『GARAGE...』にも書いたように、店主穂積夫妻が暮らしていたNY州ロチェスターの街を中心とする、米国北東部の「地元に根差した気軽に食べに行けるレストラン」の味の再現を目指した店である。『GARAGE...』に載せ切れなかった話をまだまだ色々と聴いているので、許す限り披露したい。
下↓の写真は仕込み途中のベビーバックリブ¥1280〜。家庭ではあまり作らないメニューとのこと。ローストターキーは家でも作る。
穂積夫人によればアチラは、現在の日本以上に料理「する人」と「しない人」とがはっきりと分かれているとのこと。しない家庭はまず包丁が切れない。料理する態勢じゃない。但し概ねパーティーは好きで、10人20人と人を呼ぶのは当たり前。集まる機会も多い。そういうための料理は張り切ってする。毎日の食事は日本の方がレベルが上。でも人を招いて手料理を振舞うことは少ない。そもそも人を呼べる態勢じゃない――。
穂積さんはロチェスターの街の2軒のレストランで働いた。2軒目の店はメニューにハンバーガーがあったが、穂積さんの担当はピザやサラダ、デザートで、店でハンバーガーを作ることは無かった。どちらの店かは判らぬが、まかないで毎日バッファローウィングを食べていた。発祥の地バッファローは隣町なので「味は間違いないと思う」。
開店以来ブロック肉を自分でバラしてミンチにしている、キャッスルロックのハンバーガー。最近また少し使う部位などを見直して「飽きない感じにした」。
USビーフ100%、125g。牛脂を入れていない。つまり肉に含まれる脂のみ。それもあってゴツゴツと縮み上がって形は良くない。しかし味は良い。飽きずに食べ続けられるようにするため「牛臭さ」を無くした牛肉は、なるほど特徴的なビーフのニオイは抑えられているが、肉そのものの味は丸く品良く、「ぽくっ」と香ばしくよく利いている。峰屋の天然酵母バンズの旨味が包み込むと、一瞬ハンバーガーで無い、何か別なものを食べているような錯覚に陥る。
ゴツゴツとした表面の感じに対して、内側は赤味を残す焼き加減。ケチャップ、マスタード、そしてマヨネーズ(4種類から選択)がかかっているが、調味料などむしろ無い方がおいしく食べられる肉の旨さだ。塩は粒塩で塩味(えんみ)まろやか、コショウも敢えて振っていない点も、こうした穏やかだが確実に利く肉のおいさを味わう上では有利。
§ §
日常的に飽きずに食べられる味という点で言えば五反田のご存知「Franklin Ave.」と考え方が近い。そうした穂積さんのコンセプトを狙い通り"前向きに"感じることの出来た一品。こういうことはモノ自体に相応の質が伴っていないと、考え方ばかりではなかなか実現しないものである。良質な肉のおいしさあってこそのコンセプト成功と言えよう。
人手不足の解消により今までの制約から抜け出し、「楽しいことがやっと出来るようになってきた」と穂積さん。ロチェスターに4年、コロラド州キャッスルロックに6年。日々食べ、実際に作りもしたアメリカ料理をベースに、それに加えてシェフのアイデア・創意工夫の引き出しをもっと開け放つことで、お客様にもっと喜んでいただけるようにしてゆきたい――「おもてなしには必要なことだよね」。
「ギネス」はアチラの"ちょっとイイ"レストランには大概置いてある銘柄で(日本で言えばヱビスか)、飲むうち好きになり、それでキャッスルロックにも入れるようになったとのこと。上↑の写真はそのギネスとヱビスのハーフ&ハーフ。半年前から始めたデリバリーも好調。都内日本橋から20分の意外な好アクセス。Pあり。
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# 236 Castle Rock [千葉・南行徳]
― shop data ―
所在地: 千葉県市川市新井3-3-19
東京メトロ東西線 南行徳駅歩5分 地図
TEL: 047-356-0969
URL: http://www.castlerock-burger.com/
オープン: 2008年11月9日
* 営業時間 *
平日: 11:30〜14:00LO, 18:00〜22:30LO
土日祝: 11:30〜15:00, 18:00〜22:30LO(日曜〜21:30)
定休日: 月曜日(祝日の場合営業。要確認)
2013.5.23 Y.M