【二ッ目！】 EAST VILLAGE [池袋] のチリバーガー（再食）: ハンバーガーストリート　（ブログ版）

2013年02月10日

【二ッ目！】 EAST VILLAGE [池袋] のチリバーガー（再食）

　金剛産業『GARAGE BURGERS CAFE(ガレージバーガーズカフェ)』でご紹介した東京・池袋EAST VILLAGE(イーストビレッジ)のチリバーガー￥1,365についてもっと詳しく――。

　オープン前、3泊5日の東海岸弾丸ツアーを敢行した際にワシントンD.C.で"Ben's Chili Bowl"という店の活況ぶりを目の当たりにして、米国の食文化におけるチリの重要性を知った古川さん。以来チリは大きな課題であったが、最近さらなる改良を施したという。そのきっかけがカラミティ・ジェーン・バーガーであったというから、有り難くも嬉しい話である。

　改良のポイントは「辛味を伝えること」「辛味の中にもコクを出すこと」、そして何よりまず第一に「より一層手間を掛けること」――。「おすすめは？」と聴かれたら、迷わず「チリバーガー」と答えていると店長古川さん。

　赤・白・黒、3種類の豆が入ったチリである。なのでこのチリは「チリビーンズ」と呼ぶ方がふさわしい。

　3種類はレッドキドニー、ホワイトビーンズ、ブラックビーンズ。どれもある程度やわらかく煮込まれており、食べやすい。さいの目に刻んだオニオンとトマトも入って「ゴロゴロ」「コロコロ」とした「固形」の食感に富んでいる。

　4種のチリと10数種の香辛料を混ぜて作ったオリジナルのチリスパイスを、オリジナルトマトソースと和えて煮詰める。チリだけで80g。パティが130g。バンズ110g。合わせるとこれらだけで320g……そう、チリバーガーというのはバーガーメニュー中でも一、二を争う重量級であることが、世の多くのバーガー店において"常"である。腹一杯食べたい男性にチリバーガーは特にオススメ。

　本来は、少量のチリを加えてビネガーで伸ばした「チリマヨネーズ」が仕上げに上からかかる。写真はかかる前の状態。

　なるほど、香りや辛さよりも「コク」に重点が置かれたチリビーンズで、その点で確かにカラミティ・ジェーンの「きのこチリ」のアイデアを継承していると言えるだろうか。これでさらに香りが豊かであれば、よりチリらしさが増すことだろう。

　パティも新しくなった。

　豪州牛＋国産和牛の牛脂という組み合わせは従来通りだが、豪州牛の部位を変え、挽き方を粗くした上、店で成形するようにした。

　なるほど以前より「肉粒感(にくりゅうかん)」が強くなっている。見た目にもゴツゴツとパティの"縁"が適度にひび割れていて、むしろ私はこういう方がソソられる。肉自体の味わいという点では、なにぶん食べたのがチリバーガーだっただけに、そこまで深くは察知出来なかった。付け合せのポテトは相変わらずの盛り合わせ3種。ピクルスも白・赤・緑の3種。

§　§

　こうなると難はバンズか。全体のバランスを考えると、110gというサイズは率直に多い。終盤、袋にバンズばかりが残るところから推して、10～15gは減らしてもよいだろう。甘味を帯びた生地のやわらかな食べ口は、こうした食感に富む肉やチリビーンズを挟むには正直向かないように思う。方向転換を考えてみてもよい時機かも知れない。

　今年の夏で5周年。「やっとハンバーガー屋らしくなってきた。理想のハンバーガー屋に迫って来ている」と語る古川店長。「らしく」なってきた店を次の5年で「形」にしたいと、常に5年後の先を見据えている。小さいながらも安定感抜群のハンバーガーショップだ。