いよいよ来週に迫りました、6月9日(金)から横浜赤レンガ倉庫で開催の「Japan Burger Championship 2023」出場チーム事前取材第7弾! 今回は"連合"チーム……東京・千歳烏山のBoulangerie Puku-gari(プクガリ)と精肉柳屋(やなぎや)のコラボレーション。京王線・千歳烏山(ちとせからすやま)駅前商店街のパン屋と肉屋が意気投合し、バーガーを売るようになり、ハンバーガーの日本大会に出場するまでになったという……そんなお話。
「プクガリ」の店主・岡村さんはパン職人歴15年。その前に料理人歴が4年ある人で、「いつか自分が作ったパンでバーガー屋やりたいな」と思いつつ、しかしパン焼くだけで手一杯。なかなか着手出来ないところへ出会ったのが「柳屋」の店主・柳さん。
ちょうどハンバーガー用のパティを売り出したタイミングだった柳屋さん。「そうなると次はバーガーだろう」と、適当なバンズを探していたところ、プクガリさんと運命の出会い。バンズをもらったお返しにパティを上げる物々交換を経て、となれば、あとはもう「バーガーやろうよ!」という流れよりほかナシ。出会って2週間後に初のコラボバーガー販売デー開催! それが昨年2022年6月29日のこと。場所はプクガリ店内……。
こちらがプクガリさん。創業2011年。駅前北口を少し歩いた「烏山通り」沿いにあります。パッと見ではパン屋とわからない店構え。こちらを会場にハンバーガーを予約販売。いざ蓋を開けてみると……反響も評判も思いのほか大きく、1個1,450円のバーガーに100件ほどの予約が入ったそうで。
以降、3ヶ月おきぐらいにコラボバーガーを販売。6月29日の次は同年9月29日、その次が2023年1月29日。そして直近の販売日が4月29日←ここに合わせて私、プクガリさんを訪ねました。
行ってみると店内スッカラカン。食パン・菓子パン・惣菜パンの類は一切売っていないという。買う気満々で行ったので当てが外れたワケですが、訊くとバーガーを作りながらパンも売るのは「無理」だと。とても手が回らないとのことで、バーガーの日はパンの販売は休んで、ハンバーガーのみ完全予約制で売るスタイルに落ち着いたそうで。
と言うことなので、プクガリさんのパンの傾向や特徴はわかりません。どんなパンが得意か人気か……といったことも未解明。いずれちゃんと食べたいと思ってます。
一方の柳屋さんはプクガリから徒歩5分ほどの距離。以前はもっと駅近にありましたが、2017年に移転して、オシャレでモダンな"butcher"へと一大変身を遂げました。祖父の代からの家業を引き継ぐ3代目は柳晃正さん。すべてはこの3代目のセンスでしょう。
柳屋は唯の肉屋に非ず。扱うのは、生産者レベルから厳選・吟味した日本一クラスの仙台牛。それも雌牛。メス牛は大きく育たないので高いんですね。中でも肥育農家・鈴木佑哉さんが育てた「鈴木牛」。これが超一級。柳さん曰く「鈴木さんの牛しか買わない」というほどの最高品質の仙台牛で、何でも炊いた飼料用の「お米」を食べて育っているそうで。
私買いました。仙台牛の「ローストビーフ」と「焼肉用 切り落とし」。どちらもまぁ〜おいしい! やわらか! 普段食べているのとは完全別次元のお肉が、自宅の晩ごはんで食べられちゃうという……まぁ〜なんて贅沢!
そんなことで、プクガリ×柳屋のバーガーはこの仙台牛を使ったパティなワケですよ。「レギュラーバーガー」の"トマトチーズ"と"照り焼き"、パティ2枚の「BIGバーガー」の"トマトチーズ"or"照り焼き"、そして「米粉100%グルテンフリー トマトチーズバーガー」の全5品。せっかくなので2つ行きました……レギュラーバーガー トマトチーズとレギュラーバーガー テリヤキ。ともに¥1,450(税込)。
どちらもアボカド入り。つまり、「アボカドチーズバーガー」と「テリヤキアボカドバーガー」ですね。パティは80g。A5ランクの仙台牛雌牛100%。つなぎなし。サーロインの脂身に肩、スネ、モモ、ネックなどを配合。9mmの粗挽きを二度挽きして使用。塩は柳屋で売っているクリスマス島の塩。胡椒とともに焼く際に振ってますが、しかし、そんなに強く利かさず。一方、バンズはブリオッシュ地。バーガー専用で、他に使っている惣菜パンなどは無しとのこと。「トマトチーズ」に使用のトマトソース、「テリヤキ」に使用のテリヤキソース&サルサはすべて自家製。
感想は簡単に……まずはパン屋の作らしいクラスト(表皮)の「パリッ」としたバンズ。そのまま食べ進むと"前座"のアボカド、続いて「肉」がジューシー! この肉の「ジュワ」感が堪らず! これはもう否応なしのおいしさ。材料選び・肉選びの時点で既に勝負あり。口中に残る肉の余韻がまたおいしいこと!
ここまで肉がおいしいと、あとは周りが余計なことさえしなければOKなワケですが、その通り、すごく素直な味の組み立てで、仙台牛のおいしさに"逆らう"味はひとつも無し。ジューシーな肉のをさらに引き立て・際立たせるものばかりが集められている。テリヤキソースを筆頭に、すべてが「順目」の味の構成。
私の好みは「テリヤキ」の方。先ほど書いた通りの、仙台牛パティのジューシーさを「さらにジューシーに」助けるようなテリヤキソースの活躍が大変秀逸。食べ始めは「バリッ」と表皮のインパクト。そこから先はとにかく肉のジューシー……そんなバーガー。上質・上品な肉の味わいに「とっぷり」浸れる一品。
§ §
本職のバーガー屋ではないので正直そこまで期待していなかったんですが、その不当に低い期待を上空遥か高く飛び越える「とびっきり」のバーガーと出合えました……いや、完全に予想を裏切られましたね。イチに材料の良さ。第二にその使い方の正しさ。そして第三は、何と言っても職人ふたりの運命的な出会い……これがこのハンバーガーを構成する三大要素でしょう。JBCはふたりで出場するそうです。↓は大会本番用の特上の仙台牛!
― shop data ―
●Boulangerie Puku-gari
所在地: 東京都世田谷区南烏山6-27-6
京王電鉄 千歳烏山駅北口歩4分 地図
TEL: 03-3309-0022
URL: https://www.pukugari.com/
オープン: 2011年
営業時間: 10:00〜18:30(パンがなくなり次第終了)
定休日: 月曜日(要確認)
●精肉柳屋
所在地: 東京都世田谷区南烏山6-34-2
京王電鉄 千歳烏山駅北口歩4分 地図
TEL: 03-3307-2857
アカウント: https://www.instagram.com/seinikuyanagiya/
オープン: 1947年
* 営業時間 *
平 日: 10:00〜18:30
土日祝: 10:00〜18:00
定休日: 日曜日(要確認)