こちらも同じくカラミティ・ジェーン・バーガー以来、大阪は豊中・桃山台の名店NICK&RENEE(ニック・アンド・ネレイ)。
「#2** NICK&RENEE」というタイトルの、本編(ないし出発点)に当たる記事が未だ無い中で、モノだけを先に紹介することになるのだが、それには多少の理由(わけ)がある――期間限定販売のメニューだからである。9月の期間限定自家製トマトソースと秋なす、エリンギのバーガー・アッラ・プッタネスカ(Burger alla Puttanesuca)￥1,200。
場所の説明は近々あらためてするとして、さてこのバーガー、どうも「不定期マンスリーバーガー」であるらしい……というその言葉自体に微かな矛盾を感じるのであるが(笑)。要は「月1回更新」されてゆくメニューではなくて、発売日から「1ヶ月間販売」するメニューという意味なのだろうと理解したい。
今回は売り出したのが9月14日だそうだから、ピタリと9月の月末で終了することはまず無いだろう。10月中も販売を続けているような気がしてならない。
で、「プッタネスカ」とは何か――。
スパゲティ・アッラ・プッタネスカはナポリのパスタで「娼婦風パスタ」と訳される。和訳だけ聞くと食べ物に相応しからぬ唐突さを感じるが、日本で近い名称を考えてみると、そう変でもない。例えば「花魁(おいらん)そば」とか「女郎鍋」なんて食べ物がもしあったとしたら、特段違和感は覚えないと思う。
由来は読んでいただくとして、大まかに「アンチョビ、オリーブ、ケッパーのトマトソース」がプッタネスカである。トマトソースを使ったハンバーガーを出そうと試作に3ヶ月、作っては捨てを繰り返した――と店主林さん(※どこまでが本当の話か……)。
その苦心のトマトソースに秋なすとエリンギを加え、モッツァレラチーズを乗せた。それがこの不定期マンスリーバーガーである。
パティは黒毛和牛使用の120g。直火のグリルで強く焼いて、肉の焼き色濃い目。コゲ目がしっかりと香ばしく付いている。何もソースが乗らずに出て来ると、焼いた肉の香りが実に好いのだが、今回のこの「プッタネスカ」の場合、その芳香がソースによって消されてしまっている、ないしは封じ込められてしまっている感が強い。
強めに焼き込んだ黒毛和牛の肉とトマトソースの味わいというのは、もうひとつ反りが合っていないように思う。パスタと絡めることが前提なソースであるだけに、表面がガチッと硬くなるぐらい強く焼かれたパティでは絡まないし、滲みてもゆかない。もう少しグジュッとやわらかな肉質であれば、多少は相性も違うだろう。
それにパティはパティ単体で完成された味付けを既に持っているので、そこにソースが来ても味が過剰になるだけで、相互に混ざり合い・助け合ってさらなる旨味が生まれるということはちょっと考え難い。
言い換えれば、これくらい「ガチッ」とした味が付いたパティなら、ソースなどかけずに限りなくパティのまま食べた方がずっとおいしい。皆さんハンバーガーとは何かトッピング「しなければならない」食べ物と思っているかも知れないが、パティとバンズだけ、つまり肉とパンだけでおいしく食べられるのなら、それ以上のハンバーガーは無いのである。
トッピングはまぁお遊び。なるべくシンプルにストレートに食べてこそ究極のハンバーガー・至上のハンバーガーと考えるべきである。その「お遊び」に乗っかって遊ぶという遊び方ももちろん「あり」だけれど(一向否定はしない)、「通」ならば、やがてはシンプルな方、シンプルな方へと興味が向いてゆく。蕎麦・寿司・うどん――どんな食べ物でも、そんなものである。
バンズは北摂の名店ア・ビアント製。オニオンはグリルド。
§ §
と、好きなように書いたけれど、誤解無きよう付け加えておく……コノ店のベーシックなハンバーガーは、かなりおいしい。どうおいしいかについては、近々アップを予定している「本編」にて――お楽しみに！ (つづく)
→ 【スタンプラリー#23】 NICK&RENEE [大阪・桃山台] のカラミティ・ジェーン・バーガー
― shop data ―
所在地: 大阪府豊中市東豊中町6-1-11 たかみビル1F
北大阪急行 桃山台駅より阪急バス
「東豊中団地前」もしくは「熊野町西」下車5分 地図
TEL: 06-6857-0085
URL: http://nickandrenee.boo.jp/
オープン: 2009年9月22日
* 営業時間 *
平日: 11:00〜20:00(19:45LO)
土日祝: 10:00〜20:00(19:45LO)
定休日: 火曜日(※要確認)
