恒例の遠征取材で訪ねた店がこちら……埼玉・羽生のKing Diner(キングダイナー)。羽生(はにゅう)市は埼玉県北東部。東武伊勢崎線久喜(くき)駅のさらに先、徒歩なら南羽生(みなみはにゅう)駅が最寄りという、そんな立地――。
国道125号加須羽生(かぞはにゅう)バイパス沿いにある、これぞまさしくロードサイドダイナー。クルマ20台が駐車可能という大きな敷地の一角には遊具が置かれた芝生のスペースがあり、キャプ泊もOKという。郊外の店ならではのゆとりと余裕ですね。土地が平らで空も大きい。
絵に描いたような50年代テイストの店内には、子供連れが気兼ねなく利用出来る個室あり、そしてガラス越しに見えるのは"男の夢"……バイクガレージ! ただの個人の車庫ではありません。店主吉田さんはキャリア30年のバイク整備士。長らく"ハーレー屋"をやって来た人です。このガラス越しのガレージは吉田さんのもうひとつの店、「JUNK CLOWN MOTOR CYCLE」の作業場。今もダイナー業と並行してカスタムや車検・整備業などを営んでいます。
以前やっていたハーレー屋の一角で常連さんを相手にお茶や食事を振舞っていた吉田さん。それが大好評で、ついに「店を出してくれないか」と要望あり→それを受けて、元はラーメン屋だったという街道端のこの物件を契約→完全にリノベーションして、見違えるようなアメリカンダイナーが出来上がった――という、ざっくりそんな流れから生まれたお店です。
フードメニューはパスタあり、ステーキあり、ハンバーグあり、ごはんものありで品数豊富。それだけあっても、昼は7〜8割のお客さんが頼むというバーガーは計6品。うち3品はチキンカツとアジフライのサンドなので置くとして、ビーフパティのバーガー3品の中から、今日は看板メニューKINGバーガー¥1,320(税込)にチーズ¥165と玉ねぎ¥110のトッピングで合計¥1,595。選べるソースはBBQソースで。ポテト&コールスロー付き。昼はドリンクもセット。
KINGバーガー=ベーコンバーガーがその正体。パティはブロック肉で仕入れて店内で自家挽きした国産牛130g。これがゴツゴツもゴロゴロもしておらず、「ほろほろ」と口の中でほぐれて、非常に食べやすい。バンズは全粒粉。以前は茨城県のつくば市まで取りに行っていたというキングダイナー専用。イタリア産の小麦を使用。てっぺんに焦げたチーズが乗っている。選べるソースは2種類。「男=BBQソース」「女=自家製トマトソース」とキレイに注文が分かれるそうで。BBQソースは飴のような明快な甘さ。トッピングの玉ねぎはけっこうな厚切りをグリル。
やはり肉が優秀。「ほろっ」とほぐれつつも、噛み締めると弾力もあって、赤身の味が芳ばしい。もっとその食味に集中して食べたいのだけれど、もっちりとしたバンズの生地感と皮の張りが気になって……ちょっとお邪魔かな。足した玉ねぎも厚切りで主張が強い。ベーコンのカチッとした食感も方向違い。あまり余計なものを足さないで、もう純粋に「パンと肉だけ」で味わいたい、もしくは「ダブルパティ」にして味わいたい――そんな良パティの一品。
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と思ったら、パンと肉とチーズだけの「アメリカンバーガー」なるメニューがありますね。ソースなし。味付けは塩コショウのみ。訊けば、「肉とパンだけのゴマカシの利かないバーガーのおいしさを味わってもらいたい」という、まさに上に書いた通りの意図から生まれたメニューだと。食べるならコレでしょ! もしくはコレをパティ2枚にするかですね。
要するに「パティがおいしい店」ということで。次回は「アメリカンバーガー」1,180円(税込)で決まりです。じっくりパティを味わってみたいですね。
― shop data ―
所在地: 埼玉県羽生市須影422-5
東武鉄道 南羽生駅歩20分 地図
TEL: 048-514-7625
URL: https://www.kingdiner.jp/
オープン: 2018年10月11日
営業時間: 11:30〜15:00(LO14:30), 18:00〜21:00(LO20:30)
定休日: 水曜日・第2、第4木曜日(要確認)