アラスカシーフードマーケンティング協会主宰「フィッシュバーガープロジェクト」に端を発して、この日は神戸屋レストランへ。と言うのは、巷のパン屋・ベーカリーの多くが、白身魚のフライをパンに挟んだものを単に「フィッシュサンド」などと呼んでいる中、神戸屋はめずらしく魚の種類を付けて真鱈のフィッシュフライサンドイッチ¥504として売っていたからである。
神戸屋レストランは首都圏に28店。阪神・名古屋に14店。実はその全ての店舗が同じ店名では無く、業態やコンセプト、提供内容等により、さらにいくつかの種類に分けられることを今回私は初めて知った。首都圏で言うと「キッチン」17店、「ベーカリーレストラン」5店、「ダイニング」1店、「アーバンダイニング」1店、「レザンジュ」1店、「フォニール」1店、「Stazzo(スタッツォ)」1店。阪神・名古屋には「その他」という分類の店が2店ある。
以前に訪ねたのは成城店だが、今回は東急田園都市線・たまプラーザにある神戸屋「レザンジュ」へ。どうして「レザンジュ」と言うかについては以下の説明をご覧いただきたく。
Webのメニューに「真鱈のフィッシュフライサンドイッチ」を載せていたのが、たまプラーザの「レザンジュ」と成城の「フォニール」の2店だけだったため、そこでしか食べられないものと思い足を運んだのだが、実際には他の店でも売っていた。
残念ながら頼んだその場で調理してくれるワケではなく、店内で食事する場合は、売り場の商品を買い求めてさらにドリンクを注文する式。
真鱈の産地は未確認。パンはバイツェンブロートを使っているが、タダのバイツェンブロートでは無く、後ろに店名が付く「バイツェンブロート レザンジュ」。小麦ふすま入り。
トーストはしていない。説明には「耳がしっとりとしてサンドイッチに良く合うパン」とあるが、買って帰ったものを家で軽くトーストして食べたところ、特に耳が「カリッ」と焼き上がって、はるかに好みだった。クラストのみならずクラム(生地)も「シャリッ」と軽快。断然焼いた方がおいしい。
常に「ほぁっ」とした生地の甘味が効果的に利いていて、さすがパン屋が作った「パンが主役の」サンドイッチという造り。但し挟んでいるフライに対して少しパンが大きいように思う。その分量の塩梅をして「上品」と呼べなくもないが、フライに到達するまでの「パンだけを食べている」時間が何とももどかしく感じられる。
このサンド、スライス2枚を使っているように見えるが、実は極厚の1枚に切り込みを入れてその間に具材を挟んでいる。謂わば財布のガマグチ状態。切り込みを入れていない奥の一辺は繋がっており、パンが繋がっている以上はそこにフライが挟まる余地は無いワケである。だからサンドイッチ全体に対して中の具材が均一・均等に行き渡るという造りではそもそも無い。
フライはややニオイがあるが、食べている途中は気にならず。衣は硬め。適度にやわらかく潤いを持った白身に、あとはレタス。そして良き補佐役のタルタルソース。過度な味無く、やさしい味で統一されている。例えるなら中間色。パステルカラー。
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バイツェンブロートに挟んだサンドイッチは他に唐揚げ、エビカツ、コロッケと全部で4品あった。帰り際もう一度売り場を見てみると、どうもコロッケと唐揚げが売れ筋のようである。「黒毛和牛たっぷりコロッケサンドイッチ」も食べてみたが、やはり中身よりパンの締めるウェイトの方が高いサンドイッチであるように思った。ドラマーがリーダーアルバムを作ると、必然ドラムの音が大きくなるのと同じ理屈だろう。
2013.7.3 Y.M