2ヶ月近くにわたり本当に長々とお送りして参りました自主開催「第3回ハンバーガー総選挙」――これは6日に発表した最終結果についての補足と言い訳、そして、私一人で「総選挙」をやってみたことへの反省と感想です。ま、「次回」もあることを前提に、今回やってみて良かった点・悪かった点を少し考えてみたいと思います。
→ 【私的第3回ハンバーガー総選挙】 実施要項・審査基準など
【私的第3回ハンバーガー総選挙】 最終結果
審査項目1.「『肉』感、『肉』らしさ」の審査結果
審査項目2.「ハンバーガー全体として見た時の総合力」の審査結果
審査項目3.「ひとつの『食べ物』として見た時のおいしさ」の審査結果
審査項目4.「見栄え、ドレスの美しさ」の審査結果
審査項目5.「費用対効果、コストパフォーマンス」の審査結果
●審査している本人もどうなるか判らない
まず今回我ながら良かったと思うのは、一発で評価を決めずに、5つの項目に審査を分けて、それぞれに評価・採点したことです。最後に5項目の結果を足し合わせて総合順位を出しましたが、これにより「審査している本人も結果がどうなるか最後まで判らない」状態を作り出すことができました。
1位から16位まで「全品に異なる順位をつける」方式もやり易かったです。1位に20点、2位に19点……と1点ずつ差をつけ採点、16位は5点ですので、トップからビリまで点差は開きましたが、「最後まで結果が判らない」状態と相俟って、かなり割り切った点の付け方が出来ました。
さてその結果……。
●1位は意外な結果
1位が「ダブルクォーターパウンダー・チーズ」になるとは正直私思っていなかったです。日ごろ私が「ダブル……」を推しているのは皆さんご存知と思いますが、それでも「3位ぐらいかな?」というイメージでした。
5項目ひとつもトップに立っていません。所謂「無冠」です。ずば抜けたところは無いが、でもどの項目も平均して高得点という、ある種「横綱相撲」的な勝利でした。
ただ、そうは言っても商品自体かなり"トンガッタ"ものではあります。まぁ死角はありませんでしたね。いま考えますに。
●当初予想していた「本命」
で、私の事前予想ではその有力な対抗馬に、いやむしろ「本命」として、コノ店を軸に展開してゆくだろうと期待していたのが、バーガーキングでした。2013年「第2回ハンバーガー総選挙」において私が最も高く評価した商品「BKダブルベーコンチーズ」を擁していますので。
ところが蓋を開けてみれば、本命視していた「ダブルベーコンチーズ」がまるで奮わず。審査対象から外す事態にまで至ります(事情は寸評ご覧下さい)。
その代わりとして登場させたのが「ダブルワッパーチーズ」でしたが、これとマクドナルド「ダブルクォーター……」をあらためて比べてみると……やはりですね、「見栄え」以外の項目全てで後者に分があるのですよ。なにせ「ダブルクォーター……」は"トンガッて"ますから。その"トンガリ"に優るとも劣らない、グイグイ攻め込んで来るような迫力をBKに期待したのですが、残念ながらその手応えは今回最後まで無く、優勝争いから脱落……いえコレ私、けっこうショックなんですから。
●ザ★ツインチーズバーガーの悲劇
で、そこへ代わりに来たのがベッカーズです。「ザ★ツインチーズバーガー」は5項目中3つの項目でトップを飾る「三冠」の活躍を見せました。
もし私に「1位にしたい」という気持ちがあった"なら"、「4.見栄え、ドレスの美しさ」の項目を最後に設けたのはまさに大失敗でしたね(笑)。まさかここまでの影響を及ぼそうとは、正直思ってもみなかったのです。
首位「ダブルクォーター……」とはわずか"2点差"。その点差が付いたのは「4.見栄え」の項目です。ですからせめて「見栄え」を14位でなく11位に採点していたなら、そのまま"逃げ切り"の1位だったワケなのですよ。
ただ、「あと何点で逆転」といった、そうした状況・情報が常に"判らない状態"に身を置いて審査・採点していましたので、故意・作為といった要素はほぼ100%審査結果に入り込んでいません。とにかく最終順位を気にせずに、"個々の審査項目に集中して"審査していました。
●見栄えの重要性
ただこの「ツインチーズ」について今回判ったのは、現場的にはもう本当にギリギリのところで出している商品なんだな――ということです。業界的な常識・限界に挑んだ商品。その挑戦の中には多少の無理や無謀も含まれます。そうした挑戦と限界のせめぎ合いの結果が生々しく表れたのが↑あの崩れたビジュアルなのです。
ですからそうしたある種の「凄味」まで含めて味わい・楽しむべき商品かなと、私は思います。
あと、見栄えがイマイチだったグループはロッテリア、ファーストキッチン辺りですね。「絶品ベーコンチーズバーガー」は平均的な見栄えさえあれば5位には届いた内容です。
ファーストキッチンについては前も言いました、折角の新潟県産3種きのこがパティの下に入って、隠れて全く見えなかったことがあったり(二度頼んで二度とも)など、商品の趣旨や魅力が、ないし開発者の努力や思いが、末端まで届かない「不徹底」が感じられます。つまり何とも「惜しい」ワケです。届いてないんですから。こっちまで。
ですのでそこまで込めた意味において、見栄え(見映え)・ビジュアルは大変重要に思います。「所詮300円、400円"なり"の食べ物でしょ」という見方ももちろん出来ますが、しかし一方で今日日、コンビニで300円、400円出したら相当なものが食べられますからね。もちろん何かしら満足を与える見栄え・パッケージのものが、です――。
●オススメは5位まで
全体的なことを言えば、1位・2位ぐらいまではまず文句なしの商品。3位ぐらいから足りなく感じる点が少しずつ増えてゆきますが、そうですね、5位までは食べて「おいしいハンバーガーだな」と思える商品です。100%全てに満足出来なくても、何かしら得るもの・感じるところがある商品。上から5品はオススメです。
3位の「プレッツェルバーガー」は、もし「まとまり・バランス」のみに着目する審査項目があれば、トップに立っていたかも知れない一品。それくらい整った商品です。
今回、BKの思わぬ後退の結果、"相対的に"、ウェンディーズの方が期待できる位置に浮上したことは確かです。ただ私なりにはいくつかの不満があります。今日食べて、次また「食べたい」と思うまでのインターバルが「長い」味ですよね。つまり日常的に食べたい味ではない。それではファストフードの要件を満たしていないワケです。今は「たまのごちそう」といったポジションですので。もう少し気安い、身近なところに常に寄り添っていて欲しいワケなのですが。
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もうひとつ余談です。「4回採点した」と言いました。最初の1回はラフなものでしたので置くとして、あとの3回、これについては、7位から上の順位に全く変動がありませんでした。小さな点数の上下はあれ、並び順は一切変わらなかったです。
一方「下位」も、どの審査項目も順位がほぼ一緒で、何だか打ちやられているように見えますが、ちゃんと審査はしています(笑)。長くなりましたので続きの「反省」は次の記事で――。 (つづく)
2015.2.8 Y.M