続きです。これからは誰もが知る有名店よりも、自分しか知らないような「隠れた名店」の情報が重宝され、持て囃されるようになるんじゃないか――という私の観測です。並ばずにスッと入れて、ゆっくり長居も出来、しかも割安。つまり「穴場」情報ですね。そんな"独自の"情報をどれだけ持っているか・知っているかがある種のステータスとなり、「嗜み」として、これからのインフレ時代に重要になってゆくんじゃないかと。
まぁですが、ソレって、別に真新しいことでもなくて、本来の「食通」というのはそもそも「そういうものだった」ワケでして、その本来あるべき姿にまた立ち返るのだと考えればいいんじゃないでしょうか。誰かが決めた"名店"を「すべて回り尽くす」「コンプリートする」といった方向で近年流れていましたけれども、これからは世間の評判とは別の「自分なりの名店」を自分で探し出す、見つけ出す――ということにより重きが置かれるんじゃないかと。私はそのように見ています。そしてそのきっかけが「物価の上昇」ではないかと――。
あとはコロナ禍において、さまざまな「制限」が設けられましたよね。外出制限、移動制限、人数制限……。結果として「混まない」状況を我々は経験してしまったので、それに"味を占めた"部分もあると思います。貸し切りに近い状態で食事や旅行を満喫しましたので。一度「いい思い」をしてしまうと、後戻りもしづらいかな……という。そんなことも影響して来るかも知れません。皆さんどうお考えでしょうか。 (つづく)
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