冬至も過ぎていよいよ年の瀬ですが、なおも新たな店へ……東京は江東区東陽町(とうようちょう)のLouis Hamburger Restaurant(ルイス ハンバーガー レストラン)。昨年2022年の11月にオープンしたばかりの新店ながらも、既に人気の一店です。
場所は南砂2丁目商店会という公団団地1階の商店街ですね。その入り口脇の角地に布陣。前は米屋だった場所ですが、二方向に窓が取れて、飲食店としては魅力的な物件。
店主は小塚さん。濁りません。「こつか」さんです。ブラザーズ在籍7年半。東雲店の副店長を務めた後、日本橋高島屋店の起ち上げを任され、みごとやり遂げてご退職。長らく東雲店=デリバリー店に勤めていたので、レストラン(イートイン)の勤務経験がなかった小塚さん。高島屋店の準備に当たり、半年ほど、人形町の本店でレストラン勤務の研修期間がありました。その際の指導役が現在ルイスのマネージャーを務める山本さんです。山本さんはブラ歴6年半。人形町本店の店長を務めました。そんなキャリア十分の店主と名補佐役からなる実力店です。
店舗の設計施工は小塚さんの弟さんが担当。木造専門の建築士ということで、天井から梁から壁板から、随所に木が使われています。壁沿いのベンチは長時間座っても疲れない設計。コンセプトは19世紀後半、西部開拓時代の雰囲気を残すレストラン。なぜ「西部」か。そのルーツは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』。小塚さんが痛く惹かれた作品です。先月のオープン1周年には同じ団地内のブルワリー「ガハハビール」の醸造でHILL VALLEY IPA¥1,430(税込)なるハウスエールの販売を開始。その他メニューや内装の端々にさまざまな映画趣味が散りばめられています。気づいたら"ほくそ笑んで"下さい。
店を始めるに当たって小塚さんが定めた「ルイスのルール」が3つあります……「1.すべてのバーガーにチーズを入れる」「2.BBQソースは使わない」「3.挽肉を使わない」……つまり、長年研鑽を積んで来たブラザーズとはまるで異なるスタイルのバーガーを出す道を小塚さんは選びました。
まず挽肉を使わない=ハンドチョップのバーガーを出しています。USビーフのチャックロール(肩ロース)をブロックで仕入れ、店で細かく手切りにする"チョップ肉"のパティを使用。それを平らな鉄板でなく"直火"でグリル。サイズ120g。バンズはおなじみ「サンワローラン」。ヒール(下バンズ)にタルタル。オニオンはグリルド。
バーガーメニューは全20品(うち3品は鶏とホタテのサンド)。その20品すべてにチーズが入ってます。ヒールに薄いチェダーのスライス、中ほどにもう一枚別のスライスが入るダブルチーズが基本スタイル。中でもチーズを"極めた"一品がチーズロワイヤル¥2,530(税込)。いきなり行ってみますか。
チョップ肉の直火焼き120gパティ×2枚に8種のチーズを合わせた一品。8種類の内訳は、まずヒールにペッパージャックのスライス、パティ2枚の間にコルビーのスライスとモッツァレラのスライス、そしてチェダー、ゴーダ、ミモレット、サムソー、コンテの5種類ミックスのシュレッドチーズがパティの上に乗って全8種類。チーズだけで推定70〜80gほど(※市販のスライスは1枚16g)。
パティの味付けはシンプルに塩コショウのみ。それも激しくない、ほどよい味加減。ゆえにチーズの旨味とコク味が邪魔されず、よく利いてます。特にヒールのペッパージャックは火を入れていないので、とりわけ濃く力強く。直火で焼いたパティの中身はローズピンク。ミディアムレアな焼き加減。その角(かど)のない、やわらかな肉を包み込むチーズのなめらかさ。只々それが魅力の一品。全般にジューシー。過去に未体験なおいしさ。
§ §
名店で学んで来たものとは"違う"スタイルのバーガーがサッと作れる――。それだけの柔軟さと器用さ。応用力。あとは豊富な知識ですね。そういったものを持ち合わせた世代に、ハンバーガーの世界も徐々に代謝して行っているのかな……なんてことを思わせる一店。Your future hasn’t been written yet......ハンバーガーの未来は変わりゆく!
― shop data ―
所在地: 東京都江東区南砂2-3-11
東京メトロ東西線 東陽町駅歩5分 地図
TEL: 03-6659-7167
アカウント: https://www.instagram.com/louisburger2022/
オープン: 2022年11月7日
* 営業時間 *
水〜日: 11:00〜22:00(LO21:30)
月曜日: 11:00〜16:00
定休日: 火曜日(要確認)