「六本木グルメバーガーグランプリ」のこれまで10年を数字で振り返る――その後編です。マイナビニュースに本編記事が上がってます↓↓。まずはそちらを"テキスト"としてご覧下さい。
■マイナビニュース
“探求家”が語る六本木グルメバーガーグランプリの真価 - 注目の5品も紹介!
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なお、「動員数」とか「投票数」とか「販売個数」とか、そういった数字は私は持ち合わせておりません。毎年の「パンフレット」および「プレースリリース」から得られる情報を基礎に、以下の検証・考察をおこなっております。それで前回は、レギュラーメニュー部門と特別限定メニュー部門、各部門に各店が何回エントリーしたか見てみよう……というところで終わりましたので、その続きから。
【各店のエントリー回数】
■レギュラーメニュー部門
・エーエス クラシックス ダイナー 10回
・オーク ドア 10回
・リゴレット バーアンドグリル 10回
・フィオレンティーナ 9回
・オービカ モッツァレラバー 5回
・シェイク シャック 5回
(以下略)
■特別限定メニュー部門
・エーエス クラシックス ダイナー 10回
・ヒルズ ダル・マット 9回
・リゴレット バーアンドグリル 9回
・オービカ モッツァレラバー 8回
・毛利 サルヴァトーレ クオモ 8回
・TUSK(タスク) 8回
(以下略)
■両部門トータル
・エーエス クラシックス ダイナー 20回
・リゴレット バーアンドグリル 19回
・オーク ドア 17回
・オービカ モッツァレラバー 13回
・37ステーキハウス & バー 10回
・ヒルズ ダル・マット 10回
・TUSK(タスク) 9回
・パーク6 パワード バイ ボンドルフィ ボンカフェ 8回
・バルバッコア 8回
・シェイク シャック 7回
(以下略)
「エーエス」は両部門とも10回ずつのエントリー。つまりフル参加。すごい! 「リゴレット」が19回なのは、14年の特別限定部門にエントリーしていないから。起ち上げ初年なので「まずはレギュラー部門だけでも」みたいなことがあったの"かも"知れませんね。
グランプリ最強王者「37(サーティーセブン)」の参加回数が少ないのは「殿堂入り」したからです。「同一部門3年連続優勝」で殿堂入り。「37」はレギュラー部門=2015〜17年まで3連覇→18年から殿堂入り、特別限定部門=2021〜23年まで3連覇→今年24年から殿堂入りして、現在、賞レースからは抜けたor上がった状態にあります。
あとは「オービカ」「ヒルズ ダル・マット」「TUSK」「サルヴァトーレ クオモ」辺りの店々が「実は中堅どころとしてグランプリを支えている」ことがわかります。もっともっと評価・注目せねばならない各店ですね。私なりにも反省しております。
それと細かい話ですが、2016年参加の「ザ サン&ザ ムーン カフェ」と18年・19年参加の「ザ ムーン ラウンジ」、21年から連続参加の「ザ サン アンド ザ ムーン」は、実質的に「ひとつの同じ店」と見做してよいのかどうか。場所は同じです。森タワーの52階。その同じフロアの中で呼び分けがあるのかも知れませんが、同一視してよいなら、計7回参加していることになります。これはけっこう上位の回数ですね。
と言うことで、これまで9回おこなわれたグランプリに参加した店はのべ50店。今年新たに麻布台ヒルズから4店が参加したので、現在の"のべ数"は「54店」です。去年までだと50店。マイナビニュースにも書いたように、そのうち歴代優勝店(グランプリ)は「リゴレット」「37」「エーエス」「バルバッコア」「ヒルズ ダル・マット」の5店です。50店が参加して優勝経験ありは5店。1割。サッカーのワールドカップなどと比べて、多いのか少ないのか――。
【記録】
■参加回数
・エーエス クラシックス ダイナー 10回×2部門(唯一のフル参加)
■優勝回数
・リゴレット バーアンドグリル 7回(レギュラー部門5回、特別限定部門2回)
■殿堂入り
・37ステーキハウス & バー(レギュラー部門2018年〜、特別限定部門2024年〜)
■三冠達成
・バルバッコア 2019年の特別限定メニュー(グランプリ/インパクト賞/クリエイティビティ賞の3賞フル受賞)
■各賞受賞回数
・バルバッコア 4回(インパクト賞2回、クリエイティビティ賞2回)
最後に――。2014年にグランプリがスタートした当初、「エラく金持ち趣味なイベントが始まったな」というのが私の素直な感想でした。バーガーの内容も贅沢で華やかで、そして価格もまた一般的なバーガー店と比べて"お高め"に映ったものですが、それから11年経った今、あらためて、その辺りの「金額に対する感覚の変化」について、ちょっと考えてみたいと思います。
2014年にエントリーした全16バーガーの価格と、今年2024年の26バーガー(殿堂入り含む)の価格の平均値をそれぞれ出してみました。
【2014年と24年のエントリーバーガーの平均価格】
■2014年 1,447円
■2024年 2,737円
約1.89倍に増えています。この「1.8」は、私にとって馴染みのある数字です。以前「BROZERS'」のチーズバーガーで同じ調査をしたところ、2024年の同バーガーの価格は04年と比べて1.76倍に値上がりしていました。約1.8倍です。「ビッグマック」も実は04年が262円で、現在が480円〜なので1.83倍。期間の違いはあれど、何か調べるたびに出て来るのが「1.8」前後の数値という……そんな感じです。
今年の全26バーガーの平均価格「2,737円」は、高いと言えば高いですが、でも、「ちょっと豪華でプレミアムなハンバーガー」として考えた時、「もっと高くてもよい」気もします。普段は食べられない「スペシャルなものを食べている額」と考えると、もうちょい高くてもよいかなという。もちろん「額に見合った内容」であることが前提ですが。
↑この感覚は要するに、ここ数年の物価上昇の結果、世間のモノの値段がバーガーグランプリの価格に「だいぶ追い着いてきた」ということを意味します。「差がなくなった」と言いますか。
と同時に、いわゆる「グルメバーガー」に対する金銭的感覚、ないしは"予算"の感覚が、ある意味「補正」されたのだと私は考えています。つまり、「このバーガーだったらこれぐらいするよね」という認識と言うか知識と言うか、ないしは「身構え」が、世間的にだいぶ広まった、定着した……ということですね。11年も続けていれば、その間にそんな変化も起きるということで……。
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これからも20年、30年と、是非やり続けて欲しいと思います。続けた分だけ、それは「歴史」になりますので――。 (おわり)
■六本木グルメバーガーグランプリ 2024 | 六本木ヒルズ - Roppongi Hills
2024.8.25 Y.M