2013年12月17日

# ROTI ROPPONGI [六本木] のケイジャン ソード フィッシュバーガー




 東京・六本木のROTI ROPPONGI(ロティ六本木)を訪ねたのも実はこれが初めてである。ついに入った。やっと入れた。長かった――。

 店についての詳しい話はあらためてすることにして、この日のお目当てはやはりシーフード系のバーガー/サンド先日姉妹店の「VASHON」で、「ロティの『フィッシュバーガー』は"Swordfish"」だと聞いて興味を持った、そのケイジャン ソード フィッシュバーガー¥1,200を。


 ソードフィッシュとは「メカジキ」のこと。先日の「Brooklyn Parlor」もメカジキだった。ところが面白いもので、店が変わり作り手が変わると「こうも違うのか」というぐらい、その調理の仕方が大きく違ってくる。


 数センチ厚に分厚く切ったブルックリンパーラーのメカジキに対し、ロティではバンズの直径いっぱいに薄く切り広げている。量は100g。産は太平洋。ケイジャンスパイスをまぶした上で、それをもうグリッグリに、「これでもか」とばかりに焦がしまくっている。メニューに"Cajun blackened"とあるのはまさに黒くする、「香辛料をまぶして外側を強火で焼く」という意味だ。フライパンで焼いているという。

 外は強烈なコゲ味。中は「ふぁっ」と、まるで空気で膨らませたかのようなやわらかさで、メカジキとは思えない食感で驚いた。スパイス諸共に真っ黒焦げに焼けているので、苦味の中に辛味や芳香が入り混じっている。特によく利いているスッと抜けるような香りはパプリカか。

 辛くて苦くて、しかもその苦味の上に、グリルして一層甘さが増したパイナップルを乗せてくるところがさらに凄い。「甘いものは甘く、辛いものは辛く」というのが総料理長イアン・トーザー氏の方針という。


 これらを挟むバンズはブリオッシュ。「ふわっと」と言うより「シャーッ」と溶けて無くなるような口どけに優れた独特なバンズで、口に残らないおいしさ。具材の汁気で少しふやけるが、困る程では無い。

 野菜はサニーレタスにレッドオニオン、トマト、縦に割ったピクルス、そしてイタリアンパセリ。魚だけで食べるより、これら野菜を挟んだ方がおいしく、味わいがより豊かになる。そしてこれらの野菜が乗っても、焦げたケイジャンスパイスやソードフィッシュの味が薄まることはない。パイナップルの上のタルタルソースは真っ黒けの魚の焼き加減とは一転、上品でなめらか。

 苦くて辛くて甘くて――まるで極端な方向の味をひと所に同居させた、エッジの立ちまくった一品。味ばかりでなく、荒く大胆な焼き方と細やかなテクニックとが背中合わせに同居してもいる。インパクト絶大。ハマるとこればかり食べたくなるような強烈な引きを残す。

§ §

 こうして見るとシーフードを使ったメニューは面白い。御題を「ハンバーガー」に限ると、牛挽肉のパティを「グリル」するよりほか手は無くなるワケだが、シーフードは広く「サンドイッチ」なので、調理法にさまざまな広がりが出て来るワケだ。グリルひとつ取っても、また身の切り方ひとつ取っても、いろいろな調理の仕方が楽しめる。

 フライにしてもよい。ボイルしてもよい。つまり「ハンバーガー」より「サンドイッチ」の方が、より幅の広い大きな受け皿であると考えることができるだろう。ある意味「楽しみ方が違う」とも解釈できる。



# 300 VASHON/Seattle's Best Coffee Shiba-Koen [芝公園]
# 309 ROTI ROPPONGI [六本木]

― shop data ―
所在地: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
     東京メトロ日比谷線 六本木駅1b出口より歩1分 地図
TEL: 03-5785-3671
URL: http://www.roti.jp/
オープン: 2001年1月26日
* 営業時間 *
ランチ(月〜金): 11:30〜17:00
ディナー: 18:00〜23:00(LO22:00, 金曜LO22:30)
ブランチ(土日祝): 11:30〜17:00
バー: 17:00〜23:00(LO22:30, 金・土LO25:00)
定休日: なし(要確認)

2013.12.17 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:00 | TrackBack(0) | シーフードバーガープロジェクト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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