2013年11月27日

# 304 Antenna America [横浜・関内]



 今日ご紹介するのはハンバーガーショップでもなければダイナーでもない、アンテナショップ……「地方自治体が東京・大阪などの繁華街で地元の特産品などを販売する店」である。では一体どこの特産品なのかと言うと、「アメリカ」。アメリカのアンテナショップ――だからAntenna America(アンテナアメリカ)。これまた何ともスケールが大きい。

 経営はあの「ナガノトレーディング」――これは愛好家なら反応せずにはおれない名前だろう。現在全米26のブルワリーよりクラフトビールを直輸入するインポーターにして、クラフトビール業界の醸造家が集まる「ブルワーズ協会(Brewers Association)」のアメリカ輸出プログラムにおける唯一の日本会員企業である。


●アンテナショップ

 場所は横浜・関内(かんない)。イセザキモールから桜木町へ向かう途中の吉田町にある古いビルの5階。

 この5階のフロアはナガノトレーディングのショールームでもあり、週の前半は主に商談スペースとして使われている。ショップとしての営業は12月から週5日に、来年1月からは定休日無しへと拡大予定。






 この店を構えるまで自前の売り場が無いことで苦労した。「オタクの商品どこで選べるの?」と訊かれるたびに都内の有名酒店を案内していた。同じ悩みの輸入業者は多いだろうから、そうした人たちも活用できる場になれば――と創業者バルマスさんの奥さんにして社長の大平さん。


 入ると向いの壁一面が全て冷蔵ケースになっている。扉の数で言うと9枚。中にボトルと缶が50〜70銘柄。その他の酒類やブルワリーが作った調味料、グラス、タンブラー、Tシャツ等々、全てメーカー工場直輸入品を販売している。

 レストランでもなく酒屋でもない、輸入業者だからできるプロモートを面白おかしくやってゆきたいと大平社長。


●全米に3,500社以上

 創業者Andrew M. Balmuth(アンドリューM. バルマス)さんは最初日本のものを米国に「輸出しよう」と考えていたが、「米国の本当の味が日本に無い」ことに気付き、米国から日本への「輸入」を志すようになって、その途上出逢った大平さんと二人で事業を始めた。


 社名の「ナガノ」はバルマスさんが以前長野県に住んでいだことと、2000年に開催された長野オリンピックの影響で、当時米国内で"NAGANO"の通りが良かったことから。2004年にNY州で会社設立。東京・銀座に日本支社を開き、移転の末、この吉田町に至る。

 ここで米国のクラフトビール事情について少々――。

 伝統ある欧州のビール造りに対し、米国はまさに"今"がクラフトビールの一大活況期。30年前には90社ほどしかなかった醸造所は今では登録済2,500社、未登録も含めると3,500社以上あると言われ、毎年数百社単位で増え続けている。日本に入ってきているのはそのうちのごく一部。未だ知られざる優れたクラフトビールが無数にあるワケだ。


●適温3〜5℃

 だからと言って闇雲に「ただ持って来ればよい」という話では無い。届けたいのは現地で飲めるおいしさ"そのまま"。長距離輸送のために味が落ちては意味が無い。


 輸入を始めた当時、ビールの輸送は常温が普通で冷蔵は無かったため、商品をダメにしたことがある。その経験から、徹底した温度管理の重要性をバルマス夫妻は強く意識した。「樽から出た瞬間からビールの劣化は始まる。メーカーではないのでおいしいビールをよりおいしくすることはできないが、劣化のスピードを遅らせることならできる」と大平さん。

 そこで工場出荷後、「米国内のトラック輸送」→「船便待ちの港の倉庫」→「輸送中のコンテナ」→「日本国内の保管倉庫」さらに「取扱店の売り場」まで、ビールに適した3〜5℃帯での冷蔵を徹底管理。


 例えばワインの保管温度は18℃程度なので、ワインと同条件で輸送や保管をしたのではビールは劣化する。そこでビール専用の冷蔵コンテナを用意し、さらに海上輸送中の温度上昇への対策として船内の積み場所までを指定。だのに日本国内の配送がドライ(常温)では意味が無い。温度変化はビールにとって最大のストレスだ。だから配送も冷蔵。売り場においても冷蔵で販売するよう、これを商品取扱いの条件とした。

 こうして工場から売り場まで、長大なコールドチェーンシステムを数年掛けて造り上げた。費用は掛かる。それでも品質第一、製造者の思いも消費者の期待もどちらも裏切らない「誠実なビジネスがしたい」のだとバルマスさんと大平さん。


●9種類のソース

 そんな"徹底"冷蔵管理の高品質な瓶・缶ビールが50品以上、"樽生"が常時6〜7品――これら全て店内で飲むことができる。


 対するフードメニューはハンバーガー、バッファローウィング、ホットドッグの大きく3品。他にミックスナッツ、チーズプレートなど。主要3品は全て料理大好きなバルマスさんの監修。サンディエゴ"STONE BREWING"が製造するソース、マスタードを9種類から選んでかけることができる。つまり1品のバーガーに対して9通りの味が試せる仕組みだ。

 「ビアドッグ」¥450はソーセージをクラフトビールでボイルする贅沢品。さらに今秋より「フィッシュタコス」¥750を始めた。サンディエゴ"CORONADO BREWING"経営のレストランで出しているものと同じレシピで魚はマヒマヒ。

 スーパー"オイシイ"バーガー¥650。ソースは"SMOKED PORTER"のBBQソースを選択。原材料は全て米国産。バンズも野菜も乗せるトレイも、全てがMade in USA。


 USビーフ100%・100gパティは細かな挽きだがドライ。上から落着いた甘さのBBQソース。オニオンはグリルド。バンズはいかにも米国製らしい軽い生地・軽い食べ口。チーズはハバーティ。これも米国ではポピュラーなチーズだ。邪魔にならないふんわりやわらかな味わいが好い。

 "simple"、"not fancy"。何ら特別なものでなく、「普通の火曜日に食べる」バーガー。家のバーベキューで出てくるのはこんな感じとバルマスさん。付け合わせのワッフルポテトがバーガーを上回る大量。ピクルスも丸1本付いてきて、コレ一皿で十分満腹になる。

§ §

●バッファローウィング
 フード最大の目玉は「バッファローウィング」4pc ¥600〜。発祥地・バッファローがバルマスさんの故郷シラキュースのすぐ近くであるため、本場の味を自負している。店でも家庭でもどんどん作って流行って欲しいとレシピを公開。何十種類もの産地・部位を試した末、国産の鶏肉を使用。"STONE"製のホットソース/BBQソースを選ぶことができる。

 徹底した品質管理を信条とするインポーターが始めた、アンテナショップのハンバーガー。そしてクラフトビール。そのひんやり冷たい飲み口の陰に熱い思いがあることを胸に、遥かアメリカの味を愉しみたい。




# Antenna America [横浜・関内] のスーパーオイシイバーガー with CHIPOTLE
# Antenna America [横浜・関内] のスーパーオイシイバーガー with PALE ALE CHIPOTLE MUSTARD
# Antenna America [横浜・関内] のスーパーオイシイバーガー with LEVITATION BBQ
# Antenna America [横浜・関内] のAlaskan Salmon Sandwich
# Antenna America [横浜・関内] のスーパーオイシイバーガー with Cali-Dijon Mustard


― shop data ―
所在地: 神奈川県横浜市中区吉田町5-4 第六吉田ビル5F
    JR・横浜市営地下鉄 関内駅歩4分 地図
TEL: 045-315-5228
URL: http://www.antenna-america.com/
オープン: 2013年2月14日
* 営業時間 *
水〜金: 15:00〜23:00(フード22:00LO)
土曜日: 11:00〜23:00(フード22:00LO)
日・祝日の月曜: 11:00〜22:00(フード21:00LO)
定休日: 月・火曜(月曜祝日の場合営業、要確認) ※2014年1月より無休に

2013.11.28 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 横浜編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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