自主開催「第3回ハンバーガー総選挙」の感想・寸評。7店目はベッカーズ。
ジェイアール東日本フードビジネスが経営する「首都圏ローカル」のハンバーガーチェーンです。東京・神奈川・千葉・埼玉に18店、山手線の池袋・田町にある別業態も合わせて20店。ウェンディーズが目下2店舗なので、数だけを言うなら、本家・テレ朝の「ハンバーガー総選挙」にベッカーズが出ていたっておかしくはなかったワケで。
月刊『MONOQLO』が2011年に企画した「ハンバーガーランキング100!」では大手9チェーンのひとつに選ばれ、私を含む専門家5人による審査の結果、同店の「粗挽きベッカーズバーガー」が全100品中の栄えある"1位"に輝きました。現在のベッカーズバーガー¥390はほぼ同じ内容の商品――。
→ # 自主開催による「第3回ハンバーガー総選挙」・審査基準等
【最新情報】 『MONOQLO 2011年8月号』でハンバーガーランキング100!
パティは豪州産牛100%のつなぎ無し。細挽きと粗挽きを程好くミックスしたサイズ60g。以前は「つなぎあり」パティもありましたが、去年の3月にバッサリやめて、今は牛100の粗挽きパティがデフォルト。基本。
バンズは創業の昔から各店舗で発酵・焼成させた「自家製」。こちらも同じく昨年3月に自家製「酒種バンズ」にグレードアップ。
粗挽きパティが"標準"になり、またその上にさらに上位ランクの商品が設定されるなど、かつてのチャンピオン「粗挽きベッカーズバーガー」にしてみれば、現状は「格下げ」と言ってよい扱い。少なくともスペシャルな存在ではなくなった――。
まず手渡された時の小麦の香り。焼けたゴマの芳ばしさ。生地がしとっと沈み込んで、中の具材にフィットする自家製バンズは食感ももちろん良好。後に残るは小麦の甘味。自然なおいしさ。但し言うほど酒種らしくもない。
上下2ヶ所に入るサウザンソースが味の主体。少々「モス野菜バーガー」的。「粗挽きパティが」とは言いながら、そこは一歩も二歩も引っ込んで、ソース味のサンドである。
「肉」は噛めば、噛み応えのある"繊維質なコゲ味"が確認できる。ただちょっと火が入り過ぎなのだよね……おしなべて。あと、コショウの粒がなかなか辛かった。
§ §
とは言いながらも、食中・食後の印象は極めて良好。パティ100gから今は60gに落とし、価格も¥470から¥390へ。かつての"スペシャル"バーガーは今や基本の一品。そんな過去への郷愁を忘れて味わえば、小粒ながらも充実の内容にひとしきり満足はできる。ただ、まぁ小粒は小粒――。 (つづく)
→ # R・ベッカーズ [田町] のBECKER'Sバーガー
# ベッカーズの粗挽きベッカーズバーガー
2015.1.15 Y.M