2023年08月02日

# Obica Mozzarella Bar [六本木] のブッラータバーガー




 7月1日より開催中の「六本木グルメバーガーグランプリ 2023」。続いてはObica Mozzarella Bar(オービカ モッツァレラバー)……モッツァレラチーズの専門店です。小売店でなくレストラン。グランプリには2015年から参加。

 本店はローマです。2004年の創業。イタリアの他にイギリス・アメリカ・日本・ポルトガルに展開。日本国内は東京・横浜・大阪に計6店。その国内1号店が六本木ヒルズ店。オープンは2008年11月。当初は「ヒルサイド」エリアのB1F、けやき坂に面した場所にありましたが、2018年に現在地へ移転。「メトロハット」横のこの一角は、地上を行き来する際にヒジョーに目立つ場所で、ゆえに午後も夕方も終日にぎわう人気店!


 今回訪ねてよーくわかったのが、ただのオシャレなイタリアン「じゃない」ことです。まず、モッツァレラチーズだけで「5種類」もあります。水牛(ブファラ)のミルクで作ったモッツァレラ、それをわらで燻製にしたもの等々。そしてピッツァ然り、パスタ然り、ラザニアもミラノ風カツレツも、フードメニューの多くがモッツァレラを使った料理であるという――そんな専門店です。

 なお、ピッツァは近年イタリアで大人気の「ピンサ」をベースにしたオリジナルスタイル。ブランド統括料理長の漆屋シェフによると「ピンサの要素を日本に持ち込んだのはオービカが最初じゃないか」と。


 さらにフードメニューはすべて「にんにく・玉ねぎ」不使用。五葷のようですね。ブイヨンやだしなどの旨味を足すこともあまりせず、素材の味そのままを提供するのがオービカ流と。ワインはほぼオーガニックワインで、ほぼイタリア産。

 そんなメニューの中にバーガーがあります……。ランチ&ブランチメニューに水牛モッツァレラを使った「O'バーガー」が、そしてディナーメニューにあるのが、今回レギュラー部門にエントリーしているブッラータバーガー¥2,800(税込)。夜のみならず終日注文可能です。


 これが噂の「ブッラータ」。名産地であるイタリア・プーリア地方から空輸したもので、細かく裂いたモッツァレラを生クリームと和えたもの=「ストラッチャテッラ」を袋状のモッツァレラで包んだフレッシュチーズです。写真は300g=5,500円のブッラータ。

 水牛の乳でなく牛乳で作ったブッラータです。冷たい水の中から取り出して包丁で切ると、モッツァレラの袋の中から「おぼろ豆腐(寄せ豆腐)」のような質感のものが、流れ出すでもなく、「でろり」と……。


 そのまま食べたり、トマトや生ハム、フルーツなどを添えたりしますが、常温に戻すとチーズ本来の風味がより味わえるので、冷蔵庫から出してすぐでなく、「ちょっと待ってから」食べるのがポイントと。

 この300gのブッラータの4分の1=約80gがパティの上に乗るのがブッラータバーガー調べたら本国イタリアのオービカにも同じ名前のメニューがありました(内容は多少異なります)。六本木ヒルズのブッラータバーガーは、国産牛のもも肉に黒毛和牛のスネなどを合わせた120gパティに特注バンズ、その裏にアンチョビバター、野菜はルッコラ、そして80gのブッラータ……という内容。シンプルです。


 推定8mm前後の粗挽きパティをガスの直火でグリル。振り塩はせず、塩はすべてパティの中に。同じグリラーでバンズもトースト。そもそも焼き色濃いめな表面に、ピザを思わせるほどの黒いコゲを何ヶ所も作って、かなり強めのトースト具合。色のきれいなルッコラは茨城産。

 感想……まずはその"よく焼き"バンズおよびパティが放つ強いコゲの風味。続いてチーズのねっとり……これが強く粘るでもなく、融けて流れてしまうでもなく、冷めて固まるでもなく、淡い塩気と微かなミルクの風味をまとって、バーガーの間に留まっているという……その"何とも言えない存在感"がこのバーガーの最たる特徴。何とも不思議な一品です。


 上下バンズの裏のアンチョビバターがちょっと利き過ぎかな。塩気が強いので、私の味覚ではもうちょっと穏やかに抑えてもよいかと。ピザを意識したような芳ばしいコゲの風味とブッラータの「とろ〜り」が二大特徴。その対極的な味覚の間を行ったり来たりしつつ、味わう……そんなバーガー。シンプルでストレートなようでいて、案外尖がってます。アクセントにフルーツなど入れたものも食べてみたいな……などとも思ったり。

 もう一品、特別限定メニュー部門にエントリーしている「タルタルステーキバーガー」¥3,800(税込)はなんと! 生の馬肉120gのバーガー。こちらはストラッチャテッラが乗ってます。

§ §

 ハンバーガーにおけるモッツァレラ(のスライス)はかなり重要なチーズで、先日の「カレーシャック」の例のように、味と味とを繋ぐ「ジョイント役」をさせたら右に出るものがないほどの適役です。そんな"繋ぎの名手"を主役に据えたバーガーということで、その辺からしてそもそも面白い、モッツァレラ専門店のチーズバーガー!




― shop data ―
所在地: 東京都港区六本木6-4-1
     六本木ヒルズ メトロハット/ハリウッドプラザ 1F
     東京メトロ日比谷線 六本木駅歩3分 地図
TEL: 03-5786-6400
URL: http://www.37steakhouse.com/
オープン: 2008年11月25日
営業時間: 11:00〜23:00(LO22:00)
定休日: 無休(要確認)

2023.8.2 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 19:05| 六本木グルメバーガーグランプリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする