自主開催による「第3回ハンバーガー総選挙」の感想・寸評。ベッカーズの2品目は今回食べた都合20品中の最高額、ザ★ツインチーズバーガー¥910。
パティ150g。が2枚。という、型破りなメニュー。スキュアー(金串)のおかげで辛うじて角度を保ってはいたが、正直自立ギリギリの荒技。力技。
この150gパティに先立つこと7年前、2007年よりなされた、粗挽き「200g」パティによる「Gシリーズ」ミッションについてはこちらの記事をご一読いただきたく。
「マクドナルド」のクォーターパウンダーパティも、「バーガーキング」のワッパーパティも、「フレッシュネスバーガー」のクラシックパティも、そしてウェンディーズのパティも、いずれも113〜114g(4分の1ポンド=4オンス)なので、今回の全8店中の最重量パティはベッカーズのこの粗挽き150gスペシャルミートパティということになる。それを2枚で300gという巨塊。
現物を前にしての第一印象……ベッカーズのアップグレード版である「THE BEAT DINER」のようだと思った。いや、BEAT DINERを超えていると思った。
スペシャルパティは一見するとハンバー"グ"のようだが、でもハンバーグでないのは、もちろん「つなぎ」を入れていないからだし、自慢の粗挽きの感じと言うのは奥歯で擂り潰し切れないその食感・肉粒感によく表れている。表面の焼け具合などちょっと家庭的な、いかにも鉄板で焼いた感じだけれど、中は意外なくらい肉汁豊か。コリコリたまに歯に当たる粗い肉の粒も好い。
チーズはパティ2枚の間にチェダーのスライス、グリルしたオニオンの上にクリームチーズとモッラレラの計3種使用。ねっとり鈍くとろけて、歯応えに小さな弾力を持つパティとともに崩れ・ほぐれて、胃の腑に落ちてゆく。
クリームチーズのもっさりした味に象徴されるように、キレる味のバーガーではない。グズグズグズと体勢を崩しながら、それでもひた押しに押してくるイメージ。ここまで各部の出来が良いと、ケチャップ味がやや単調でチープに思えるが、嫌というほど「肉」を、金を払った分だけ「肉」を楽しみ、感じられる一品。ヒール(下バンズ)にマスタード。酸味はレリッシュから。余韻はオニオンの芳ばしいコゲ味。
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食後、ベッカーズの進化版新業態である東京・田町「R・ベッカーズ」との差がまず付かなく思え、次に東京・三越前の「THE BEAT DINER」までわざわざ行かなくてもよいのでないかと、つまりジェイアール東日本フードビジネス(JEFB)がこれまで上位に位置付けてきたブランドの魅力が、逆に急速に薄れて感じられだした。それでよいのか、JEFB――。
それぐらいに強烈な、度肝を抜く一品。運ばれて来た時のファーストインパクトは、商品写真では到底得られない、凄まじいまでの"生々しさ"。 (つづく)
→ 【最新情報】 11月22日(金)、JR田町駅にベッカーズの新業態
「R・ベッカーズ」オープン
# ベッカーズのベッカーズバーガー ダブル
2015.1.15 Y.M