# SHAKE SHACK のオータムマイタケバーガー――日本上陸5周年記念限定バーガー: ハンバーガーストリート　（ブログ版）

<< # SHAKE SHACK のShack Stack（再食） | TOP | # 「食べログマガジン」――【じっくり食べたいハンバーガー】第14回「ルイスクラシック」 >>

2020年09月30日

# SHAKE SHACK のオータムマイタケバーガー――日本上陸5周年記念限定バーガー

　2015年の11月に日本1号店がオープンした「SHAKE SHACK」は今年2020年の秋で日本上陸5周年！ 本当は記念のイベントをやる予定でした。が、コロナの影響で出来なくなりました。しかし、記念メニューは粛々と準備されました。それがこちらです……1周年の「DEN Shack」、2周年の「KARASHIBI Burger」、3周年の「Chick'n Shack」日本発売、4周年の「bricolage Chick'n」に続く、SHAKE SHACK(シェイクシャック)日本上陸5周年バーガー、オータムマイタケバーガー(Autumn Maitake Burger)Single￥960(税込￥1,056)。

　去年の「ブリコラージュチキン」に続いて「マイタケ(舞茸)」と……マツタケ(松茸)ではありません……シイタケ(椎茸)を使ったバーガーです。どちらも国産。で、ちょっと驚くのは、単に舞茸を使うというだけでなく「どの舞茸」「どの種類」というところまで、本国NYの開発チームは確認し、指示をしたということです。すべてメールによる文字と写真のやりとりだけで……。

　コロナ禍ですから、メニュー開発のディレクターが直接来日することは出来ません。もちろん太平洋と北米大陸を挟んで、生の食材や試作したものを送り合うことは物理的に困難、いや、不可能。という状況下、食材の情報とレシピをひたすら交換し合うことだけで作り上げられていったのが、このオータムマイタケバーガーです。

　オフィシャルの画像は←こんな感じですが、実物が運ばれて来たのを見て、ギョッとしました。裏返しにした「イチョウの葉」が乗っているんじゃないかと最初思い、もうその時点でビジュアルのインパクト絶大です。この干乾びたようなものこそが「舞茸」です。「コンロでグリルでもしたのかな？」と思ったら、それも違って、椎茸ともども「素揚げ」にしているという意外な答え。NYの開発チームが「舞茸を使いたい」というのを聞いて、日本のスタッフの間では「天ぷらにでもするんだろう」と思っていたそうですが、そうは来ずに、下味なども特に付けずに、裂いてそのまま「素揚げ」という。意外なことの連続ですね。

　で、このバーガーの狙っている味というのが「奥のまた奥」の、「先のまた先」の、とんでもなく繊細で渋～いところであるのが、またしても驚かされるワケです。

　かぶりつけば「ふわっ」と大葉(青じそ)の香り。その下の舞茸はひとことで言うと「焦げたおいしさ」です。素揚げと言ってもけっこうディープな素揚げなので、所々が黒く焦げている……そのコゲ味が美味！堪らな～く繊細な風味で、淡くて、線の細ーい、「あるかなしか」ぐらいの微かなにおいながら、それでもバーガーの中ではっきり感じ取れるという。それがすべて計算ずくだとしたら、ものすごい計算力ですよね。

　後半、食べ進むうちに小さく刻まれた椎茸が「こりっ」と登場。こちらは風味より旨味。ほどよい塩気を供給します。ソースはこのバーガー専用のオリジナルマヨソース。味がグッと前に出て来る感じは赤味噌と、そして米酢の酸味。この米酢もNYチームの指定です。あとはトッピングでゴマと海苔。白いチーズはモントレージャック。パティはホルモンフリーの豪州産アンガスビーフ113g。ジャガイモ配合のポテトバンズとの組み合わせ。

　もぉー驚きの連続。日本のバーガーからはちょっと出て来そうもない発想のバーガーであること。「和」な味わいが、何なら日本人以上に巧みに表現されていること。その繊細な味わいが極めて大味な「バーガー」の上に乗っていること。そして、これだけの質のものが税込1,056円で提供されていること――。すべて考え合わせると、「感動した！」とか「震えた！」とかを超えて、タダタダ押し黙ってしまうという……そんな、唸るしかない逸品。

§　§

　過去の記念バーガーは店舗限定、個数も限定＆1日限りの提供でしたが、今年は東京ドーム店を除く国内11店で9月30日～11月3日まで食べられます。決してハデハデしいバーガーではありません。よーく味わって下さい。「じわり」来ますので。「みんなのランキング」もあわせてよろしく！

　■みんなのランキング
　松原好秀が選んだShake Shackメニューランキング