2015年11月11日

# The Little Owl [NYC, US] オーナーシェフ、ジョーイー・カンパナーロ氏プロデュース、リトルオウル ビーフベーコンチーズバーガー




 NYはグリニッジビレッジで目下大人気のレストラン"The Little Owl"オーナーシェフ、Joey Campanaro(ジョーイー・カンパナーロ)氏の話をしよう。

 10月1日〜14日まで開催された米国大使館主催の食の祭典、「TASTE OF AMERICA 2015(TOA)」にあわせ招聘・来日した人気シェフの一人。奇しくもTOA最終日10月14日に本人にお会いすることが出来たので、以下直接聴いた話を極力そのままお伝えしたい。

 ジョーイーシェフのプロデュースしたメニューは東京駅前のコートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション11月30日まで楽しめる。題してAmerican Dining Experience


 この日は東京駅前・八重洲口コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション1階のダイニング&バー「LAVAROCK(ラヴァロック)」でお話を伺い、直々に調理していただいた。


 さてジョーイー・カンパナーロ氏は「ミートボールスライダー」でその名を知られる人気シェフだが、今日まず紹介するベーコンチーズバーガーも評判かつ有名で、たとえば"The 14 Best Burgers In NYC"に挙げられたり、さらには"Top 5 Burgers in the Country"になったり、とどめは英国ガーディアン紙が報じた"The 50 best things to eat in the world, and where to eat them"、「世界中で食べるべき食べ物」ベスト50に数えられる(3番目)など、枚挙に暇がない。

 但し……ここからはジョーイー氏本人から聴いた話を正直に話そう。きっとその方が本邦のハンバーガーファンには面白いだろうから。

 その名代(world famous)のbacon cheeseburger が東京で食べられるのかと言うと正確にはそうではなくて、今回彼が"The Little Owl"と同じように作った箇所は「重ね順」と、カイエン、カリーなどの「スパイス」、そして「塩」――これらは一緒で、あとは「ラヴァロック」で出しているハンバーガーの食材を使っている。

 では"The Little Owl"では普段どんなハンバーガーを出しているのだろう?


 まずパティ。米国でもパティの肉の比率はおおむね赤身8割に対して脂2割が一般的とジョーイー氏。でも「どこの部分の脂」であるかは判らない。

 牛の体の外側に付く脂より内側の脂(intramuscular fat)の方が質も味もよく、かつヘルシーであるとジョーイー氏の説明は続く。"The Little Owl"ではその内側の脂、脂と赤身がマーブル模様になっている部位を選んで使っている。それがブリスケットとショートリブ。本来リブが最も味がよいのだが、値が張るので使わない。ブリスケットなら同じ"marbled-fat"でもリブの10分の1の価格で手に入り、しかもjuicy and "not" greasy. フレーバーはリブと似ている。

 今回は「ラヴァロック」でいつも使っている国産牛100%パティを使用(グラム不詳)。店名の由来であるグリル機「Lavarock」の火力や独特な火加減もあって、普段より強く焼けたとのこと。いつもは表面の焼けは"brown"。


 バンズはいつも"The Little Owl"で作っている。生イースト使用。さらにモラセス(糖蜜)を生地に加える。

 パティにかけているスパイスはシェフ特製。"MAGIC Seasoning"で有名なPaul Prudhomme氏に強い影響を受けて(※彼の下で直接働いていたワケではないが)考えたというジョーイー氏のオリジナルで、"The Little Owl"でもポークチョップほかさまざまなメニューに使っている。客から「他の店とは何か味が違う」とよく言われるその秘密が"スパイス"と。

 最後に積み順・重ね順の話。チーズの下にベーコン、そしてチーズがすべての具材の一番上に来る。これがルール。なぜか――。

 メルトしたチーズはちょうどブランケットのような役割。ベーコン、パティ以下すべての材料を、どのひとつもチーズがまとめて一体化させる。"manything to become one"、そのためのチーズなのだと、ジョーイーシェフ。


 そのルールは「ラヴァロック」の材料を使って作ったリトルオウル ビーフベーコンチーズバーガー¥1,944にも貫かれている。スープ・サラダ・フレンチフライ・コーヒー付き。

 コロンと丸く厚みのあるパティ。溶岩石を敷き詰めたグリル機「Lavarock」は高温のオーブンでもあるため、かぶりつくと閉じ込められた肉汁が中から「ダーッ!」と。外は"black"だが中心は鮮やかなピンク。ブリオッシュ風なバンズは表面にケシの実。のどにヒリつくスパイスはパティに加えたナツメグか。下にトマト、輪切りのピクルス、生レッドオニオン、レタス。厚切りのスモークベーコンをクリスピーになるまで焼き込んだのはジョーイーシェフのアイデア。

 彼のベストコンディションのバーガーとまでは言えないけれども、ハンバーガーに対するジョーイーシェフの考え方やルールが反映されたものとして、ひと味もふた味も違った発見があるだろう一品。"real"な彼のbacon cheeseburger は、やはりNYまで行かないと食べられないということで。

§ §

 最後にジョーイーシェフのTV出演映像。これは一部の人の共感を大いに誘う映像だと思う。後半が見どころ。 (つづく)




# 「TASTE OF AMERICA 2015」プレス発表会&レセプションPARTY開催!


― shop data ―
●コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション DINING&BAR "LAVAROCK"
所在地: 東京都中央区京橋2-1-3
    東京駅 八重洲南口より歩4分、東京メトロ銀座線 京橋駅より歩1分  地図
TEL: 03-3516-9333
URL: http://cytokyo.com/
オープン: 2014年4月2日
* 営業時間 *
朝食: 6:30〜10:00LO
ランチ: 11:30〜14:30(LO14:00)
ディナー:
 平 日: 17:30〜23:00(フードLO22:00, ドリンクLO22:30)
 土曜日: 17:30〜22:00(フードLO21:00, ドリンクLO21:30)
 日・祝: 17:30〜21:00(フードLO20:00, ドリンクLO20:30)
定休日: 無休(要確認)


2015.11.11 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 22:39| 【一ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする