クリスマスのバーガーを紹介した際に書いた通り、六本木「グランド ハイアット 東京」のステーキハウスTHE OAK DOOR(オークドア)では、2015年の10月より月替わりのバーガー、いわゆる「マンスリーバーガー」を始めて今年の2月で1年と4ヶ月、通算16作目のマンスリーバーガーが目下販売中である。
マンスリーバーガーの発案者はオークドア料理長、アダム・ノフシンガーさん。インディアナ州出身。以前シカゴのハンバーガーコンペティションで優勝して全米大会にまで進んだことがあるというアダムさんは、ホテルのシェフであると同時に、一人のアメリカ人として当然のようにハンバーガー好きでもある次第。
そんなアメリカ人シェフ、アダムさんが始めたマンスリーバーガー。一流ホテルのシェフが考えるマンスリーバーガーとは一体どんなものだろう。俄然興味が湧いた。そして「ぜひ毎月追いかけて食べてみたい」と思い立った矢先のマンスリーはなんと、ハンバーガーでなくスイーツだった……2月なだけに。
Mr. & Mrs. チョコレートバーガー¥2,200(税サ別)。2月とくればバレンタインデー。しかし「バレンタインデーにチョコレート」というそこまで絞り込んだルールは恐らく米国にはない決まり事だと思うのだが。逆にそうした日本の文化・風習を受けとめ・歩み寄ったアダムシェフによる、これはちょっとした「ファンサービス」のようなものなのかも知れない。ともかく、かなり「自由に」遊んでいる。
繰り返し書くが、これはハンバーガーではなくスイーツ、甘いお菓子である。昨夏の「六本木グルメバーガーグランプリ」で出した「アイスバーガー」以来の2作目の甘いバーガーとのこと。
"Mr. & Mrs."、男性と女性をイメージした2つのバーガー(菓子)が対を成している。日本風に言えば夫婦(めおと)バーガー(笑)。ないしは来月3月の雛人形風。
まずは女性の方から――上からアマレットリキュールをしみ込ませたブリオッシュ、ピスタチオアイスクリーム、フレッシュラズベリー&ブルーベリー、バニラクリーム、ラズベリーソルベ。
このバンズに見立てたブリオッシュはホテル内の「ペストリーチーム」による制作。クリスマスの白いチャパタバンズは「ベーカリーチーム」の作だった。さすがホテルは組織力、チーム力で動く。規模と調理環境の違いをそんな辺りに強く感じる。
こちら男性。オレンジリキュールをしみ込ませたブリオッシュ。その間に挟まる、バケツをひっくり返したような形の目玉の物体はこれ、チョコレートでコーティングした"マシュマロ"。その下に上品なタテ切りのストロベリー。上下にバニラクリーム。クラウン(上バンズ)のてっぺんにはフリーズドライにしたストロベリーが乗る。
マシュマロ? と思うかも知れないが、これがおいしい。底にライスクリスピーが敷いてあり、サクサクと非常に軽快。食感のインパクトをここで持たせている。キャラメルが絡めてあり、ハッキリとしたかなりな甘さ。"Mr."の方はなかなかヤンチャな味だ。比べれば"Mrs."はおしとやかな味。合わせたコーヒーがおいしかった。キレのある苦味で、酸味少なく、濃いが後に残らない。
"付け合わせ"のフレンチフライに見立てた↓コレは、パイを揚げたもの。シナモンシュガーがまぶしてあり、さらにケチャップに見立てたラズベリーソースが添えてある。
§ §
2月1日〜28日まで提供。提供時間はランチの11:30〜14:30。土日祝は〜15:00。さらに15:00〜17:00まで"2人でシェアする"スタイルで、コーヒーまたは紅茶が付いて1名様¥2,000(税サ別)の「アフタヌーンティーセット」というプランもある。一流ホテルのスイーツゆえ値段は相応にするが、その姿カタチからして話題を十分に提供してくれる、そこはさすがの一皿。
というワケで2月のマンスリーはちょっと遊んでみたアダムシェフ。では3月は……さぁ乞うご期待!
→ 【クリスマスのバーガー2016】 THE OAK DOOR [六本木] のホリデーホワイトバーガー
# 321 THE OAK DOOR [六本木]
― shop data ―
所在地: 東京都港区六本木6-10-3 グランドハイアット東京6F
東京メトロ日比谷線 六本木駅歩6分 地図
URL: http://restaurants.tokyo.grand.hyatt.co.jp/oak-door-restaurant/
TEL: 03-4333-8784
オープン: 2003年4月25日
* 営業時間 *
ランチ: 11:30〜14:30(土日祝 〜15:00)
ディナー: 18:00〜22:00
バー: 11:30〜25:00
定休日: 無し(要確認)