ダラダラと2ヶ月近くにわたりお送りして参りました自主開催「第3回ハンバーガー総選挙」――先日ついに最終結果を発表し終えての補足・感想、あるいは「裏話」、そして「次回」もあることを前提に、今回やってみて良かった点・悪かった点などを振り返っています。その後編です――。
→ 【私的第3回ハンバーガー総選挙】 実施要項・審査基準など
【私的第3回ハンバーガー総選挙】 最終結果
審査項目1.「『肉』感、『肉』らしさ」の審査結果
審査項目2.「ハンバーガー全体として見た時の総合力」の審査結果
審査項目3.「ひとつの『食べ物』として見た時のおいしさ」の審査結果
審査項目4.「見栄え、ドレスの美しさ」の審査結果
審査項目5.「費用対効果、コストパフォーマンス」の審査結果
とにかく私が声を大にして言いたいのは、一人で審査してすら順位の行方がわからなかったということです。しかも出た結果は、私が何となく思っていたものとは違っていたという。
一人でやってすらそうなのですから、「50人で審査」「1万人による人気投票」ともなれば、その集計結果は審査員・投票者の手を離れ、あたかもそれ自らが意思を持った「生き物」であるかのように、勝手に、独りでに、動き始めます。特に自分の審査結果とあまりにかけ離れている場合、「一体誰の意見でこうなったんだ?」と、何かその結果自体が得体の知れないもののように見えてくる――今回少しだけそれに"近い"状態になりました。
●やるなら春秋
さて反省ですが、まずちょっと長引いてしまったのがひとつ。特に「実食」は去年の12月10日に始めて、終わったのが30日。21日間もかかってしまいました。
その理由は「冬」だから。気温の下がるこの時期、私、消化機能が著しく低下してしまうことがあるのですよ。主な原因は「冷え」ですね。一度お腹を冷したらもう当分アウトです。そういう肝心なことに企画を始めてから気付いた次第で(笑)。
ですからこうした「一時期に大量に食べる」企画をやる際には、気候のおだやかな時季、春とか秋とかの方が体調その他の条件が好いように思います。夏・冬は向きません。
●各店「2品」は妥当か
次は品数です。今回チェーン8店から2品ずつ、計16品を審査しました。各店「3品」案も検討はしています。やめた理由は、3品にすると2品目までは正攻法で選びますが、残る1品は少し「遊び」が入ったような選び方をしそうな気がしたからです。
それでもよいのですが、「各店の特色と傾向を知る」上では2品の審査で十分に事足りますので、審査「してもしなくてもどちらでもよい」ような3品目なら、審査するだけ無駄に感じた次第。その「どちらでもよい」3品目を無理して胃袋に収めるくらいなら、次の店の審査により好いコンディションで臨みたいと思ったワケです。胃袋も食欲も限りがありますので。
但し絞り込んだ2品・計16品よりも3品・計24品の方が「スケール感」は出ますよね。それは認めます。だから悩みました。時間さえかければ3品でも4品でもいけますが、それこそ余裕あるスケジュールの中で無理なくやりたいです。あと、品数増えれば費用も増えます。
●ハンバーガー「以外」の商品
今回、対象を「ハンバーガー=ビーフパティを挟んだもの」のみに絞って審査し、順位を決めました。「ハンバーガー総選挙」と銘打っておきながら鶏や魚や、カツやフライを審査するのはおかしいと思ったからです。
何度も言いますが、鶏・豚・魚などを挟んだものは「ハンバーガー」ではありません。本家・テレビ朝日の「ハンバーガー総選挙」にせよ、月間『MONOQLO』の「ハンバーガーランキング100!」にせよ、KFCを加えようとしたり、ホットドッグがエントリーしたり、正直その辺が"ごっちゃ"で、ハンバーガーとは「こういう定義の食べ物である」ときちんと言い切れる人が、現状私一人しかいないのですね。
「蕎麦打ち選手権」と言っているのに、うどん粉捏ねたり、パスタ打ってみたり、刀削麺みたいな人が来たりしたら、仮に参加は許すにせよ、まぁ「エキシビション」じゃないですか。蕎麦打ちの審査には加えられないでしょう――というのと同じことです。私が言っているのは。もしチキンやフィッシュが加えたければ、ハンバーガー「ショップ」総選挙とするのが正しいでしょう。それでもなおKFCは加えられませんが――ハンバーガーショップではないので。
とは言え、です。モスバーガーやフレッシュネスバーガーのように、中にはビーフパティを挟んだハンバーガー"以外の商品"にも見どころのある店もあるワケなんです。各店アイデアに富んだ、魅力ある商品を多々擁しています。ハンバーガー以上に興味をそそられる商品もある。そこにスポットが当てられないのは残念な気もします。
ですので、もしやるとすれば、ハンバーガーとは別に、鶏や魚の商品を集めた「サンドイッチ」部門を設けて、その中で優劣を決めるのが好いかなと思います。「サンドイッチ」部門さえ作れば、鶏・魚のフライもOK、トンカツやエビカツもOK、スパムサンドもステーキサンドもOK。それでもなおホットドッグは入りませんが、間口はだいぶ広がりますし、各店に「見せ場」を作ることができるでしょう。
●店選びについて
最後に。今回取り上げたハンバーガーチェーン「8店」の顔触れの是非について。
ベッカーズは首都圏という一地域にのみ展開する"ローカルチェーン"です。が、都内2店舗のウェンディーズより多い18店を数え、特殊な店舗まで入れると計20店。店舗数だけを考えた場合、2店舗のウェンディーズがOKなら20店舗のベッカーズはもちろんOKということになります。
次に。もし首都圏ローカルのベッカーズがOKなら、北海道は函館を中心に16店舗を展開するローカルチェーン「ラッキーピエロ」が加わってもおかしくないことになります。
さらに。店舗数の話に戻って、2店や20店のチェーンがOKなら、国内22店舗を展開する「クアアイナ」が入ってきてもおかしくないでしょう……ただ、1,178円するクアアイナの1/2LB・チーズバーガーの隣にマクドナルドの195円の商品が並ぶランキングはやはり変……ですね。
だったら「ドムドムハンバーガー」が入っている方がふさわしい。北は札幌から南は鹿児島までカバーする全国規模のチェーンですので。『MONOQLO』の「ハンバーガーランキング100!」の時は入ってました。さてどういう顔触れが適当か――。
§ §
以上で思いついたことはほぼ書き出しました。
とにかく、日本にただ一人の職業ハンバーガー評論家が、冷静かつ丁寧に、少しでもお腹が空いた状態で実食に臨み、少しでも体調が悪ければ予定を延ばし、各店なるべくよいコンディションで食べられるよう心がけて審査した、自主開催「第3回ハンバーガー総選挙」。その目的は「おいしいハンバーガーが食べたい」というただそれだけ。その一心です。
こういうことはですね、前向きな気持ちがないとできないですよ。包みを開いた瞬間にワクワクする気持ちがないと、躍る心がないと、よい審査はできません。出来得る限り好意のもって各商品に臨んだつもりです。
以上で自主開催「第3回ハンバーガー総選挙」は終わりです、と言いたいところですが……ラスト、あともうひとつだけ「これをやっておかねば」ということを次回の記事でやります。というワケで→ (つづく)
2015.2.9 Y.M