「ワケあり!レッドゾーン」に出演した際、番組から「都内近郊でまだ行けていなくて行ってみたいバーガー店はありますか?」と訊かれて挙げた店のひとつがこちら、BLT STEAK ROPPONGI(ビーエルティーステーキ六本木)だった。こんな機会でもない限りなかなか行けないだろうと真っ先に思いついた店である。
昨年2014年の9月19日、日比谷線六本木一丁目駅直結の「泉ガーデン」にオープン。次いで今年15年4月25日に日本2号店「BLT STEAK GINZA」がオープン。本店(旗艦店)は米国NYCに04年オープン。「BLT STEAK」は米国を中心に世界14店。他にも「BLT PRIME」「BLT FISH SHACK」など全10ブランド約30店のレストランを世界に展開している。
「BLT STEAK」はその名の通りのステーキ店。それも例えば「WOLFGANG'S」などと比べると、新しい、モダンなスタイルのステーキハウスで、初代料理長がフレンチシェフであったことから、ややビストロのテイストも入ったような、重々しくないカジュアルなステーキハウスとして人気を博し、ことに近年はハワイでの勢いがよくて、そのハワイ・ワイキキ店のイメージをもとに日本への出店が計画された。
それが3年前。実は3年越しの計画である。米国からの輸入牛肉の規制が緩和され、骨付き肉が輸入できるようになったことが追い風となった。すなわち看板メニュー「骨付きリブアイ」や「Tボーン」が提供可能になったという次第。
店内151席。1階111席。個室4室30席にウェイティングバー12席。バーを囲むワインセラーは新旧約200種の品揃え。入って左の階段を上ると中2階が40席。所謂「ハレ」の日にオシャレをして訪ねたい、「イイ店」である。
メインは「USDA格付け最高位のプライムグレードの牛肉と、アメリカン・アンガス協会の認定を受けた最高品質のCAB(サーティファイド・アンガス・ビーフ)を使用した自慢のステーキ」、これに尽きる。
BLT STEAKのスタイルがモダンであるという特徴のひとつに、ステーキソースの種類が挙げられる。クラシカルなステーキハウスでステーキソースと言えば、通常、特定の1種類のソースを指すが、BLTでは8〜9種類、六本木には9種類のステーキソースがある。「ストウブ」と呼ばれる鉄鍋にステーキを入れて提供。共に摂る炭水化物はライスでなくパン。そのパンこそがBLTの名物、"顔"とも評される「ポップオーバー」である。
料理を頼むと付いてくるものでメニューには載っていない。「峰屋」をして「あれは桁違い」と言わしめた逸品。
店内で焼いており、焼き上がりまで1時間強の工程。生地そのものが持つ味が実によく、何も付けず・何とも合わせずに、ポップオーバーだけでもおいしく食べられる。頭の部分にグリュイエールチーズが焦げてかかっている。
添えられているのはレシピ。但しそっくりこの通りに作っても同じ味にはならない(笑)。そして無塩ホイップバター。これも店の自家製。大変手間のかかるものだ。
さていよいよお待ちかねの主菜へ……と進みたいところだが、ただこうしたものを食べるのに一人では明らかに人数不足だし、夜、ディナータイムに行かないとやはり真髄は楽しめない。当ブログは「ハンバーガー」をメインに据えて、それを通じて各店の良さ・特色を紹介する趣向なので、だから今回もやはり、まず「ハンバーガー」について取り上げる。2名様用¥14,000する「ドライエイジング Tボーン」ステーキはいずれまた――。
本年3月よりランチを開始。「プライムビーフバーガー」も「ステーキサンドイッチ」もその折登場したメニュー。奇しくも「ワケあり!レッドゾーン」のロケ取材があった5月の初旬ごろにハンバーガーの改良が検討されて、マイナーチェンジが施された。番組ではそのチェンジしたてのバーガーを紹介している。
なおBLTには「BLT BURGER」というブランドがあり、現在ラスベガスと香港に2店出店しているが、この東京・六本木と銀座で食べられるバーガーは「BLT BURGER」のものとはまた違い、かつNYの「BLT STEAK」とも違うそう。本日はプライムビーフバーガー / フレンチフライ¥2,376にチーズ¥216のトッピング、¥2,592。
幸運にもこの日は大変「イイ肉」だった――ドライエイジングしたプライムビーフのリブアイ! 但しテレビ用に特別によくしてくれたワケではない。サイズ150g。つなぎ無し。グリルの際に塩コショウ。そしてバターを塗って。焼くのはガスのブロイラー。925℃の高温でバチッと焼いて、あとは低温。その温度の使い分けの妙。焼き方はミディアムレア=赤色、中心部は温かい。
最も火を通さない「ブルー」から「ウエルダン」まで、BLTには全部で6段階の焼き加減があって、ミディアムレアは下から3番目。だが、他店の「レア」と同程度、つまりあまり強く焼かない傾向にある。右の断面写真は別の日に食べたもので、肉は非熟成のチャックアイロールだったが、ご覧の通りやはり「レア」な焼き加減で、ハンバーガーパティとは思えぬやわらかさだった。
モラセス(糖蜜)で甘味を利かせたBBQソースがパティの下。上にクリスプなベーコン。オニオンは甘くロースト。トマト、レタス。クラウン(上バンズ)の裏にハニーマスタード。味わいを放つものが多い。
これらをまとめるは東新宿「峰屋」のライ麦バンズ。これが傑作。BBQソースの甘味にベーコンの塩気、なにより存在感絶大の極上肉を間に挟んで、それらに負けず、なお引けを取らないパワーを持ったバンズである。もし通常の白い小麦の生地だったら、中の出力に負けていたことだろう。そうした点で非常にバランスのとれたバーガーだ。パティ・バンズとも食感がありながら同時に食べやすい。
皿からして菜園のようなにぎやかさ。フレンチフライはタテに盛りつけ。パルミジャーノチーズを白く散らして、価格にふさわしい豪華絢爛な気分が味わえる。バーガーを構成する材料ひとつひとつがそれぞれキャラの立った特徴ある味で、食後の「食べた」感は濃厚。記憶に残る一品。ことに初回に食べたリブアイパティは熟成肉特有の「ぐずっ」としたしなやかさで、とろけるようなイイ肉。至福!
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さて続いて、ハンバーガー以上の人気メニューというステーキサンドイッチ / フレンチフライ¥2,592についてご紹介しよう――。 (つづく)
→ 【お花見バーガー2018】 BLT STEAK の夜桜バーガー
# BLT STEAK ROPPONGI [六本木一丁目] のプライム ビーフ トランプ バーガー
# BLT STEAK ROPPONGI [六本木一丁目] のプライムステーキサンドイッチ
― shop data ―
●BLT STEAK ROPPONGI
所在地: 東京都港区六本木1丁目6-1 泉ガーデン5階
東京メトロ南北線 六本木一丁目駅歩2分 地図
TEL: 03-3589-4129
オープン: 2014年9月19日 (NY本店オープン:2004年)
URL: http://bltsteak.jp/
営業時間: 11:30〜15:00(LO14:30), 17:00〜23:00(LO22:00)
定休日: なし(要確認)