六本木ヒルズ「グランド ハイアット 東京」6階のステーキハウス、THE OAK DOOR(オーク ドア)で2月28日まで販売中、ハンバーガー誕生初期の5種類のバーガーを再現した"TASTE OF AMERICA"シリーズ。一連のメニューを企画・開発した料理長ティムさんにお話を伺うことが出来ました。なぜこの企画を思いついたか訊いたところ、ひとえにGeorge Motz 氏の影響であると――。
ジョージ・モッツは当代随一の米国のハンバーガーの研究家で、昨年刊行された日本のフードカルチャー誌『RiCE』にも米国におけるハンバーガーの歴史と現状について寄稿しているほか、「ミッケラーカンダ」のハミルトン氏も彼の書籍や情報に大いに触発された一人であり、そしてオーク ドアのティム料理長もまた、モッツ氏をきっかけに米国のハンバーガーについてあらためて勉強し直したということで、ジョージ・モッツがハンバーガーの"いま"に与えた影響の大きさ・偉大さをあらためて知ることが出来ます。
おそらく彼ら米国人とってモッツ氏の活動は、ハンバーガー「再発見」「再評価」の又とない機会だったのでしょう。「こんなに面白いものだったのか」「こんなに知らないことだらけだったのか」と驚き、俄然興味が湧いた。その湧いた興味と興奮の"お裾分け"をティム料理長からしてもらっている……というのが、このたびの"TASTE OF AMERICA"という企画の本質に思います。
さてそれで本日は、シリーズ全5品中の3品目、オクラホマ フライドオニオン バーガー¥2,860(税込・サービス料別)。"fried onion burger"と入れて検索すると、もれなく頭に"Oklahoma"と付いてくるぐらい、このバーガーは米国オクラホマ州の食べ物のようです。
オクラホマ州は米国南部、テキサスの上の州。フライドオニオンというのはカリカリに揚げたもの"でなく"、炒めた玉ねぎのことです。薄くスライスした玉ねぎをパティとともに炒めるワケですが、パティは球形に丸めた"肉団子"状態のものをコテでギューッ! と潰しながら焼く、いわゆる「smash burger」のスタイル。そんなバーガーが1926年頃からオクラホマにあったということで。そのレシピを再現したのがこちらのバーガーと。
「コネチカット ブロイルバーガー」「スチームバーガー」より全然イイです。バンズは触るもソフト、口に含むもソフトなポテトバンズ。生地にジャガイモを練り込んだバンズです。ティム料理長曰く、米国中西部(Midwest)はポテトバンズが多いと。NY生まれの「SHAKE SHACK」もポテトバンズですね。パティは140gパティを2枚に分けて、1枚70gのパティがダブルで重さる構造。とろけるチーズはチェダー。
かぶりつくと、オニオンの甘味強め。ちょっと煮詰まったような、グラタンのようなオニオンの味わいが終始芳ばしく利く中に、押し潰しながら焼いたパティの「ガリッ」と来るコゲが所々当たって、この「ガリッ」が何とも美味。塩コショウを利かせ過ぎず、オニオンの風味とパティの「ガリッ」、そして、とろけるチーズのコク味・旨味で食べさせる。そしてポテトバンズの甘味がその後味をさらう。そんな一品。
塩コショウを抑えているので食べ口よし。バンズに入るポテトのせいもあってか、味わいがきめ細やか。添えられた野菜は入れない方が美味。入れてもおいしいが、「パン、肉、炒めた玉ねぎ、チーズ」というこのスナック感全開のジューシーなバランスを崩さず食べた方が、より醍醐味が味わえるかと。
§ §
これは理屈抜きに美味。正直コネチカットの2品については歴史の「お勉強」的なところが若干ありましたが、このオクラホマについては、おいしさで真っ向勝負が出来ます。いや、順を追って食べて来た甲斐がありました。次は「ミネソタ」へ――。 (つづく)
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# 321 THE OAK DOOR [六本木]
― shop data ―
所在地: 東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京 6F
東京メトロ日比谷線 六本木駅歩6分 地図
URL: http://restaurants.tokyo.grand.hyatt.co.jp/oak-door-restaurant/
TEL: 03-4333-8784
オープン: 2003年4月25日
* 営業時間 *
ランチ: 11:30〜15:00(土日祝 〜15:30)
アフタヌーン: 15:00〜17:30
ディナー: 18:00〜21:00
バー: 11:30〜21:00
定休日: 無し(要確認)