自主開催による「第3回ハンバーガー総選挙」感想・寸評。5つ目の店はウェンディーズ。『THE BURGER MAP 首都圏版』にも書いたように、私がハンバーガーの道へ進むきっかけとなった店、それがウェンディーズでした。撤退する「前の」です。
§ §
2011年復活後のウェンディーズは、「第2回ハンバーガー総選挙」において各品食べましたけれども、"再上陸"ということもあってか、どうも肩に力が入り過ぎているようなところがあり、私が大好きだった撤退前のソレとはまた違う雰囲気の店に変わってしまっていました。それからまた1年経って、今回はどうか……。
まずは1品目、ウェンディーズバーガー ダブル¥610から。
代名詞である四角いパティ。かつては「オージービーフのノンフローズン」であることがわかりやすく謳われていたのが、今はどこを探してもそうした情報が本気で見られなくなってしまった。判っているのは「114g」というサイズのみ。
前歯がグッと突き立つような食感は「第2回」で食べた時と変わらず。肉粒の結びの硬いパティで、やわらかくはない。ポロポロほぐれる類のパティではない。食後の「胃の心地」を言うと、肉の塊がごそっと収まった感じ。
パティ2枚はさすがに「肉」を感じるし、強くはないがビーフのにおいもする。鉄板の上で焼いた感じもパティの表面からよく伝わる。ねっとりとしたチェダーチーズとの緩やかな融合もよい。ケチャップ・マヨネーズのかかった箇所を食べれば、その混ざり合う「オーロラ」の甘酸っぱさは変化となってよいし、食べ口をなめらかにさせてもいる。
あと無闇矢鱈にコショウを利かせていないところが好いと思った。そう考えるとロッテリアの絶品は、粗挽きコショウの力を頼りに"本格"を表現したり、ワイルドさを表わしたりしているところがあるが、ややヤリ過ぎ、乱暴なやり方にも思えてくる。
レーズンロールのような生地質のバンズの少し「ダマ」になる口どけも「第2回」で食べた時と同じ。「のぺっ」としたこのバンズは好みで無い。野菜の量はパティをダブルにしても変わらず。見た目の雑な感じは撤退前より一貫して変わらず。
§ §
パティ2枚の効果が覿面に表れていて、「肉」の味だけである程度以上のところまで食べさせる、よくまとまったバーガーであると思います。但しそのまとまり方は暗めで重め。ハンバーガー自身が持つ、あるいは放つ、その「表情」は、やはり暗いものです。決して明るくはない――。
食べ終えた後の"私"の表情もまた、ウェンディーちゃんのような晴れやかな笑顔でなく、例えるならハリソン・フォードのような「眉間に皺寄った感じ」に近いですね。満腹になります。満足します。が、ズンと重くダークなところがある。そんな食べ口。 (つづく)
→ # ウェンディーズのウェンディーズチーズ(撤退前)
# ウェンディーズのチーズバーガークラシック(撤退前)
# ファストフード ◆ ウェンディーズのスーパーメガウェンディーズ(撤退前)
2015.1.13 Y.M