去年のハンバーガー大予想は"3月"に出したんですね? それはいい加減過ぎます。失礼しました。それから10ヶ月後に発表する今年2024年の大予想ですが、去年の予想が当たっているかどうかの"振り返り"をしつつ進めてゆきましょう……あ、去年は興に乗って"3本"も書いたんですね? 今年はどうなりますやら……。
# 2023年のハンバーガー大予想
# 2023年のハンバーガー大予想・つづき
# 「食べやすいバーガー」から「食べていて気持ちいいバーガー」へ
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2023年の予想についての結論……去年の3月からさほど時間が経っていないので、当たりはずれが明確になるところまでは「まだ行っていない」というのが正直なところです。特に去年は景気とか経済とか、簡単には決しづらい内容を多く取り上げましたので。
物価については「11月は鈍化」というニュースも上がって来てます。上昇はしているが、伸び率は落ちて来ているという。ただ、各店それなりに値上げしているのは事実で、気が付けば「結構上がったなぁ〜」というのが実感です。マクドナルドが全メニューの3分の1の商品を値上げするというニュースもつい先週末にありました。
専門店ではチーズバーガーが1,000円台後半だったり。もうちょい乗せるとほぼ2,000円。スペシャルなものは3,000円に届こうかという。バーガー好きな人はそこまで気にしないと思いますが、「"グルメバーガー"にこれからチャレンジしよう!」という人にとっては、ちょっとビックリする値段かも知れません。
豪華なバーガー・高いバーガーの値段はこれが現状のほぼ「上限」だと思います。それはバーガー好きの財布の紐の堅さ・緩さまで含めての「上限」です。そこの感覚は動かし難い。となると、残されているのは「安い方」。やるべきは、メニューの中で一番安いバーガーを「いかにおいしく出すか」。そこに注力すべきと私は思います。
昨秋、大手バーガー2社の新商品発表会に参加したところ、2社ともほぼ同じことを言ってました……。
・ニーズは高い商品と安い商品とに「二極化」している
だから、
・高付加価値な商品と安価な商品の「二刀流」で行きたい
意訳するとそんな感じです。そのあらわれが、モスバーガーの「一頭買い 黒毛和牛バーガー」であり、ウェンディーズの「トリュフ&マッシュルームメルトバーガーダブル」であるワケです。大手は既にかつ具体的に動いてます。高付加価値な商品開発に動いてます。言い換えれば、大手にとってこのインフレ状況は、今まで手が出しづらかった「高額商品にチャレンジできる好機」であるとも言えるワケです。
モスもウェンディーズも、さらにシェイクシャックも「ここぞ」とばかりにトリュフを使って来ました。ウェンディーズは「インバウンド(外国人観光客)をターゲットにした贅沢な商品を考えた」とその理由を説明しています。海外から見れば日本の食べ物は安いですから。「ちょっと高いかな?」と思うものでも「なお安かったり」しますので。
大手は動いてます。個人店も負けてはいられません。値段が高い方のバーガーについては「好きな人は」ある程度付いて来てくれると思います。だから「好きな人を」満足させる高額バーガーは出すべき。出し続けるべき。もっと高額にしてもよいと思います(3,000円までを目途に)。そしてそれ以上に大事なのは安い方のバーガーへの対応・対策です。ここで取るべきは、いかに価格を抑えるか"ではなく"、いかに「シンプルでおいしいバーガーを出すか」という積極的な攻めの姿勢に思います。
シンプルなバーガーのおいしさを全身全霊込めて表現する。一生懸命伝える。さらに磨きをかける――そっちの努力と研究に注力すべきですね。「おいしいものを安く出します〜」という低姿勢な発想ではなく、「シンプルなバーガーこそおいしいんだ!」という強い信念。確信。それらを全面に押し出し、自信をもって売り込んで、お客さんの心と胃袋を掴んでゆく。取り込んでゆく――いま求められるのはそんな姿勢です。
メニューに載っていないようなシンプルな食べ方「こそ」むしろおいしいことは、"まかない"のバーガーなどを通じて店の内々では実証済み、周知の事実と思います。今こそ、そのリアルなおいしさをお客さんと共有し合うべき時です。そしてそのおいしさにますます磨きをかけ、「強くたくましいおいしさ」へと、もっともっと鍛え上げてゆくべき時が……今でしょ!
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「高いバーガーも大事だが、安いバーガーもそれ以上に大事」という話をして来ました。去年2023年の大予想と言っていることは一緒です。追求すべきは「シンプル」。ですが、景気の動向により、状況が差し迫って来ました。バーガーに乗せる"上モノ"の豪華さや奇抜さだけではいよいよ通じなくなって来た。今はそんな状況に思います。ちゃんと「中身のあるもの」を。客はそこをよく見てます。その眼鏡に適う高額商品と定番商品の「どっちも大事」「どっちも注力すべき」……そのタイミングが「今」だということで。 (つづく)
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