今年は春に訪ねて秋にもまた訪ねることができた。千葉・千葉中央のPANTRY COYOTE(パントリーコヨーテ)。強烈に食べてみたいネーミングのメニューが前々からいくつかあって、今日はその中のひとつ、ダッチオーブンチリバーガー¥1,030を。その名前だけでもう十分おいしそうだ。
再三ご案内の通り、店主福永さんはかの「ヴィレッジヴァンガード・ダイナー」を起ち上げた人、エライ人である。この日も平日正午前に行ったところが予約も含め、あと数席で満席というにぎわいよう。開店時刻11時半前から並んでいた人もいたそうで。
それで先月は国内を代表するジャグバンド「バンバンバザール」のライヴを、この決して広くはない店内でやってしまった。↓がその折のスペシャルチケット。福永さん含む35人をこの決して広くない店内に収容してこれまた大いに盛り上がった。
で、要はダッチオーブンでのべ2日、10時間かけて煮込んだチリの乗るバーガーである。普段メキシコ由来の料理については香辛料を使わず調理する福永さんだが、このチリについてはアメリカ的な調理法で作り、香辛料も入れている。
だが水はほとんど入れない。そこはダッチオーブン。野菜から出るソレで粗方まかなえる。大量のタマネギとピーマンをクタクタになるまで炒めてからホールトマトと合わせる。肉は牛挽き。パティとは別の細く挽いたもので、きめ細かな肉粒。仕上げに細かく刻んだチポトレ(燻製唐辛子)と、「かつお節」のような匂いがする唐辛子のペースト。これらは入れた直後よりも丸一日置いた方が味がよく馴染んでちょうどよくなる。香辛料は都合12種類。どれも強く利かせてはおらず、辛くない。
このバーガーはとにかくこのチリの旨さに尽きる。野菜の持つエキスが十分出切った深い旨味。ベッタリした甘さでない自然な甘味。食後ヘンな味が口に残らない。
チリの下のオニオンも程好くグリルされており、これもイイ。バンズはグラハム。存在感のあるバンズでよい。秀作。に対してパティは一種独特。パティだけ別の味・別の世界を醸しているようで、チリとの間に何やら「継ぎ目」がはっきり見えるように感じた。サイズ113g。ターナー(こて)でギューッと潰し、上から蓋をして丁寧に蒸らし焼く。
ともあれチリの心地よい旨味でとにかく食の進む一品。ヒール(下バンズ)に塗ったマスタードがキューッと酸味で締めている。
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ダッチオーブンを使った自然な調理と味付けがとにかく素晴らしいです――と私が言うと、「千駄木『RAINBOW KITCHEN』のオーナー坂口"琴美ちゃん"の作るバーガーが好き。ああいうのが作りたい」と意外な告白を福永さんから受けた。さて、"琴美ちゃん"にこれを伝えるべきか……。
→ # PANTRY COYOTE [千葉・千葉中央] の″オールインワン″サルサバーガー
# 235 PANTRY COYOTE [千葉・千葉中央]
― shop data ―
所在地: 千葉県千葉市中央区中央3-11-11 ニュー豊田ビル1F
京成電鉄 千葉中央駅歩7分 地図
URL: https://www.facebook.com/Pantrycoyote
TEL: 043-225-8677
オープン: 2009年8月1日
営業時間: 11:30〜22:30
定休日: 水曜日・第3火曜日(要確認)