正直そんなに期待していなかった"のに"、思いがけなくも高評価だったお店の話。店の詳細は不明。取材はこれからということで――。
場所は横浜・元町。よく知られたメインストリート「元町通り」の1本となり、山手の傾斜に近い側の通りを「元町仲通り」という。近年その元町仲通りと、そこから延びる4本の通りを合わせた商店街を「元町クラフトマンシップ・ストリート」と呼ぶそうで(04年〜)、その名の通り、職人の作業場や工房・アトリエなどが多くある、一種「勝手口」的な距離の近さがある通りになっている。その雰囲気に触発されてか、若者が始めたオシャレな店が最近チラホラ増えているようで、美しく整備された表通りとは対照的な、「ごちゃっ」と入り組んだ裏通りの魅力と"わくわく"が、以前より増したように思われる。元町Bayside Cafe(ベイサイドカフェ)はそんな裏通りの一角で偶然入った一店だ。
何かの商売をしていた店の跡をリフォームしたカフェである。店内15席弱。表の路地に4席ほど。BGMは心地よいブラジリアン。壁にはイタリア映画が映され、時にライヴ演奏、時にアート作品を飾る展示会などが催される。そんな根っからの、芯から「カフェな」店なのだが、フードのメインはハンバーガー。今どき「流行りな感じかな……」そう思って食べてみたら、これが悪くない。
バーガーメニューは現在7品。ロコモコ、タコライス、キーマカレーなどの所謂「カフェめし」的なメニューもあり。チーズバーガー¥1,150(税込¥1,242)。パティはサイズ120g。つなぎなし。ナツメグ入り。粗挽き。12mmぐらいはあるか。「粗粗」とした肉粒感が好い食べ心地。そこへ白(プロセス)と黄色(チェダー)、2種類のチーズの強い塩気がべったり上から引っついて、パティと一体化。少量加えたBBQソースのトマトの旨味と適度な甘味がバーガー全体に働いて、好い変化を与えている。
バンズは表面ザラッとツヤなしで小さめ。コンパクト。甘味が強いが、チーズの塩気と生オニオンの辛味が上手くそれを掻き消して、結果いいバランスに落ち着いている。トマトはパティの下、ヒール(下バンズ)の上の葉はサニーレタス。
このバーガーの良い点は「リラックスしている」ところにある。ヘンにこだわって、アレやコレやの知識・工夫を全て投入したような、バキバキ・ガチガチの「マッチョ」なバーガーになって"いない"点に好感が持てる。居心地よいカフェの雰囲気をそのまま写したかのような、リラックスしたおいしさ。日常的に利用できる食べやすさを感じる。←コレ非常に重要。
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今やすっかりブランド志向の、「ちょっと古くさい街」と思い込んでいた元町の裏通り、「まさかこんなところに」という場所に、今どきな「ハンバーガー」が突如として現れることの面白さ。しかもまだ若い店主が個人で出しているであろう店ということで、オープンまでにどんなストーリーがあったのか、また訪ね直して、ぜひ詳しく聴いてみようと思う。
― shop data ―
所在地: 神奈川県横浜市中区元町1-54-1 リブレ元町U1F
横浜高速鉄道みなとみらい線 元町・中華街駅歩3分 地図
TEL: 045-212-3302
URL: http://motomachi-bayside-cafe.yokohama/
オープン: 2016年12月
営業時間: 11:00〜21:00(LO20:00)
定休日: 月曜日(祝日営業、翌日休。要確認)