うっかり「2023年のハンバーガー大予想」をやるのを忘れておりました……。「2022年の予想」を上げたのも去年の1月末のことで、まぁいい加減なんですが、それでもちょっと手が空いたので、遅まきながら今年の予想をやっておこうと思います。
去年の秋に何回か連続して所感を上げた時期がありましたけれども、要するに、目下最大の気がかりは「インフレ」ですよね。インフレーション。物の価値が継続的に上がることです……。
ハンバーガーで言うと、材料の仕入れ値が上がり、電気ガスなどの光熱費も値上がりして、利益を圧迫する……といったようなことです(皆まで書きませんが)。そういった良くない影響がハンバーガーにも及ぶ懸念があるワケですが、一方で、経済アナリストの森永康平氏などは今後の「デフレ」を予想しています。消費の減退が物価の下落を招くんじゃないかという。インフレに進むのか、はたまたデフレに戻るか――その先読みは非常に難しく、私如きには到底わかりませんが、それでも「これだけは言えるんじゃないか」ということを一点だけ挙げておきましょう。
このインフレ的状況を"ものすごく前向きに"解釈すれば、世の中すべての商品・サービスの「価値の見直し」のチャンスが訪れたのではないかという。値段だけでなく、商品そのものの価値も見直される。今までの価値が「リセット」される、ないしは「シャッフル」される――そんな仕切り直しの好機ではないかと私は考えています。
どういうことかと言うと……ハンバーガーの値段も上がってますが、世の中のさまざまな物の値段が大体同じように上がっているワケです。つまり、値上がりしているのはハンバーガー「だけじゃない」という。ここがポイントです。私の大好きなカレー屋の大好物のカレーは税込1,780円になってました。そう考えると、そこそこいいハンバーガーを食べるのとそう変わらないですよね。
といった感じで、この値上がりした世の中をあらためて見渡してみると、「これは意外に安いな」といった発見がきっとある筈です。「この内容にしては安いな」「この味でこの値段なら高くないな」あるいは「カレーと並べてみると、そんなに値段変わらないじゃないか」みたいな発見ですね。ここでポイントなのは、奇しくも今このタイミングにおいて、世の中の商品・サービスを見る目がすごく「フラット」になっている点です。なにしろ世の中ほぼ等しく値上がりしてますので。「値上がりしている」こと自体はどの商品もサービスもほぼ一緒です。
すると、「ハンバーガー【にしては】高いな」というモノの見方から「この値段・この内容にしては高いなor安いな」という具合に、ハンバーガーの判断基準が変わるのではないか――というのが私の見立てです。ハンバーガー【にしては】高いor安い……という従来的な価値観を超えて、「この内容ならこの値段は高くない」「これだけおいしくてこの値段なら安い」という価値基準でハンバーガーを見る人が増えるんじゃないかと。そして、そういう人たちは長く定着してハンバーガーを応援してくれるんじゃないかと。
となれば、ハンバーガー店が心がけるべきは唯一点、「充実したハンバーガーを出すこと」……これのみです。
充実したハンバーガーとは? 具体的には「1.1,800円とか2,000円とか、高めの価格帯で内容充実のバーガー」「2.1,200円とか、低価格でしっかり充実感のあるバーガー」……大きく2方向です。要するに「2.」の方は「基本のバーガーでしっかり結果出せよ」ということですね。「プレーンだから味もそこそこ」とか「まだ本気出してないだけ」とか言うんでなく、「パティとバンズだけで十分おいしいじゃないか」と思わせるぐらいの実力あるバーガー。「これぐらいシンプルな方がむしろおいしいよね」と納得させるぐらいのバーガー。ひと言で言うと「単純で美味」。ハンバーガーって、そもそもそういう食べ物ですのでね。
……といった辺りで、この話は続き物にしましょうか。 (つづく)
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