東京は港区芝公園にあるVASHON / Seattle's Best Coffee Shiba-Koen(ヴァション / シアトルズベストコーヒー芝公園)の続き。前の記事はこちら。
シアトルを中心とするパシフィックノースウェストの食文化を紹介する店であるから、牛肉がアメリカンビーフなら、魚介類はもちろんアラスカ産。
シアトルはカナダを挟んでアラスカ州とは最も近い云々……とは聞くが、それでもシアトルからアラスカ州南端のケチカン(Ketchikan)という町まで直線で750マイル、1,200km(笑)。州都ジュノー(Juneau)まで1,046マイル、1,674km(笑)。それでもアラスカ州からカナダを経てワシントン州、その南のオレゴン州辺りまでをパシフィックノースウェストと一括り……桁が違う。
そんなことからコノ店には「アラスカ産」を冠したメニューがある。ノルウェー産やチリ産はいくつか紹介してきたが、アラスカ産のサーモンはこれが初めて――アラスカ産ワイルドサーモンのソテー¥1,200。メニューブックにはアラスカシーフードマーケンティング協会のロゴマーク。
「ベニザケ」を使用。もちろん天然モノ。ワイルド=天然。アラスカ産のシーフードは全てが天然、養殖は無い。そもそも紅鮭自体、養殖モノは存在しないのではないだろうか。鮭の種類は変わることもあるそうだが「アラスカ産の天然モノ」という大前提に変わりは無い。
前のOUTBACKのサーモンは「グリル」だった。「Red Lobster」は「ムニエル」だった。今日のは「ソテー」、つまり「炒め」である。
大きな葉のような変わった形をしているが、これは背の皮を中心に扇形に身を開いているという――そんなところから、まずは先制パンチ的な面白さ。はっきりとした塩味。秘伝の特製スパイスがカリッと香ばしい。
そしてこの身のやわらかさ! この脂! 表面の硬さに対して内側はふんわりとやわらかな焼き加減で、実に脂豊かでジューシーであるのだが、しかしクドくない。重たくない。さっぱりとしているのはやはり天然モノのみの為せる業だろうか。
パサつかず、脂濃過ぎず、ふんわりと品があって、でもしっかりと塩が利いていて迫力もあるという、これこそただ「焼いた」のでなく「料理した」鮭。ようやく鼓が打てるような鮭に出合えたようだ。卵系のソースを添えず、パセリオイルとサラダでまとめた辺りもヘルシーな印象で、重くなくて好い。
§ §
ところが、付いてくるパンがとびきりのクセモノ――(笑)。
フォカッチャのような自家製パンなのだが、ハーブとチーズとガーリックをガリガリ利かせたような味をしていながら、でも甘味もあって、いずれの味に反応したにせよ、ムショ〜にワインが欲しくなる一品。ひと言……ズルい(笑)!
→ # 300 VASHON/Seattle's Best Coffee Shiba-Koen [芝公園]
― shop data ―
所在地: 東京都港区芝公園2-3-27 PR-EX 1F
都営浅草線・大江戸線 大門駅歩4分 地図
TEL: 03-6435-6633 (VASHON)
URL: http://www.vashon.jp/
オープン: 2013年4月1日
* 営業時間*
平日: 7:30〜23:00(22:00LO)
土日祝: 8:00〜23:00(22:00LO)
定休日: 無休(要確認)