2015年08月15日

# 336 ALOHA BABY [松陰神社前]




 今回はイレギュラー、ハンバーガーのない店のご紹介――。

 東急電鉄世田谷線松陰神社前(しょういんじんじゃまえ)にあるハワイアンレストラン、ALOHA BABY(アロハベイビー)。店主・小泊(こどまり)さんと私は2年前、四谷三丁目の「Island Burgers」で偶然知り合った。この時、小泊さんは恵比寿「Tsunami」でマネージャーをしていた。


●ノープランから

 「Tsunami」は2001年にオープンした都内ハワイアンレストランの草分け的名店。ツナミに勤めるまで小泊さんはずっと音楽活動をしていた。楽器はベース。


 恵比寿のツナミを主な職場に勤務8年。昨年8月15日に辞めた時点では、店の計画は実は全くの「ノープラン」だった。ところが辞めてわずか1週間、たまたま知った今のこの物件に「ピンと来て」、即申し込み。その後多数の問い合わせが相次いだが、幸運が重なり、無事契約に至った。

 松陰神社通り商店街という絶妙にのどかで、ローカルで、騒がしくなく、でも適度に人通りのある、目下絶妙な空気を保った商店街に、半世紀ほど続いた乾物屋の跡が今のアロハベイビー。

 18.1坪。26席ほど。壁の色・タイル、窓の大きさ・しつらえ、デザインも全て小泊さんが考えた。ばかりか、厨房からホールから、全て自ら図面を引いてラフ図を作成。その平面図がどんどん立体になっていった時は「楽しくて楽しくて」。


 店内は装飾・内装すっきり。「ハワイにないようなハワイアン」「これでもかというハワイ×ハワイした店」でなく、現地ハワイの実際の店の雰囲気からイメージを付けていった。つまり、リアルハワイ。

 敷居なく外からなだらかに続く入り口。意外な高さの天井。そこに回るシーリングファン。右手の壁の「ハワイ諸島」にはミッドセンチュリーな趣きが感じられ秀逸。表の看板は前のものをそのまま残した――「この町にあるんだから、この町に一番馴染んでいるに決まってる」。

●ソフトオープン

 今年の1月25日にランチをスタート。友人知人、誰にも言わずにこっそりオープンした。正式オープンの7月25日まで知るのは商店街の買い物客のみというソフトオープニング。


 宣伝せず開けたにも関わらず店は連日の満席で嬉しい悲鳴。特にお昼はびっくりの客入り。子供連れ・赤ちゃん連れ多数、店の前に自転車がびっしり並んで中に入れない時も。

 完全禁煙にしているので、夜は無理にお酒を飲みに来てもらうより、むしろ「クリーン」な店内の雰囲気をゆっくり・ゆったり楽しんでもらいたい、と小泊さん。効率・売上げ最優先だった「回転させてナンボ」の恵比寿の前の店とは180度変わり、今はココのどかな松陰神社前で、の〜んびり何時間でも店内でくつろげる、居心地と雰囲気最優先の店をやっている。

 目下の一番人気は「ビフテキライス」¥1,500。オージーのリブアイ150gをグリルした決して安くないメニューだが、オープン以来みるみる人気が出て週末は飛ぶような売れ行き。「Tsunami」ではバンズにタロイモを練り込んだハンバーガーなどを試していたが、ここアロハベイビーでは今のところバーガーはナシ。今日は定番のロコモコ¥1,200を。

●一口目の顔

 夜のみのメニュー。ふっくら厚みのある合挽き肉160gのハンバーグは、キメの細かな挽き肉のうちにところどころ粒々とした歯応え。文字通り「目」の形をした目玉焼きがその上に。


 ハンバーグ以上に手間暇かけているのがソース。グレイビーでなくデミグラス。牛スジと鶏ガラをオーブンで焼いて、野菜とともに「暑い暑い」言いながら煮込むこと二日間の労作で、感じる甘味はほぼ野菜から。この甘味の印象が強い。それでも古巣「ツナミ」よりは抑えたそう。上からフライドオニオンと万能ねぎ。

 「ハワイのグレイビーはかなりな甘口で食べづらく思った。だから特別"ひねり"を加えたものでなく、お年寄りから子供まで『幅広くおいしいもの』を目指した」というロコモコ。確かに、麻布・青山・六本木辺りなら本場の味をマニアックに追究・再現したハワイアンもふさわしかろうが、このローカルな松陰神社通り商店街なら、道行くあらゆる世代の人たちのため、親しみややさしさ、憩い、くつろぎと言った言葉の方がよりふさわしく、また事実求められ、必要とされているものに私も思う。


 学生飯のようにガサツで大味な現地ハワイの味に、大都会の上品な、カフェ的なエッセンスが加わってできた大都会東京の、でもちょっとローカルなロコモコ。

§ §

 「想像するのが大好き。楽しいことしか考えないでずっとやって来てるので」。誰よりも自分自身が一番楽しんでやっていないとおいしさは伝わらない――と小泊さん。料理を3品持って行く時「どういう順番で出せば歓喜の声が上がるだろう」、そういう楽しい工夫と想像を常にしている。そしてお客さんが料理を食べる「"一口目"を厨房から見るのが好き」。一口目の表情・その顔こそ真実、リアルな解答であると。

 そんな実に面白く興味深い考え方の店主の店ゆえ、記事にした。最後に小泊さんのこんな一言……「大変であればあるほど楽しい!」。つまりは人生、気の持ち方ひとつということで。



# ALOHA BABY [松陰神社前] のビフテキライス


― shop data ―
所在地: 東京都世田谷区世田谷4-1-12
    東急電鉄世田谷線 松陰神社前駅歩2分 地図
TEL: 03-6805-2375
URL: https://www.facebook.com/alohababy2015
オープン: 2015年7月25日(ソフトオープン:2015年1月25日)
営業時間: 11:30〜22:00(21:00LO)
ランチ: 11:30〜14:30LO
ディナー: 18:00〜22:00(21:00LO)
定休日: 不定休(要確認)

2015.8.15 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 12:00| ロコモコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする