自主開催による「第3回ハンバーガー総選挙」感想・寸評。モスバーガーのもう1品。こちらは過去2回のハンバーガー総選挙にいずれも「エントリーしていない」商品です(エントリーは各社の自薦)。その一方で雑誌社が2011年におこなった月刊『MONOQLO 2011年8月号』の「ハンバーガーランキング100!」では、私を含む5人による審査の結果、第3位に選ばれました――スパイシーモスチーズバーガー¥400。
なお上記「ハンバーガーランキング100!」審査時、モスのハンバーガーパティは"合挽き肉"でした。
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全100品中の"3位"。そんな有力商品をなぜモスはエントリーさせないんだろうと、不思議にも不満にも思っていたのが今回久々に食べてみて、その理由がわかった――。
その理由とは「辛(から)さ」。なにせ輪切りのハラペーニョがそのまま入っている。その「チリッ」と粉っぽい辛さが堪らぬ一品。ダメな人はダメだろう。通好み。一般向け・万民向けなメニューとは言い難い。事実、結構な人気商品であるに関わらず、過去にメニューから消えたことがあり、その扱いも盤石不変というワケではない。
それにしても目の前にして思う、この端正な美しさ。ミニチュアのような中に、必要な食材が無駄なくきれいに込められている。
中でもトマトがよい。ゼリーの少ない「じくっ」「ぐずっ」と熟れた果肉のその感じは、トマトだけで食べると間違いなく冴えないが、ハンバーガーの間に挟むと途端にみごとな一体感・まとまりを生み出す。その辺りもう本当に計算づくの、みごとの一言。そして絶妙なサイズにカットしたダイスオニオンの活躍も無論よい。
ただ豪州牛100%のパティについては、やはりもう一つ所在不明。ポジション不明。前半一瞬存在の感じられる瞬間があったが、あれはどういうタイミングだったのだろう……。
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全体としてはイチにスパイシーな辛味、次にバンズ。やはり「肉」を挟んでいる食べ物では無い……のですよ。では2枚挟んで「ダブル」にしてはどうか……それを期待できる性質・方向のパティでも無いのですよ。独自の食べ物。独自のおいしさ。「モス」という名の独自のジャンル。独自のワールド。そんな感じが「モス」なのです。私にとって。 (つづく)
→ # モスバーガーのスパイシーモスチーズバーガー
# モスバーガーのモスチーズバーガー(再食)
2015.1.11 Y.M