「おせちもいいけどカレーもね！」というTVCMが流行ったのは、実は1976年のことだそうだ。38年前！ 今やすっかり世に浸透・定着したこの伝説的名コピー、調べればなるほど、かの「キャンディーズ」が出演していたCMだったのである。どおりでこの影響力。しかも単なるセリフでなく、キャンディーズ自らが歌うCMソングの一節だったのだ。おかげで「おせちもいいけどバーガーもね！」みたいなことをいまだに言うワケである。
さて年が明けて正月某日。いつもの東京・高円寺FATZ'S(ファッツ)へ――。まさに「おせちもいいけど」なノリで、正月ともなると、同じハンバーガーにせよこういうものを頼みたくなる……というのがTHE WA(ザ・ワ)￥1,200。ファッツ流「和」のハンバーガーは、王道、テリヤキソースのバーガーである。
パティの上下2ヶ所にテリヤキソースが入っている。だがテリヤキだけが独り目立つ感じでも無い。もっと目立つものが他にいくつも入っているのだ。例えば長ねぎ――焼き鳥の「ねぎま」のイメージでこれを作ったとジョンさん。
さらに椎茸が乗っている。しかもただの椎茸では無い。笠の中にマヨネーズを乗せ、上から醤油を垂らし、七味唐辛子を振ったものを炙っている。ジョンさんの家の「つまみ」メニューであるらしい。
パティの下にはフライドエッグ。これも和風に「目玉焼き」で、しかも黄身の加減を指定できる(但したまに失敗あり)。折角なので「とろっ」と流れ出すぐらいにしてもらった。あとはいつも通り、国産牛120gパティにトマト、レタス、レッドオニオン、粒マスタード、オーツ麦の乗る茶色いバンズ……と、確かにいつも通りの食材なのだが、何となくこれまで食べたファッツのバーガーとは積んだ雰囲気が違う。
レッドオニオンがこの時期すごく辛くて、またヒールに塗った粒マスタードの辛味もスースー利いてよく目立つ。醤油も七味も感じられて「和」のテイストが確かによく利いている。ところがそこへ、ビーフパティがいつも通り「ザラッ」としたドライな挽肉の感じをさせてくるから面白い。その「ザラッ」に「とろっ」と目玉焼きの黄身が絡んでくる。「いつものファッツ」と「"和"なファッツ」とが混ざり合って、今まで食べたことの無い「ファッツ」を感じた。
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それでも、「中で最も目立っているのは何か」「最も幅を利かせているのは何か」と言うと、やはり「肉」なのである。その点絶対にブレない。椎茸が乗ろうが、目玉焼きを敷こうが、新年だろうが、「肉」は「肉の味」であり続ける……それがファッツのハンバーガーなのだ。
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# 279 FATZ'S [高円寺]
― shop data ―
所在地: 東京都杉並区高円寺北3-21-19 ライオンズプラザ高円寺E号
JR高円寺駅歩3分 地図
TEL: 03-6762-3939
URL: http://fatzs.lolipop.jp/top.html
オープン: 2011年4月29日
* 営業時間 *
火〜土: 12:00〜15:00, 18:00〜22:00
日曜日: 12:00〜18:00
定休日: 月曜日・第3火曜日(要確認)
