2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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また旅へ出た。最後に上げた記事から間5日ほどしか空いていないが、「少し休む」と書いたのは、ブログを更新せねばならない重圧からしばらく解放されたかったからである。もっと身を軽くして臨むつもりだったが、重たい仕事は依然抱えたままとなった。
午前6時09分渋谷発の山手線外回りに乗って、旅は始まった。
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赤羽(あかばね・東京都北区)で高崎線直通、6時37分発の東北本線に乗り換え。
高崎(群馬県高崎市)で今度は8時24分発上越線水上(みなかみ)行きに乗り換え。
私がする取材旅は全てに優先される大前提として"ハンバーガー"が常にその中心に在って、旅行中の胃袋はほぼ全て"ハンバーガー"のために空けておかねばならないような、毎度それくらい極端な覚悟が必要なものであるので、ハンバーガー"以外"の食べ物を口にする機会というのは、それこそ後々の胃袋の空き容量まで計算し始めてしまうと、まず滅多に無いのである。それが積もり積もった私の旅の不満だった。
だから今度の旅はなるべく旅らしい振る舞いをしようと決めていた。毎度食べたくても食べられない土地の名物・名産を当たり前に口にする、旅らしい旅がしてみたいと――それを今度の旅の目標にしていた。
さてここにわずかな接続時間が生じた。高崎と言えば名物だるま弁当。駅弁も毎度食べたくても食べられない「垂涎の的」のひとつである。
早朝5時前に家を出てからまだ何も食べていない。売店の前でしばらく考えた末、でも結局買うのをやめた。"思い留まる"クセの方が勝ってしまったのである。空腹のまま3両編成の上越線へ乗り込んだ。
高崎を発ってしばらくは平坦だった車窓の山並みは――。
進むにつれ次第に起伏を伴い――。
この列車の終点水上(みなかみ・群馬県利根郡)に着く頃にはご覧の山容。
初めて来た駅である。3年前「たんばらラベンダーパーク」のハンバーガーを取材した折、3駅手前の沼田(群馬県沼田市)までなら来たことがあったが、それより先は未知の世界だった。
高崎から乗った列車は水上止まり。9時47分発長岡(新潟県長岡市)行きの列車に乗り換える。
ここでも17分間の接続時間があったが、撮影に忙しく、何かを買ったり食べたりする気分的な余裕が湧かない。
なにしろここから先は私にとって本当に未知の世界なのである。路線図上では何度となく見てきた。しかし実際にはどうなっているのだかまるで知らない、未知の世界なのである。
というワケで人生初土合(どあい・群馬県利根郡)。
鉄道ファンにはお馴染みの秘境駅で、降りたが最後、次の列車まで2時間をココで過ごさねばならない、鉄道旅上の"難所"として知られる。
土合は新清水トンネルの中にある。現在は新清水トンネルが上越線の下り線、清水トンネルは上り線用に使われている。
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全長13,500m、国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。 (つづく)
2012.7.23 Y.M