月1連載、食べログマガジン「じっくり食べたいハンバーガー」でご紹介した東京・神田Mikkeller Kanda(ミッケラー カンダ)の、まずはCHEESEBURGER(チーズバーガー)¥880(税込)から。
バーガーメニューはレギュラー4品……「CHEESEBURGER」「TRIPLE」「VEGGIE」「SLIDERS」。それと週替わりの「WEEKLY SPECIAL」が1品。WEEKLY はハンバーガーのこともあれば、サンドイッチのこともある。と言うことで、レギュラーメニューにおけるハンバーガーは、パティ1枚=シングルの「CHEESEBURGER」か、3枚の「TRIPLE」か、どちらかから選ぶ「二択」ということになる。超シンプル。
中身もシンプル。店で自家挽きのパティの上に(後述)、チーズ、刻んだレッドオニオン、自家製のピクルス、クラウン(上バンズ)にマスタード、ヒール(下バンズ)にマヨネーズ。それだけ。ピクルスはバンズの円周に沿って4、5枚ほど乗せており、マスタードは辛さを強めた同店オリジナル。あと、バンズの裏に軽くバターを塗っている。
それで、この日のパティは「千葉県産 しあわせ絆牛」のネックと「岩手県 田村牧場産 短角牛」のスネを合わせたもので、サイズは90g強。店でミンチしている。短角牛は正式名「日本短角種」。東北地方原産のいわゆる和牛の一種で、岩手の田村牧場の説明によると「国内和牛流通において年間1%程のシェアしかない、希少性の高いブランド牛」とのこと。しかし、ハンバーガーに和牛を「おいしく使っている例」というのは実のところ少なくて、「確かにおいしい肉だが、でもハンバーガーとしては……」というケースが常なのだが、果たしてミッケラーカンダの短角牛は……これがイケている。「ハンバーガーとして」イケている。
ポイントは焼き方。ボール状に丸めただけの挽肉の塊を鉄板の上に乗せて、ギューッ! とコテで押し潰して焼く方法、「smash burger」などと呼ばれる焼き方が、和牛のような脂の融けやすい肉にはおそらく合っているのだろう。国内で他にこの焼き方をしている店は、まず「SHAKE SHACK」、それから「HENRY'S BURGER」、この辺り。「HENRY'S」は黒毛和牛を使っている。ギューーーーーッ! と押し潰されるので、パティはペッタリ薄くなり、厚みは1cm以下。となると、おそろしく「早く焼ける」。さすがにマクドナルドのような早さではないが、ふつうのグルメバーガー店の感覚でいると「あれ? もう出来たの?」ということには事実なる。
余計な具材が入っていないので薄くて、かぶりつくにちょうどいい厚み。パティ・バンズともにやわらかく、口の中に「スッ」とすべり込んで来る感じがあって、「のどごし」も良好。パティは軽くてウェット。カチカチでもザラザラでもなく、よく潰れて潤いあり。バンズはそれを邪魔しない賢明さ。マスタードがツンと来るのと、ピクルスの青臭さがひとクセがあるが、全体には持ちやすく・食べやすく、「ミニマム」な美学を感じる一品。
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なお、短角牛はもう一ヶ所、北海道「八雲牧場」産のこともあるそうで、同じ短角牛でも大きく味が変わるとのこと。それはまたいずれとして、「食べログマガジン」の記事をどうぞよろしく!
■【じっくり食べたいハンバーガー】第15回「ミッケラー カンダ」
― shop data ―
所在地: 東京都千代田区内神田3-21-2
JR神田駅北口歩1分 地図
TEL: 03-5244-4903
URL: https://www.facebook.com/mikkeller.kanda
オープン: 2020年6月15日
* 営業時間 *
BURGER SHOP(1F): 11:30〜22:00LO
BEER BAR(2F,3F): 16:00〜23:00LO
定休日: 無休(要確認)