2013年06月13日

【二ッ目!】 THE BEAT DINER [日比谷] の〆のバーガー(ワルワルハンバーガーナイト限定)




 先日予告したイベントがこの日東京・日比谷THE BEAT DINER(ザ・ビートダイナー)で行われた。その名も「久し振りのワルワルハンバーガーナイト」――この世のあらゆる小悪・巨悪が群れ集う、危なくもおぞましき悪の饗宴である。人畜有害。

 その会のことはさておき、と言うか、いっそもう忘れていただきたい。「世の中上には上がいる、下には下がいる」というのが感想とだけ述べておこう。ともあれこのいとも乱痴気な宴会のため、私とビートダイナーはメニューには無い、この夜・この会だけのための特別なハンバーガーを用意した。名前は決めなかったので〆のバーガーと今はしておく。



 スペシャルバーガー・限定バーガーなどと言うと、ついつい「アレを挟みコレを乗せて……」としがちであり、そういうアレやコレや挟み込んだもの"こそ"スペシャルバーガーと思いがちだが、それは全くもって方角違い。少なくとも私の趣旨には一切合わない。


 この夜の参加者は30余名。1人1個、合計30数個を焼くのにトータル1時間を要する。

 最低でも1時間かかるところを、さらにアレも乗せコレも挟み……などと手間の掛かることをしていたら余計に時間がかかる上、材料が増えるほどに仕込みの手間も増えてゆく。余計な手間暇はなるべく掛けずに手早く・素早く作れるバーガーというのは、まずもっての大前提である。

 今回「TPO(ティーピーオー)」がかなりはっきりしている。要は「飲みの場の〆のバーガー」なのである。この夜の集まりはつまりは飲み会。「食べ」よりも「飲み」が主体。しかも相当飲む。サンザン呑んで、ある程度食べ物もつまんで出来上がったところにバーガーは登場する。

 だから「それ1個で満腹にさせよう」というハンバーガーである必要は無い。むしろ酒のツマミ、「スナック」であるべき。しかも客はイイ感じに酔っ払っている――となると多少強め・きつめの味付けで丁度好い。ボリューム不要。小さくともガツッ! と突き刺さるバーガー。一頻り出来上がった酔っ払いがひと口かじり付いて「旨いっ!」と一瞬正気を取り戻すくらいのインパクトあるバーガー……というのが目指すところ。要は「酒飲みのバーガー」である。


 ということで「パンと肉だけ」に近い、極力シンプルな構成にした。

 ←は試作1回目。トマト無し、そして結局レタスもやめにして「肉」感を強調。ビートダイナーでは通常オニオンは「グリル」しているが、今回は「生」を使用。しかし店にある生オニオンはサラダに使うような薄いスライスのみで、試してみたが、どうも欲しいパンチに欠ける。そこで当日用に輪切りのオニオンを用意してもらった。特別な仕込みを要さず、なるべく普段店にあるものだけで作ることを目指していたが、やむを得ない。

 バンズは東新宿「峰屋」の酒種天然酵母バンズ。その強めな甘味を基準に、全ての味を決めていった。

 ヒール(下バンズ)の上に薄くマヨネーズ。マスタードも塗ってみたが合わず、やめた。パティはオージービーフ100%。16mmの超粗挽き肉と細挽き肉を程好くブレンドしたパティで、これこそがビートダイナーの「売り」である。サイズ120g。80gパティもあるのだが、田口店長が譲らなかった。気持ち好くとろけたチーズは真っ黄色のレッドチェダーで無く、モントレージャック。これは地味にかなりイイ味を出すチーズである。酒飲み向き。コショウはがっつり強めに。これも酒飲みの味。

 初めの試作の段階で田口店長から「食感が足りない」という意見が出た。何で補うか……と考えてベーコンにした。ビートダイナーのベーコンは幸い普段からガリガリに焼き込んだクリスピーなベーコンなので、そこに目を着けた次第。


 但しベロンと1枚挟むのでは無く、断片ないし切れ端大のものをベーコンビッツを作るような要領で事前に仕込んでおいてもらった。だからこれも「特別な仕込み」である。

 ソースは和風しょうゆ。これは田口店長の提案。ベッカーズの粗挽き200Gバーガーに使っていたソースである。

 実はこのところずっと体調が悪くて、当日の試食はさっぱり味が判らなかったのだが、それこそ「勘」で、バンズの内側だけでなく"てっぺん"ももっとよく焼くことと、オニオンの量を減らす調整を依頼。ソフトドリンクしか飲んでいない人にはあるいは強過ぎる味だったかも知れないが、酒飲みの口にはジャストミートなハンバーガーに仕上がっていた筈である。

 こういうものは中途半端に作っても意味が無い。針の穴に糸を通すような繊細さよりも「白は白、黒は黒」というわかりやすさ・明快さが大切。そのためには機能上必要なものしか挟まない。必要の無いものは排除する。パティの特性・バンズの特性を第一に考えて組み立てていった結果ながら、偶然か必然か、本家ベッカーズの粗挽きシリーズに何となく近い路線になった――コレとかコレとか。

§ §

 パーティー開始1時間前の18時半、準備に忙しいであろうビートダイナーを恐る恐る覗いてみて驚いた……このワルワル会の面々、通常営業ならハッピーアワーの時間(17〜19時)であるのをよいことに、何と"キャッシュオン"で酒盛りを始めていたのである。所謂ゼロ次会。準備に追われるスタッフを捕まえてである。この後「3時間」の飲み放題が待っているにも関わらずである……世の中上には上がいる、下には下がいる。

 この夜、ビートダイナーは「巣窟」と化した。




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【最新情報】 本日6月24日、日比谷に「THE BEAT DINER」がオープンしました

― shop data ―
所在地: 東京都千代田区有楽町2-1-13
     JR有楽町駅 日比谷口より徒歩3分、
     東京メトロ日比谷線 日比谷駅A1・A4出口歩1分ほか 地図
TEL: 03-3580-7510
URL: http://www.jefb.co.jp/
オープン: 2009年6月24日
* 営業時間 *
平日、土曜: 11:00〜23:00(LO22:30)
金曜: 11:00〜26:00
日祝: 11:00〜22:00(LO21:30)
定休日: なし(要確認)

2013.6.13 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:53 | TrackBack(0) | 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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