【二ッ目！】マクドナルドの月見バーガー（再食）: ハンバーガーストリート　（ブログ版）

2013年09月06日

【二ッ目！】マクドナルドの月見バーガー（再食）

　8月の20日とか21日とか、お盆が開けてまだ何日と経っていないうちから「秋○○」なる紅葉をあしらった限定ビールが一斉発売されるのは、さすがにどうかと思っている。

　暑い盛りに紅葉など見せられてもピンと来ない。紅葉(こうよう)の季節はまだずっと先である。「日中はまだまだ残暑が厳しいですが、夜はようやく秋めいて来ましたね」ということなら、「すすき」「虫の音」「お月様」の方が涼しげでもあり、よほど季節に合っているではないか……ということに気付いた私、今年は一転、マクドナルドの月見バーガー￥360を推してみることにした次第。

　4年前、2009年の記事に「初めて食べた」旨を書いている(本当にそうなのか、私自身にも真偽は不明)。もしそれが本当なら「人生二度目の」月見バーガーということになる。と言うくらい、私はこのバーガーについて詳しくないので、以下少し調べてみた――。

　調べたと言ってもちょっとニュースリリースを見た程度である。過去7年の月見バーガーの販売期間と商品はこのようになっている。

2007年
　期間：9月7日(金)～10月4日(木)
　商品：月見バーガー／チーズ月見バーガー
2008年
　期間：9月1日(月)～10月2日(木)
　商品：月見バーガー／チーズ月見バーガー／ダブル月見バーガー
2009年
　期間：9月4日(金)～9月24日(木)
　商品：月見バーガー／チーズ月見バーガー
2010年
　期間：8月27日(金)～9月中旬(予定)
　商品：月見バーガー／チーズ月見／大月見バーガー
2011年
　期間：9月9日(金)～9月29日(木)
　商品：月見バーガー／チーズ月見／大月見バーガー
2012年
　期間：9月18日(火)～10月下旬(予定)
　商品：月見バーガー／チーズ月見／大月見バーガー
2013年
　期間：8月23日(金)～9月下旬(予定)
　商品：月見バーガー／チーズ月見／大月見バーガー／チキンチーズ月見

これ以前のことは不明。月見バーガー自体は1991年から。上記7年を見た限りでは「大月見(だいつきみ)バーガー」が登場したのは2010年。今年は「チキンチーズ月見」が初登場した。

　その由来ないし発想は「生卵を落としたかけそば。卵黄を満月に見立てていう(「デジタル大辞泉」)」すなわち「月見そば」辺りから来ているのだろう。もちろんその手前に「月見」という行事・風習があるのは言うまでもない。

　かけそばの上に卵を割って「月見そば」。同じ理屈で、ハンバーガーにフライドエッグを挟んで「月見バーガー」――ここで重要なのは、卵黄を満月に見立ててという、その「見立てて」の部分である。

　つまり、単に卵が上に乗っているだけでなく、それが満月のように見えねばならないというのが本来の趣旨なワケだが、しかしハンバーガーの場合、あらゆる材料はバンズの間に挟まれ、隠れてしまうため、どうしたって月は見えない。「無月」である。

　黄身を端に寄せるなどの工夫をしたとて、月見そばの明快さと比べえてしまえば、それこそ月とすっぽん、残念ながら焼け石に水程度の努力でしかない。これは構造上の問題だからどうにも仕方がない。

　過去一度しか食べたことがないというのには、その辺りのビジュアルの弱さも関係している。四季折々の情趣を表現することに優れた感性を持つ本邦の「和菓子」のように、何でもよいから何かもうひと声、工夫と言うか視覚的な「あそび」があってもよいのではないかと私は思う。折角「見立て」ることから始まっている商品なのだから。

　では中身はどうか。リリースにはこうある。つまり実質的には「ベーコンエッグバーガー」だ。

　オーロラソースは視覚的にも見え難い部分の工夫だが、なるほど黄身の黄色を助けているように見えなくもない。卵についてはトレイマットに「国内の指定鶏卵農場」で管理されたとある。

　エッグの特に白身は、味を「奪う」部類に属する材料だと私は思っている。無味であるだけでなく、他の材料の味を隠してしまうようなところがある。だから「ジューシーな100％ビーフ」とは言え、45gのレギュラーパティに対し、見るも立派なこのエッグの分量ではパティの方が当たり負けしてしまう。居るんだか居ないんだかよく判らない状態。薄いのにミョウな弾力のあるベーコンは正直苦手。

　エッグを中心に一貫して淡白な、淡い、淡～い方向に統一されたベーコンエッグバーガー。出来ればオニオンとピクルスは外さないで欲しかった。価格的な問題か。入っていればもっとキリッとメリハリが付いたろう。ベーコンエッグバーガーとしての完成度は上がったことと思う。