2012年07月06日

【二ッ目!】 Tity Diner [埼玉・川口] のジェノバーガー




 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

§ §

 続いては埼玉・川口のもう一店、Tity Diner(ティティダイナー)。同じ川口に在った人気店「Spiders BURGER×PIZZA」の店長だった星丘さんが去年5月に始めた店である。

 音楽劇『カラミティ・ジェーン』ハンバーガースタンプラリーにも参加、アールグレイの茶葉を煮詰めたソースに細かく刻んだ鷹の爪を入れた「カラミティ=辛味+茶(ティー)」ソースを開発(笑)。オニオンリングを鎖状に繋いだ「ジェーン」ならぬ「チェーン」を添えた、ダジャレ尽くしの「カラミティ・ジェーン・バーガー」を披露、界隈をどよめかせた。

 ときに、川口と言えば吉永小百合主演『キューポラのある街』である。その劇中に登場する「川口陸橋」に今回初めて昇ることが出来た。



 1962年の撮影・公開当時と比べると跡形も無いくらいに、すっかり街の様子は変わってしまった。劇中のどこかの場面に出て来ていたろうか、「日本麦酒川口工場」も今は無くなってしまった施設のひとつである。


 調べると、1964年に日本麦酒から「サッポロビール」に商号を変更。2003年まで稼動していたと言うから、工場に関係する人たちはいまだ多く、この川口一帯に住んでいる。

 なのでサッポロビールに対する愛着も郷愁も、一際強い土地柄である……というワケで店主星丘さん、生ビールをバドワイザーからサッポロに変えた。あぁ、星丘の"星"はサッポロの"★"ですか! (笑)

 バーガー類12品+毎月2品のマンスリーバーガーで計14品のバーガーメニューの中から、「これからの季節にピッタリでは」――と星丘さん自ら選んだのがジェノバーガー¥850。ジェノバソースを使っているからジェノバーガー……またしてもダジャレ御免。バジルソース(ジェノバソース)にとろ〜りモッツァレラ&フレッシュバジルをトッピング。


 楕円形パティは豪州産140g。玉子やパン粉などの「つなぎ」が入り、そのため適度な甘味を持っている。同じイタリアンの系譜という点から見ても、兵庫・苦楽園口の「Flowers」とやろうとしていることが似ているように思う。コレを「グリルパン」で焼く。

 バンズは南浦和の名店「ロビンフッド」の傑作。いや、このバンズはなかなかの傑作だ。

 表面ツヤ無し。ケシの実が乗る。フランスパン地を使用と言うが、フォカッチャのようなザラリとした食感があって、そしてグルテンの切れが実に好い。パティ同様軽い甘味が感じられ、肉とゆるやかな甘味のシンクロを見せているように思えるのだが……砂糖一切不使用! ということはこの甘味は一体どこから? グリルドオニオンの火の通し方がまた絶妙。コリコリとしていて甘味あり。

 喉に来るような刺々しさが無く、キツからず遠距離射撃的に「ほんわり」と絡むバジルが、主役を邪魔せぬ実に好ましい存在感。コノ店でしか味わえない、アノ独特のパティの甘味がバーガー全体を絶妙にまとめ込んで、何とも後引く味。そして食事中は目立たぬが、食後に後引くモッツァレラチーズのゆる〜い旨味の妙。

§ §

 一言で評するなら「きれいな足し算」。ハンバーガーもまぁラーメンも、普通クセの強い食材を足せば足すほどまとめるのが難しくなり、まとまった結果も多少なりゴツゴツと無骨なカタチになってゆくものだが、その点このバーガーの足し算の仕方の何と優美で洗練されていることであろうか。

 パティの甘味を邪魔すること無く、その輪郭を際立たせるソースとバジルの足し算の巧さ。派手では無いが実にきれいな甘味が利いている。肉がおいしい。まぁでも星丘シェフにとってはこの程度の足し算・引き算、どうってこと無いことなのかも知れないが――。

 何にせよ川口のココ、ティティダイナーでしか食べられない味わいであることに間違いは無い。冷えた白ワイン辺りで涼しくゆきたい。  (つづく)




【スタンプラリー#19】 Tity Diner [埼玉・川口] のカラミティ・ジェーン・バーガー
# 271 Tity Diner [埼玉・川口]

― shop data ―
所在地: 埼玉県川口市幸町3-11-2
     JR川口駅東口歩7分 地図
TEL: 048-259-3230
オープン: 2011年5月3日
営業時間: 11:30〜15:00(LO14:30), 17:30〜24:30(LO23:30)
定休日: 火曜日(要確認)

2012.7.6 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:52 | TrackBack(0) | 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック