探してみるとなかなか少ないものなのである。「シーフードレストラン」で、かつ「シーフードを挟んだサンドイッチがメニューにある店」というのは。
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シーフード系のバーガー/サンドの特集――2番手は東京・後楽園、Bubba Gump Shrimp Co.(ババ・ガンプ・シュリンプ)。ご存知『フォレスト・ガンプ/一期一会』をテーマにしたシーフードレストラン。夏に「ディキシー フィッシュサンドイッチ」を食べて、今回はこの店の主役中の主役たる"シュリンプ"を挟んだサンドイッチ、シュリンプ ポー ボーイ(Shrimp Po' Boy)¥1,390。
"Po' boy"とは何かという話になってくる。Wikipediaには"traditional submarine sandwich from Louisiana"とある。一説にはフランス語の"pourboire"が転じて"po' boy"になったともある。このシュリンプ ポー ボーイは、ポップコーンシュリンプをバケットにサンドしたもの。
目の前に置かれた時、「これだけのものが挟めるのか」「こぼれないのか」「食べ難くないのか」と痛く心配したものだが、しかしいざ挟んでみるとこれが優秀で、そのような崩壊は起きない。
何が優秀かと言うと、「パンが」である――。
強く焼き込んである硬めなバケットなのだが、クラスト(表皮)がパリパリと割れて砕けるような硬さでは無く、またWikipediaにあるような中は"fluffy(ふわふわ)"なことも無くて、かなり弾きの強い、「ミシミシ」とした、ある種「ウェット」な食感で、挟む中身を上下よりしっかり・ぴったりと押さえ込んで、食べやすく出来ている。ベトナムの「バインミー」に近いか。
野菜はレッドオニオン、トマト、レタス。そこに"Best Foods"のもののような「ぷりん」としたマヨネーズが加わり、野菜は野菜で「野菜サンド」としてひとつ味が出来上がっている。
そこへこのサンドイッチの主役、ポップコーンシュリンプ。
衣は襞(ひだ)のように皺になって寄ったり、重なったりしている。その上からパン粉などさらにまぶして揚げた感じはない。衣自体にシーズニングやガーリックのような強烈な味は付いておらず、比較的あっさりと食べられる。その「ぱくぱく食べられる」ことこそが主眼だろう。身は「ぷりぷり」とまではゆかないが、終始その味が感じられる。産地は聞かなかったが、タイやベトナム辺りか。
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その「ミシッ」とした食べ口に何より興味を持った。「バリバリ」とも「シャリシャリ」ともしない。しかし食べやすい。多分このバケットだけで食べると、大しておいしくないのだろうと思う。だがこうして間に具を挟むと、様になる。粉の香りとこの独特の食感と――「サンドイッチにフランスパン」というのはやはりひとつ、おいしさの定型だ。
→ 【シーフードバーガープロジェクト】 Bubba Gump Shrimp Co. [後楽園] のディキシー フィッシュサンドイッチ
# 104 Bubba Gump Shrimp Co. [後楽園]
― shop data ―
所在地: 東京都文京区春日1-1-1 ラクーア1F
東京メトロ後楽園駅歩3分 地図
TEL: 03-3868-7041
URL: http://www.bubbagump.jp/
営業時間: 11:00〜23:00(LO22:00)
定休日: 無休(※要確認)