「フーズチャンネル」で以前ご紹介したことがあったが、当ブログで記事にするのは初めて。大阪・なんばのクラフトビールとハンバーガーの店、Kokopelli(ココペリ)。
店主山本さんは7〜11歳までアメリカで暮らし、料理の道を志してその後フランスに1年。帰国後、神戸・元町のフレンチレストランで7年半働き、料理長まで務めた。同レストランは山本さんがスーシェフ(副料理長)の時に『ミシュランガイド』で一つ星を獲得している。そしてホテルの料理長を経験した後、2011年10月にココペリオープン。最初はネイティブアメリカンの料理などを出していたが誰も食べず。一方、ハンバーガーは看板すら出していなかったが売れ行きがよく、そこでちょっとずつ押していった結果、今や大阪を代表するハンバーガーの名店に数えられるまでになった。
ハンバーガーはレギュラー8品+マンスリー1品。「スロッピージョー」や「プルドポークサンドウィッチ」などもあり。中からまずはベーコンチーズバーガー¥1,274を。
パティは手の込んだ自家製。グラスフェッド(牧草飼育)の豪州牛を「塊」で仕入れ、脂とスジをすべて掃除、100%赤身の状態にする。これを金属加工をしている友人に特注した、穴の直径12、13mmのカットプレートで挽いた極粗挽きのミンチ肉と、手で細かく切ったカット肉とにし、2:1の割でブレンド。さらに和牛の脂。少量の玉ねぎ。塩コショウも中に加えて115gに成形。最低2日寝かせて結着させ、味をなじませる。
このパティの赤身と脂の「まとめ役」となるのがソテーしたオニオンだ。トマトの下に位置しているのがソレ。塩コショウでキャラメル色になるまで炒めたのち、酢に漬けて和えている。その酸味が赤身と和牛脂の甘味を「調整する」のだと山本さん。
グリルはホールに向いた対面式の鉄板で。野菜も鉄板上でドレス。バンズは堀江の名店「ホットクロス」製。マヨネーズ・マスタードは上にも下にも塗らず、ケチャップも使わない。ソースは一切なし。キャラメルオニオンとパティの旨味で「カシッ」と味が決まったバーガー。バンズについてはほぼ記憶がない。悪い意味でなく、それぐらい注意がすべて「肉」に向かい、「肉」に注がれる、そんなバーガーだということだ。自家製ベーコンも同様に、前面に「姿」を見せることはほとんどないが、但し「におい」はすごくよい。
その「しくっ」としたパティの噛み応え。濃い赤身の味わい。これは「肉」のバーガー。はっきりと明確に「肉」を食べるためにあるバーガー。大阪でも群を抜く一品に思う。出色の出来映え。
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「おいしければいいというものではない」と山本さん――。
「"こういう風に食べて欲しい"というのがないと。"これを食べさせたい"というものが明確にあれば、そこを感じてもらいたいハンバーガーになる」。
つまりは食材を大事にする人、店。ココペリとはそういう店である。大阪でも群を抜く一店。
→ # 10月6日配信――フーズチャンネル『アメリカ発のバーガー「スライダー」が流行の兆し』
― shop data ―
所在地: 大阪府大阪市中央区難波1-6-5 TMビル1F
近鉄・阪神 大阪難波駅歩3分 地図
TEL: 06-7502-3757
URL: http://localplace.jp/t200312678/
オープン: 2011年10月20日
営業時間: 12:00〜15:00(LO14:30), 17:00〜24:00(LO23:00)
定休日: 月曜日(祝日営業、要確認)