「ハンバーガーはこれからどうなるか」という話をします。ハンバーガーと言っても、いわゆる「グルメバーガー」と呼ばれるジャンルのハンバーガーの話です。これからのハンバーガーは「特別感でなく生活感で売れ」――と、私は思ってます。
この外出自粛の中でもマクドナルドの売り上げは好調だそうです。KFCも同様との情報(ハンバーガーではありませんが)。それは単に「安いから」という理由だけでなく、それだけ「生活の中に入り込んでいる」ということなんだと思います。「生活の一部になっている」ということですね。ですからファストフードのハンバーガーはこの先もしばらく強いでしょう。
一方、いわゆるハンバーガー専門店は、生活の一部と言うよりは「非日常」なポジションにあると私は思っています。世間一般の人からすれば、普段食べているマックやモスとは違う「いいハンバーガーを食べよう」という、そんな「いい位置づけ」に置かれているワケです。
2020年の5月、コロナの影響により、いまはそもそもの「日常」が失われた状況です。まず取り戻すべきは「日常」の生活。何でもない日々の暮らしです。「非日常」は、日常が回復したその「先」にあるもの。ですから、その「非日常」にハンバーガーを置いてしまうと、いよいよ手の出しづらい食べ物になってしまいます。日常の「先」にある食べ物ですから。だいぶ縁遠いですよね。
いま求められているのは不要不急の反対、つまり「必要なもの」です。この流れは今後しばらく変わらないと思います。ということはつまり、ハンバーガーは「不要枠」でなく「必要枠」に入っておく必要がある。いや、入って「いなければならない」――ということです。
何層もうず高く積み重ねられたスペシャルなバーガーといった「非日常」を売るスタイル「だけでなく」、もっと日常生活に寄った、日々の生活にとけ込んだものとしてハンバーガーを売る必要があると、私は思っています。
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「おいしいけど滅多に食べない特別なもの」じゃなく、「毎日食べたくなるふつうのもの」ポジションに転換する、いまその転換期に来ているように思います。 (つづく)
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