2013年01月24日

# 299 ZEST PREMIUM BURGER [後楽園]




 都内で少し時間が出来たので、何とは無しにLaQua(ラクーア)へ向かってみたところがなんと、ZEST PREMIUM BURGER(ゼストプレミアムバーガー)が2013年1月31日(木)の営業をもって閉店するとの貼り紙……。記事を一度も上げないうちに店が無くなってしまうというのは、私にとってやはり大いに"不覚"である。

 実は一度食べているが、その時は記事にしなかった。「次また行ったときに」記事にしようと思い、要するに閉まるとは考えていなかったワケである。それでも辛うじてこのギリギリのタイミングで再訪出来たのは、一種の「巡り合わせ」と言うべきか。

 私はコノ店のある点に大いに注目していた。以前訪ねた理由もソレである。何かと言うと「ブラックアンガス」を使っていることである。



 アンガスは米国では有名な肉牛であり、ちょっとしたブランド牛だ。私が渡米した折にも"McDonald's"が"Angus Deluxe"なるメニューを出していたくらいアチラではポピュラーな牛肉なのだが、日本ではさほど知られておらず、扱うレストランも多くは無い。その米国旅行の途中に見かけた↓この黒牛は、ひょっとするとアンガスかも知れないと、今にして思っている。


 そのアンガスビーフをコノ店は店頭でブロック肉から切り出してミンチにしている。その作業の様子が入ってすぐ左手のガラス越しによく見える。

 野菜は「厳選された国産野菜のみを使用」、しかも全てトレーサビリティ可能。フライドポテトは生のジャガイモをカットして揚げた自家製。ソースも全て手作り、保存料等不使用――善いこと尽くめ。セールスポイントがいっぱいある。武器がいっぱいある。だのになぜ無くなってしまうのか――。

 レギュラーメニューはハンバーガー10品と"非"バーガー2品(ベジーとチキン)。パティはレギュラーサイズ75g。さらにその倍、150gの「DXパティ」を使ったメニューが6品ほどある。このデラックスにも強く惹かれたが、まずはイチからハンバーガー\380から行くことにした。

 フレッシュなブラックアンガスのブロック肉を包丁で切り出し、粗挽きにミンチしたパティは、黒光りのする"極厚"鉄板の上で焼かれる。このグリルはホールを向いている。つまり焼いている様子を見ることが出来るのだ。そういう配置になっているハンバーガー店は少ない。ジュージューと小気味好い音がよく聞こえて来る。


 運ばれて来るとやはりニオイは好い。ガッツリとコショウを振って焼いた「肉」のニオイである。だが好いのはそこまでで、肉の「味」がやはりもう一つ来ない。ブロック肉をその場で挽いてパティにしても、それでも迫って来ない。なぜだろう――。産地は十中八九、まずオーストラリアである(しかしその旨特定する説明は見つけられず)。

 アンガスの特徴は赤身である。「霜降りと赤身のバランスがとれた」とよく説明されるが、日本人が好む「サシ」「霜降り」「特上カルビ」な牛肉からすれば、やはり赤身肉なのである。アンガスを謳うということは即ち、脂が大好きな日本人に対して赤身のおいしさをアピールすることに他ならない。

 もちろん簡単なことではない。「アンガスビーフでハンバーガーを作るとやっぱり違うね」と思わせるだけの威力と説得力が示せないといけないワケだ。その部分が欠落すると、「アンガス」という言葉だけが宙ぶらりんに浮いたようになってしまって、何だかスッキリしない。鳴り物入りで入団した大物メジャーリーガーが打率.250、ホームラン13本ぐらいの活躍しかしなかったような物足りなさと一緒である。

 パティのサイズから推してバンズは50〜55g程度。日本人好みなふわりと軽めな感じで、所々に胚芽を散らしたグラハムバンズである。


 オニオンはグリルド。これが評価出来ない。肝心の肉を引き立てる役割をちっとも果たしていないのである。昨今「グリルすればそれだけでちょっとプレミアム?グルメバーガー的?」といった風潮が何だかあるが、何でもかんでもグリルすればよいというものでは全くもって無い。オニオンは味の決め手となる実に重要な食材である。生のまま挟むか焼いて挟むか、刻むかスライスか、その大きさは、厚みは……その扱いはよくよく考えねばならない。

 オニオンの下は「手作りしたオリジナルソース」だろうか。オニオンにより熱せられたためか、擂った自然薯ぐらいの硬さのペースト状になっているのだが、この味がまた頂けない。何か他の味と混ざって煮詰まったように甘辛くなっていて、「肉」をおいしく食べようという味では到底無い。どんな狙いをもってココに収まるソースなのか、その目的がよく解らない。

 ブラックアンガスという折角の武器を持ちながら、その他材料・調味料の選定や配置の段で完全に設計ミスを犯している。打ち立てたコンセプトとその先の詳細とがチグハグで一致していない。だから一つのハンバーガーとして積み重ねた時に当然まとまらないし、決まらないのだ。これではアンガスも活きない。もっともこれはハンバーガー全般にありがちな例だとも言えるのだが。

§ §

 とは言え380円である。その金額に不満は無い。ただそれでもこれだけのお膳立てがあるのだから、本当ならもっとおいしい筈である。安易にケチャップとマスタードを使っていない点は好かった。あと見た目も悪くない。

 ゼストと言えばあの恵比寿店が昨年閉店してしまった。「プレミアムバーガー」は2008年6月1日にラクーアに続き広尾店がオープンしたが、今は無い。あと栃木の那須ガーデンアウトレット内にもあるようだが、今はどうなのだろう。そう言えば東京・南町田グランベリーモールの「フードコロシアム」のハンバーガーは……と思ったら、こちらも1月14日で閉店との報。

 実はそれでもあと一度だけ、150gパティで食べてみたいと思っている。グラムが違えば火の通り加減も当然変わるので、どうかな……と気になっているのだが。


# 039 ZEST CANTINA


― shop data ―
所在地: 東京都文京区春日1-1-1 ラクーア1F
      東京メトロ丸の内線 後楽園駅歩2分 地図
TEL: 03-6661-3544
URL: http://www.zest-burger.jp/
オープン: 2007年11月7日
営業時間: 10:00〜22:00
定休日: 無休(要確認)

2013.1.24 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 帝都編◆都東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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