2015年04月30日

# tokyo omo style [豪徳寺] のハンバーガー改良計画「N作戦」(後編)




 東京・豪徳寺(山下)tokyo omo style(トウキョウオモスタイル)のハンバーガー改良計画「"N"作戦」の後編――。前回、神奈川・葉山にある鉄鍋専門店「COOK & DINE HAYAMA(クック・アンド・ダイン ハヤマ)」を訪ねた店主・清水さん。日本一の品揃えを誇る売場の鉄鍋をただ眺めているだけでは飽き足らず、実際に焼かせてもらうことに……。


 クック&ダインにはレストラン営業していた際に使っていた立派なキッチンがある。今もイベント時に提供する鉄鍋料理などはココで調理しているのだが、今回は特別にこのキッチンをお借りして用意してきたパティを焼かせていただいた。


 ガス台にズラリ並んだグリルパン。奥から2番目が清水さん持参のもの。残りは店主にして"鉄鍋伝道師"の山口壮一さん使用のもの。まずは清水さん愛用のグリルパンでいつも通りにパティを焼いてみた――それが冒頭↑の画像である。

 焼き上がりを3人で試食。調理環境は変われどオモスタイルのいつものパティの感じと変わらず焼けていたように思う。

 それを確認したところで、今度は鉄鍋伝道師・山口さんが「自分も焼いてみたい」と提案。中から四角い形のグリルパンを選んで火にかけた。フィンランドのデザイナーがデザインした、美しく波状に凹凸の入った南部鉄器の一品である。


 予熱が十分になった頃合いを見てパティを乗せ、次に山口さんはグリルパンの上に蓋をした。四角い蓋が無かったので丸い蓋で代用。四隅に隙間が出来るがそれでも効果は十分。曰く「グリルパンはその『熱』で肉を焼いている」。

 つまり、蓋をすることで今まで空気中に逃がし放題だった熱を漏らさず効率的にすべて肉に加えることが出来、その結果、短時間で肉に火が通り、早く焼き上がる。しかも南部鉄器ならではの強烈な蓄熱と遠赤外線効果。結果としてふっくらジューシーに肉が焼き上がるのだ。

 蓋を取ってみるとご覧の通りの湯気。つまり「蒸し焼き」。試食するとなるほど、ザラザラとドライな食感のいつものオモスタイルのパティが、しっとりと潤い豊かに、数段グレードが上がった肉のように感じられる。


 そのパティの「質」の変化はともかく、短時間で焼けるという点に何より強く惹かれた。それは調理前の予熱の段階にも言えることで、蓋をしながら予熱した方が当然グリルパンが早く温まるのである。

 クック&ダインにはロッジのスキレットカバー(蓋)がサイズ違いで6種類ほど置いてあるが、今回のようなパティを焼くだけの調理なら蓋まで鋳鉄製である必要はない。ただ熱を逃さないように覆えればそれでよいので、グリルパンの形に合わせ自作してもよい。

 さらに、パティを焼くなら丸より四角いグリルパンの方がよい。丸なら3枚しか焼けないところが四角なら4枚乗るワケだ。その一度に焼ける数の差は大きい。但し残念ながら、清水さんが欲しいちょうどよい太さと深さの溝が入った四角いグリルパンが無かったので、それについては今後引き続きの課題として、ひとまずは帰って蓋を自作してみることにした。


 二週間後――「できた」と清水さんから連絡が入り、早速見に行ってみた。それがコレ→。

 形に厳密な決まりはない。ぺったんこよりは蓋内部に多少の容積がある方がよいという程度。早速この蓋を被せて調理したバーガーを試食してみた結果がコレ

 調理時間の短縮はメリットとして大きいが、しかしパティの食感が従来のオモスタイルの持ち味とはかけ離れてしまうのが難点。検討の末、グリル中は蓋をせず、結局また元のやり方に戻した。家でお母さんが焼くハンバー「グ」ならそれでもよいのだが、オモスタイルのハンバーガーには蒸し焼きによるふっくらとやわらかな潤いは、どうもそぐわないのである。

 そして焼き方を戻して作ったバーガーがコレ。確かにいつもの「らしさ」は戻ったが、欲を言うともう少しだけパティの内部にジューシーな潤いがあっても好いように思う……その辺りも引き続きの課題だ。

§ §

 ところで。実は蓋以上にいま盛り上がっているのが、クック&ダインで購入したこのガスコンロに乗せて使うキャメロンズのミニスモーカー。こんな面白いモノを手に入れてしまったがために、いまオモスタイルでは何でもかんでも燻製にして出すのが流行りになっている。おかげで……。 (つづく)



撮影:GAO NISIHKAWA

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# 297 tokyo omo style [豪徳寺]

― shop data ―
所在地: 東京都世田谷区豪徳寺1-23-12 ささビルB1F
     小田急 豪徳寺駅歩1分・東急 山下駅歩2分 地図
TEL: 03-5799-6895
URL: http://tokyoomostyle.com/
オープン: 2010年7月7日
営業時間: 21:00〜29:00
ランチ(土日のみ): 12:00〜16:00
定休日: 月曜日(売切れ等あるので、要ホームページ確認)

2015.4.30 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:12| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする