2024年02月11日

# 虎ノ門「SIGNAL」でアフリカと古着がテーマの展覧会




 虎ノ門のSIGNAL(シグナル)という店……ある筋からご招待をいただきました。"SIGNs from Art Lab."の頭文字を取ってシグナル……"Social Bussiness Studio・SIGNINGが、再開発が進むエリア東京港区虎ノ門でアート&リサーチギャラリーをスタートさせます。社会課題解決の兆しを発信する、世界でも類稀なソーシャルイシューギャラリーをご体験ください"ということで、要するにシグナルは「ギャラリー」です。画廊、展示場。が、ただの画廊でなく「社会問題を中心にやります」という虎ノ門らしい画廊です。……↓右側の扉が入口です。


 SIGNING(サイニング)とはこんな会社。そのサイニングが昨年9月26日にシグナルをオープンした際のリリースがこちらですね。その店名の通り「ここから発信していく」場であり、同時に社会課題解決の「兆し」を見つける場であり、それをまた提示する場でもあるというような、一種の"好循環"が期待される場でもあります。


 店内はやや変わった造り。明らかに邪魔な鉄の梁が奥にあり、その奥のブースと手前の壁一面がすべて展示スペースに。現在1月23日〜2月22日までが会期の展覧会を開催中です。「服のおわりから問う」という副題が付いてます。ちょっと覗いてみましょう。


 服のおわり……アフリカのケニア共和国は世界のあらゆる古着の"最終処分地"になっているというお話です。先進国から輸出された古着の多くはパキスタンなどのアジア各国に渡り、さらに"もう使い回せない"レベルまで着古したものが最後はケニアに行き着いて、首都ナイロビには古着屋がひしめく巨大古着市場が、しかもスラム街に形成されているという。↓こちらそのひとつ、キベラスラムの様子です。


 ケニアの古着輸入量は年間9億着。9割以上の世帯が何かしら古着で賄っているという。大量の古着が安く買えるので、一見すると好さそうな経済循環ですが、ところが、古着の4割はゴミ同然のボロであり、それをその辺にボンボン投棄してゆくので、やがて環境汚染・海洋汚染の原因に。さらにこれだけ古着が幅を利かせると、現地のアパレル産業が立ち行きません。綿花の生産も繊維工場も衰退の一途。この状況を何とかせねばと2022年にスタートしたのが「SHIFT80」というアパレルブランドです。


 「利益(分配可能額)の80%をアフリカに還元する」のでシフトエイティ。リリースがありました。起ち上げたのは日本人です。女性です。スラムに集まった古着をアップサイクル(再利用)して、新たな服を現地で作り、販売して、スラムを支援しましょう――という、そんなプラスな循環を生み出そうという取り組みです。現地にアフリカ人デザイナーがいるそうで。彼女が創り出すデザインはまぁ〜カラフル! こういう色遣いの服は現地の人は文句なく似合いますね。カッコよく着こなせるデザインです。


 「何かと何か」を組み合わせ、掛け合わせる「キメラ」的な発想が創作のテーマに一貫してあるようで。会場で販売してます。オンラインショップもあります。さらにウガンダ産のオーガニックコットンを日本の紡績工場で糸にし、その糸を編んで作ったTシャツなどもあります。大変着心地がよいそうです。

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 ところで、ここまでハンバーガー要素ゼロですが、私が呼ばれた理由はちゃんとあります。こちらシグナルはギャラリーであると同時に「カフェ」でもあります。フードも提供してます。その話を次にしましょう。続き物です。 (つづく)




― shop data ―
所在地: 東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F
     東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅歩5分
     東京メトロ銀座線 虎ノ門駅歩3分 地図
TEL: 03-6205-8220
URL: https://signing.co.jp/signal//
オープン: 2023年9月26日
* 営業時間 *
CAFE: 火〜土11:00〜18:00
BAR: 火〜金18:00〜23:00
定休日: 日・月・祝日(要確認)

2024.2.11 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 13:00| 【取材・収録】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする