友人が出演する芝居を観るため、上野へ行った。終わらぬ記事書きの続きをするのも兼ねて、観劇前に御徒町(おかちまち)のベッカーズ(Becker's)に入ると、早いものでもう「冬のフェア」である。なるほど冬らしいグラタンチーズバーガー単品¥350で暖まることにした。
日比谷の「THE BEAT DINER」同様、ベッカーズはご存知ジェイアール東日本フードビジネスが経営するハンバーガーチェーンである。なので御徒町店は高架下にある。その高架"上"にふと目に留まったのが↓この二段梯子を横にしたような物体。何だろう。
今回初の試みとして、酒種で発酵させた「酒種バンズ」が使われている。従来通り各店舗で発酵・焼成した、つまり「自家製」バンズである。ロッテリアの絶品であるとか、ファーストキッチンの特撰に使っているバンズにも似た、くっしゃりと小さく縮む生地で、こういう方が日本人には受けが良いのだろうか、と思った。
パティは粗挽きでなく、「スタンダード」バーガー9品に使っている牛細挽き肉をつなぎと合わせた、つなぎ有り。60g。脂の少なさは粗挽きパティと同様。
上から、クラウン(上バンズ)、クリームソース、シュレッドチーズ、グリルドオニオン、パティ、マスタードマヨネーズ、ヒール(下バンズ)。
このバーガーの主役は何と言ってもグラタンチーズである。
伸びるチーズと一体化したクリームソースには、ドライトマトとブロッコリーが練り込まれて、いろどりも好い。淡い酸味はこのドライトマトから。
シュレッドチーズはマリボー、サムソー、ゴーダ、ステッペンの4種。順にデンマーク、デンマーク、オランダ、ドイツ原産というヨーロピアンなチョイスである。このとろけるグラタンの層を巧みに突き抜けるのが、ヒール(下バンズ)に塗ったマスタードマヨネーズ。グリルしたオニオンが歯応えと、さらには平坦なグラタンに「立体感」をもたらして、存在感絶大。バーガー全体のまとまりを明らかにプラスな方向に導いている。この辺り、ベッカーズらしい。
§ §
一つの料理をパンの間に挟んだ――という感覚の食べ物である。その一品料理の「皿」の役割を果たすのがバンズであり、パティもまた、その器の一部と化していると言ってよいかも知れない。
つまりこのバーガーの主役はパティであるとは必ずしも言えないのだが、それでも「ひと皿の料理が手のひらサイズに収まった」食べ物、ないしは「片手で食べられるメインディッシュ」として実によくまとまった、出来映えの良い食べ物であるという風に私は思った。
それでも「グラタンサンド」と明らかに違うのは、もちろんパティ1枚の存在が効いているからである。
パティとグラタン、どちらが主演でどちらが助演か、その役割の上下の考え方・観念はそれぞれあるにせよ、演劇というもの自体そもそも「競演」の世界であるので、上下を細かく定めずに「共に競い合う」という関係があってもよいのかな……などと思いながら、御徒町ベッカーズを後にして、友人が出る劇場へと向かった。
この夜の友人の役どころは主役だった。
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# 009 ベッカーズ(初期の拙い記事ですが)
― shop data ―
●御徒町店
所在地: 東京都台東区上野5-20-3
JR御徒町駅 南口改札右 地図
TEL: 03-5812-7215
URL: http://www.jefb.co.jp/beckers/
* 営業時間 *
平日: 7:00〜22:00
土曜: 7:00〜22:00
日祝: 8:00〜21:00
定休日: なし(要確認)