先日の取材で向かったのは茨城県猿島郡境町(さかいまち)。鉄道駅が一切ない自治体で、あるのは「道の駅さかい」……ここはいい施設ですね。じぶんちの近所にこんな便利な場所があると思うと、すごく嬉しいだろうと思います。で、町内を自動運転バスが走っていて、人口も増えているという。それが茨城県境町。
そんな境町に町名そのままを英語に直したBORDER TOWN(ボーダータウン)というハンバーガーショップがあります。米国南西部の砂漠の中の州境を想起させる、非常にカッコイイ店名です。店長は佐久間さん。中3の時に食べた本場アメリカのバーガーが衝撃的だったのがその道に進んだきっかけ。別な仕事をしつつ、月に2、3度のペースでイベント出店をしていたところ、各方面からお声が掛かるようになって活動が盛んに。しかしそのタイミングでコロナですよ……。
イベント自体が減ってしまい、そこで佐久間さんは地元境町に固定店舗を構えることを決意。県道17号線沿い……町一番の目抜き通りですかね……に土地を見つけてコロナ期間中に準備を進め、晴れて2022年1月に固定店オープンと。先ほどの「道の駅さかい」と同じ道沿い。クルマで3分の距離です。
店舗はコンテナハウス。2015年の台風で境町に浸水被害があった際に水没したコンテナハウスを廃棄手前で引き取り、イチから直して行ったものと。店内はカウンター5席にテーブル4席。外にピクニックテーブルが2台。下は人工芝。隣の建物は関連のデザイン会社の事務所だそうで。駐車場は店の裏手に3台分。土日なにどはもう3台分が臨時で開けられるそうで。なお、裏手に積まれたコンテナも店の食材倉庫。と言うことは、けっこうモノが置けますね。
バーガーメニューはレギュラー10品+期間限定1品。すべてビーフですね。鶏や魚はありません。素晴らしい! パティは2種類……USビーフのパティと埼玉・東松山「国分牛」のパティとがあります。米国牛パティは100gとLサイズ150gの2サイズ。国分牛は150gの1サイズのみ。米国牛パティは挽肉で、国分牛パティはハンドチョップと。そんな違い。中からまずはクラシックチーズLサイズ¥1,400(税込)を行きましょう。
あらためてパティはUSビーフのサガリをメインに和牛脂を合わせたLサイズ150g。町の肉屋に9.7mm挽きで依頼しているという粗挽き。調理はグリドルで。一方、バンズは境町特産の小麦「ゆめかおり」100%。つまり、境町は小麦の産地でもあるという。「さかい河岸ベーカリー」作の特注品。甘味のある小麦ということで砂糖などは控えめの配合。サイズは70〜80g。クラウン(上バンズ)の裏に自家製サウザンソース。ヒール(下バンズ)にマスタード&マヨネーズソース。あとはチェダーチーズ。そしてトマト、グリーンカール、オニオンはすべて境町産。
感想……バンズは表皮に張りあり。照りを出している分、やや硬めな食べ口。少し「ごわっ」とした感じと言うか。何かハーブな香りがするのは……サウザンソースからかな? アクセントにクミンを利かせているそう。パティの風味はソーセージ的。食べた感じもある種ソーセージのように、挽肉がギュッと隙間なく詰まっている。ちょいコリコリ。しっかりしたバーガー。オニオンは生が輪っかのまま。
サイドはにんじんのピクルスとフレンチフライ。このポテトに付けるソース……「ポテトソース」と呼びましょうか……これがおいしくて。フェヌグリークなど使って大変芳ばしく、食べてはまた食べを繰り返したくなる味。このポテトソースのアクセントは非常によいです。ポテトもシューストリングとウェッジカットと2種類のミックス。
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移動販売時代の雰囲気を留めるバーガー。作りが大きいと言いますか。パティもバンズも"大ぶり"な印象です。パティはもうちょいと味に深みが欲しいかなと。まず初回はそんなバーガーでした。野菜は新鮮!
― shop data ―
所在地: 茨城県猿島郡境町163-3
東武鉄道 東武動物公園駅よりバス約40分 地図
TEL: 080-7163-4853
URL: https://bordertownhamburger.com/
オープン: 2022年1月5日(移動販売は2017年〜)
営業時間: 11:00〜15:00, 17:00〜20:00
定休日: 月曜日、火曜日(要確認)