葉県千葉市花見川区幕張本郷6-21-15
    JR・京成電鉄 幕張本郷駅歩7分 地図
TEL: 043-441-7633
URL: https://www.instagram.com/heysdiner/
オープン: 2020年6月12日
営業時間: 11:00〜15:00(LO14:00), 17:00〜22:00(LO21:00)
定休日: 火曜日・第3水曜日(要確認)

2023.4.8 Y.M
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2023年02月21日

# OZ Burger [栃木・足利] のチリチーズバーガー




 話戻って、栃木の足利です。当ブログに登場したことがある栃木県のハンバーガーショップは1店、那須の「Burger Shop UNICO」のみ……これは懐かしい! 「まだやってらっしゃるのかしら?」と思ったら、まだやってらっしゃるんですねぇ〜。今もご健在です。もう創業18年ですよ。スゴイ!

 UNICO さんがある那須町は栃木県の最北ですが、足利市は南部にあります。隣は群馬県の太田市。「BURGER'YA」のある大泉町までは車で30分かからないぐらいの距離感。ですから、足利随一のハンバーガーショップ、OZ Burger(オズバーガー)のことを知ったのは、高崎の「TIN'z BURGER」さんからの情報でした。




 渡良瀬川を境に北が旧市街で、南が新市街のような感じなのかな? オズバーガーがあるのは南の新市街地。それも主要な商業施設が集まるエリアから少し入った場所という好立地。オーナーの小曽根さんは女性です。久しぶりの女性が店主のバーガーショップ。オープンは2019年。それまで小曽根さんは長きにわたり看護師をしていました……。


 その頃から既にハンバーガー大好きだった小曽根さん。自宅で試作と研究を繰り返し、それこそ作り過ぎて家族が「食べたくなくなる」ぐらいまで試作を重ねて、ついには看護師を辞め、佐野プレミアム・アウトレットの「クア・アイナ」に転職。プロの技を吸収しようと燃えていた矢先、友人が勝手にイベント出店に申し込んでしまい、以後、クア・アイナに勤務しながら野外イベントで自前のハンバーガーを焼く"新生活"に突入。そうなればそうで、これからは「イベント活動を盛んにして行こう」と思っていたところ、今度は、親しくなった肉屋が、ハンバーガーをやるのにちょうど手頃な空き物件を紹介して来て、それで「もうやっちゃおう」と始めたのがこの店と。縁と言えば縁、運と言えば運……。


 席数15、16席ほど。扉を開ければすべてが見渡せるほどの小さな店内。どちらかと言うと男っぽい装飾と配色で、外壁に直接手書きの看板……と言うか、その時点で"板"ではないですね……が見どころ。バーガーメニューは25品。うち16品でチーズを使っているという、どう見てもチーズ好き。一番人気は「オズWチーズバーガー」、二番は「焦がしチーズバーガー」。あとは全品共通して「シイタケ」トッピングを推奨しているという、そんな店。しかし、それらをすべて飛ばして、本日はチリチーズバーガー¥1,590(税込)を。ポテト付き。


 パティはオージービーフ120g。店内でチョップしたチャックアイロール(肩ロース)+挽いたモモ肉+肉屋の牛挽肉を合わせたもの。つまり、手切り肉と挽肉のミックス。バンズは埼玉・本庄「ベーカリーズキッチン オハナ」作の特注。ちょうどオハナの「とちぎ店」がオープンしたので、此れ幸いとバンズの相談をすると、まだ店を持つ前にも関わらず話を聞いてくれたと。食パンに近いリーンな生地でバターなどは入らず。これを「アラジン」のトースターでトースト。クラウン(上バンズ)の裏に「ビッグマックソース」にインスパイされたオレンジ色のソースが塗られている。野菜はトマトが地元足利産、玉ねぎは群馬の藤岡産。レタスはその時々。


 チリはいわゆるチリコンカン=牛挽肉のチリ。パティと同量の120gが乗る。挽肉はパティと同じもの。チョップ肉も配合。自家調合したスパイスで、みじん切りのトマト・たまねぎとともに煮込んで、これがガツンと辛い。舐めただけでピリ辛。甘味なし。しかし味付けこそ辛いが、細やかな挽肉の感じはなかなかマイルド。のどごし良し。チリの下のパティについては「ほっくり」としたやさしさと安心感がある。「オハナ」の特注バンズは生地に弾(ひ)きあり。よく焼いた表皮の芳ばしさと強い弾力が印象的。オニオンはグリルド。

 かぶりついたひと口目で「シュッ」と収まる感じでなく、バーガーを口のサイズに小さく折り畳む過程で「ギュッ!」と力の籠もる一品。要するに食べ口が「ギュッ!」としていて「ガツン」とチリが来る……そんなバーガー。「バネ」が利いていると言いますか。それがまた魅力。

§ §

 こちらの店はバーガーの積み方がきれいでみごと! どのバーガーもフォトジェニックに仕上げます。これは武器ですね。強みです。そのフォトジェニックなバーガーを引っ提げて、今いろいろ"楽しい企画"を画策中だとか……。今年は良い一年になりそうですね。今度会う時はどんな感じになっていますやら。続きが楽しみ!




― shop data ―
所在地: 栃木県足利市朝倉町2-3-1
    東武伊勢崎線 足利市駅歩12分 地図
TEL: 0284-64-7725
URL: https://www.instagram.com/ozburger_ashikaga/
オープン: 2019年7月14日
営業時間: 11:15〜19:00(LO18:30)
※火・木: 11:15〜15:00
定休日: 水曜日(要確認)

2023.2.21 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:11| 【一ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月14日

# BURGER'YA [群馬・西小泉] のオリジナルバーガー TOPPING パティ+チーズ




 さて、16年ぶりの群馬・大泉町……雪になりましたね。いや、寒かった〜。栃木県の足利からクルマで行くと、町の中心部へ差し掛かる頃にはハッキリと街並みが変わります。

 まず道路や区画がよく整備されてますね。見通し良好。町内には今も大手企業の大工場が複数稼働しており、つまり、税収が豊かだということです。それが街並みの変化その1。そしてもうひとつの変化は、異国語の看板が途端に増えるという。大泉町は外国人住民の多い地域です。まぁ道もしっかりしてるし、広いし、外国人には暮らしやすいんじゃないかな……なんて思います。



 そんなことで16年前、2007年の1月に訪ねた際の記事3本を上げておきましょう。"ブラジルタウン"大泉町の16年前の様子です……。

 # 160 PASTEL & CIA. [群馬・西小泉]
 # 161 RODEIO grill express [群馬・西小泉]
 # 162 Fatto a mano [群馬・西小泉]


 今回の目的地、BURGER'YA(バーガーヤ)はスーパーマーケット「スーパーメルカド タカラ」の中にあります。スーパー「タカラ」と言えば、まさに16年前に訪ねているのですが、その後に現在の場所に移転してまして、かつて「タカラ」があった場所は、今は別なスーパー+ブラジル料理店になっているそうで。


 オーナーのKatsumi Okuma さんは日系3世。2016年にブラジルから単身日本へやって来て、隣の太田市に居住。最初の2年は会社勤めをしていましたが、やがて自身が住むアパートでハンバーガー屋を開業。テイクアウトとデリバリーのみのお店です。大泉町へ移転してイートインも出来るショップをオープンし、さらに移転してスケールアップしたのが、このスーパー「タカラ」入り口の新店舗です。移転は2021年3月。横浜の鶴見にもう1店あり。すべて Katsumi さんの経営です。ブラジルから単身渡って来て、バイタリティありますね。


 席数40+カウンター6席。大きな店です。キッチンも広々。グリルは直火焼き。パティはオージー130g。「タカラ」の精肉コーナーで挽いてもらっているものです。十字の焦げ目をしっかり付けて、両面にミックスソルト。これは単に混ぜているだけでなく、粒が粗いのを細かく挽いてから合わせているそうで。バンズは特注。

 バーガーメニューは現在12品(ポーク、チキン含む)。すべてKatsumi さんの開発。メニューは日本人向け。客の90%が日本人だそうで。中からまずはオリジナルバーガー単品¥980(税込)、セット¥1,450にパティ+チーズ¥400のトッピングで行きます。


 その正体は……はちみつとベーコンのバーガー。直火焼き130gパティのベーコンチーズバーガーにキャラメルオニオンをプラスしたもの。ベーコンは「はちみつ」でキャラメリゼしたものが2枚。カッチリ焼き気味。一方のキャラメルオニオンはコショウや「醤油」を加えてじっくりソテー。その強〜くて、はっきりとした甘味が大変印象的。そこへたっぷりマヨネーズ。迫力があって、わかりやすい味。生野菜なし。


 パティは1枚追加しているのでダブルパティ。ちょっと焼き込み気味で、ドライなつぶつぶ感。結着硬め。バンズもしっかり目が詰まり気味。つまり、パティ・バンズともに「しっかり」してます。その辺がもう少し「ライト」になれば、文字通り"軽く"、軽快に、もっと食べやすくなるのかな……という。そんな一品。しかし、キャラメルオニオン&キャラメルベーコンのバーガーがレギュラーメニューにあること自体がユニークです。発想よし。

§ §

 他にもベーコン4枚にチェダーチーズのみの「ロードベーコンバーガー」、逆に野菜たっぷりの「ネロバーガー」などいただいたのですが、注目は一番人気のこちらのバーガー……。 (つづく)




― shop data ―
所在地: 群馬県邑楽郡大泉町坂田3-12-10
    スーパーメルカドタカラ太田店内
    東武小泉線 西小泉駅歩11分 地図
TEL: 090-7207-7660
URL: https://www.facebook.com/burger.ya
オープン: 2021年3月6日(創業 2018年)
営業時間: 11:00〜20:00(LO19:30)
定休日: 火曜日(要確認)

2023.2.14 Y.M
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2023年01月25日

# CENTRAL BURGER SHOP [横浜・石川町] のクラシックチーズバーガー TOPPING オニオン




 今日は初めての店。「Mikkeller Kanda」のハミルトンさんの紹介で訪ねたのは、横浜・石川町のCENTRAL BURGER SHOP(セントラルバーガーショップ)。オープンは2022年5月。つまり去年。ハミルトンさんが教えてくれたぐらいなので、今や大注目の「smash burger」の店、スマッシュバーガーがやりたくてオープンしたお店です。


 場所はJR根岸線石川町駅徒歩2分弱。元町商店街"じゃない側"です。あまり行かない側。店主土橋さんは京急富岡で「SUN COAST」というバーガー店を2016年からやっていますが、ほぼ同時期にスマッシュバーガーに興味を持ち始め、スマッシュバーガーがやりたくなって、そこでサンコーストはご家族に任せて、自身は横浜市中区石川町まで駒を進めて、サンコーストとは"別に"新たなをスマッシュバーガーの店をオープンさせた――という流れ。

 土橋さんにとっての"初スマッシュ"は渡米した2016、2017年ごろ。当時SNSやインスタグラムでスマッシュの写真や動画をこぞってアメリカ人が上げているのを見て興味が湧き、現地で食べてみたところ、これはイイ! と。その"ストリート"な感覚がすごくイイ! となって、以来「こういうのがやりたい!」と強く思うようになったと。


 なお、それより前、土橋さんはカナダのバンクーバーに住んでいた時期があり、その際" A&W" で出合った、肉とグリルドオニオンだけのバーガーが安くておいしくて、ほぼ毎日のように食べていたという――これがハンバーガー好きになったきっかけだそうです。

 スマッシュは「独学」。お手本もなく、先生もなく、土橋さん&店長の三浦さん独自の研究であれこれ試行していたところ、ミッケラーのハミルトンさんと話す機会が出来て、そこで仕入れた情報なども参考に加えつつ現在に至ると。バーガーメニューは全4品。そのすべてがチーズバーガーでありスマッシュバーガー。パティはオージービーフのチャックロールの挽肉と"そうでない"挽肉とを合わせた65gが2枚。つまり4品はすべてダブルチーズバーガー。


 こちらのスマッシュは真ん丸のボール状からでなくて、平らな状態からのスタートですね。米国製のミートスマッシャーでギューッ! と押し潰し、鉄板に擦(こす)り付けるように薄ーく伸ばして、まるで「もんじゃ焼き」のような焼き姿に。オニオントッピングの注文が入った際には、パティの上に玉ねぎを乗せ、それごとスマッシュ。塩を振って、コショウを振って、チーズはアメリカ産のレッドチェダーが2枚。グリル中のパティの上に乗せ、フタをせず加熱。

 バンズは「苦労した」と土橋さん。おいし過ぎるバンズは「スマッシュに合わない」という……それは理解出来ますね。探しに探した末に行き着いたのが、現在使っている大阪「オリエンタルベーカリー」のもの。これを「コンベアトースター」でトースト。裏にオリジナルソース=マヨベースにチリ系のスパイスを合わせたもの。これを上下2ヶ所に。そうして出来た一品がクラシックチーズバーガー¥1,200(税込)のオニオントッピング¥150。合わせて¥1,350。ポテトorサラダセットはプラス¥200。ドリンクは平日ランチ無料!


 このビジュアルですよ。感想……「ふわっ」と何の抵抗もなくかぶりつけるバンズに、同じく「スッ」と口の中に入ってほぐれる食べやすいパティ。ギュッと一番圧縮された中心部に対し、ジャリジャリとした外側。塩コショウはほどほど。ほどよい味付け。そこへ例のオリジナルソース。とろけたチーズと炒めた玉ねぎの組み合わせは、まるでオニオングラタンスープのよう。

 セットのサラダがまた量多めで豪華。この冷えたサラダと塩気だけのバーガーとの「行ったり来たり」がなかなかイイ感じ。以前まさにそんな記事を上げたことがありますが、その「最近ハマってる食べ方」が実現するお店です。素晴らしくイイですね。セット選ぶなら断然サラダ! でも、クリスカットのポテトもなかなか好くて……。


 バーガーに対する「スナック」な欲求を満たしてくれる一品。行き過ぎない"ほどよい味付け"で、今はすごく素直な作り。さらに「スナック化」させてもよいでしょう。あと、スマッシュのカリカリ食感がちょっと邪魔かな? という気もしなくもないです。「ここまで焼かなくても」という思いもなくはないのですが、その辺は好みもあり、かつ、正解のないところで。ここからどう進化してゆくか。これはまだまだ化けますよ! 今後の進化と変化に期待大!

§ §

 店の造りとかBGMのソウルミュージックのこととかは、また次回。店内ゆったり広め、見どころの多い一店。クラフトビールは樽生常時3タップ。近々また行きます!




― shop data ―
所在地: 神奈川県横浜市中区石川町2-85-5
    JR石川町駅歩2分 地図
TEL: 045-278-7914
URL: https://www.instagram.com/central_burger_shop/
オープン: 2022年5月14日
営業時間: 11:00〜22:00(フードLO21:00、ドリンクLO21:30)
定休日: 水曜日(要確認)

2023.1.25 Y.M
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